森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.07.04
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カテゴリ: 感情の法則
道元は次のような言葉を残している。

学道の人は、ものを言おうとする時、 三度考えて 、自分のためにも他人のためにも利益のあることならば言うのがよい。
利益がなさそうなときには言うのをやめるべきである。
(道元入門 角田泰隆 大蔵出版 226ページ)

これと同じようなことを森田先生も言われている。
土佐では3日間経過して腹立ちが収まらないようなら、それだけの理由があるのだから、そのときは正々堂々と議論を仕掛けてもよいという。

癪(しゃく)にさわるべき事は、大いに癪にさわらなければいけない。
何事にも刺激に対して、心の反応の鈍いものにろくなものはない。


夫婦喧嘩で口争いをした時でも、不快な腹立ちが急に落ち着くものではない。
これを強いて押さえつけようとすると、かえってますます苦しくなり、爆発する危険率が多くなるが、心の自然にまかせて、「なんとかしてアイツをやりこめる工夫はないか」と色々考えながら、用事をしていると、いつの間にか心は他に転導して、楽な気持ちになっている。
(森田全集 第5巻 748ページ)

腹立ち、怒りなどのネガティブな感情は、勢いにまかせてすぐに表出させてはならないと言われている。
つまり感情と行動は別物と考えて対応しなさいと言われている。
少し我慢して時間の経過を待っていると、ネガティブな感情はいかようにも変化していく。時間によって感情が沈静化してくるのです。
売り言葉に買い言葉では、後悔あとを絶たずということになりやすい。

猶予期間をおくといろいろなメリットがあります。
感情が沈静化して冷静に考える状態になっている。
人間関係を破滅的状況に追いやることを防止できる。
心身に与える悪影響を最小限に抑えることができる。

癪にさわっても、第一段階は少し我慢する。ちょっと耐えることが肝心です。
短絡的な行動をとらなくてよかったということになるのです。

神経質者は不快感があるとすぐに取り除かないと、とんでもないことが起きてしまうと考えやすい。せっかちになって処理しようとする。
認識の誤りですが、本人はそのようには考えないのです。
こうしてみると、感情と行動をきちんと区別できるようになった人は、素晴らしい能力を身につけたということができます。


しかしたまには猶予期間をおいても腹立ち、怒りなどが収まらないときがあります。そのときは、我慢し続けてはいけません。
我慢し、耐え続けるとストレスとなって心身を蝕みます。
森田先生のおっしゃるように、いろいろと材料を集めて、自分の言い分を、冷静な時に、相手に向かって吐き出すことが大切になります。
そのために創意工夫をしなさいと言われています。
話し方、話のすすめ方、第3者を立てる、録音するなどです。
我慢し耐えるばかりでは、自分自身を心身ともに窮地に追いやります。





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Last updated  2022.07.04 06:20:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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