森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.07.25
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カテゴリ: 感情の法則
今日は森田理論の応用について私の体験をお話してみたい。

感情の法則を学習すると、感情は自然現象なのでどうすることもできない、
湧きあがってくる感情はそのまま受け入れていくしかない。
でも行動には意志の自由が効くと学びました。
ここはぜひとも生活の中で活かしていきたいところです。
コントロールできないことはそのままにして、コントロールできることに精力をつぎ込んでいくことです。

ではどうすればよいのか。
私は 役者さんの真似をすればよい と考えました。

上手な演技をする人は、感情は感情、行動は行動と分けて考えることができる人です。どんな感情が湧き上がっているか、周りの人は皆目見当がつかない。
怒っているのか、喜んでいるのか簡単には見分けがつかない。
でも腹の中はいろんな感情がうごめいているのです。

私もできるだけ意識して演技してみようと考えました。
上手に演技できた時は自分をほめています。
でもいつもうまくはいきません。でもそれでいいのです。
10回に2回~3回程度を目標にしています。
感情と行動と区別して取り扱うことができるようになった人は、森田では「感情取り扱い合格者」として認定するだけの価値があると思っています。

次に物事にはプラス面があれば、必ずマイナス面もあります。
神経質性格の私はマイナス面、ネガティブなこと、否定的なことばかり考える傾向があります。
過去にミスや失敗したこと、他人から非難、否定、叱責されたことは、しっかり記憶に残っています。

そういう傾向を元々持っているわけですから、マイナス面、ネガティブな面、否定的な面は、新しい出来事に対処する時、改めて考えなくても自動的に考えているので、検討をする必要はないということになります。

ではプラス面、ポジティブな面、肯定的な面はどうでしょうか。
これらは自動思考にはなっていないわけですから、これらはよくよく検討する必要があります。つまり、不安な問題に立ち向かうときに、プラス面、ポジティブな面、肯定的な面だけを考えていく習慣を作ればやっと釣り合いが取れるということになります。
バランスがとれてくるのです。普遍的な妥当性がある考え方になるのです。
これは森田理論でいうと、両面観、精神拮抗作用の応用ということになります。

今まで0だったものが1つでもできるようになるという経験をすることが大事になります。その際、具体的な体験を集談会で発表して、参加者の意見を聞いてみることが役立ちます。

次に私たちは白か黒かどちらかに極端に偏った見方や考え方を取りやすい。
森田では二分法的な考え方と言います。
たとえば仕事でミスをした。上司や同僚から非難・叱責された。
すると、もう仕事をやっていく自信をなくした。全てを投げ出してしまう。
自分は会社に迷惑ばかりかけるダメ社員だ。
もう会社の中で自分の居場所がなくなった。退職するしかない。
人間としても最低の人間だ。
こんな役立たずの人間は生きていも仕方がない。

誰でもするような小さなミスが、いきなり幼児並の破局的な考え方に発展してしまう。一生を左右するような大問題に発展するのです。
考えることが無茶で大げさです。論理的に飛躍し過ぎです。
自己嫌悪、自己否定の悪いスパイラルにはまっています。
「かくあるべし」が強く、完全主義、完璧主義が裏目に出ています。

白と黒の間にはグレーゾーンが存在しているのですが、それがあるということが見えていないのです。
100点でなければ、0点とみなすというのでは、苦しくなるばかりです。
国家試験などはおおむね60点取れれば合格できます。
ほどほどを認めるようにすることは大切です。
出来なかったこと、不足する部分よりも、できたこと、持っているものに注意や意識を持って行くことが肝心です。

私は症状については減点主義を採用しています。
症状で苦しんでいるときは100%症状の事ばかり考えています。
症状が治るということは、その割合が90%、80%・・・と下がってくることなのです。
治った10%、20%を喜べるようになった人は、そのうち症状は良くなります。そして症状以外のことを50%くらいに考えられるようになった人は、もう克服したも同然です。

行動については加点主義を採用しています。
症状で苦しい時は日常茶飯事が手抜きになっています。
森田理論を学んで実践課題をこなしていくと、行動力が回復してきます。
今まで0に近かかったものが、10%、20%・・・と増えてきます。
そして規則正しい生活、凡事徹底、仕事、家事、育児がなんとか回りだした人は多少なりとも神経症を克服した人なのです。

いずれにしても完全主義はいけません。息が詰まります。
自分で自分を苦しめるだけではなく、他人との人間関係が崩れてしまいます。
完全主義を克服するコツは、なんとか目的を果たしたことに目を向ける。
不十分な結果で終わることが常であると思っていれば、たとえ完全でなくても自分を許すことができます。森田では不安常住と言います。
少しでもできたことを大きく評価する。進歩しているのですから。
自分の能力や持っているもの、努力したことを素直に喜ぶようにする。





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Last updated  2022.07.25 06:39:52
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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