森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.01.03
XML
日曜日にNHKで「超進化論」という優れた番組がありました。
録画していなかったがNHK+で視聴できた。
第1回目は植物の進化を取り上げていた。
今まで植物は物言わぬ弱い生き物であると思っていたが、それは大きな間違いであることがよく分かった。

植物は音、温度、湿度、雨、風、水分、虫、病気などに敏感に反応していた。
柳の木にヤナギルリハムシが近づいて葉をかじっていた。
柳の葉は、有毒物質を作り出して精一杯抵抗している。
食べられている葉だけではなく、周りの葉にも有毒物質が作られる。
またその情報は他の柳の葉にも伝えられて、隣の柳も毒物を作り出していた。


またヤナギルリハムシを食べるカメノコテントウムシを呼び寄せるための物質を出していた。
カメノコテントウムシは目がよく見えないにもかかわらず、その物質に引き寄せられて害虫を食べに来ていた。
柳の木は昆虫の力を借りて自分が生き延びる仕組みを作り上げていたのだ。

また植物は他の植物と競い合って、光や栄養を奪い合っているものと思っていたが、それは間違いということが分かった。
植物同士助け合いの仕組みが備わっていたのだ。
植物は自分の根からチッソ、リン酸、カリウムなどの栄養物を吸い上げていると思っていたが、それだけでは限界があるそうだ。
実は植物の根には菌糸がびっしりとまとわりついている。
この菌糸が栄養分を吸い上げて、植物全体に栄養源を補給していたのだ。
さらに菌糸は土中に縦横無尽に伸びていて、他の植物と複雑に絡み合い相互扶助のネットワークを構築していた。

例えば森で巨木があると近くの幼木は日が当たらず成長しないといわれる。
実際には、巨木の根にまとわりついている菌糸が、幼木の菌糸に伸びていて、栄養分を補給して成長を助けていた。


冬になって落葉樹の葉が落ちてしまうと、今度は針葉樹が落葉樹の栄養分の補給をする。
植物同士は戦うばかりではなく、補い助け合うことで、お互いが健康で長く生き延びるための仕組みを作り上げているのである。

植物は動物のように自由に動くことはできないが、与えられた環境の中で精一杯生き延びようとしている。
自分一人だけではなく、協力し合ってみんなで長生きしようとしている。
人間は植物の共生関係から、人間関係の在り方を学ぶ必要があると思う。


現在その自然の営みに対して人間はどう対応しているのか。
現在地球上では週に9万ヘクタールの森林が消えているという。
森林伐採や焼き畑です。特にアマゾン流域の森林破壊がすさまじい。
将来的には豊かな森林が失われてしまう可能性が高い。

今のレバノンは砂漠地帯だが、元は立派なレバノン杉の森だったそうです。
人間の手によって、すべての木が伐採されて不毛の土地になったという。
一度破壊された生態系を回復させることは至難の業である。

今や人間の欲望が暴走して自然破壊に歯止めがかからない。
しかも世界の人口はどんどん増え続けて食料不足が深刻化すると言われている。
温暖化による気候変動、オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化の問題もある。
このままの状態が続くと人類が滅亡してしまうことにならないだろうか。

森田理論に「物の性を尽くす」という考えがある。
現在あるもの、自分が持っているもの、相手が持っているものの価値を再評価して、居場所や活躍の場を与えて、生き尽くしてもらうという考え方である。
人間関係の在り方や自然との共生の問題を考える際、基本となる大切な考え方だと思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.01.03 15:29:22
コメント(0) | コメントを書く
[森田理論の基本的な考え方] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: