森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.02.21
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カテゴリ: 感情の法則
普通人間は自分の欲望が暴走しないように警戒しています。
怒りなどのマイナス感情が暴走してしまうことも警戒しています。

問題は、ある程度まではがまんできますが、ついうっかりしていると、すぐに限界を超えてしまうことです。
一旦暴走を始めると、それを制御することが難しくなってしまう。
過剰な水をたたえたダムが決壊して大惨事をもたらすようなことが起きます。
その暴走が人の一生に大きな影響を与えることがあります。
シマッタとあとから後悔する前に、なんとかならないものでしょうか。

ロイ・バウマイスターとジョン・ティアニーが「意志力の科学」という本で、この問題を取り上げています。

この本によると、 自我消耗状態


自我消耗はそうやって人を二重苦の状態に陥らせるのだ。

意志力を弱めると同時に、欲望をそれまで以上に強く感じさせるのだから。
(意志力の科学 ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー インターシフト 44ページ)

ここで 自己消耗状態 というのは、例えば酒を飲んで、頭の活動が低下して、理性的な判断力ができなくなった時の状況を想定してもらうとよい。
セルフチェック機能が効かなくなるのです。
森田では人間には精神拮抗作用が備わっているといいますが、その機能が働かなくなるのです。不安や恐怖、違和感や不快感などに振り回されて、そちらの方で多くのエネルギーを使っていると、別の方面に向けるエネルギーが不足してくる。
その結果、酒に酔った時と同様に、自己消耗状態に陥るというのだ。
意志力 というのは、制御力、抑制力、冷静な判断力と読み替えると分かりやすい。

自己消耗状態に陥ると、元々備わっている制御力などが正常に機能しなくなり、欲望やマイナス感情が暴走してしまいやすい。
しかも始末が悪いことに、ブレーキが壊れた車が坂道を下るときのように勢いづいてしまうことが多くなります。

森田理論学習の中で精神交互作用というキーワードがあります。

そうなると他に振り向けるエネルギーが枯渇気味になっています。
この時の状態が 自己消耗状態 にあたると思われます。

あまりにも苦しいので、カンフル剤のようなもので、一瞬でも楽になろうとします。アルコール、ギャンブル、ゲーム、買い物、過食などです。

欲望やマイナス感情の暴走を食い止めるには、まず 自己消耗状態

「意志力の科学」という本では、正しい食生活が欲望やマイナス感情の暴走を抑制することに役立つという。意外な視点から警鐘を鳴らしておられます。
これについては明日の投稿とさせていただきます。





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Last updated  2023.02.21 06:38:56
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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