森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.07.14
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森田先生は、「人情から出発する」ことが大切だと言われています。

例えば父親が博打をしているところを見た子どもが交番に届け出た。
その為に父親が逮捕された。
いくら父親が悪いことをしていたからといっても、子どもは親をかばうのが普通である。博打をしていた父親を警察に通報するような子どもは低能者だといわれている。

高良先生も顔色の悪い人を見て、「あなたは肝臓がんに罹っているのではないか」などという不謹慎な発言は慎まなければならないといわれています。
それを私は正直なことを言っただけのことだと思っているとすれば問題だ。

以前食中毒問題を起こした会社の社長が、テレビで「私はこの問題で、夜も寝ないで対応しているんですよ。そんなに厳しく追求しないでください」とつい本音をもらしたところ、大ブーイングが起きたことがありました。
その気持ちは分かりますが、被害者のことを考えていないことがばれてしまいました。

これと似たような話は、森田を学習している人でもよく見かけます。

そのことに本人が気づいていない場合があります。
今日このテーマを掘り下げて考えてみました。

私達は森田理論を学習して、湧き起こってくる感情は自然現象なので受け入れるしかないと学びました。
マイナス感情にきちんと向き合うようにしましょう。
是非善悪の価値判断をしないように心がけましょう。
つまり感情に対しては「あるがまま」に受け入れましょうというわけです。

さらに、湧き起こった感情に対して素直であることが大切だ。
マイナス感情に対して、抑圧したり、ごまかさないことが肝心である。
ネガティブ感情を捻じ曲げたり、押さえつけることはよくないことだ。

これは一見文句のつけようのない考え方のように思えます。
はたしてこの考え方は問題ないのでしょうか。


またやりくりできないし、無駄な努力に終わります。
私はどんな感情でも池のなかを泳ぐ鯉のようにできるだけ自由に泳がすようにしています。

次に「新版 森田理論学習の要点」にも書いてありますが、 感情と行動は別物 という考え方をとる必要があります。
天ぷらを揚げている中に水滴を入れると、油と水が激しく反応して極めて危険です。

人間関係に問題を抱えている人は、沸き起こった感情のままに行動していることが多いと思います。
これは意識して取り組まないと身につけることはできません。

さらに、その時その場で適切な行動を選択して即実行に移す。
相手が心証を悪くすることが予想される場合は、その発言を控える必要があります。悪びれることなく平気で口にしてはいけないのです。
それは分別の区別がつかない幼児のすることです。

森田ではどんな人間にも精神拮抗作用が標準装備されていると説明されています。
これがない人は双極性障害が疑われます。
あるいは深刻な依存症に陥っている可能性があります。
湧き起こってきた感情には正直であるべきだという「かくあるべし」に取りつかれている人は、相手の気持ちを無視しているのです。
自分がそんなことを言われたらどんな気持ちになるかを考えてから発言する必要があると思います。そうすれば相手の気持ちを逆なでにする不用意な発言が減ってくるはずです。

森田先生の「人情から出発しなさい」というのは、適切な行動のところで出てくる話なのです。感情を捻じ曲げて相手に媚びなさいと言われているわけではありません。





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Last updated  2023.07.14 06:48:19
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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