森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.08.01
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カテゴリ: 感情の法則
昔海外に単身赴任する人がいた。海外赴任が珍しかった時のことだ。
羽田空港に会社や家族の人たちが見送りに来ていた。
ところがその輪の中に肝心の奥さんがいない。
実は空港まで見送りに来ていたのだが、その奥さんは赤面恐怖症だった。
自分の姿を見て、見送りに来ていた人が変に思うに違いないと考えた。
そんなことになれば、夫に迷惑がかかる。
自分だけならよいが、夫の評判を貶めることには耐えられない。
そのように思い込み、見送りの輪の中に入らなかったのだ。
その願いはみんなに伝わることはなかった。

そして奥さんのその時の行動は会社内でうわさになった。

この奥さんは、神経症に振り回されています。
赤面恐怖症を理由にして、その時見送りに来た人たちへ感謝やお礼の言葉がけをすることを忘れてしまいました。これは森田でいう気分本位な行動です。

気分に振り回されて、大切な本来の目的を回避してしまうことはよくあります。
太っている、ハゲである、どもりである、体が震える、書痙である、容姿に自信がない、会食恐怖などがある場合である。
その他、しんどい、面倒だ、気が乗らない、疲れている、怖い、不安だというような気分に振り回されることもあります。

私は突然親戚の葬儀があったとき、会社に休みをもらうことが言いだせなくて、妻に代行してもらったことがあった。その後親戚から非難の嵐だった。
同様のケースの人に聞いたところ、そういう急な休みをとる場合は、その穴埋めとして土曜日に振り換え出勤すればよいということが分かった。
私の場合は、最初から断られるのが分かっていると決めつけていた。
断られることに恐怖を感じて、後で取り返しのつかないことをしてしまったのだ。
その後悔はいまだに尾を引いている。


どんなに心が拒否していても、約束したこと、常識的なこと、取り組む必要があることから逃げてはならない。
しんどそうだ、疲れている、めんどうだ、気が変わった、やる気が出ない、怖い、不安だという気分を優先して、本来の目的から逃げてしまうと、一時的にはほっとするが、後で暇を持て余し後悔することになる。
そして他人からの信頼感は地に落ちてしまう。
どんなに気分が悪くても、必要な時に、必要なだけの最低限の行動を心がけることが肝心である。
行動しているうちに不快な感情が変化してくることはいくらでもあると心得ることである。






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Last updated  2023.08.01 06:20:09
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