森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.01.03
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恐怖突入をどうとらえたらよいのでしょうか。
症状に振り回わされている人に、どんなに苦しくてもその時その場で必要なことに手を出していくことだと言われています。

不安神経症やパニック障害の人は、このやり方で乗り越える場合があります。
認知行動療法では、乗り物恐怖や卒倒恐怖の人に対して、その不安をいくつもの階層に分けて恐怖突入させます。これを暴露療法と言います。
例えば、不安発作が怖くて特急電車に乗れないという人に、普通電車に乗ることから慣れさせていきます。最初は付き添いの人がいる。慣れると自分一人で行う。
最初は家から出る。駅に行く。各駅停車の電車に乗る。急行電車に乗る。
小さな恐怖突入を繰り返して自信をつけさせていくというやり方です。
何度も繰り返していると、不安が和らいでいく。
恐れていたことは何も起きなかったという経験を積み重ねていく。


強迫神経症の人は、そもそも不安や恐怖が得体のしれない化け物のように大きくなり、体に張り付いている。
逃げれば逃げるほど不安や恐怖に追い掛け回されている。
そんな状態の人に、症状には手を付けないで、恐怖突入しなさいというのはハードルが高すぎると思います。
実際にはできません。ですから別の方法をとった方がよいと考えます。

その方法は外相を整えるという方法です。
考えてみると、症状で苦しんでいるときは、日常茶飯事を親や配偶者に依存している場合が多い。
最悪依存できない場合は、その状態のままで放置されていることが多い。
後片付けが放置されて部屋が散らかりゴミ屋敷状態になっている。
食器の後片付けもしていない。毎日風呂にも入らない。洗濯もしない。
食事を作らない。食事はもっぱら外食、ファーストフード中心という人もいます。
そして思いつきの行動が多くなり、規則正しい生活とは程遠い。


規則正しい生活に戻していく。
日常茶飯事から逃げないようにする。丁寧に取り組む。
神経症が治るということは、最初は症状のことで頭の中がいっぱいですが、日常生活を立て直すことで少しずつその比重が落ちてきます。
その緩和された部分が神経症が治ったことだととらえるようにする。

強迫神経症の人は、規則正しい生活、凡事徹底に取り組むことで、症状以外のことを考えられるようになると、タマネギの薄皮を剥がすように少しずつ良くなっていくはずです。

そんなことに取り組んでも強迫神経症はよくならないという人もいます。
規則正しい生活、凡事徹底に取り組むことは、回り道のようですが、考える以上に大きな効果があります。ぜひ実践で確かめてみて下さい。





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Last updated  2024.01.03 07:46:30
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