森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.05.16
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阿部亨先生は、人間関係には「車間距離」が必要だと言われています。
車を運転しているときに、前の車にぴったりとくっついていると、前の車が急ブレーキをかけたときに追突してしまいます。
特に高速道路では、仮に前の車が急ブレーキをかけても、衝突を回避できるだけの車間距離をとることが必要です。
(森田療法ビデオ全集 第4巻 悩める人への生きるヒント 阿部亨 参照)

これを人間関係に応用すると、特定の人に絶えずぴったりと寄り添うというのは考えものだということです。
おしどり夫婦、無二の親友という状態は、とても響きの良い言葉ですが、それぞれの人間が意志や欲望を持っている限り、対立することは頻繁に起こりえます。
その時相手に追随してピッタリ寄り添っていると、相思相愛の人間関係が、顔も見たくないという犬猿の仲に変わってしまうことがあります。
利害が一致するときは共に行動し、対立したときは距離を置くようにすることが大事になります。

人間関係のコツは「人間」という字が教えてくれています。

これは自動車でいえば、ハンドルが過敏に反応しないように「あそび」があるようなものです。緩衝帯が全くないと事故につながるので危険です。
人と人との関係はくっつきすぎても離れすぎてもうまくいかない。
くっつきすぎると支配・被支配、過保護、過干渉、共依存の関係になりやすい。
離れすぎると孤独になり、一人寂しく生きていくしかなくなります。
この人間関係作りは、森田では「不即不離」といいます。

桂歌丸師匠曰く。
「間」のいい落語家は、つまらない噺をやっても受けるが、「間」の悪い落語家はどんな面白い噺をやっても受けない。
厄介なことに、弟子に噺を教えることはできますが、「間」を教えることはできない。私なんか、本当に「間」ができたのは、40歳を過ぎてからでした。

北野たけしさんは、人間関係で「間」をはずすと、「魔」がその場をぶち壊しにすると言われています。
人間関係の車間距離をとることがとても大事になるということだと思います。

人間関係は必要なときに、必要に応じて、必要なだけの人間関係を心がけることが肝心です。親しすぎる人間関係も離れすぎる人間関係もどちらも問題がでてきます。森田でいう「不即不離」を活用すると人間関係の悩みは軽減できます。





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Last updated  2024.05.16 06:31:08
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