森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.01.17
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料理家の道場六三郎氏のお話です。

20代前半の時に、勤めていた神戸のホテルで板長から酷いいじめにあったことがあります。
調理場の準備はどんなに急いでも2時間かかるのに、開店1時間前まで中に入れてもらえないとか、「遅いぞ、ボケ」と怒鳴られ、殴られたり蹴飛ばされたり、作った料理をひっくり返される。

辛くて心が折れそうな僕を支えてくれたのは両親の次の言葉でした。

​「石の上にも3年」​​ ・・・いったん家を出て行ったら、石にかじりついても我慢しろ。決して音を上げるな。
これが神様が与えてくれた試練なのだから、逃げずにとくかく頑張ろうと思っていた。
いじめや理不尽にへこたれずに毎日朝6時から夜11時まで一所懸命働きました。
すると板長の態度が変わり、僕のことを認めてくれるようになりました。

​「鴨居と障子」 ・・・何も分からないうちは我を出してはいけない。

それが合わなくなれば、障子の枠を削る。上の鴨居を削ることはしない。
鴨居とはお店のご主人で、六ちゃんは障子だ。
だから修業とは我を削っていくことだよ。
(致知 2024年5月号)​

武道で「守離破」ということがあります。
「守」の段階は、師匠からどんなにダメだしされても、それに耐えて素直に師匠の指導を受け入れていくことです。
「守」の段階は、「師匠の言動や指導法は自分のプライドが許さない。どこまで自分のことを馬鹿にすれば気が済むのだ」と反発してはいけないのです。
ここで躓いては、決して次の段階にすすむことはできないのです。
技を磨いで高みに到達することはできない。森田も同じです。
疑心暗鬼な気持ちを持ちながら、素直に行動に移している人が、森田的な生き方を身に着けています。

師匠が赤い球を指さして、黒だといえばそれは違いますと言ってはいけないのです。


三味線のお師匠さんが言っていました。
三味線の世界で大きく伸びる人は、手先の器用な人や音感の優れた人ではない。
伸びていく人はただただ素直な人である。
素直でコツコツ努力する人は能力のある人を越えていくのが真実なのです。





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Last updated  2025.01.17 06:20:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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