森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.01.31
XML
生活の発見誌2024年12月号から森田先生のお話です。

神経症が治った人を見て、自分も早くあの人のようになりたいと思う人はすぐに治ります。
この気持ちは「うらやむ」ということです。
自分もそのようになりたい、その人の真似をしたい、その人を見習いたい、少なくともその人の声咳にでも接したいということになる。
それによって自然にその人の感化を受けるようになる。
何かの因縁をつけて、その幸福感のお裾分けを受けたいと思うのを「あやかる」とかいいます。
それは誠に自然の人情であって、純なる心であります。
この心になると神経症もズンズンよくなります。

しかし、多くの人、特に神経質者はそのまま無邪気に済まされず、そこにさまざまの思想が働いて第一念に続発して、第二第三の考えが起こってくる。

あの人は頭がよいからとか病気が軽いからとかで、それで治りやすいが、自分は意志薄弱であり、病気が重い、あるいは先生の診断が間違っているかもしれぬとか、自分勝手の理屈をつけ、独りでひねくれて、治療に反抗し、わざわざ自分で治らなくしてしまいます。

私にも似たような経験があります。
私は家庭菜園をやっており、しばしば集談会で作業内容について説明しています。
またその様子をA4の写真に拡大して紹介しています。

これを聞いて敏感に反応する人がいます。
市民菜園に申し込んで自分でも野菜作りを始める人が出てくるのです。
ベランダでコンテナなどでミニトマトを作り始めた人も出てきました。
これが発展して、草花を育てたり、盆栽作りに挑戦する人も出てきました。
小動物を飼い始める人も出てきました。
こういう人はどちらかというと神経症のとらわれも軽減しています。
症状の話よりも、生活や仕事上の悩みや、趣味や習い事の話が多い。


買った方が安上がりではありませんか。
野菜をつくる畑がないので私には無理です。
手が土で汚れるようなことはしたくない。
破傷風になったら取り返しがつかなくなる。
雑草の処理や病気や害虫の防除は大変でしょう。


森田先生が入院中、お見舞いに訪れた先生方がお互いの似顔絵を描き始めたという逸話があります。
その時一人の先生が「絵は苦手だ」といって似顔絵書きに参加されなかった。
すると森田先生はそういう態度では、立派な医者になることはできませんと一喝されました。
あまりの剣幕にその場の和やかな雰囲気が気まずくなったそうです。
下手とか上手だとかにとらわれず、みんながやっていることに素直に従ってみることは、案外症状から解放される近道なのかなと思っていますが如何でしょうか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.01.31 06:30:00
コメントを書く
[森田理論の基本的な考え方] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: