森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.06.23
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羽生結弦選手は ​「努力はウソをつく。でも無駄にはならない」​ という言葉を残されている。この言葉を森田理論で考えてみたい。

​​ 「努力はウソをつく」の意味 ​​
誰よりも練習して努力したことが、必ずしも思惑通りの成果や成績につながるとは限らない。
本番で緊張してしまった。体調が万全ではなかった。道具に不備があった。
滑走の順序に問題があった、リンクの状態がよくなかった。
アウェイで心理的なプレッシャーを受けた。
対戦相手がミスなしで自分以上の圧巻の演技をした。

本番ではちょっとしたことで、微妙な狂いが生じます。
それがそのままパフォーマンスの優劣として出てしまいます。

これだけ努力したのだから何とか勝たせてもらいたいと念じてもどうにもならない。勝ちたい、勝たせてもらいたいというのは主観的事実だと思います。
主観的事実だけで物事を考えて実行していると期待を裏切られることが多くなります。
それは注意や意識が勝たねばならないという結果に向けられるために、前頭前野が不安をあおり心身が金縛り状態になってぎこちない動きになるからです。

「でも無駄にはならない」の意味 ​​
結果至上主義ではなく、森田理論でいう「努力即幸福」という考えに立つと心のゆとりが出てきます。
たとえ期待しているような結果が出なくても、徹底した練習を繰り返すと、経験、知識、能力、精神力、忍耐力を養うことができます。
目標に向かって努力したという事実は、結果にかかわらず自己肯定感や自信を育てます。
仮に敗北しても、改善点や修正点が見つかれば、次の目標が明確になり、さらに意欲に火がついて、モチベーションが高まります。
また献身的に練習を手伝ってくれた人、精神的、経済的に支えてくれた人たちに感謝の気持ちが湧き上がってきます。
一所懸命に目標に向かって努力する姿は周囲の人に感動を与えます。
その人たちの声援や応援をうけてさらに飛躍できます。

私たちは労力、お金、時間をかけて努力したことは、性急に成果や見返りを求めます。成果や見返りが不確定なときはしり込みしてしまいます。

リスクを犯して挑戦しても、失敗でもすれば投入した労力、お金、時間が無駄になってしまうと考えてしまう。
敢えてリスクを犯して挑戦するよりも、今現在大きな不満がなければ現状維持で我慢した方が得策だと考えてしまう。
そして何もすることがなくなり暇を持て余してしまう。
その隙間を埋めるために刺激的、刹那的、享楽的なものを見つけてのめり込んでしまう。

森田では自然に湧き上がる感情や気分は「主観的事実」と言います。

湧き上がった感情や気分のままに行動するといろんな問題が出てきます。

森田では「主観的事実」に対して、「客観的事実」があるといいます。
二つのバランスをとることが必要ですが、ともすると「客観的事実」のことを無視しがちになります。
「客観的事実」に気づくためには自分の中にもう一人の自分を作る必要があります。自分の分身、相棒のようなものです。
私は自分専用のアナウンサーと呼んでいます。
ネガティブな思考や感情が沸き起こってきたとき、自分の専用のアナウンサーに現場に急行させて実況中継させています。
これをすると、少し冷静になり、客観的に分析、検討、洞察できるようになります。森田理論ではこのことを自覚(気づき)を深めるといいます。
行動は、主観的事実に基づくよりも、客観的事実に基づく方がよい結果につながることが多いようです。





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Last updated  2025.06.23 06:38:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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