山行・水行・書筺 (小野寺秀也)
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昨年四月から終活を始めて、1年以上経った。予定外の腎ネフローゼ症候群の発病というアクシデント(?)もあったが、闘病もちゃんとした終活の一つにするということで気持ちだけは持ち直した 「病気にもかかわらず」と言うべきか、「病気になってなおさら」と言うべきかわからないが、終活は順調で忙しいと思えるくらいの勢いで暮らしてきた(と私自身は思い込んでいる)。ところがここ十日ばかり、少し時間が空くと「退屈だ」と思うようになってきた。酷暑ということもあって、昼日中は外に出ないということもあるが、終活が偏っているということもある。【カメラ】 いま、一番はまっていて時間を割いているのは、間違いなくカメラである。4月から6月までは月一度の小旅行に出かけ、その都度大量の写真を撮ってきた。写真の整理はかなりの時間を食うし、取捨選択のうえ、ネット上の二つのカメラ愛好グループに投稿する。山野の風景、市街の様子、夕焼けや夜景などと分けると一回の旅行の写真では20回ほどの投稿になるのでそれなりに忙しい。 日々の散歩は同じ場所なので一時はカメラを持たないで出かけていたが、最近は同じ散歩道でも天候やレンズ次第で様々なヴァリエーションを持つ写真が撮れることが分かって、撮れる写真は増えるばかりである。 そのうえ、これまで撮ったことのないポートレート写真を撮ってみたいと思い立ち、国立西洋美術館の展覧会を見に行った折に、上野恩賜公園を撮影場所に設定して妻のポートレート写真を撮った。これを「79歳がとった79歳のポートレート」と題してネットの写真グループに投稿したら、驚いたのかあきれたのか判然としないがけっこう反応があった。何人かからは励ましのようなコメントも届いて、「妻のポートレート」という分野も続けざるを得ないのである。 こうして今は、終活はカメラに関わっていることが多い(多すぎる)。【庭仕事】 終活を始めたときに一番最初に体を動かしたのは、庭仕事である。まず、西側の隣家との間のフェンスに3本のつる性の花木を植え、狭い通路には日陰に強い草花を植えて、これは順調に育っている。 西側の広瀬川堤防の間には垣根がわりに椿を植えているが、その堤防側の椿の根元に季節の花が咲くように球根やなんやら背の低い草花を植えて、堤防を散歩する人楽しんでもらおうと思っている。これは7割がた完成に近くなっている。 東の庭も南の庭も狭いので、去年と今年でほぼ満杯状態になって、これからは改良をどうするかが課題になっている。庭仕事は順調なのだが、この夏は日中に作業ができない。一昨日と昨日は朝4時半に起きて1時間半ほど雑草抜きをした。これは珍しく妻も一緒に起き出して手伝ってくれた。 庭仕事という終活もまぁまぁ順調である。草取りには終わりがないというのが辛いが………。【台所仕事】 三食の食事を作るというのも終活の一つで、毎日やっていると終活感がなくなって義務のような感じになって嫌になることもあるが、まずまずこれも順調である。水曜日に一週間分のレシピを作り、印刷したレシピを妻に渡して意見をうかがい、木曜日に一週間分の食料の買い出しに出かける(木曜日は生協の高齢者サービス日になっている)。 レシピ作りも最近は30分もあれば一週間分を作れるようになった。スマホには材料別のレシピが山のように入っているので、スマホ片手にパソコンでレシピを作るのである。この終活も順調と言えるだろうが、順調でないと飢えてしまうので困るし、さぼれない終活というのもなんか変な感じがする(私にとって終活は趣味と同義なのである)。【山歩き】 今年は春先から初夏まで6回ほど山に入った。1000mを越える標高までいって花の写真を撮るという山歩きは、実に楽しい。今では頂上直前でもあっさりと引き返すという年寄りの知恵もある。無理をしつつ無理はしないという極意が見えてきた、などと妻に自慢しているほどである。 次に行く山もいくつかあって下調べも済んでいる(もっとも若い時に何度か登った山ばかりだが)。【釣り】 今年は、釣りを一度もしていない。春から初夏まで山、旅行、庭で釣りにかける時間はなかった。若いころ失業するのではないかと周囲が心配するほどやったので、あまり釣りに飢えるということはなくなっていて、終活の順位は低いらしい。 夏は鮎釣りの季節で、昨年は8月中旬に3回ほどわが家の前に広瀬川に入って、わが家と隣近所で食べる分は釣ることができた。7月1日解禁のアユ漁だが、8月半ばには鮎はそうとう大きく成長するのである。 今年も大きな鮎を釣ろうと8月まで待っていたのだが、酷暑で川が渇水し、鮎の餌となる石苔が腐ってしまい、鮎が成長できずにいる。県の内水面漁業の会議で、県内の河川の状況報告があったが、どの川もよくないのだった。その会議の席で、私は自分のアユ釣りを諦めてしまったのである。小鮎といえども秋には成熟して産卵に参加できるだろうから来年の遡上に期待するという気分もあったが、一方で、釣り人の大半は強欲だから小鮎でも何でも釣るだろうなとも思ったのだった。【闘病という終活】 これは、8月5日の診察日に医者が「ほんとうに順調ですね」と言ったほど順調である。ネフローゼ症候群の最大の病状は、尿中の蛋白質が異常に増加することである。健常者はその値が0~150mg/g・creなのだが、昨年7月の退院時には5000ほどだった。それが今年の4月には737、6月には169、8月には61と何とか正常範囲に達した。 こうした結果は薬の効果で、4月から徐々に薬を減らしていっているのだが、どうも先はけっこう長いようだ。4月には主要薬量が1日12㎎だったのが、10、9と減って現在は8mgである。0になるのはだいぶ先のようだ。 完治はしていないのだが、体調は発病以前と変わらない。入院でげっそりと落ちた筋肉量もほぼ回復することができた。 釣り以外の終活は順調というしかないのに、退屈しているのである。さて、どうしたものか。仙台城跡の朝と仙台展望(2025年8月8日)読書や絵画鑑賞のブログかわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)日々のささやかなことのブログヌードルランチ、ときどき花と犬、そして猫
2025.08.11
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