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いつものことで恐縮なのですが、常々楽しくないとぼやいてばかりいる松戸のお話をこれから書かなくてはならずーなんてことを言っていると嫌なら書かなきゃいいじゃないという声が聞こえてきそうですが、ここまで続けてくるとそう簡単にはやめてしまうこともなんだかもったいないなあという貧乏根性が首をもたげてくるわけです、やはり面倒に感じながらもこうしてちまちまとレポートをまとめるのでした。 まあ、そんな愚痴をこぼしてしまうのにはさらなる理由があって、お偉いさんの集まりに声をかけられ行ってみるとそこはチェーン店だったのでした。「鍛冶屋 文蔵 松戸店」で、西口を出てすぐを北に向かって数分歩いた飲食店ビルの2階にありました。チェーン店らしく小奇麗でハリボテっぽい飾り付けに紛い物っぽさを恥じらいもしない辺りはもはや堂々とした日本の文化となっているようです。実際いくらぼくが古い酒場を好きと言ってみても、理解してもらえぬどころか変人扱いされるのが常です。なんてことは正直どうでもいいことで、たまのチェーン店を楽しむしかありません。このお店、確かに生ビールとハイボールは安いことー税抜き180円ーは安いことは安いけど薄いのは、間違いない。ちかごろ酒に負けることの多いぼくてさえ生ビールの後で10杯はハイボールを呑んで全然平気だったのだから。まあ愚痴ばかり言っていてもしようがありません。肴も種類が豊富で、味も悪くなく、どこかの大手居酒屋チェーンのように国内産野菜を売りにしながらちっともうまくないどころかはっきりまずい店よりずっとよかったりするのでした。実はここにいて思ったのがチェーン店としては案外居心地の良い事もあって、ここはひとつ特筆すべきかもしれません。でもまあ独りじゃ絶対行かないけど。 続いては、ダイエー裏の「とり福」に行ってみました。そばには中国人の経営する現地風の味をそれなりに忠実に再現しているらしい、日本各地に増殖中の中華料理店もあり、そちらは何度か利用していますがこの古い枯れた趣の店は初めてです。結論を急ぐとここさり気ない構えで繁盛している風もありませんがなかなか良いのです。まず何より外観以上に枯れた風情がたまらなく渋い、店主夫婦もそれに負けぬほどの味わいがあるのでした。料理も奇をてらったところなどまるでないのですがー野菜炒めなど家でも作れそうでありながらきっとこの味は出せないー、とにかく何を食べてもなんたかうまいのてす。単品ではそれほどでもないのですが、定食類の利用がすごい。近所の水商売のお兄さんたちが4、5名でやってきてカウンターで無駄口などまるでないなか、黙々と咀嚼していく定食の量が凄まじい、あれは大盛りだったんでしょうがそれにしてもすごい。こうした連中が通う店は旨くてボリュームがあるというのは事実のようです。今度は昼飯時に来て定食にトライしてみようか。
2015/02/28
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知人ーっていうか端的に同僚と言ってしまってもあながち間違いではないのですがーて何人かの北習志野在住者がいるのですが、そのことごとくが北習志野にはロクナ酒場がないと口々に言うので、それに反発したということでもないのですが、そんなことはないだろうという気持ちで先日訪れて、想像以上に濃密な酒場感を堪能したばかりなので、これまもう一度は行ってみないわけには行くまいということで、熱の冷めぬうちに再び北習志野を訪ねることにしたのでした。特に根拠のあるわけではありませんが、一度その町に行っただけでは、当の町のことなどその片鱗しか見てはいないのだという経験ほくを動かします。 前回は繁華街のある東口を巡りましたが、 せっかくなので今回は西口をハシゴすることにしました。お誂え向きに立ち呑み屋がありましたので、ここからスタートすることにします。「呑」というまだ新しそうなお店でカウンターに加えて止まり木テーブルもパテーションで区切られたような個室感を感じられるよう設置されているため、グループでも利用しやすそうです。この夜は土曜日だったためか客の入りはあまり良くはありませんが、独りのオジサンたちに加えて近所で下宿しているらしい学生二人組もいたりして、広い世代に浸透しているようです。肴メニューも非常に豊富かつ安価であり、平日には多くのサラリーマンで賑わっているのでしょうか。この界隈には、企業らしきものはあまり見当たらないので、もしかすると都心から地元に帰ってきて帰宅前に寄っていく方が多いのかもしれません。まだ歴史が浅いようであまり味はありませんが、このまま長く続けられて風格が付けば、名店に化けることもあるかも。そこまでじゃないか。 駅の階段を下りその正面に薄暗い通りがあって、その先にもつ焼屋があることは立ち呑みに行く前にすでに確認してありました。こちらは2軒目のお愉しみに取っておいたのです。「関の家」という侘びしさの滲み出た味のあるお店で何とも魅力的です。くたびれ果てたかに思われるようなこのお店、ひとりで切り盛りする女将さんによると昭和58年の開店と思ったよりは歴史は短いようです。長いカウンターには客はぼく独りだけ、2卓あるテーブルのひとつには子連れの夫婦がおり、店でもこのひと隅だけは別世界のように明るく感じられます。郊外の町の裏通りの酒場で時折見かける風景です。卓上にはボールに盛られたキャベツが数席ごとに置かれていて、これは自由に頂いて良いようです。パリパリとキャベツを啄みながら焼物を待って一人黙りこくって呑むのは本当に至福の一瞬と言っても過言ではありません。もつ焼も旨い。こんな素敵な酒場なのに後から近隣に住む住人がぼくの友人と訪れた際、その友人がこの酒場で先に始めていたらしく、どういう理由からか店の女将さんと互いにすごい剣幕で怒鳴り合っていたそう!というのは後から聞いた話。これはどう考えてもぼくの友人に否があったはずと理由も知らずに女将さんを擁護したくなるのでした。それでもこの温厚そうな女将さんが、鬼のような形相を浮かべていたとはとても想像できませんがこんなやさぐれた界隈で女で一つ商売してきたからには、数々の修羅場をくぐり抜けてこられたのでしょう。
2015/02/27
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できるだけ機会を作るようにして可能な限り足繁く通おうと思っている酒場が何軒があって、それらの店はできるだけ初めて訪れた酒場の報告をモットーとしているこのブログでも度々登場するお店があることは、ごく少数と思われるのですが、飽きることなくー実はもう飽き飽きだったりしてーお付き合いてる方にとっては、その酒場がどのお店かなど周知のことなはず、でも今回の報告でそうした一軒を訪れたわけではなく、単なる前振りに過ぎないのは、話の切り出しにする口実に過ぎないのでした。マメに通うその一軒とは、池袋と言うにはいささか遠い、むしろ雑司が谷とか鬼子母神そばと云うのが適当な、「高松屋」のことであり、しかし先ほど行ったとおりにこの賛否両論の評価飛び交う酒場は話のきっかけに過ぎないのであって、要はここらへんはとにかく酒場が少なくて、いつもハシゴで向かう先に迷うのであって、そんな土地柄だけに新たな酒場ができると、それが意に沿うお店ではなさそうでも行ってみたくなるのでした。 そんな新しいお店の一軒が「PUMP craft beer bar(パンプ クラフト ビア バー)」です。店名どおりのビアバーで、洒落てるんだか、手抜きとも取られかねぬ素っ気ない内装ーガラス張りのオープンなところがおしゃれっぽいのかどうかは判断し難いところーで、まあ基本的に普段なら避けて通るところ。でも中に入ると案外居心地は悪くなくて、まあこれはこれでいいのかなと思わぬでもないし、ビールもあまり見かけないーってさほど銘柄に詳しいわけでもないーのが多くて、その中から呑んだことのない銘柄ーってこれまで呑んだ銘柄の1割すら覚えてはいないーを頂きました。お隣の客は店のお兄さんに質問攻め、その質問にお兄さんもぼくにとってはさほど興味のないウンチクをこれでもかと語ってみせます。近頃めっきりビールの炭酸に弱くなってワンパインとまで一銘柄を呑むのは辛い。銘柄を変えてもう一杯ハーフパイント頂くともう炭酸は結構となるのでした。 西口の闇市の時代のムードを辛うじて留め一帯の中に有名酒場「ふくろ」があるわけですがその南側の入口の脇に「中田屋」があることはあまり語られません。ここにも何度かお邪魔していて、一度このブログにも登場したかと記憶するのですが、食堂兼酒場として地元サラリーマンに強い支持を受けているようです。けして広くないとはいえかなり混雑していて、すんなり入れたのはラッキーでした。ここでどういうわけか上司のT氏が乱入。奥さんが不在で夕食を取りたいとのこと。さすれば早速呼び寄せることにしました。ここはカウンターがないので一人では気づまりです。なによりここで評価すべきは肴の盛りの良さということになるのですが、一人では持て余しそうな量もT氏がいれば問題なし。ポテサラやらウインナー炒めなんていうどうというわけでもないけれど酒場にあっては極めて魅力的な品で結局、もう一軒ハシゴした後、締めにはラーメンが待ち構えているのでした。
2015/02/26
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懐が寂しくて、職場を出遅れて今更乗り継いで勝手知らぬ町に出向いて呑むのも億劫だ、ということになることがまあ週に一度や二度はあるわけで、そんな時には、迷わず田端で下車することになります。田端であれば酒場に迷う心配などなくー迷うほどには酒場がないー、財布の中身を気にすることなく呑める酒場があるからです。そんなこんなで、田端で下車、さっと呑んで早めに帰ることにしましょうか。と、いつもの馴染みの酒場に向かってみると、その先に何だかあまり記憶に定かでないこぢんまりした田端らしい酒場があったのでした。 見た目もごく普通なので、じっくり眺めてみてもしょうがない。兎にも角にも店に入ることにしました。テーブル席には男女ペアとおばちゃまグループ6名ほどで賑わっています。3席ばかりのカウンターに腰掛け、ふと卓上を眺めると箸袋に「ふじき」とあります。これが店名のようです。カウンターの端には開店祝いの立派な花が飾られているので、やはり最近で来たばかりのようです。が、どうも既視感が脳内でふつふつとしているので、取り急ぎホッピーを注文して、いかにも酒の強そうな金髪頭の女将さんの手が空くのを待ちます。いつもの調子でジョッキにホッピーを手慣れたもんで、視線は女将さんの様子を窺いつつ注いでいると、どうも後頭部がムズムズします。そっと振り返るとお客さんみんながこちらをじっと観察しているではありませんか。何事かと努めて冷静を装いながら呑んでいると男女ペアもおばちゃまたちも呑んでみようかしら、一体あれは何なのかしらとにわかに盛り上がりを見せ、ぼくにもそれはどういうものなのとか矢継ぎ早の質問攻めとなり、覚束ない記憶を頼りにうんちくを語ってみせたりしたのでした。見た目こそハードな女将さんも明るくていながら言葉も丁寧で、肴として頼んだコロッケとイカフライ盛合せー300円はお得ーもちゃんと手作り、菜の花のお浸しやふき味噌などもサービスしてくれる心遣いが嬉しいのでした。ところでこちらのお店、以前は「藤喜」として営業していたもののー道理で見覚えあるはずです、一度お邪魔したことがありますー、元の店主が忙しくなったので引き継いでからまだ一ヶ月ほどであるとのこと。代替わりして良くなったみたい。ちなみに今の女将さんは全くの下戸で一滴の酒も呑めないとは、つくづく人は見かけによらぬものです。にわかに人気者として扱われ、おばちゃまたちとの交流も楽しくなってきましたが、続きはまた今度にしていつもの酒場で一杯頂いておくことにしましょう。 「立ち飲みスタンド 三楽」のことを今更にグズグズと書いても詮無きことながら、たまにはご報告しておかないとならぬと、店のお母さんー実の母よりも数倍顔を合わせているはずーはそっとしておいて欲しいということを知ってはいますが、少しでもこのお店の素晴らしさを刻み込んでおきたいという、正に自分のためだけの記録であります。いつもの顔ぶれと会釈を交わして空き場所を探し、その位置によってはコートを引っ掛けるーフックに近い場所や荷物おきになる棚がなければ着たまんまーといういつもの一連の作業を終えるとこれまたいつものチューハイを注文して黒板に目をやります。さして代わり映えしない肴から、迷いに迷ってーこの季節は定番のぬか漬も寒いこともあり敬遠しがちーようやく一品を見繕います。しばらくはテレビを眺めたり、スマホで所要を済ませたりのんびり呑みながら、2杯目を半分過ぎまで呑み進むとまたもや迷いに迷っておでんにいったりするわけです。その頃には軽く良いも回ってきて目の合ったご常連や時にはお母さんと雑談となり、3杯目に突入、盛り上がり次第では、あと1、2杯と禁を破ることになります。こうしたことをもう何度となく繰り返しましたが、まだまだこれからもずっとマンネリを続けたいと願うのでした。
2015/02/25
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へんちくりんなタイトルになったのはコンピュータ勝手にそう変換してしまったからだけであって、特に深い意味などないのでした。それはともかく十条って下町風の雰囲気や隣町の東十条の酒場の充実ぶりと比較するとぐっと酒場の充実度という点では見劣りしていると言わざるを得ません。それでもあの名店を訪れるためには、そう時をおかずに訪れたくなるのでした。その酒場は語るまでもないし、ここでも何度かは登場しているはずですが後ほど飽きもせず登場してしまいます。 いきなり名店を尋ねるのも風流からは程遠い振る舞いです。まずは未訪店を訪ねることにします。しばし駅前を散策してみると早速に新しいお店が見つかりました。「やきとん 壱ノ宮」というお店でしたが、ここって行きそびれてはいたものの以前板橋駅そばにあったはず。店内の客席の造りはかなり入り組んでいて、文章で表現するにはやや難があります。難があるからそれは放置することとして、結局われわれーああそうか、この夜は久方ぶりにT氏(上司ではなくいつものお友達)ーが、ご同行。もう両者ともにさっさと一杯引っ掛けたいという心持ちであるのと同時に、すぐさま名店に立ち寄りたいという気持ちが先走ります。今時の雰囲気に早々とうんざりしながらも、次々と入ってくる客たちの表情はウキウキとしており、開店して早くも地元の方に愛される酒場の一軒として認知されているようです。味も悪くはないのですが、いかんせん元気すぎるのが難点。酒場はあまり元気過ぎない、と言うよりむしろくたびれたぐらいには不健康なのがちょうどよいのではないかと思わずにおれないのでした。ただ、以前のお店引き継いだ妙ちきりんな店の間取りは結構愉快で、席を決めずに店内を動き回れたら楽しいのになと思いました。 当然「斎藤酒場」に立ち寄らぬ訳にはいきません。ここのことについてはあれこれと述べるまでもないので、横着してあえて何も語らぬこととします。あっ一つだけ、ブログを書くようになってぼくが写真を取ることをひどく嫌ったT氏であるのにどういうものだかこの夜は非常に穏やかに店内さえ取らなければ良いらしいよという助言をくれたのでしたが、このところますます酒の効き目が如実に現れるようになったT氏の記憶はすでに朧気となっていることでしょう。この名酒場で、それは望むべくもない贅沢であるのでしょうが、ここを訪れるたびに同じような夢想に耽るのが常となっています。われながら悪趣味な想像で、太田和彦氏の旧著にまだ客の入らぬ名酒場の写真が収録されているのがあって、叶わぬ夢とはいえその写真のイメージの中に入り込んで呑みたいと願わずにおられぬのでした。この酒場ではついつい日本酒、それもにごりなんかを1杯2杯と重ねてしまうことになるのでした。
2015/02/24
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膨満感に呻きながら、これを解消するには兎にも角にも歩くしかなかろうと蘇我駅に引き返す気力もなくひたすらに本千葉駅方面へと西へ西へと歩くのでした。ところが道程は単調で立派な自動車道を何も考えないようにことさら努めながら進んでゆくとやがて古いビルの奥に喫茶店がありました。当然そこには立ち寄ったのですが、その話は喫茶篇で。そこから本千葉駅はさほどの距離はありませんでした。 目当てのお店は、「ジャズホルモン 八平」でした。酒場放浪記でそれほど前の放映ではなかったはずです。住所を手がかりにひたすらに歩き回ってみたもののそれらしき店は見つからぬ、やむを得ずスマホを駆使して情報収集してみたところ何たることか先だって閉店したようでした。激しい徒労感を覚えながらも、突如雨が降ってきたので、とりあえずどこでもいいから避難しなければならなくなりました。 そんなこんなで飛び込んだのは、「居酒屋 すずき」でした。むりやり飛び込んだかのような言い方になってしまっていますが、それでも実は案外ぼく好みの枯れきった酒場で、正直わくわくして入店したのでした。入ってすぐにはカウンターが2席っきり。その一席はオヤジが占めているので、そのお隣に。そこは小上がりに腰をかけるようになっていて、何とも窮屈な感じ。その小上がりも1卓だけでオヤジ4人がやはり窮屈そうに詰め込まれているのでどのみちぼくはそこに腰掛けるしかなかったのでした。取り急ぎ酒を注文すると、女将さんは、カウンター越しに目と鼻の先と狭小酒場の体です。隣のオヤジがやおら立ち上がるので何事かと思うと、なんでもないようにカウンターに回り込みます。どうやらこの店の主人だったようです。まるで自宅で飲んでいるかのような気のおけなさで、女将さんとは急な雨のことやお決まりのなんでうちに入ったのやら取り留めない会話が1日ほとんど会話なく過ごしてきたぼくには、そのどうでもいいやり取りが心地よく感じられるのでした。こちらてはほぼ毎晩のようにこの同じメンバーで似たようなやり取りを繰り広げるのでしょう。それでも突然の闖入者に全く動じる風もなく受け入れてくれるはずです。 表に出ると雨が降ったことなどまるで酔っぱらいの思い違いであるとでも言いたげになっています。気分の上がったぼくは急に欲が出てもう一軒寄ってみることにしました。しばらく駅前の繁華街と呼ぶほどでもない一角をひとしきり歩いてから、もっとも意に沿うお店に思えた「あぶくま」にお邪魔することにしました。テーブルがメインで、カウンターは5席ほどのお店ですが店内はお客でほぼ満席です。先般伺った北習志野のとある居酒屋さんと似たような雰囲気のありがちですが、ここまて人気があるからには、相応の理由があるはずです。カウンターの隅っこで再び独り静かに杯を傾けていると、都心から1時間にも満たぬ時間で辿り着ける町であるにも関わらず、はっきりと旅情を感じます。ほとほと旅は遠ければいいというわけでないことを思います。特別変わった品があるわけではありませんが、肴は丁寧に料理されていることが感じられ、好感が持てます。だからこそ人気があるんでしょう。 結構、くたびれていますが今更列車に乗るのも悔しいので歩いてホテル方面に向かいます。まだ千葉では寄りたい店があるので、ここでくたびれているわけにはいきません。
2015/02/23
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もうあまりにも随分前の事のように思われて記憶も危うげになりつつあるのは単なる加齢であればいいものの、なんだか日頃の不摂生のせいかと思うと不安な気分にもなります。長生きなんてしたくもないし、出来もしないであろうと言ってはみるものの、それが現実になってしまうと隠しようもない狼狽を晒してしまうんだろうなと、己の見苦しさに悶え恥ずかしむしかないわけですが、いまさら格好を付けてみてもどうにかわが人生がどうにかなるわけでもないのは確かなことで、ここで心機一転真面目方向に舵を取ってみるかなどと思うのも束の間、そんなことできたならとっくに真人間となっているはずだと思ってみると無駄な努力などやはり無駄以外の何ものでも無いと開き直ってみても何一つ現状を変えるよすべになりはしないのでした。 脱線しました。ぼくは敬愛するとある喫茶ブログに促され、千葉を目指した訳ですが、次なる目指す駅は都賀駅という未知なる町なのでした。まずは西千葉駅まで歩いたのですが、ここが千葉の中心から歩いて十分程度とは思えぬほどの寂れっぷりで、次の列車まで30分近くもあります。本来であれば周辺を散歩したいところですが、尿意を感じたのでやむなく改札を通過します。周辺にはコンビニも見当たらないのです。トイレはホームの中央、半地下の造りとなっていて今ではあまり見なくなった構造の構内にどうしたものかこれが房総の駅舎の典型であるなあと、根拠なく感じたのでした。 やって来た都賀駅はなんだかパッとせず、特に最初に向かう東口にある「赤いくつ」方面はぶっきらぼうな郊外の景色でしかなく、いきなりげんなりしますが意を決して歩き出します。やがてお店の看板が見えてきますが玄関まで長いアプローチのあるまるっきりただの民家としか見えぬ一軒家があるばかりです。やや困惑して見やっているとその玄関から初老女性が顔を覗かせました。やってますかとお聞きするとどうぞとの答えなのでこれは失敗だったかなと思いつつも主人に続いて民家に入るのでした。そしてびっくり、ムーディーな暗色の壁紙が巡らされたナイトクラブのような空間が広がっていて丸テーブルにぐるりと置かれた椅子には浅丘ルリ子辺りの日活の女優さんが収まっていても違和感がありません。無論ピアノが付きものです。これでカラオケセットがなければこれはこれで得意な喫茶としてもっと楽しめたはず。真っ昼間とは思えぬ空間でただ呆然とひとときを過ごしたのでした。 続いてモノレールで1駅千葉駅方面に引き返したみつわ台駅にある喫茶店に向かうことにします。本来ならモノレールで向かうのが楽チンですが、何せ運賃が馬鹿にならない。歩いて向かうことにします。都賀駅を抜けた駅前には僅かですが商店も立ち並び居酒屋さんなんかもあります。そんな三角地のビルの2階に「喫茶 ニュー・ペンギン」なんていう喫茶店が見えたので寄ってみることにしました。「珈琲館」のようなごく標準的なお店です。店主夫婦がお若いのでもともとあった喫茶店を引き継いで店名を変えて再オープンされたのかもしれません。平凡ながら使い勝手はいいです。 黙々と歩き続けるものの一向に辿り着く気配がなく、不安を感じながらやたら坂の多い道を燗だけを頼りに歩いていくと、やがてユニークな装飾の施された建物が多い、団地群に行き着きました。ここがみつわ台のようです。そんな団地群の外れにいくつかの店舗が並んであります。その中の一軒が「カトレヤ」でした。さほどの装飾が施されているわけではありませんが、どこがどういいとは言い辛いもののなんとはなしに愛嬌があってユニークです。時々、こういうタイプの印象がぼやけた喫茶店もありそれはそれで楽しいのでした。ちょうど昼時でお客さんはランチをこぞって召し上がっていました。やはり御多分に漏れず高齢者が多いのも典型的です。 ここで贅沢をしてみつわ台からモノレールに乗り、先ほど歩いた道の遠くに見やりつつ、そうこうするまでもなく都賀駅を通過、歩くとけっこうな距離があったのにやはり乗り物は便利だけどあっけないものです。これから先は「赤いくつ」に向かった際に歩いた道を延々走って、やがて小倉台駅に到着します。そこからそう歩かないうちに「喫茶 おおつか」に到着しました。こちらは特に語るべきことはありません。さて、これから向かうのは今回の喫茶店巡りの最大の愉しみが待っています。営業しているのを祈りつつ、ここからは歩いて目的地を目指すことにします。
2015/02/22
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職場の同僚というよりかなりの後輩に当たるとっちゃん坊やが結婚して嫁さんがつい先日出産を無事終えて、実家に帰省しているものの間もなく帰ってくるという、こういう真っ当な人生の最後の楽園の日々の終焉を迎えんとするとある夜、彼が新居の地と決めた北千住で呑むことになったのでした。北千住の住人になるのであればここだけは知っておかねばモグリであろうという、有名店に案内しようと画策していたところ、わが上司T氏がまんまと乗ってくれて三人で呑むことになったのでした。このT氏、直属の部下であるぼくのことなど差し置いて、この若者のことをとんでもなく好いとるのでした。 まずは若者がーイニシャル名を出さぬのは今後呑む機会がぐっと減ることを想定してのこと、どうもぼくの知人は同じイニシャルばかりなのでしたー訪れることを悲願としていたお店、「大はし」にお邪魔しました。ぼくも随分ご無沙汰していたようです。この夜は天候も悪く足元さえ覚束ないほどの降雨であったこともあり、すんなりと入店できたのは運が良かったのでした。でもやはり店内は客でびっしりで当然に煮込みからスタート。東京三大煮込とは、よく知られる酒場好きのオジサンが言い出したことのようですが、そこまで手はないと思うけどなあという発言は、この店のご家族のことを知るぼくには、口に出せはしないのですがそれても賑わいのある酒場らしい雰囲気にシッカリと満喫したのでした。若者もとかく不満の多い上司もそれなりに楽しんだようです。店内は撮影禁止ということなので表だけでご勘弁を。 次なる店はあれこれと悩んだ挙句に「藤や」としました。東京では珍しい串の煮込みをいただけるお店、ぼくも久々の訪店です。ここで徐々にT氏の感情が高ぶってくることなど入店当初のわれわれに知る由はなかったのでした。 初めこそ枯れた店の構えと4種限定というシンプルな煮込みの味にご満悦な様子のT氏でしたが、猛烈に炸裂される毒舌絡みのお母ちゃんトークに徐々にT氏の苛立ちが募っていくのをわれわれは敏感に感じとってはいたのですが、やがて標的が旦那に移行した頃、突如、まさしく唐突としか言いようのないタイミングてT氏の怒りが爆発したのでした。ぼくらには謎としか思われぬ衝動的な怒りの発言でしたが、どうとT氏には正当な理由があったようで、結局消化不良で店を出るはめになったわれわれは、T氏の話を聞くことにするのですが、どうにも不可解な語りであったため、もう一軒寄るぞという一言に黙って従うしかないのでした。こちらはどういうわけか表の写真がありませんでした。 せっかくのチャンスなので若者を「天七」に案内することにしました。どちらにせよT氏のテンションはマックスで宥めてみたところでどうにかなるものではないことは承知しています。質の悪い酒呑みとしか良いようのない上司ですが、ぼくは案外キライではない、だって眺めてて愉快なんだもんな。店の人が不快になるのではないかとヒヤヒヤするのは確かですが、その愉快さはそれを上回ります。そんな訳で久々のこちらの串揚げの味を楽しむ間もなく店を出ることになったのでした。常磐線快速に乗り込んだぼくとT氏は、このまま自宅を目指すことにはならないは言うまでもありません。こちらはやはり表だけ。この3軒はいくらでも写真が流通していますので備忘という意味で残して起きます。ご勘弁をお願いします。
2015/02/21
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近頃とにかくなんだかんだと気忙しい日々を送っていてなかぬか堀切菖蒲園まて足を伸ばす余裕がなかったのですが、とある夜、禁断症状に駆られたかのように、発作的に堀切菖蒲園を目指したのでした。馴染みある京成線の堀切菖蒲園駅に降り立つと一見したところは以前とさほど変わったところはなさそうに思われました。名店揃いの堀切菖蒲園で一番のお気に入り「喜楽」にでも寄ろうかなと道路を渡るとすぐに見覚えのないお店がありましたこれはお邪魔しないわけにはいきません。 「串焼 いしい」という店名のようです。ガラス張りの引き戸の向こう側はかなりのお客さんで塞がっていますが、入ってすぐの席は空いているようです。何にしてもお邪魔することにしましょう。まっすぐのカウンターに、テーブルが数卓あります。ぼくが腰を下ろしたのはカウンター手前の小学校の頃、教室で使ったような机で窮屈ですが、とりあえずは2席分を使えたのでぎゅう詰めのカウンターよりは身をすくめることもなさそうです。若いご夫婦でやられていて配膳係の若奥さんは明るくて器量良し、旦那は実直そうで何よりそのもつ焼が抜群に旨いのでした。常々思うのですが、もつ焼の優劣ってどうしてこれほどまでに差が出るのか不思議でなりません。素材の良さかはたまた新鮮さか、焼きの加減や何で焼くかとかいろいろ理由は考えられますが、これらが決定的なまでの味の差異として現れるとは、どうにも不可解です。こちらの若い店主はどうやら呑み食いするだけのシロートなんぞにとっては魔法としか思えぬ技を身につけておられるようです。身の付きもバッチリでこれが一串100円とは良心的。また安くてうまくて感じいい酒場の良店の誕生を喜びたいと思います。 さて、店を出てふと気づくとお隣もまるっきり見知らぬお店です。今の店で堀切菖蒲園の底力を再認識したばかりなので、当然勢いに乗って伺うことにしたのでした。「焼鳥 よつは」です。今振り返ってみると店名のよつはとは四つ葉のクローバーからつけたのでしょうか。店名に恥じない乙女チックなお店に思えてきます。カジュアルな割烹料理店のような上品な外観通り、店内もカウンターだけですが清潔感漂う上品な雰囲気です。それより何より最初に驚かされるのは店主であって、彼、いや彼女かな、が独特のオーラをまとっています。これ以上語るとあらぬことまで語ってしまいかねないのでこれ以上は触れぬことにします。実地にご確認、確認は失礼か、お会いしてみてください。ところで驚きというとこちらの肴の美味しいことといったら驚くほど。お通しの肉豆腐ーだったかなーから手抜かりなく、満足させてくれます。ただし雄値段はその分高め。休日に夫婦連れで混み合ったりするのでしょうか。
2015/02/20
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錦糸町で競馬開催日に呑むのは非常に面倒かつうっとおしい。というのも良さそうな酒場の多くが5時を過ぎる頃には、店を閉めてしまうからです。逆に言えば多少環境の悪いことにさえ目をつぶれば昼呑みにはもってこいという事にもなろかというところですが、残念ながらぼくは昼酒というのがどうも体質に合っていないようです。ところで、環境の悪さという点をフォローしておくこととします。とりわけ目新しい治験や発見がある訳ではないのですが、世の中の善男善女にとっては単なる酒場であろうがギャンブル場を間近に控えた酒場であろうが一括に悪所であることに大きな開きはないと思われがちです。実際には両者には全く別物と言ってもよいほどの開きがあって、前者が買ったり負けたりでもあったのでしょうか、ごく少数の恵比寿顔のオヤジとその他の大部分を占める殺伐とした表情を浮かべるもの、そして恵比寿顔を眺めて殺伐オヤジはさらにいきり立つ。そして恵比寿顔をハイエナのように食い物としようとするものなどで、雑踏の中で冷え冷えとした思惑が交錯するのでした。そんな様子を人事のように眺めながら呑むのも悪くないわけですが、やはりぼくはギャンブル場とは無縁の単なる町場の酒場で静かに、しかしどの客からも満足げな気配を感じつつー例えある客の頬が緩むことがなくともその気配は伝わるもののようですー、呑むのが至福に感じられます。 ともあれ、最初に訪れたのは明らかに前者よりの馬券買いのオヤジたちが集う店です。はじめその場末の会員制クラブのような木製扉で頑丈に封印された「立ち呑み ぐいっと」に入ることに躊躇います。どう考えてもここはぼくが思い描くような酒場とは程遠い店であるはずもなく、しかしこれまた錦糸町らしいというただその一点のみを理由に入ることを決めました。同行するA氏の表情からは入りたくないという意思がありありと窺えますが、ここはわがままを押し通します。開けた扉の向こうからは早速にカラオケの大音量が炸裂します。スナックめいた店内であることは想像通りですが、止まり木卓を配したりして思っていたよりはくだけた印象です。ただ案の定かつてのスナック的な店で使用していたと思われるスツールが置かれ、これはどう考えても立ち呑みという看板の気安さに惹かれて来る客を当て込んだものだなと容易に想像できますが、あの外観でそれを期待するのはかなり無理があるというものです。やはりこちらも間もなく閉店となるらしく、ママさんはあまりわれわれを歓迎していないようですが笑顔は絶やすことなく優しいムードです。値段は立ち飲み屋としては幾分高め、安価なカラオケを目当てにした客が主な常連のようです。美人の娘さんはママさんの店仕舞い待ち。終えてからどこかにお出かけなのでしょうか。やさぐれたオヤジたちにも物怖じすることもなくすっかり溶け込んでいるのが錦糸町ッ娘ということでしょうか。 創業が大正8年という「鳥の小川」は、かねてから来たいと思っていた酒場の一軒で先ほどの店はその時間つぶしに近かったわけですが、何とか辿り着いてかうんたに腰を落ち着けたものの、心はちっとも落ち着かず、それは最後まで変わることはなかったのでした。と言うのもテレビを見たらしい夫婦連れがすでにびっしり入っていて、われわれの後も次々と訪れて来られるのでした。それはまあ想定していたわけですが、それにしても普段と比べると込みすぎているようで、店主はオーダーミスを連発、すぐさま奥さんを応援に呼び、しばらくしてやって来た奥さんとも連携はいまいち。それはそれで眺めていて楽しくなくもないのてすが、最後の勘定まで狂ってしまっては、冗談では済まされません。世知辛い現代では明細を出すのは常識となるやもしれません。長年愛された焼鳥は味わい深いものの、やや油臭くて胃に応えたのは単なる好みの差なのでー実際周辺の夫婦たちはぼくらからすれば食いすぎにしか思われぬ程の串を平らげていましたー、うまかったけど油に弱い人は気を付けてと言うのが報告すべき事項です。健啖な方は焼鳥の全部盛りというのを頼まれてはいかがでしょう。貼紙には15種とあるのに、卓上のメニューでは17種あるのはどうしたものでしょう。われれの話題はそこに終始しつつもてんやわんやの店主夫婦に伺うきっかけはつかめぬままもなりました。
2015/02/19
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木場に来るとついついあの名酒場に立ち寄りたくなりますが、この日の夜はもうすっかり遅い時間であったので入れてもらえることもなさそう。そうなれは勝手もよく知らぬこの町ではありますが、かつて須崎パラダイスで栄えた古い町のことだからきっとまだまだ知られざる酒場があるはずです。この夜は獣医師のK氏が一緒です。年はかなり離れていますがとても仲良くしてもらっていて、呑むときは互いの自宅との兼ね合いから総武線や東西線の沿線で呑むことが多く、今回はそんなことから木場駅界隈で呑むことにしたのでした。そう言えば前回はお隣の東陽町で呑んだのでしたね。 ところがこの夜は ようやくここぞと言う店を見掛けても、 混み合っていたり休みだったりしてことごとく門前払いを食ったあとで、ようやく「えちご家」という酒場に入ることができたのでした。ビルの二階にある新しいお店で、出遅れたこともあってか店の方は何だか面倒臭いという表情あらわにあまり気分良くなく迎え入れられました。テーブル席ばかりの愛想の欠片もないお店です。窓際は窓に面してテーブルが置かれ窓越しに人通りも眺められそうですが、先客の残した残骸が手付かずのまま放置されているので、そこで呑むことは期待できそうにありません。まあ、しゃべる相手もいるのにあえて窓外をオッサン二人で眺めてみたところで詮無きことです。これと言った持ち味もない店ですが、ようやく安住の地を見出した気分なので思った以上に長居してしまったようです。何度か便所に通ったことだけは思い出せます。酒場の思い出こそ希薄ですが、K氏と過ごした一時は忘れがたい思い出として断片的ながらいまだ記憶に鮮明です。 もともとさほど酒の強くないK氏ですが、この夜は会話を肴に呑み過ぎてしまったようてす。木場駅に見送ってぼくは再び独りで町を彷徨います。やはり何軒かで振られた挙句、ようやく入れてもらえたのは「居酒屋 たつみ」というお店でした。こちらは一軒家で幾分新しすぎるきらいはありますが、先程よりはずっと風情のあるお店でした。長細いうなぎの寝床のようなお店で長いカウンターが伸びていますがそのカウンターには早くも一人の客もいません。店の方もそろそろ店仕舞いという様子でぼくの来店を消して喜んではくれていない様子です。静まり返ったカウンターに遠くから漏れ聞こえる馬鹿話を肴に呑むものの寛いでいる暇はなさそうてす。店の方は客たちの振る舞い伺いつつも早めに引き上げて欲しいというオーラが滲んでいます。そんな時は店の方の気持ちを察して早々に引き上げるのが上策と考えるぼくはこの先のことなど考えることもなく、的確なタイミングてお勘定することばかりに思いは至るのでした。
2015/02/18
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日暮里の駅前は商店や飲食店もさほど数多いわけではなく、ましてや風俗店めいた店はお隣の鶯谷駅がメッカということもあってか、ほとんど存在しないわけで、いきなり客引きのお兄さんに声をかけられた時は、なんかの間違いではなかろうかと思ったものです。といった導入から今回は風俗店レポートになるかというとそんなこともなく、その声を掛けられたビルを見上げてみるといつの間に開店したのか、見知らぬ居酒屋さんがあって、窓越しに悪くなさそうな店内の様子が窺えるのでした。当選こちらにお邪魔してみたわけで、相も変わらずの酒場レポートとなるのでした。 その酒場の店名は、「漁酒場 喜酔」と言います。酒場の響きもいいですし、「喜酔」には枯れたセンスの良さが感じられ、その割にあまり聞かぬところも記憶に留めやすく、これは期待できるかもしれません。ただ、酒場に魚を冠しているのはあまり感心できず、ここは王道の大衆酒場を用いていただきたかった。この点が気になるところです。店内は、至ってオーソドックスなテーブル席がメインのお店で、特筆すべき事項はありません。品書きを見ると魚酒場を標榜するだけあって魚介系の品が主体で値段もまあほどほどに手頃ですが、普段遣いとするにはお手頃感に欠けます。店の真新しい雰囲気を考えると魚介居酒屋や魚料理と冠するのが適当に思われました。この夜は中小企業の何社かが合同で宴会を催しており、幹事を勤めるのが不慣れな感じの女性2名。上司らしきオジサンの指示であちこちお酌して休む間もなく立て続けに継ぎに行くものだから彼女たちも他のオジサンたちもゆっくりしゃべる暇もない始末。見ていて滑稽ですが、それにしても営業上致し方ないとはいえ、女性が接待要員として動員されるのはあまり気分のいいものではありません。そんな宴会もあり店側もバタついていたのをいい事に、軽く呑んで店を変えることにしました。ああ、そう言えばこの夜は久々にA氏が一緒なのでした。 続いてお邪魔したのが先晩伺ったばかりの「もつや」です。なかなかに良いお店なのでA氏にも教えておきたかったのでした。前回は独りだったのでカウンターにしましたが、今回は奥のテーブル席を試してみることにしました。コチラだと店内の様子が一望にできて見通しはいいのですが、カウンター席から眺めた時の風情が削がれてしまうのこともあり、痛し痒しといったところです。女将さんの応対はそれでも独りカウンターで暗い顔をして呑むのとは違って、至って気さくに語り掛けてくれます。甘味の味噌ダレでいただくもつ焼が案外この辺りでは珍しくて、以前は塩以外で食べるのは邪道だみたいなことを語っていたりしたものですが、近頃は甘めのタレなんかで呑むのがオツに思われてきたのは、年齢のせいでしょうか。こちらもじわじわとファンを増やしているようで、最初は空いていた店内にもサラリーマンのグループが入り始めて、酒場らしい賑やかさを表し出してますます気分よく楽しいひとときを過ごしたのでした。
2015/02/17
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喫茶篇では、まだまだ千葉駅周辺をウロウロしていますが、呑み始めは蘇我駅でした。蘇我駅は何度か通過したことはあっても、下車するのはて初めてのことてす。ここに来るまでは、千葉駅からは随分遠いものとばかり思い込んでいたのですが、恥ずかしいような計画ミスもあって、総武線からの車窓を眺めている限りではそう遠くはなさそうであることが分かりました。でもその風景は記憶していた以上に退屈でつまらなそう、ここはケチケチせずに列車を使うべきか。今でこそんなことを考えもしますが、その時はとにかく体調の悪さをなんとか回復しようという意志ばかりが先行し、先のことを考える余地はなかったのでした。 目当ての店はまだ開店していません。しばらくその店の周辺を歩いてみると駅前の殺風景さとは裏腹にまだまだ良さそうな酒場が残っていました。駅からは1キロ弱あるでしょうか、駅を背にして大きな味気ない道路を北上していくと目当ての酒場はすぐに見つかりますが、開店までは今しばらく掛かりそうなので、開店準備中らしく古ぼけた木造家屋の中からぼんやりとした明かりが漏れています。そんな様子を横目で眺めつつ通り過ぎるとその先に数軒の酒場が軒を連ねています。その先の路地を入るとほぼ廃墟と化しつつあるようですが、呑み屋街の残滓を確認できます。自動車道を背に今度は東に進路を取ると喫茶店もありますが、もう喫茶店は結構です。その喫茶店の周辺にも酒場がありなかなか良い雰囲気ですが開店にはまだ時間がありそうです。 そんな訳で、引き返して先程の呑み屋街の一軒に入ってみることにしました。ちょうど女将らしき人が暖簾を出しているところでした。「居酒屋 彩菜」というお店で、小体なごくありふれたお店に思われます。貼り紙には800円で、飲物2杯、肴2品ー記憶にはやや自信なしーというお得なセットもあり、さらに手軽なセットまで用意されているのでした。ところが店内に入るとカウンターにビニール張りのスツール、カラオケまであってかなりスナックよりなのでした。まあこういう場末の店はそういうことが多いものでそれ自体はさほど問題はありません。ママさんは韓国の方なのでしょうか、肴は韓国料理の簡単なものがいくつかあります。昼食を取らなかったので、ここで体調を整えるためキムチと焼きそばを貰います。そばにキムチ乗っけるとオイシイよとまさにそうしようと思っていたアドバイスを受けます。まあいずれにせよそれ程美味しいものではなかったですけど、この値段なら全然文句はありません。ママさんは適度に愛想よく、ほどほどに話しかけてくるくらいでお仕着せ感がないのがありがたい。また来ることはないとしてもなんとなく記憶に留めたいお店でした。表に出ると目と鼻の先の目当ての酒場に暖簾が下がっているのが目に入りました。 念願の「山ちゃん」に移動します。何より今ではついぞ見なくなった見るからに木造感を露わにしたこの上なく渋いお店。格調のある日本家屋とは真逆のバラックめいた雰囲気もいいなあ。店に入るとコの字のカウンターではすでに半分ほどの席が埋まっています。ほとんどが独り客で静かにテレビなどを眺めつつ呑まれています。カウンターの中では案外に若い店主が調理にてんてこ舞いとなっている一方で、かつては厨房だったと思しき土間には可愛らしい女子2名が待機しているのが不自然で違和感があり過ぎです。彼女たちに飲み物をオーダーし、店主には名物という煮込みを注文します。そして出されたこの煮込みのボリュームを見るにつけ、先程の店で焼きそばを食べたことを激しく後悔したのでした。それ程までのボリュームご果たして適当なのか、そんな疑問がフツフツと湧き上がるのを感じながら食したそれはモツも柔らかく味も濃厚、トッピングされた玉ねぎのみじん切りがまた良し。されど食べ進めども一向に減る気配を見せぬ煮込をそれでも残してなるものかと想定以上の飲物を追加することで、いつしか皿は汁を残すのみとなっていたのでした。勘定は計算よりも思いのほか高くて若干の不信感はあるもののそれでもこの雰囲気はまた味わいたいのでした。でも次来た時にこのもつ煮を貰うことは残念ながらなさそうです。もしかするとハーフサイズがあったりしたのかしら。
2015/02/16
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千葉方面に早朝から出掛けなくてはならない出張を命じられました。自宅から始発列車さえ使えばなんとか行けないこともないのですが、せっかくの機会なのでその前日に有休をとって一日掛けて千葉市内を楽しむことにしました。 さて、当初は8時前には家を出るつもりでしたが、休みの前夜ということでつい呑み過ぎてしまいやっとの思いで寝床から身体を引きずり出してはみたものの出発は9時近くになってしまいました。日暮里からの京成線への乗り継ぎにも失敗し、京成千葉駅に到着したのは…10時を回っていました。ここでギアをチェンジしてチャキチャキ行動しないと折角有休を取った意味がなくなります。 最初に千葉切っての風俗街を散策します。普段はいかがわしくも余り湿り気のないあっけらかんとした喧騒に包まれる、正直あまり好きになれない栄町周辺を散策です。するとカフェっぽい純喫茶と言うには難の有りそうな「デ・グレコ」という喫茶店がありました。とりあえずここでコーヒーの一杯も呑んで目を覚ますことにしました。店内は恐らくは仕事を上がったばかりと思われるくたびれた様子の方々が多いようで結構混み合っています。いかにも風俗街の喫茶という感じ。内装は、照明など案外凝っていましたが長居する店ではなさそうです。あまりグズグズしていないでさっさと千葉の目当ての店に向かうことにします。 そのお店は、「ヨーロピアン」てした。昨年の暮れに千葉中央に来た際に、古い建物をついぞ見掛けることのない千葉中央駅の周辺で、その建物の洋館めいた存在感は大いなる違和感を放っており、強く惹かれるのでした。ところがその際は浮世の義理でみすみす見過ごさざるを得なかったのですが、今こうして念願叶うとこんなに簡単に来てしまってよかったのかとの後ろめたさを感じなくもありません。実際にお邪魔した店内は、思っていたよりもずっと手狭でテーブル3卓にカウンターがあるばかりです。そのカウンターには常連3名が歓談しております。ほとんど毎日のようにここで顔を合わせているようで、表情は屈託ない笑顔は浮かべてはいますが、交わされる言葉はかなり辛口です。内装に目を向けてみますが、外観ほどのインパクトに欠けるものの貧乏貴族の屋敷程度には見えます。マダムーこの雰囲気ではこう呼ぶのが相応しいかなーもそこそこキツイことをおっしゃいますが、ぼくにはとても物腰が柔らかでした。 ついでにもう一軒寄り道を。「源氏」という純和風な店名ですが、店はややあっさりと淡白な印象ですがクラシカルね正統派の造りです。これでもう少し空白の多い空間に照明やらパーテーションなどで埋めていけばそれなりに面白くなるのでしょうが、長年やってきたからにはこのこざっぱりとしたムードが受け入れられてきた訳でしょうから、期待するのは独りよがりでしかなさそうです。入った当初は一人の客もいませんでしたが、やがて一人二人と来店。まだ昼食には早いもののランチを求めてお客さんが入り始めたので席を立つことにしました。 ここで一足飛びに列車に揺られて町を移ることにするのですが、補足として前回来た際に立ち寄った2軒ついでに報告しておきます。 「コーヒー・軽食 ブラジル」は、見かけ以上に広いお店て店内に入ると一瞬面食らいます。食事メニューが充実しているのは繁華街から外れた場所に飲食店がまるでないからでしょう。夕方近いというのにの関わらずハンバーグ定食などごつい品を召し上がっている方もいます。雰囲気はというと、かつては正統派の落ち着いた店だったのでしょうが、客の需要の方向性に迎合するようにかつてのセンスなどなかったかのようにそぎ落としていってしまったという印象です。もったいない。 「亜土」は、こぢんまりした可愛いお店。かわいいと言っても高齢のお姉さんが一人切り盛りする静かなお店。もしかすると憧れの「ヨーロピアン」以上に琴線に触れた店。これからこの店がどうなるか伺いもしれませんが、こうした当たり前の街角喫茶が千葉から失われぬことを祈るしかありません。
2015/02/15
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稲毛の町をすっかり気に入ってしまいました。実際に稲毛に暮らす方にしてみればそう言ってみても素直には受け止めがたい意見かも知れませんし、もしかすると小馬鹿にされているのではなかろうかと訝しく思われることかもしれません。でも実際に気に入ってしまったのだから致し方ありません。と!持ち上げておいてどうかと思うのですが、別に住んでみたいとか思ったわけでは全くないので悪しからず。 まずお邪魔したのは、JRの稲毛駅の南口から少し歩いた路地にある「長作」でした。この薄暗い呑み屋街呼ぶには活気もなく店もそうあるわけでない通りにこれ程のお店があるとは思いもよらなかったのでした。一見して流行らない今ひとつ冴えない一軒家のこぢんまりした酒場に見えたのは、あながち誤りではなかったようで、店内に入っても無愛想に笑顔ひとつ浮かべることもなく店主夫婦に迎えられた時は、やってしまったかという後悔めいたものが脳裏をよぎったことは正直事実です。内装はわずかばかりのカウンター席とテーブルがあるだけで、夫婦でやるには手狭とも思える程で何より厨房と客席との敷居が高く相手の表情がまるで伺えないのが不気味ささえ感じるくらいです。まあ、ぼくはこうした酒場の光景が好きなのでこの点は即嬉しくなったのですが、この店の真価に触れるのはまだまだこれからだったのでした。飲み物を頼むとやけに立派なお通しが出されます。どれも一見しただけではどうということもない野菜を中心としたものですが口に運ぶとなんともうまいのです。思わず旨いなあと漏らすと、愛想はないけどきっと嬉しかったのでしょう、オヤジさんがこれは有機の野菜で味がいいんだと自信を覗かせます。シークヮーサーも手作りとかでサワーを頼むと生のシークヮーサーをたっぷり用意してくれて呑み方の指南までしてくれます。目の前の瓶で漬けられたらっきょうなどあれこれを食べてみるかい、これもどうだいと勧めてくれて、いずれも大層うまくて、とりあえず頼むつもりだった焼鳥さえ注文できないほどです。ひとしきり満足してお勘定したら驚くほどの安さ、思わず聞き返すと、うちのお通しはこっちが好きで出してんだからお金はいらないよとのこと。今度は腹をすかせて、ちゃんと注文させてもらうことにします。 すぐ脇にいかにももつ焼き屋さんといった、もつ焼き屋はこうであって欲しいという佇まいのお店があったので、これは寄らないわけにはいかないでしょう。「井筒」というなるほど老舗らしい実に質実な店名でこれだけでいいお店だと言えそうですーまあこの判断は概ね外れるわけなのですがー。店内に入ると奥に向けて長いカウンターが伸びており、お客さんも多少の余裕はありますがかなり良い入りです。入ぐりをちょっと入ったカウンターに落ち着くと、店先の焼き場を受け持つ陽気で心底気の良さそうなオヤジさんが、早くも売り切れてしまったという焼物を知らせてくれて、これまた心の底から申し訳なさそうに、でも卑屈さとは全く無縁の明るさで語られることに非常な好感を感じました。焼物は、都内の有名店にも遅れを取らぬ味でこちらも腹を好かせて、じっくりと腰を据えて堪能したい気分にさせてくれます。しかも雰囲気も良くて、気持ちのいい酒場ですっかり満足しました。 そんな訳で、この二軒で稲毛への好感度はますます高まりました。帰宅後調べてみると北口側にもまだまだ面白そうなお店がありそうです。稲毛への通いはこれからも続けなくてはならなくなりそうです。
2015/02/14
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いつ行ってもなんだか冴えなくて、さんざん歩き回った挙句にようやくなんとか落ち着きどころを見つけたと思っては後悔しきりとなるパターンの多い町、池袋でありますが、偶然にもそうして選んだこの夜の二軒は狭小ということでのみ共通したところがあって、必ずしもそこが気に入ったということではありませんがまあそれはそれで少しは参考になるやもしれぬと、記録に留めておくことにしたのでした。 一軒目は西口のビックリガードそばにある「ミツル」です。ここは開店当初に一度お邪魔していますがどうやらまだ営業を続けていたようです。はじめて行った時は若い夫婦が不慣れな様子をありありとやっとこさっとこやっていて、正直やっていけんのかなと不安を感じたものですが、どうやらそれは杞憂に終わったようです。さて店内へ、あれれあの若夫婦の姿はなくあまり客商売が得意とは思われぬおばちゃんが一人でなんとか切り盛りしています。どうしたんでしょうか、とても尋ねる気にはなりません。ところでこちらもともとそうだった印象がありますが、椅子ありの立ち呑み店とはいえ、あまりにも値段設定が強気すぎます。これじゃとてもじゃないが客が付くはずもないと思いきやさにあらず、案外固定客が付いているようでー中には美人のお姉さんが仕事帰り一人で呑んでいたりしますー、それはここの控えめなおばちゃんによるものと推測します。確かに周辺にはサクッと呑める酒場も少ないので案外と需要があるのかもしれません。あ、あと日替わりなのかこの夜は、エビスの生ビールが290円とお得でこのところめっきり量の減ったビールを何度もお代わりしてしまったのでした。 さて、お次は東口の美久仁小路に移動しました。駅の東西とはいえ巨大ターミナルの池袋駅ということもあり、この道中は結構な距離があることに加えて、大変混雑していて面倒なものです。そんなことはともかくとして美久仁小路も徐々に新陳代謝しているようです。代謝ではなく単に潰れてしまったお店もあって、一度訪ねておきたかった最古参の一店と思しき「姉妹」も店を畳んでしまわれたようです。一方で一度お邪魔している「沖縄料理・居酒屋 茶花」は、かつての狭小な店舗から立派な構えの店舗に移られたようですが、店内をのぞき込んでみるとかつてのような熱気あふれる繁盛ぶりからは程遠くどことなくパワーダウンした印象を受けます。あの狭さが店の人気を後押ししていたようです。 そのかつてあった店舗には店の佇まいはそのままに「くさの」という新たなお店が居抜きとして入っています。繁盛とは程遠いものの3名の先客がおり、楽しげに歓談しつつ呑まれています。入ってみると女性客がけん玉なんぞしておられました。3名が3名ともに常連らしく一見のぼくはカウンターは遠慮して、二人がけの窮屈なーってカウンターだってもっと窮屈なんですけどねーテーブルに掛けることにしました。貼り紙に池袋唯一の三冷ホッピーとあるので瞬発的に注文しましたが 、さっき嫌なくらいビールを呑んで腹がぱっつんぱっつんだし、日本酒もたくさんの銘柄がそろっていてそちらにすればよかったのですが時すでに遅し、まあたまにはいいか。それにしてもよく喋る若い客がいて、やかましい程ですがそれもこれもこの狭さがもたらす副産物だと思うと悪くもなく、むしろ暇つぶしにちょうどよいくらいに感じられます。お勘定するとその若い人がけん玉をやってみませんかとここは丁寧に誘いをかけてきました。別に恥をかかそうとかということではなく、この店がほんとに好きでこの店に来る人とはとにかく仲良くなりたいという気持ちの表れのようで、けん玉はからっきしでしたが、気分よく店を出ることができました。
2015/02/13
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たまたま酒場放浪記のHPを見たところ、巣鴨の以前から気になっていた酒場の放映予告が掲載されていました。毎週火曜日に翌週の予告が告知されるようで、これだけ眺めてわざわざ出向く人もそれほどは多くなかろう、番組を見て混み合う前に行っておきたいと思っていたところ、折よく最近登場の機会が増している上司T氏から誘われて軽く呑んで食事していこうと誘われたのでした。 この店のある路地はこのブログでも何軒かを報告していますが、駅前以外これといった呑み屋街のない巣鴨にあって10軒程が軒を並べていてまずまずの風情があることもあって、ちょくちょく立ち寄っていたのですが、今回目指す酒場は北海道料理の看板書きがあって、ぼくの懐具合ではいささかに心許ない。 そんなこんなでやって来たのは、「北海道料理 アラキ」です。カウンターに小上がり、奥には8名程度が囲める卓のある座敷もあって、そこではちょうど背広姿の中小企業のお偉いサンといった風貌の一群が今しも鍋に突撃寸前の様子でした。短冊の品書を見渡すわれわれですが単価の高さに早くも怯み気味です。長くお付き合いを続けるには低空飛行が重要と分かっていたもののさすがに高すぎたみたい。やむなく最低限の肴、お通しのゲソキュウリ、鰊の切込み、じゃがバタなどで誤魔化し誤魔化し呑むことになります。T氏の読みでは勘定はすでに5,000円を突破しているらしく、どう考えてもその半額と踏んだぼくは、長く会計マンを務めたとは思えぬ上司の勘違いを有効に利用。勘定を済ませて安ければ気分よく次の店に繋がるはず。上司は、店の方に聞こえるような声で高え高えを連呼していてこちらは気が気ではありませんでしたが、想定通りそこまでは高くなかったので案外機嫌良く店を出れたのでした。悪く書いちゃいましたが、味は良かったと思います。雰囲気も好みでした。もう少し安けりゃなあ。 久しく行ってなかったので「ときわ食堂 巣鴨店」に寄ってみることにしました。ピカピカでまるきり味のないお店ですがどうした訳か酒場好きにも好評なこのお店、この夜も食事だけの客に混じって、呑みの客もかなりお見掛けしました。上司は刺身定食で一杯、僕はアジフライで一杯、二杯いただきます。まだ呑み足りないですから。久々のこちらの料理、なかなか美味しい、アジフライもちょっと分けてもらった刺し身も切り身がでかく鮮度も良かったです。でもこの雰囲気で呑み続けるのは、全然気分が高揚せず、値段も案外しっかりしているのでそう長居する気分にはなれないのでした。
2015/02/12
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大山もまた、足繁く通っている町のひとつで、駅前商店街のハッピーロードに立ち並ぶ商店の隙間のような路地をくぐり抜けたところに突如として現れる呑み屋街の風情には、すっかり参ってしまい今では半分以上の暖簾はくぐってみたはずですが、ご多分に漏れず、この一画も高齢化がー店主も客もー進行していて、始終店が変わる店舗や店の灯りを消しっぱなしにしてしまう店舗もあります。今回はそんな町での役割を終えつつあるように思われる地域の踏切の向こう側で呑むことにしました。まずはそちら側ではすっかり町に馴染んだように感じられる立ち呑み屋からスタートすることにしました。 ご存知「晩杯屋」です。丁度昨日、武蔵小山の酒場について書きましたが、このお店の振り出しとなったのが武蔵小山です。ちょうど触れた駅前の再開発地区に含まれているようです。武蔵小山の次に大井町と大山というまさに東京の微妙に芯を外した、てありながら元気なエリアを制覇したと思ったら、先日、おしゃれエリアの中目黒に進出したらしいからなかなかにしたたかな経営者のようです。大山店は前述した通り、すっかり町の一部となったようで、このところ大層な繁盛ぶりです。この夜は、日曜であったにも関わらず、6時過ぎには椅子があるという2階席もすっかり塞がったらしく、仕事を終えたぼくと上司のT氏は、立ち呑みカウンターの客となったのでした。メニューを見た上司はスゲとポツリ呟くと揚物、焼物に視線を送る一方でぼくはかき酢に赤貝という贅沢ーここてはこのオーダーもけして贅沢ではないーに見を投じるのでした。この立ち呑み屋ならチェーン展開してもきっと通ってしまいそうだなあ。 ここで上司とは別れて一人もう少し呑むことにします。「六五郎」というお店を見つけました。線路沿いにへばり付くように立つ見掛けこそ新しいけど結構安普請らしい2階建ての2階にあります。嫌な予感がしますが案の定一人の客もいません。感じだけは良さそうなおばちゃんにお得なセットをお願いします。1杯目は生ビール。お通しともう一品を選んで、これで2品とはズルくないかい。まあ時としてセットを頼んでも無理くりお通しがつく店もあるからそれよりはマシかもしれません。ところが嫌な予感は的中し、レンジでチンされたキンピラー店の厨房から漏れ聞こえる物音に注意を向けると冷凍庫を漁っているらしき音が聞こえてきて、どうやらより古いのを選んでいるようですーのなんと冷凍庫とラップの臭気が染み込んで臭いことよ。とても食べられそうにありません。ふと思い当たったのが、ちょうど「晩杯屋」のあった場所でやっていた居酒屋がこんな感じでした。そう思い返すとそのお店、ここと同じ「六五郎」という店名だったような気がしてきます。そうなるとなんだか愉快になってくるのでした。そうなるとあの店にいたオヤジさんはどうなったのか、無性に気になりますがどうにも伺う気にはなれなかったのでした。
2015/02/11
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蒲田駅に着くと、続いては池上線に乗り込み、昨年の夏に何度も足を運んだ池上駅へと向かうのでした。池上駅に来た理由はただ一つだけ、何度訪れても空振りをしている一軒の居酒屋を訪ねるためです。先ほど行ったばかりの蒲田の「權兵衛」は、明らかに僕のミスで見逃していたに違いありませんがー今になってみると、どうしてあんな分かり易い店を見逃したものか不思議なほどー、ここはとにかくいつ行っても閉まっているとなれば、立ち寄らないわけには行きません。 そんな訳で、やって来たのは「大衆酒場 喜代美」だったわけですが、またしても徒労に終わったようです。ここは本当に今でも営業しているものやら、いい加減ウンザリしますが事前に確認しないのが悪いのでしょう。 こうなるともう池上駅には、用がありません。さっさと雪が谷大塚駅へと移動します。ここでも目指すべき店はハッキリしています。「若鳥 しぶや」てす。駅からそう遠くないはずですがしばらく周辺を散策してみますが、それらしき店は一向に見つかりません。そうこうしているうちにS氏が小用を催したようで、駅を出てすぐのコンビニにてトイレを所望している最中、その先の路地にようやく見つけることができました。眺めていると次々と客が吸い込まれいくので、気が気ではありません。しばらくして連れ立って店に入るとなんとかカウンターにのみ空席を見つけることができました。大した人気店のようです。すでにリタイアされた親父さんから未成年の子連れの関西人夫婦などなど多彩な客層が実に楽しげにそして賑やかに呑んでいます。2階席にも次々とお客が吸い込まれていきます。さて、入口付近のカウンターに並んだわれわれは品書きを見てギョッとなります。普段通い詰めている酒場の相場の値段とは比較にならぬ良い値段なのであります。しかもこれを見てしまったと感じるのはどうやらわれわれだけのようです。世の中不景気といいますが、こうした酒場で値段など気に掛ける風もなく豪勢に注文する人々の姿を眺めていると、われわれが余程の格差社会の底辺に生きているような惨めな気分となります。若い主人は料理も丁寧で誠意がありそうですし、他のスタッフの女性たちも上品で感じがいいのですが、われわれが来るようなお店ではなかったようです。しょげしょげと店を退散し、S氏は、早くも離脱することになりました。 近く駅前の再開発が予定されているらしき武蔵小山に一人で向かうことにしました。有名店の多いこの町ですのて、何度も足を運びましたが、喫茶好きにはよく知られる純喫茶が店を畳んだ頃から足が遠のいてしまったようです。でもなんだか気持ちが沈んでしまい駅前のごちゃごちゃした一画や商店街方面の雑踏にまみれる覇気が失せていたので、どうしても足は暗い方へと向かってしまいます。そんな住宅街に入り込むあたりにも酒場があるのが武蔵小山の面白いところです。「ホルモン道場 みやこや」というお店があるのでお邪魔してみることにしました。入った瞬間こそカウンターが奥深く伸びる雰囲気が、しみじみ呑みたい今の気分にハマっていると感じましたが、注意をカウンター上に向けると一人用の焼き台が置かれていたのでした。これはイカンと思ったところで時遅し。お客さんもすでにほぼ引き上げていて、店の方も終いの準備を始めているようです。随分と早い店仕舞いだなと観念した心持ちで席に着き、なんだか面倒になったので、ホルモンの盛り合わせをもらってひとり寂しく焼き始めてみると、これが結構おいしくて酒もついつい進んでしまうのでした。こういう焼きの作業の入る店というのは、黙々と焼いて食って呑んでを繰り返すしかなく、これはこれで店の方にとっても客にとっても手っ取り早いことこの上ないせっかちな酒呑みにとってはこの上なく合理的なシステムですが、ぼくのような腰を据えて呑むのにウンザリしてしまう性格の酒呑みでもやや性急に過ぎてしまうように感じられるので、これは二人とかで来ておくべきだったでしょうか。
2015/02/10
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田園調布駅を出るとはたと何処へ向かったものかしばし迷いますが、S氏から武蔵小杉の方にある食堂に行きたいとの提案あり。ああ、と新丸子の「三ちゃん食堂」のことと気付き、まだ昼食をとっておらず、これ以上我慢させては今後遊んてもらえなくなるかもしれぬ。ぼくはさほど興味はないものの取り急ぎ新丸子でS氏の胃腸を満足させることにしました。 新丸子駅で下車して、少し迷いはしたものの程なく「三ちゃん食堂」に到着しました。でもぼくはさほど思い入れのないお店なので、ここで個別に行動することにしました。ぼくが一人で向かったのは、立ち食いそばと二毛作でやっているお店、「立食い 立呑み こみや」でした。まあ、いかにも町場のどこにでもあるようなまるで変哲のないお店。出される品も、値段も特別なところなど何もないのですが、不思議と新丸子という町にしっくりとはまっています。休みの昼下がりの駅前でこうして独り呑んでいることに、侘びしさを感じ始めた頃、S氏から連絡あり。駅前で落ち合って次の町に向かいました。 下車したのは武蔵新田駅です。駅前の立ち呑み屋や駅からしばらく行ったところにある怪しげな食堂もこの日は休み。結局だらたらと歩いて京急の蒲田駅にやって来ました。駅前再開発で色あせた風景になりつつあるこの界隈にはさほど思い入れもなくなっていますが、何度も見逃していた酒場にようやくたどり着くことができました。 「權兵衛」てす。ここへは、何度も探し求めてきているのに、初めての時は休みだったという以降は店自体見逃し続けて、ひと頃は閉店したものとばかり思っていたので、今回ようやく辿りつけたのには感慨もひとしおです。地下へつづく階段を下ると雑然とした一般のもつ焼屋とは趣を異にした空間が広がっていました。場末の大衆食堂のような大きなテーブル席がメインで、そこにはじいさま、ばあさまがやけに大音量で昔話に興じており、肴など注文する気配もなく、ひたすらにキープしているらしい一升瓶の焼酎だけでたむろしているようです。それでもしばらくすると孤独を愛するやはり孤独感をにじませた爺様たちがカウンターにポツポツと現れだして、この方たちは逆に年齢から考えると旺盛と言うには度を越したモツ刺しや焼物をオーダーしています。われわれより遥かに食欲が勝っているようです。ぼくはまずまずおいしく頂いたのですが、S氏の舌には合わなかったらしく、近頃めっきり落ちた彼の食欲がますます衰えていることにいささかの杞憂を感じつつも、ぼくももうもつを食らうだけの気力がなくなったので席を立つことにしたのでした。
2015/02/09
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東急電鉄に土日祝限定の東急ワンデーオープンチケットというオトクな切符があることを鉄道マニアや散歩好きの方であればご存知だと思います。東急電鉄の全線を700円ーだったかーで、一日乗り放題というとても便利で使い勝手のいい切符であります。こういう切符なので発売は、午前中のみなので昼から使おうという方は事前に購入するようご注意を。ちなみに東急電鉄では他にも渋谷ー自由が丘ー二子玉川間を乗り降り自由なトライアグルチケットや世田谷線を乗り放題というサービスもあって、特に京王や小田急の各電鉄にはこうしたサービスを期間限定でもいいのでぜひ実施することを希望してやまない訳ですが、なかなかそうもできない事情がありそうなのは薄々察せられます。 ともあれ朝方までこの日どうして過ごしたものか決めかねていたとある日曜日の9時頃、思い立ってこのチケットを求めてお手軽に散歩してみることにしたのでした。昼間は喫茶店、夕暮れ時からは酒場巡りとなるであろう事は、いつものとおりです。 さて、最初に訪れたのは、田園都市線の終着駅である中央林間駅を間近とするつくし野駅でした。この駅に降りたのは恐らくは初めてのこと。駅前には巨大なショッピングセンターこそあれ、基本は住宅街です。駅の改札からも目指すべきお店が見えます。「軽食&喫茶 コナ」は、この町のー恐らくはーほぼ唯一の地元密着型の喫茶店と思われます。そのせいもあってお客さんの入りはかなりのもので、ようやくカウンターの片隅に潜り込むことができました。オーソドックスな正統派の純喫茶で、生真面目すぎる嫌いはありますが、こういう店は安定感があって好きです。ところが時悪しく、ちょうど昼食時なのもあっていつまで待ってもコーヒーが出てこない。ランチをオーダーした女性も待ちかねて帰ろうとするところをもう間もなくとなんとか屋の出前みたいなことを言って押し留めるのは良くないなあ。 続いてはあざみ野駅にて下車。ここも恐らくは初めてです。駅の周囲をぐるり歩いて、すぐに飽きると「柊」というお硬い雰囲気の漂うお店に行き着きました。そうそう来れる町でもないことですし、お邪魔してみることにしました。店は雰囲気を重視しているようですが、いかにもキッチリしすぎていて遊びに欠けています。これはこれで好きな方にはとても気分がいいのでしょうが、キッチュなムードを求めるぼくのようなタイプにはやはり物足りなく感じられます。先客は店主夫婦との会話から共通の知人を探り当てたらしく、そこから話題は仕事の話まで広がってーやはり店主は脱サラ系の方だったようですー、尽きることがなさそうだったので頃合いを見計らってお暇したのでした。 ようやく馴染みのある町に移動しました。何度も来ている溝の口駅です。もちろんと言っては語弊がありそうですがこの町に来るのは酒場巡りに限られます。それでも彷徨ううちにチョット気になる喫茶店あるものです。「カフェ ナドック」というお店がそれ。オオバコの「珈琲園」をよりシックにした感じのお店で、使い勝手は良くてムードも良くて全然実用に耐えうるーいや十分に通えるー、いいお店ではありますが、業深い身にとってはどうしても淡白に過ぎて物足りないというのは贅沢すぎるでしょうか。ここで、いつものS氏から連絡が入り、間もなく溝の口に着くとのこと。くつろぐ間もなく店を飛び出し、次なる駅を目指すのでした。ここからは駅間も僅かなので歩くことにします。高津駅でS氏と合流。駅周辺を歩きますが、これという店もないので、もう一駅歩いて、二子新地駅に到着しました。S氏は空腹みたいですが、昼食をいただける適当なお店がありません。でも喫茶店はあります。悪いけど入らせてもらうことにしましょう。 「すずらん」というお店です。これといった特徴のないコーヒーショップのようなお店でやや物足りなさは否めぬものの、地元の方のくつろぎの空間として愛されているようです。 その後、上野毛駅そばにあるはずの「サパールーム ドリアン」、田園調布駅からしばらく歩いた場所にあったはずの「スカイ」は、いずれも閉店してしまったようです。もう喫茶店は諦めることにして、まだ時間は早いのですが呑みの時間に移行することにします。
2015/02/08
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久しぶりーこの単語を使う機会が増えているのは行動力の低下を物語っているように思われますーいつものO氏と合流する予定ですが、少し時間があったので一人でちょっと寄り道することにしました。都電の荒川電停からそう遠くないので待ち合わせに良さそうな知らぬ店があったのでそこに決めることにしました。 テイクアウトのたこ焼をメインでやっている「上木家」という店、店内は呑むこともできるようです。若い感じのいいご夫婦がお二人でやっていて、とても感じかいいのです。二組の先客はたこ焼を召し上がっているようです。本当だったらたこ焼を頂くべきでしょうが、合流の時間も読めぬし、あまり食べてしまっては先が続かぬこともあります。グルメブログではないのでこれでいいのだ。幸いこちらには、酒の肴も揃っていて、キムチとおでんをオーダーします。店は簡素な造りですが、清潔感があり、たこ焼店という店の性格上、当然といえばこの上なく当たり前ではあるのですが、ファーストフード店のような気軽さがあります。だったらいっそのこと支払いを後払いではなく、注文ごとの支払いとしたほうがなお気楽な感じがします。そんなことを思いながら肴にまだほとんど手を付けていないというのに、到着したとの連絡が入りました。大慌てで平らげてお勘定を済ますと、実に気持ちよくまたおいでくださいと声を掛けて頂けるのでした。 町屋の有名店「ときわ食堂」を越えると急激に町の様子は静まり返って、飲食店の明かりもガクッと数を減らすのですが、その数少ない一軒が「酒処 ごじょう」です。こうして店名だけ記すと剛健な男たちの酒場という印象もありますが、平仮名でごじょうというのがなんだかおかしな感じです。実際遠目に見える看板のロゴは丸っこくてしかもピンク色と、なんとも得体がしれない怪しさからこれまでも何度か店の前を通過しつつご遠慮してきたのでした。店に入ってみると一安心、いかにもおっさん向けの酒場といった雰囲気です。と言ってもカウンターとなった細い通路を抜けると奥にテーブルが数卓並んでいます。酒場というよりはもともと食堂ないしは中華料理店だったのを商売替えされたのでしょうか。客席では若い女性店主らしき方が一人ぼんやりとタバコを吸っていますが、われわれを見て慌てて席を立ちました。その席に落ち着くと、すぐさま品書きに目を移しますがこれがなんとも質素なもので、肴の種類は10品ある程度でした。品数が多い時も迷うものですが、特にこれという品がない場合はより以上に躊躇うものです。ホッピーを頼んで届くまでに検討することにしますが、白がないのよとのこと。どうしたものかわざわざ表に壜を取りに行くのが非合理的で不可解です。はじめはくだけた感じで明るい店主と思っていましたが、注文をとってからは一切こちらに構うこともなく奥に引っ込んでしまわれました。その後お客さんが来ることもなく、静まり返った中で呑んでいると妙に落ち着きのない気分となり、ほどほどにして引き上げたのでした。
2015/02/07
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大塚のことを書くのは、正直もううんざりとしているのですが探せばまだまだ個性的な酒場があるものだからとりあえずは記録に留めることにしておきます。北口の呑み屋街の裏手の通りにも酒場が点々としています。ただメインの通りには、まっとうな居酒屋が多いのに対して、この裏通りには酒も肴もお座成りでありながらも、どこかより酒場らしいうらびれた雰囲気が漂うお店が多いようです。はっきり言えば夜の商売の女性と日雇い労働者の爺さんが半々といった客層となっているようで、それが一層侘びしさを掻き立ててきます。 「居酒屋 おおかわ」もそんなお店の一軒です。外見こそどこにでもありそうなごく一般的な居酒屋の風情ですが、店内に入ると一転してこの通りに馴染み深いムードに浸されます。店内の装飾は外観同様の取り立てて目立ったところなどないのですが、客層のもたらす一筋縄では行かぬ人生の悲哀をまとった様が店のムードを基調づけているかのようです。寒くないかとストーブをしきりと勧めてくるオバちゃんや若いわねえとわれわれーというのもこの夜はいつもの上司T氏が同行、この人もうじき60歳なんですけどねーに語り掛けるやはりオバちゃんなどなど4、5人のオバちゃんとこれは正反対にまったくの無口な爺さまがいるあたり、まさに界隈の典型的な酒場であると言えましょう。店主のオヤジは、ほぼ無口で黙々仕事をこなすばかりで客達には一切干渉しません。これはこちらのようなタイプの店でやっていくために身に着けた所作なのか、それとも持って生まれた性癖なのかは定かではありませんが、どちらでも構いません。でもこの夜のような状況で一人訪れて、オバちゃんたちに絡まれてしまってはおちおち呑んでるどころではなさそうです。うっかり酔っ払ってしまったら、意識が戻ってからギョッとすることになりそうです。ところて、値段はほどほどですが、味の方は悪くないというかなんだか結構旨い、どうってことないけど何故か美味しいのです。まあこの雰囲気がなければごくごく当たり障りない店に感じられたことでしょう。ああ、すっかり忘れていましたが、口煩いT氏もどうしたものか結構旨いを連呼してました。 続いては「秀吉 大塚店」に立ち寄ることにしました。財布が寂しい時にはしばしば利用するお店。スポンサーがいますが、長くお付き合いいただくには、安い酒場を織り交ぜるのが肝心。しっかりチケットを購入するとお得であることを吹き込んで、千円支払うと千百円分となるチケットを購入してもらうことに成功。無論これは使い切るつもり。天ぷらというよりフリッターに近い天ぷらをいくつか、他にも何品か注文したかな。特にどうも言うこともない肴でどれをつまんでみても、似たりよったりですが、まあ過不足はないといった程度。なのに注文にはやたらと迷ってしまうのは貧乏性ということか。2回目だか3回目のチケットを購入したはずてすが、記憶には定かではありません。翌朝財布を見るとチケットが千円近く残されていたのでした。 その後、「ヒーロー」と「ホープ軒」に立ち寄ったことは朧気に記憶してますが写真はないので以上で終了。
2015/02/06
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しばらく顔を出さなかったので突然、行かねばならぬとの使命感がふつふつと湧いてきてーどこの誰一人としてぼくにそのような事は求めていないー、お久しぶりの東十条を目指したのでした。ただし、この夜は若干疲れ気味だったので、あまり歩かずに済む駅近酒場で呑めればいいのですか、果たしてどうなることやら。 東十条に通い始めた頃は、南口寄りが寂しいながらも有名店が多かったものですが、近頃はめっきり北口を利用することが多くなりました。東側にあるそれなりの活気がある商店街を歩くとほぼ間違いなく見知らぬ店舗を見つけ出せるので、飽きることがありません。この日も歩き出すまでもなくなんとなく見過ごしていたーと言うか疲れによって歩き回る労を惜しんだだけー「杉の子」というお店に入ってみることにしました。特にどうも言うこともないごく普通の食堂兼居酒屋といったところでしょうか。店に入ると店のご夫婦がちょっと驚いたような表情を浮かべますが、それも束の間のこと。すぐにオヤジはむっつりした表情で厨房へ向かいますか、一方の女将さんは愛想よく注文を聞きに来ます。この二人、しっかりと役割分担できているようです。カウンターだけのお店なのに女将さんはお代わりのたびにわざわざ回って出してくれるので、申し訳なくなります。肴は種類もあまりないのですが量と味はまずまず、値段は東十条の相場からするとややお高いようです。それより気になるのが、口喧嘩というよりオヤジが女将さんにあれこれと文句を言ってばかりで、それが小声で聞こえにくいのでますます気になるのでした。慣れっこなのか女将さんは、ぼくには終始丁寧に応対してくれました。 西側の寂しい呑み屋通りにあった枯れた天ぷら屋さんが、いつの間にか新しい店舗になってしまっています。「たる鉄」というもつ焼のお店になっています。調べると 2013年に赤羽から移転してこられたようで、店内もかなり手を入れられているようです。基本的にカウンターで奥は4人程度の小上がりがあります。品書きが通常のもつ焼き屋では見られない品がラインナップされていて、それを想像するだけで一、二杯は呑めそうです。焼酎のハイボールもシャリキンがあったり、もつバーグ、焼ちゃんぽん、それからタン、ハツ、ハラミ、カシラが一串に刺されているーらしいーMIXイカダ焼、さらにはもつポトフ風などなど、和洋入り混じった工夫のある品がここの売り物のようです。カウンターでは、すでに男女混合の勤め人たちが一通り呑み終えていて、まだ早い時間だというのにかなりいい具合に出来上がってお茶を貰ったりしています。結局ぼくが友人と合流した後にひとしきり呑んで勘定してからも居座っていて、これはいかがなものだろう。ホッピーを呑みながら店内を観察するうちに、友人が到着。折角なので焼物はパスして風変わりな品をもらうことにしました。どれがどうだったか失念しましたがいずれもとにかく旨かった。これなら焼物も期待できそうです。ただし、アラカルトで注文すると安くないのでお隣さんも頼んだらしいコースがお得なようです。千円台からあったので軽く呑む場合でも利用しやすそう。オヤジは初めこそなんだか居丈高な印象を受けましたが、単に職人気質が強いだけで徐々に打ち解けてみると案外お喋りなようです。
2015/02/05
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先に立ち寄った居酒屋に懲りて、土浦はもういいかという気分になり、この旅最後の町に向かうことにしました。取手にもまた親戚がいたことがあって何度かやって来ているもののほとんど記憶に残っていませんし、実際降り立ってみるとその再開発され尽くした愛想の欠片もない町並みを見ても、かつての風景と結びつけるのは困難であったに違いありません。このような有様の町を歩いてみたところで某かの発見やら出会いがあるとも思えませんでしたが、取手から先には馴染みのある駅ばかりですし、引き返すだけの気力ももはや湧いてきません。なんだかやけに駅の東西だか南北だかの往来が面倒な駅構内をげんなりした気分で上り下りを繰り返して通り抜けるとー住民の方はこの不便さにきっと大いに不満の声を上げているんだろうなあー、その反対側も似たりよったりのビルばかりの光景が広がっています。やむを得ず町に歩み出ると、何軒かのまあいざとなったらここでよかろうと妥協できる程度の居酒屋がありましたが、そこを抜けるとふいに弧を描いた不可思議な呑み屋街がありました。大抵はスナックやキャバクラを中心とした風俗店のようで、呼び込みたちを掻き分けながら散策してみますが、気持ちはとうに決まっていました。 「大衆酒場 さつま」は、現代チックな無機質な店ばかりがはびこる取手にあって、数少ないーもしかすると駅前では唯一かもしれないー暖かみのあるこれぞ酒場というお店でした。外観だけで判断するのは早計とも取られ兼ねませんが、これほどまでに再開発の渦に飲み込まれた取手にあって、恐らくは開店当初からの店舗をそのままにやってこれただけで、まさに良店であることの証左となっているはずです。12月30日の9時近くなって2014年もあと一日ちょっととなっても、店は大いに繁盛していて活気に満ち溢れていました。特に奥の小上がり席の面々は、まだまだ呑み足りぬといった風に奇炎を吐いています。われわれはカウンターに座して、普段ならやかましいとも感じたであろう酔客たちの嬌声をBGMとして心地よく聞き流すのでした。それもこれも外観のみならず店内もまさに酒場そのものでしかなかったからであり、端正さでは土浦の「横丁」に歩があるものの、こちらは混沌とした出鱈目さに見えて長年掛かって工夫されてきた混沌とした中に見え隠れする一本筋の通った店造りがされていることは一見でしかないぼくにさえ感じ取れるのでした。さらには値段の手軽さやら肴の圧倒的な豊富さという有意点を加味してみると、普段遣いということに限ってみればぼくは間違いなくこちらを支持します。こうした気分のいい酒場であるせいか、女性客もそれなりに入っていてカウンターのずっと先の席では、30歳前後の素敵な女性が帰省したのでしょうか、両親とともに杯を交わすのが眺められ、さらに気持ちをほっこりとさせてくれるのでした。ところで近くには支店らしき店舗もあり、人気のほどが窺えますが恐らくはそちらはグループ客向けのテーブル席が主体となっていると思われ、そちらにもハシゴしたくなるのでしたが、それはあまりにも嗜みがなっていないように思われ、次回のお楽しみに取っておくことにしたのでした。 あと一軒ちょっと渋い小料理のお店がありましたが、行き違いで店を閉めてしまったようです。それではとお邪魔したのが「清富」というお店。縁起の良さそうな店名に惹かれて入店としたのですが、古い酒場に無理くり今時の店のテイストを混ぜ込んでみましたというなんだかうそ寒い店造りでした。スタッフは女性ばかりで、もしかすると外国の方だったかもしれません。大して旨くもなく、あまり安くもないこの店で彼女たちはどこまで健闘できるのか、老婆心ながら心配になります。もしかすると遅くまで営業していて、他店のスタッフたちが店仕舞いした後に訪れるようなタイプのお店だったのかもしれません。それならそれで店の存在価値はありそうですが、日中の仕事をしているわれわれにはあまり縁のなさそうなお店に感じられました。 といったことで2014年最後の旅も終わりです。酒場巡りもこれがこの年最後になるはず。また来年も当たりと外れを繰り返すことになるのだなあと、間もなくS氏と別れることになる日暮里駅までの残り僅かの列車の旅を惜しんだのでした。
2015/02/04
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またもや常磐線に乗車して次なる町を目指すことにしました。次に下車することにしたのは、土浦です。土浦には親戚が住んでいて幼い頃に何度か遊びに来ていますがそれ以来は通過することはあっても下車することはなく長くご無沙汰している町です。職場の同僚が若い頃に遊び場にしていた町らしく、いろいろと情報を得ようと思いますが、何せ彼女ーこの同僚は女性なのですーにとっても遊び回っていたのが10年以上ということもあり、聞き込んだ情報はほとんどが役に立たぬ。喫茶店は何軒かリサーチしていたものの居酒屋はまるきりノーチェックです。果たして良い酒場に巡り会えるのやら。 ところが杞憂するまでもなく良さそうな酒場に行き着くことができました。木造のかなり古そうな一軒家からもうもうたる煙を吐き出す、見るからに酒場の理想形のような素晴らしいお店だったので、これは何としても入るわけには行きません。ざっと眺めてみますが、 看板がないばかりでなく、赤提灯やら暖簾にもそれらしき表記はありませんでした。オヤジさんに尋ねると、「横丁」とのことですがなんとなく適当にごまかされたような気がして、帰宅後ネットで調べるとごくごく限られた情報ながら一応店名と比較的参考になる情報が出ていました。それによると「焼きトン屋 横丁」が店名で間違いないようです。かつては「やきとり浜」と称していたとそのHPにはありました。店内にはHPにあるように短冊や品書きはなく、勝手の分からぬわれわれの様子を察したのか、基本的にこの店の流儀なのかお通しのキャベツ付を皮切りにー楊枝で召し上がってくださいとの言葉にたちまち平らげたS氏に追加していただいて結構ですよの言葉に素直に従うのをぼくは苦々しく眺めるばかりー、カシラ、ハツ、ナンコツ、レバ、シロ、ソーセージ(お子ちゃま)、ネギと怒涛の如く焼物が出されて、さすがにタジタジとした訳ですが、けして強引なサービスの仕方だったわけではなくオヤジさんとちょっと艶っぽくて、訳ありそうなお姉さんの連携プレーで実に良いタイミングで供されるものだからついついストップできませんでした。お子ちゃまがーこれは常連だけの隠語のようですー出された頃にやっとここまでを申告できたのでした。HPと年末だから切らしているという常連の注文を照らすと他にもガツ、タン、コブクロ、トマトがあるようですし、簡単な肴も何品かはあるようでした。装飾を極力排した質実剛健な店内には慎ましく昔の写真が飾られており、いろいろと昔話を伺いたかったのですが、当初はわれわれだけだった店内も30分ほどだった頃にはほほカウンターも塞がっておりー中には酒の呑めぬ父子連れなんかもいて微笑ましいー、開店当初こそは怒涛のお喋りを聞かせてくれたオヤジもそんな余裕はすっかりなくしていました。外には待つ客もあることなのでそろそろお勘定しましょうか。値段は思ったより高いのですが、まあこれだけの雰囲気を味わえれば文句はないです。 満たされた気分で店を出ると、再び土浦の町を彷徨います。時折味の有りそうな路地に出会いますが、そこにある店はいずれも新しい店ばかり。なんだかうんざりして駅に引き返そうとしたところ、風俗店を含む歓楽街がありました。とは言え時期が時期だけに閉まっている店も多く、候補は二店だけになりますが、その一軒は焼鳥店、さすがに焼き物にはうんざりしたのかS氏は乗り気ではありません。ぼくも焼き物はもういいという気分でしたが、焼鳥店に気持ちが向きますがいつもいつも自分の希望ばかり言っていては申し訳ない。それで結局入ったのは「いち川」というお店でした。カウンターに案外広い小上がりのある居酒屋らしい居酒屋でした。普段であれば暮れだからとさほど不審には思わなかったのでしょうが、この広さで先客一人はいかにも寂しすぎます。高齢の女将さんを含む夫婦でやっているのですが何とも言えぬ暗さが気持ちを重くします。どうしてこんなにも暗い雰囲気なのか、どうしてもわれわれも塞ぎがちになってしまい、これではイカンと日本酒に切り替えますが、それでも気分が盛り上がることはないままです。他のお客は、通い詰めているのかそれなりに盛り上がりますが、店の人が絡む様子もなく黙りこくっていて、それても身内だけで時折コソコソと言葉を交わすのが気になるところです。とまあ店の方たちの気がかりな行為以外は至って普通のお店なはずですが秘密めいた態度が一転して怪しげな店に変貌させていました。
2015/02/03
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いわき駅を後にしたわれわれは、泉駅に下車した後、常陸多賀駅を目指すことにしたのでした。ここには何軒か立ち寄りたい喫茶店もありますし、ちょうど昼時なので軽く食事を取りながら一杯ビールでも引っ掛けたいところです。駅前ロータリーの先にも味のある大衆食堂が見えていますが、まずは町を一巡りすることにしました。 歩いているうちに住宅街に踏み込んでしまいましたが、そのみ朽ち果ててしまいそうな一軒家の食堂がありました。「あかつき食堂」というお店でした。今でもこうした古ぼけたスタイルの食堂が現役であることが奇跡のようです。営業も昼間だけで、休みも多いようです。店内もテーブルが2卓に小上がりにも2卓あります。席に着くとお店の方がお茶と一緒にこれでもかとお菓子を運んでくれました。さて、一杯呑みたいところなので、ビールをくださいなとお願いしますが残念ながら取り扱いしていないそうです。酒の肴になりそうな品も多いのです。久しぶりに玉子丼を頂いてみることにします。絶品だとか大袈裟なことは言いませんが、細く切られたナルトの味がどこか懐かしくて、とても美味しく頂けました。それにしてもかなりのボリュームだったのでS氏と半分こして正解でした。食後には正直もういらなかったのですが、コーヒのサービスまであってその心遣いに感動しました。酒なしですが、素晴らしいお店だったので記録しておきます。 その後、喫茶店によった後、駅に近い「釜萬食堂」にもついでに立ち寄ることにしました。大変に立派な構えの食堂で外観もなかなかユニークです。店内に入ると広々とした空間が広がっており、かなりの収容力がありそうです。昼過ぎではありますが、この時間でこの入りの悪さはいかにも寂しい。ややお値段が高めなのが理由ではないでしょうけど、今ではこういう古いタイプの食堂が流行らないというのはなんとも残念です。先客の高齢者の3人組も訝しげな表情を隠しもせずにわれわれを見やって店を出ていくと二人きりになり、いよいよ寂しくなります。と思いきや店のご夫婦が人懐っこいというか、暮れも差し迫ったこの時期にブラブラしているおっさん二人に興味を持ったのか、はたまた不審に感じたのかは定かでないもののあれこれと話しかけて来てちっとも静かにはならなかったのでした。そうそう、一人旅だとこうして話し掛けられると、あれこれと店のことなどを伺ってみたりもするのですが、二人だとどうもその辺が億劫になってしまうという弊害もあります。ともあれこうした店を愛しく感じる方もまだ多くいますので、少しでも長く頑張っていただけることを祈念します。 さて、友部駅に移動しました。駅前には「飯店波良」と「黒沢食堂」があっていずれも渋い、さらに駅から5分ほど歩くと「大衆食堂 よね川」がありました。これが実にいい雰囲気で入ってみたいと心は訴えていますが、胃腸がまだ言うことを聞いてくれそうにありません。残念ですが、入店は見合わせることにしました。
2015/02/02
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「喫茶 & 軽食 フラワーベル」を出て、程なくして目当てのお店が視界に入ってきました。あまりにも立て続けなので一瞬躊躇しますがこの機会を逃すと次はいつ来れるか分からぬとの思いに後押しされて「珈琲 & 軽食 挽歌」の扉をくぐりました。 店内は至ってシンプルで、もう少しばかり純喫茶度が高いものとの予想は大いにはぐらかされ、さらには枯れた風情すらないのだからちょっとアテが外れたような気分になりましたが、まあこれはこれで店名の渋いことと外観のユニークさで埋め合わせられるということで、納得しておくことにします。 それにしてもいわきの町の喫茶店の充実ぶりはなかなかのものです。ここ数年で東北の町をそれなりにあちこち散策することができましたが、ある町には喫茶店がまるでなかったりするのに、一方の町にはその町の住民や勤め人だけでは明らかに供給過多みたいに思えたりするなど、同じ東北、というか同一県内の隣接した都会同士でも温度差があるのがどうにも解し難いという感想を懐かされます。ここいわきは当然後者の部類の町で、「軽食 & 喫茶 ハニー」、「黒炒豆」、「喫茶 & 軽食 キャロット」、「COOFFEE ROOM ボナンザ(BONANZA)」、「オフィス」、「香楽」、そしてとりわけ「喫茶 モア」は、S氏を振り払ってでも立ち寄りたかったのですが、体調が万全でないせいか、さらにはこれだけの取りこぼしをしてしまったからにはまた機会を作って再訪することにしようという楽観的な気持ちも芽吹いたので、案外あっさりと諦めをつけることができたのでした。 次に訪ねる町は泉駅でした。列車で休息する暇もなく駅に到着しました。駅前には1階が食堂、2階が喫茶の「カフェテラス MATUYA」がありますが、取り敢えずはスルーして、駅前を歩いてみます。すぐに「軽食・喫茶 サルビア」が見えてきます。駅前と言うには若干それていますが、ここで暮らす方たちには駅前喫茶としてしっかり地域に根付いているようです。さほどお腹は空いていませんが、サンドイッチのセットが安くてコーヒー代とそれほど差がないのでつい頼んでしまいます。それなりに純喫茶の雰囲気も残していますが、純喫茶のある意味でおしりがムズムズするようなソワソワした気分は感じられず使い勝手の良さで愛されているようです。 近くには、「コーヒー・軽食・カラオケ 茶舎馬(ていしゃば)」という店もあってこれこそ実は思いがけぬ名喫茶かもしれませんが、どうにもカラオケの一文字に抵抗を感じてしまい、見てみぬふりをしてしまうのでした。 さて、次に向かったのは、常陸多賀駅です。なかなかに町らしき体裁を持った歩き甲斐のありそうな町ですがそうもゆっくりしていられません。もう昼も過ぎているし、まだまだ行きたいところがあります。駅前ロータリーにある「じゅん」は、みすみす見過ごし、目抜き通りから逸れた場所にある「珈琲・お食事 タカノ」は、シャッターが半開きでこっそり覗くと店の方がどなたかと談笑していました。そしてちょっと寄り道した後に訪れたのが、「仏蘭西館」でした。シックな洋館風の構えはなかなかに立派ですが、内装もかなりゴージャスです。統一感のある正統派の美意識で固められた店内は、やや生硬な印象も感じないわけではありませんが、あと10年とか20年、もっとかも知れませんがお続けになられたらかなりの名喫茶となり得るだけのポテンシャルを感じました。 そして友部駅にて下車しました。町をぐるりと一巡りしての感想ですが、かつてはそれなりの賑わいを見せたらしき名残こそあるものの、今では人通りも少なく町にはもう活気はありません。駅前に数軒、味のある食堂などあるものの腹一杯でとても立ち寄るだけの気力がありません。「食事・喫茶 & パブ コニー」、「ふれんず 駅前店」などの喫茶店が健在ですが、喫茶店というよりは食堂を兼ねたカラオケ付きの呑み屋という印象が強くて気乗りせず見過ごすことにしました。 唐突ですがこれで今回の旅の喫茶篇は終わりとなります。まだ夕暮れと言うには早いわけですが、どうにも気勢が上がらないので呑むことにします。続きは酒場篇で。
2015/02/01
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