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ほんとうは今日、物語の現代編を始めようと思っていたのですが。今日って、このブログ開設から1000日らしいんですよー。管理画面で初めて知ったのですけど(とはいえ、当初半年くらい放置してたので、それを計算にいれていいのかわからないのですが 笑)、まあとにかく数字がめでたい!wそしてさらに、一斉ヒーリングも今度の「蒼のヒーリング」 で99回。つまり今度で100回。さらにさらに、物語は今、ちょうどぴったり50話。しかも過去編がきれいに終わったところ。なんでしょうかこの「一区切り」感は!! 笑これはとりあえず祝っておこうかしら、ってわけで、またまたゲリラ開催しまーす♪ ええ安直ですがなにか。笑100回……思えばよく続けたもので、これも受けてくださる皆様のおかげです。毎週毎週、色々なことを学ばせていただき、本当にどうもありがとうございます♪今回は基本に戻って(トールも元天使?だか有翼人種?だかってわかったことですしw)ご縁の深いミカエル・ラファエル・ルシフェル・メタトロンによるエンジェルヒーリング・・・・・・と思っていたら、なんかこー静かなアピールしてくる方が…^^;視界のはしにちらちらと紫の光。……ザドキエルさん??メタさんとザキさんって、よくセットで名前を聞くんですが、私実はザキさんとはあんまり繋がったことはないのですよねー。別に嫌いなわけじゃないのですけど、なんとなく(笑)これをきっかけに繋がってみろってことなのでしょうか。というわけで、今回はミカエル・ラファエル・ルシフェル・メタトロン・ザドキエルの5大天使によるヒーリングといたします♪開催期間は一週か・・・・・・え、1000日、100回、50話なのに7日、ってすわりが悪い? じゃ、10日でどうですか。それならOK?(誰に話してるもちろん、前回と一緒で蒼のヒーリングと同時に受けていただいて大丈夫です。天使たちって男性ぽい人が多い(ほんとは性別なんてないんでしょうが)し、バランスをとるのを手伝ってくれます♪1000日・100回・50話・10日。意味があるようなないような、でも何となくめでたいようなこのつながり(笑)波乗りの間に楽しんでいただければ幸いです♪わー。しかも記事件数がこれの記事ちょうど444件めだって。なんですかこれ!!www応援してくださってありがとうございます♪→★ヒーリング期間本日この記事がアップされてから~6月9日(火)朝6:00まで 1回30分(募集も同じく)期間中、何度でも好きなだけコールインでお受け取りいただけます。 ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★参加ご希望の方は最初の一回のみ、この記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をたくさんとられることをお勧めします。★1円募金や誰かに何かをする、掃除する、ご感想をいただくなど、なにがしかの行動をされるとエネルギーの循環がよくなり、よりヒーリングが効きやすくなります♪★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。6/2 蒼のヒーリング
2009年05月30日
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別名、ベニトアイトのヒーリング(笑)先日はマリアの光の花園ヒーリング受けてくださってありがとうございました♪女性性解放、ときたら男性性のほうもしないと、というか、トールもやったほうがバランスいいでしょ~♪(あいかわらず安直前回はなにみえ本出版記念だったから、天使とかグラディウス統合してからやるのは初めて、ですね。瞳の色がベニトアイト、と言われるトールですが、ちゅまちゃんによると目の色というより、気、そのものがベニトアイトに近いそうです。上だけでなく、リアルでも認識してくれてるって、なんか不思議ー(笑)でっ。ついつい半額処分なベニトさんをぽちってしまった私wwwベニトアイトは鉱山がもう閉まっているとかで、お値段のわりにはゴマですか!!っていうサイズなのが悲しいですが、きらきらとってもきれいです。せっかく気がそっくりということなので、今回このお方にもご参加いただきます♪最近辛い波がきてるようですし、少しでもお役に立てますように。お水いっぱい飲んで流してくださいねー。そして、1円募金でも誰かになにかするでもご感想をいただくでも、なにがしかの行動をしていただくと、エネルギーの循環がよくなるのでよりヒーリングが効きやすくなるようです。たくさん流して、波を乗り切っていきましょう♪すべてはバランス。表し方、でもありますよね♪→ベニトアイトってこんな石♪★リアルタイム日時 2009年6月2日(火) 21:30より1時間(日本時間)★コールイン受け取り可能時間 日本時間で上記日時~6月3日(水) 20:30開始まで ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★募集期限リアルタイム直前(火曜21:30)まで★参加ご希望の方はこの記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。
2009年05月29日
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アトランティスの大地を飲みこみ、海は嘘のような静けさを取り戻した。なにごともなかったかのように、陽の光がさんさんと水面に、そして残った地表に降りそそぐ。不可視の母船は上空で停泊し、その状況を調査していた。カイルとアエル=ルシオラの魂は、それぞれ母船内のヒーリングブースに移され、治療を開始された。融合し生まれたばかりの魂は、エネルギーが貯まるまでしばしヒーリングポッドの中へ。救出した肉体をもった存在は地表へと返されたが、サイキックの人々は母船内でリハビリを受けることになった。カイルもその中のひとりだった。「……アエルは? 助かったのでしょう?」それが、カイルが強制睡眠から目覚めてはじめに口にした台詞だった。担当の医師は彼の脈をしらべながら微笑した。「助かったとも。しかしかなりダメージがあったからね、今は別の場所でリハビリを受けている。そのうち会えるだろう」「よかった……」カイルはほっと息をついた。死んだのが自分でよかった。記憶操作により、土中に飲み込まれたのが自分、空からそれを見ていたのがアエルだと彼は思っている。ツインのエネルギーは元々どちらの立場も内面で共有していたから、操作は視点を変えるだけでよかった。アエルは怪我などしていなかったはずだが、ツインである自分が死んだなら、エネルギー的に相当のダメージを受けていても不思議ではない。けれど、死んだほうである自分がこうしているのだから、彼女はもっと回復しているはずだ、とカイルは期待をかけた。「いつごろ会えますか?」カイルの問いに、白衣の医師は笑みを崩さずにゆっくりと彼の目を見た。「そうだね……君はまだ目覚めたばかりで、これから新しいエネルギーとしてリハビリを始めるところだ。エネルギー的に安定するまで、まだまだ予断を許さない状況といえる。ツインであれば、むこうもほぼ同様の状態にあるというのはわかるだろう?」はい、とカイルは答えた。しかたがない、リハビリが終われば、また以前のように会うこともできるだろう。それまでは我慢しなければ。リハビリは長くかかった。そのうちに、アエル=ルシオラの魂はポッドでの休養を終えた。顔をあわせる機会は訪れないまま、リハビリは終了し、二人は転生することになった。二人の魂は受けたダメージが顕著であった。そのバランスを回復するために、これからしばらくの転生では、お互いの記憶を消した状態で、さまざまなサポートやエネルギーの補完関係を持つことが提案された。今までは互いにツインだと認識していることが多かったから、それはいくばくの寂しさをカイルの胸に呼び起こした。けれどもそれも学びであるし、ダメージのバランスを回復するためとあれば致し方ない。彼はその方法を了承した。飛び立つ二つの魂を見送って、トールは意識を世界樹に戻した。肩に降り積もる落ち葉をはらって立ち上がる。(世界樹よ……)(ゆくがいい、トール。もう数多の夢を見せてもらったよ)太い幹に手をあてて呼びかけると、すぐに世界樹は言った。(そもそも切れかけていた命数をここまで保たせたのだ。お前のその身体はもう限界だし、死んで生まれ変わるにはよい時だ)それは生も死も同じように抱きしめる、あたたかな慈愛にみちた声だった。(ありがとう)トールは心から礼を言って、もう一度樹の根方に座った。けれどもそれは、意識の一部を保った守人としてではない。ぎりぎり引き伸ばしてきた命を手放すためだった。限界までひきしぼっていた身体の手綱を放すと、すぐに彼の魂は飛翔した。中間生と呼ばれる生と生の間の時空へと飛んでゆく。根方に置いた肉体はいずれ朽ちて、世界樹の栄養になってゆくだろう。そしていつか枝先の葉となり、また落ち葉となってめぐるのだ。中間生では、魂はハイヤーセルフと一体化する。三次元に降りたときには忘れてしまっている情報を、ここでは持ちえていた。どこまでもひろがる広い時空間で、トールはアエル=ルシオラの魂をすぐに見つけることができたが、自分の存在は慎重に隠していた。もしルシオラの部分が彼に気づいて近寄ろうとしたら、アエルの部分と反発して、ようやく融合したばかりの柔らかい魂が分裂してしまうことにもなりかねない。現在のツインはカイルなのであり、切られたもうひとつのコードの存在は、それが越えられるようになるまで隠し続けられねばならなかった。アエル=ルシオラの魂は、カイルの魂と同一人物になったり離れたりしながら、予想したように試練の多い転生を選んでいった。トールは戦場で天使の子にそうしたように、けして当人には知らせずに、斜め後ろからそっと付き添うような形で、彼女のあとを追った。たとえば彼女がジャンヌであったとき、彼は幼馴染の錬金術師だった。しかし彼は中間生で、自分の右足を潰すことを計画に入れていた。足の悪い彼はジャンヌの旅についてゆくことができず、生まれ育った村を出ることなく一生を終えた。ジャンヌという大きな役目をもつ魂は、彼女やカイルのみならず、たくさんの魂によって構成されている。それでも三次元に降りて出会えば、どうしてもついていって護りたいと思う。そのことが彼にはわかっていた。しかし戦場では純粋なエネルギーを使うことが難しい。彼は離れた場所から、できることの最善をつくして彼女を護り続けることを選び、そのためにわざと足の不自由な人生を選んだ。それが目的のために三次元にかける制約というものだった。彼女がベアトリーチェであったとき、彼は忠誠を誓った騎士だった。愛妾の存在を隠したかった主君に命じられて、若き妃のお守り役をつとめたときが一番の幸福であったかもしれない。やがて彼女と主君が相愛になってお守りの任を解かれたのち、病の夫に代わって彼女が公務を執ったとき、彼は一番肝心な戦場で兵をひきいて戦っていた。資金が尽き、傭兵の脱走に頭を悩ませながらも、どうにか踏みとどまっていた。戦局が好転し、彼女は幸せに戻ったように見えた……だが主君の娘であった彼の妻が亡くなり、主君は浮気をはじめ、そして彼女も死んでしまった。最後に抱き上げた腕の重みを、彼は今でも忘れない。このときの生では、もうひとりの重要人物を護る任務が与えられていた。彼はその人物の死を、そしてその後の世の流れを見届け、死ぬために最後の戦場に行った。そこはかつて、若き妃と彼が仲良く遠乗りをした野原だった。そうしてつねに影の位置を選んで、彼はいくつかの転生を過ごしていった。*************この【銀の月のものがたり】シリーズは、現在カテゴリをimagesから 銀の月のものがたり へと移行中です。移行期間中はご迷惑をおかけいたしますが、どうぞ両方をごらん下さいませm(_ _)m→→登場人物紹介(随時更新)次はようやく現代に戻ってきます~ちょうど40話~50話が過去シリーズになりました。天使の子を書き始めるときに、10話くらいかなあ、ってなんとなく思ったのは当たってたのね^^;書くのに時間かかったのもあって、あー旅した!って感じがします 笑コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→☆ゲリラ開催☆ 5/22~5/28 四女神のハートヒーリング
2009年05月28日
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トールは母船内に立ったまま、目を閉じて一度視覚を世界樹のものに戻した。 色とりどりの流れ動くエネルギーの中に、小さなエメラルドの輝きをみつける。 ルースの魂はすでにこの船の中にあるようだった。 そこはカイルの寝かされている病室とは違い、ラボのような雰囲気に思われた。 壁際に一抱えもあるような大きな水晶のポイントがいくつも立てられている。その一本一本に、ひとつずつの魂が保存されているようだ。 ルシオラの魂はすぐにみつけられた。 扉を入って左の、壁際から三番目だ。そのとなりの水色の輝きが、肉体をなくしたアエルの魂だろうと思われた。 かつてカイルとは長く同僚として働いたが、アエルとはあまり会ったことがない。 生まれながらのツインであれば、転生ごとに違いは出るだろうが、双子のようにまったく同じ形質を持つか、もしくは相手を補完する形になっているはずだ。元々ひとつのものを二つに分けているのだから。 クリスタルに入っている魂を見る限りでは、今生のアエルは後者のようだった。 輝きの強さよりも穏やかさが、無邪気さよりも冷静さが見て取れる。反政府運動をカイルが表に立って進めたなら、その裏方をうまく担っていたのだろう。 しかしなぜ、アエルの魂の輝きがこんなにも薄いのだろうと、トールは不思議に思った。 弱い、のではない。大きさとしてはルシオラよりも大きいのに、「薄い」。 強い生命力を持ちながら、自らの意思によって背景にまわり、薄くなろうとしているかのようだ。 永い永い間世界樹で過ごし、魂としては若いままのルースに対し、アエルの魂はすでに何度も転生を重ね、とても多くの経験を積んでいる。 水色の輝きは、角度を変えるとぐっと濃さを増し、宵闇の黒い光ともなった。ルシオラの中にもあるそれは、辛い経験による哀しみの色か。 哀しみを学ぶために分離したのか。 アトランティスの地中に飲み込まれてゆくアエルは、息苦しさと別離の悲哀はあったものの、自らの意思で殉教することを選んでいた。 ツインという繋がった状態でそれをするとどうなるか。 二つの魂は内側で繋がったまま別れを経験する。別れは別れでありながら、引き裂かれる痛みをともに感じながら、同じ闇に哀しみに共振してゆく。 ルシオラの手術のときがそうだった。 あのときトールは同時に施術される側の心を体験し、ルシオラはトールの心を体験していた。 二人は物理的にコードを切断しつつありながらも内側で共振し、お互いのすべてを自分のこととして心に映し、そして絡み合うように闇に落ちていった。 トールの痛みも苦しみも悔恨もルシオラのものであり、彼女の辛さも痛みも心の喪失もトールのものだった。 喜びも哀しみもすべてエネルギーとして同時に体験する。それを倍にするか半分にするかは、それぞれの選択だ。ツインとはそういうものだ。 喜びは倍に、哀しみは半分に。そうできれば一番いい。 けれどそのためには、少なくともどちらかが哀しみの淵で理性を持って踏み止まり、片割れを引き上げなければならない。 感じてはいけないのではなく、怒り、哀しみ、泣いて……そしてしなやかに立ち上がること。 トールはアエルの魂を見つめた。 哀しみの黒を持つ青い輝き。 これからルシオラとひとつになる光。 やがてラボの職員達がやってきた。 アエルとルシオラの水晶ポイントを大事そうに抱えてゆく。ゆらめく影のように、トールは後を追った。 厳重にセキュリティのかかった部屋で、精密な魔法陣とも装置ともとれる場所の中央に、二つのポイントが安置される。 魂の誕生も融合も、目にするのは初めてではない。 二つの輝きが融合していくのをじっと見つめながら、トールはルシオラの魂が生まれたときのことを思い出していた。 あれほどに輝ける光は、他の誰と融合したとて簡単に消えることはあるまい。 水底のように揺れるエネルギーフィールドの中で、二人の根底に流れる哀しみの黒が同調する。黒は背景にまわろうとする薄い青と溶けあい、モリオン(黒水晶)のように輝きはじめた。 エメラルドとモリオンをともに包含する魂が生まれる。 ・・・・・・そう、生まれるのだ、とトールは思った。 新しい魂の誕生。 それぞれのかけらにはそれぞれの過去の記憶と特質を宿しながら、全体として新しい魂として生まれ出でる。 これがもっとたくさんのかけら、人格の残らないようなかけらを合わせた場合には、ほぼまっさらの魂と同じになる場合もある。 けれどアエルとルシオラは、おそらく上の計画でもあるのだろう、その過去世を引き継いだままの融合となった。陰陽の完成形としての知識と経験、生まれ持った、そして添加された特質。それらを併せ持つ魂が必要とされているのかもしれない。 そのかすがいが喪色の哀しみであろうとは。 トールは重く深い息をついた。 これでは彼女は転生のたびに苦しみを引き寄せる。魂に眠る癒されぬ哀しみが、そういう事態そのものを引き寄せてしまう。 それすらも上は計画に入れているというのか。 彼の脳裏を、実験体に志願したときのルシオラの顔がよぎった。誇りに満ちて自らの道をえらんだ、輝けるエメラルドの瞳。殉教を決めたアエルも同じだったのだろう。 (あなたは・・・・・・これからもそうして生きていくんだね?) 黒と緑のきらめきを前に、ひとりごとのようにトールは呟いた。 アエル=ルシオラとなったこの新しい魂は、きっと同じように自らの生を選ぶのだ。 別離を知り、味わい、味わわせ・・・・・・そしてきっと、その奥に隠れる愛に気づくために。 たとえ三次元の生でそのたびにどれほど苦しもうとも、時々の色の瞳を輝かせ、何度でも志願するに違いない。 そのために生まれてきたんだ、と。 ・・・・・・なんという愛しき輝きよ。 なんという愛すべき強さよ。 ならば自分は踏み止まる者であろう。 ツインのコードはすでにないが、遠く見守り、彼女の休める止まり木であろう。 不幸よりも幸せを数え、哀しみよりも祝福をたずさえて。 見えない長い指が、そっと水晶の表面を撫でる。 (さよなら、ルース) トールはささやいた。 彼のルースはもういない、けれど。 (はじめまして、黒と緑の子。・・・・・・この誕生に祝福を) しばし目を閉じ、ルシオラ誕生のときと同じ祝福をトールは捧げた。 これからいくつの転生で、あなたがどんな人格でも、どんな外見でも、どんな人生を歩もうとも。 変わらずに愛しているよ・・・・・・ずっと。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズは、現在カテゴリをimagesから 銀の月のものがたり へと移行中です。移行期間中はご迷惑をおかけいたしますが、どうぞ両方をごらん下さいませm(_ _)m→→登場人物紹介(随時更新)「退院した緑ちゃんは、トールさんにはどう見えてるんですか?」と聞かれますが前の緑ちゃんとあんまり変わりません(笑)羽を出すようになって、髪の色がちょっと薄くなったくらいかな。基本、こんな感じです→http://plaza.rakuten.co.jp/californiajade/diary/200806050000/ 呼び方とか詳しくは、mixiに書いたのをじぇいど♪さんが転載してくださったのでここでは繰り返しませんがw前の通りでーす♪コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→5/26 光の花園ヒーリング☆ゲリラ開催☆ 5/22~5/28 四女神のハートヒーリング
2009年05月25日
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来週火曜日のヒーリング。どうしようかな~と思ってました。開催中の四女神ヒーリングとかぶるから、どうせなら同時に受けたら効果倍増!みたいなのが面白いかな~と思ってwwwで、女神のエネルギーとうまく相乗効果のあがるエネルギーってなんだろう?と考えて思いついたのが、分身というかハイヤーの一人である、銀巫女マリア。以前も、芽吹きのヒーリングとかで出てきたことありますね。この人は、私にとっておそらく女性性の象徴です。トールが男性性。で、小説になってますけども、悪魔さんでさえ想う、と言い切って手をさしのべる愛の人。この人のもっている?花園が、次の話に出てくる光の花園です。きらきらした光のあふれる、とてもきれいなところ。タイトルはここからとりました。26日は誕生数秘学でも「愛情」の日だそうで、なんかいいんじゃないかな~と思いました♪相変わらず思いつきですwwwもちろん、四女神と同時に受け取っていただけます。ただしお申し込みは、四女神のほうにも別個にしてくださいね。女性性を解放して、たおやかにしなやかに♪→★リアルタイム日時 2009年5月26日(火) 21:30より1時間(日本時間)★コールイン受け取り可能時間 日本時間で上記日時~5月27日(水) 20:30開始まで ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★募集期限リアルタイム直前(火曜21:30)まで★参加ご希望の方はこの記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。☆ゲリラ開催☆ 5/22~5/28 四女神のハートヒーリング
2009年05月23日
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皆様こんにちは。また唐突にゲリラヒーリング開催ですw今回はふとっぱら?に一週間やってみることにしました~四女神さまにご協力を願いまして、ハートの痛みを和らげ、未来にすすむためのヒーリングです♪去年の11月に一度開催して、すごく評判がよかったのでまたやろうと思ってました。過去世とかきつい浄化とか、がっつんがっつん来てる方が多そうですしね^^;<自分もなにかのお役にたてましたら幸いです♪私が持つ、4つの女神のリンクは以下です。4女神まとめてだったり、おひとりずつだったり、そのときに必要なエネルギーが流れるように設定しております。期間中何度でもお受けいただけますので、その時々で違ったりするかもしれません。そのへんはお好きにお楽しみくださいませw伝授ではありませんのでご注意くださいね^^◆ラベンダーフレイム・オブ・クァンイン 社会的、宗教的なものから築かれた女性へのネガティブなブロックを浄化し、平和と慈悲の感覚をもたらします。 男性が受けてもその人の傷ついた女性性を癒すのにも役立ちます。 私達に自分自身への思いやり、自己破壊の無意味さを教えてくれます。「今ここにある、あなたはそのままで完璧。完全になるために必要なものは他に何もない。あなたは神のすばらしい子供でそれだけで十分」と教えてくれます。◆アフロディーテ・ビューティ・レイ 外面的な輝く美、インナービューティ、そしてロマンスを受け取れるよう助けます。◆フレイヤ・マリアージュ・レイ フレイヤと繋がることにより、あなたの結婚と愛の生活をより良いものとできます。 フレイヤは強く自立している女性の女神であり、彼女たちの成功をつかむように勇気づけてくれます。 また男性には、過去を浄化し、強められ成功を掴むように導きます。◆フォルトゥナ・ラック・レイ 本当の幸福をもたらし、その人が与えられたら周りの人へも分け与えることで、その人のカップから幸せがあふれるように手伝います。応援してくださってありがとうございます♪→★ヒーリング期間本日この記事がアップされてから~29日(金)朝6:00まで 1回30分(募集も同じく)期間中、何度でも好きなだけコールインでお受け取りいただけます。 ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★参加ご希望の方は最初の一回のみ、この記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。
2009年05月22日
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以前、素敵なアズラエルの絵(しばらくずっとトップに飾っていたので、覚えてらっしゃる方もいらっしゃるかも♪)をいただいたことがあるたみえさんから、今度はルシオラの絵をいただいてしまいました~! きゃ~~~かわいい!!じぇいど♪さんとこで紹介されてた絵でもそうですが、ルースたん「かわいい路線」を狙うことにしたんでしょうか・・・wそしてこの直後にべーーーーっと舌を出すとか(たみえさん談)、上の絵をずーっとカメラを引いていくと・・・・地面に倒れて踏んづけられて泣いている シュリカンがいたりするのかもしれない 笑 とか(じぇいど♪さん談)外見可愛いだけに、そらおそろしいものがありますけどwwwたみえさんは、天使の絵を描かれるお店をやっていらっしゃいます。素敵な絵ばっかりですのでぜひ♪民絵屋 http://www.kagishippo.com/ たみえさん、本当にどうもありがとうございました~ぽちっとお願いいたします→
2009年05月21日
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グラディウスやら天使時代やら、いろんなトラウマを統合していって、トールのイメージがだいぶ変わった、というのはじぇいど♪さんの記事にもありましたが。上の人って三次元の肉体がないから、けっこう簡単に外見が変わってしまったりします。トールって最初出てきたときはわりに中性的な感じの、背は高いけど、まんま技術畑な線の細い人、だったんですよね。こんなかんじ。 by teruさん第三回遠足のときはこんなかんじ? ちょっとたくましくなって、ちびウルちゃんを肩車しておりますw by ウルさんウルさんの絵は楽天初お目見えかも。お上手ですよね~♪ どうもありがとうございました!!・・・で、今はといいますと。すっごいそっくり!な画像をみつけたんですが、中国人のイラストレーターさんの作品なので、画像そのままはリンクできないのですよね~サイトそのものは商用のギャラリーだからご紹介してもいいのかな?こちらです。http://heise.deviantart.com/gallery/ ここの2ページめ、4段目の左から3っつめ、「BHMC-7」という作品です。服と剣の装飾をとっぱらってシンプルにすると、イメージがほんとめちゃめちゃそっくり!!だーいぶ男らしく?なったのでございます。ちなみに1ページめの、5段目のいちばん右、「zi」はグラディウスそっくり。同じく1ページめ、4段目左から2つめ、「warrior in the dark」はシュリカンくんのイメージwじぇいど♪さんによりますと、「ただ、あれは本人の「希望」する雰囲気と一応近い外見、であって もっとずっと中身が子供っぽいけどね 笑 でもあれに刺青いれまくって赤メッシュいれたらにてるんだよなw 」 ということですwwあ、もちろんイラストレーターさんご本人は、こんな日本のブログのことなんかご存知なく描いてらっしゃるので、間違っても向こう様に言わないでくださいね^^;ちなみにイラストの場所は、新しいイラストが追加されるとずれるようです。その場合はタイトルで探してみてください♪それにしても、一人の人の描いた絵にこんなに「似てるー!」があるって不思議ですよねえ。他にも素敵な絵がいっぱいなので、よかったら見に行ってみてくださいね♪ぽちっとお願いいたします→
2009年05月20日
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アトランティスの終末。 ひとりになったトールは世界樹の根方に座り、そこに意識をあわせた。世界樹だけのときはエネルギーの奔流にしか見えないが、守人ならば見ようと思えばその世界をそのまま具体的に見ることができる。 大きな、大きな津波が世界を襲っていた。 沈みゆく大陸。泣き叫ぶ人々の声。 トールはカイルを探した。彼のエネルギーなら知っている。・・・・・・いた。 「アエル! アエル!」 悲痛な絶叫が、カイルと重なったトールの脳裏を焼いた。 テレポーテーションで上空に上がっているカイルの頬を、涙が流れている。 必死に手を伸ばし、下に向かおうとするのを周囲の人々が押しとどめていた。 「アエル!」 周囲から羽交い絞めにされたカイルの涙が、伸ばした腕のむこう、ぽろぽろと宙をこぼれてゆく。 しずくはまるい形になって下へ下へと落ちてゆき、まさに津波に襲われ、流された大量の土砂に埋もれようとしているアエルと民衆の元へ落ちた。 (カイル・・・・・) 悲しげな心と息苦しさがかすかに届く。 カイルの胸にいまさらの疑問がわきあがった。 なぜ自分はここにいる。彼女と離れてここに。 彼女はなぜあがってこない? つないでいた手は、なぜ離れてしまったのだ。 ツインのエネルギーは共振し、彼女の痛みも哀しみも我がことのようにここにある。 彼女もまた、カイルの苦しみも悔しさも同じく抱いているだろう。 なのになぜ、俺達はこんなにも違う場所に離れているのか? 怒涛のようにたくさんの疑問が頭をもたげるが、誰もそれに答えてはくれなかった。 普段彼を導いてくれたマスター達でさえ。 彼らがカイルに答えてくれないのか、それともその声が聞こえないほど自分が取り乱しているのか、カイルにはもうわからなかった。 轟音がとどろく。神殿が崩れてゆく。 あの神殿は昔自分が作ったのだ。だから何とかしたかったのに。 そのための反政府運動だったのに。 教え導いてきたたくさんの弟子たち。 彼らはどこにいる。 助かったのは。助からなかったのは。 彼女は多くの人たちともに殉教し、肉体的な死を選んだ。 ……死? 耳をつんざく轟音。襲いかかる津波と土石流。 飲み込まれてゆく。愛するアエルが。俺の魂の片翼が。 大いなる光から生まれ、ひとつの魂をふたつに分けた俺の半身。 二人でひとつの陰陽の完成形。 ・・・・・・なのになぜ俺はここに生きている? 陰陽の片方、魂と身体の半分を失って、なぜ俺はここに生きている? ・・・・・・生きて、いるの、か? カイルは絶叫し、その意識は暗転した。 (・・・・・・記憶の処理はどうなってる?) (消してあります。あのままでは自我崩壊してしまいますから) (そうだな・・・・・・これほどのサイキックが崩壊したら手に負えない) (書き換え処理を?) (そうしよう。自分が死に、ツインは助かって救出された、と) (わかりました) 男達のささやきが聞こえる。 眠っているカイルの身体に重なって、トールは意識を目覚めさせた。 わずかに湾曲したメタリックな壁、そう広くはない室内。どこかの母船に救出されたのだろうか。 カイルから抜け出て観察すると、白衣を着た男達が何人も大きな船の中を動き回り、負傷者やカイルのようなサイキックに治療を行っていた。 一般の負傷者は別の部屋でてきぱきと治療され、すぐにどこかへテレポートさせられていた。 してみると、この船は特殊能力者の収容を目的としているのかもしれない。 カイルのいる部屋は個室になっており、廊下に出ると似たような部屋がたくさん並んでいるようだ。 壁には特殊な処理がほどこされ、テレパシーのノイズなどが部屋に入らないようになっている。 今トールの使う世界樹のエネルギーというのは特殊な中立性を持っており、ほとんど誰にも感知されることなく、どんな結界にも影響を受けることはないが、さもなければ中を覗くことはできないと思われた。 廊下から戻ってみると、カイルは一人で寝かされていた。重厚なヒーリングエネルギーが部屋を満たしているのがわかる。ぐっと睡眠意識下にひきこむような、深い眠りを維持するような、そういう性質のものだ。 おそらく、自我崩壊の可能性のあるサイキック達は、みなこうして記憶操作をされたのちに眠らされているのだろう。 もちろん、永久に記憶を変えたままいられるわけがない。 しかし彼らは目覚めてパニックを起こしたが最後、あたりを破壊するような爆発的なエネルギーを放出してしまう。 またその時には、サイキック自身の自我も非常に脆くなっているため、彼らを狙うものがいれば絶好の好機として簡単に捕まえられ、壊されてしまうのだ。 それが一人や二人ではない以上、彼らを護るためにも、はじめの処置としては仕方がない部分があるのだろう。 封じられた、あるいは変換された記憶がいつ戻るかは、サイキック自身の流れによるのだろうと思われた。 (アエ・・・ル・・・・・・) 眠らされた意識の奥底で、カイルがかすかに呟くのが聞こえた。 夢の中でもきっと彼は彼女を探しているのだろう。混乱と喧騒の中でその名を呼び、必死に手を伸ばしているのだろう。 カイルの記憶はすでに書き換えられ、土砂に飲まれて死んだのは自分ということになっている。 アエルは助かり母船に救出された、と。 夢がその場面にきたのだろうか、カイルの表情がほっとやわらいだ。 そうだろう、と思う。 片割れを失うくらいなら、自分が死んだ方がどんなにかいい。 作られた記憶を唯唯と受け入れた彼の気持ちが、痛いほどトールにはわかった。 カイルにとっては、たった一人のアエルなのだ。 替えはきかない。 失うことは耐えられない。 トールにとってのルシオラと同じように。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)ついにmixiに追いついちゃいました~^^;ちまちま載せようかとも思いつつ、あえて自分の首をしめてみますた(爆続き書けますように~!!コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→ 5/19 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月19日
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どれほどの時が経ち、いくつの夢を樹に見せたころであろうか。 世界樹のもとにミカエルとラファエルがやってきた。大樹の根方に座るトールを見て、大天使はしばし絶句した。 「お前・・・・・・ここにいたのか。ルシオラの魂が減衰しないから、生きているのは知っていたが。守人になっていたとはな」 (死ぬわけにはいきませんでしたからね) 世界樹の視界に見える、白と青、白と緑の鮮やかな天使たちのエネルギーに向かい、目を閉じたままトールは微笑んだ。 もし今彼が死ねば、種からのエネルギーの供給がなくなり、ルシオラの魂は持たなくなってしまうだろう。けれどあの重傷であの状態で、死なずにいるにはこの方法しか思いつかなかった。 「ちょっと起きろ。そろそろ、世界樹に渡せそうだ」 その言葉に、久しぶりにトールは肉体の目を開けた。きらめく青灰色の瞳に、小さな魂の輝きが映る。 彼は身体につもった落ち葉をはらって立ち上がり、じっとその小さな光を見つめた。 ミカエルの色合いを映した光、元々の輝き、そしてトールの光。三者が混ざった状態で、やわらかに落ち着いてはいたが、まだひどく脆弱だった。 「ようやくかけらになった、というところですね」 ラファエルがため息をつく。大天使の元にあってさえこれほどとは、元がいかに消滅寸前のひどい状態であったことか。 「これからは私の光も注ぎましょう・・・・・・世界樹ではあなたが護ってくれるのでしょう、トール」 「ええ」 大天使たちの瞳をしっかりと見据えて、トールは答えた。 ミカエルがうなずき、掌のうえの小さな光を黒い羽の天使に渡す。彼はそれを一度胸におしいただくようにして、それからゆっくり振り向くと樹にむかってさしだした。 小さな光は生まれたての雛のごとく、ふわふわと危なっかしく宙を飛んで、吸い込まれるように樹の中へ消える。 トールは目を閉じた。すると世界樹を流れるエネルギーの奔流の中に、小さなエメラルドの光が・・・・・彼女の瞳の輝きが、たしかにあることが感じられる。 ここにいる三人の光がその宝石をしっかり護っており、魂のかけらとしてはまだ小さいものの、流れに飲み込まれて消えてしまうことはなさそうだった。 ほっと息をつき、彼は二人にうなずいてみせた。 ミカエルもラファエルも、少し安心したような微笑を浮かべる。 頼んだぞ、と言い置いて二人は帰っていった。 トールはまた大樹の根方に座りなおした。 守人になって短い期間ではなかったはずだが、思ったよりもエネルギーが回復していない。やはり種の存在というのは大きいのか・・・・・・もしくは、ルースの消耗がそれだけひどかったということか。 かすかな眩暈をおぼえながら、彼はまた不動の体勢にもどった。 世界樹のエネルギーにゆっくりと浸って、彼女の魂は少しずつエネルギーを吸収してゆくはずだ。 ロストして砕けた魂はそうして、回復するまで世界樹に預けられる。あまりに損傷がひどいためにいつまでかかるか見当もつかないが、いつかは彼女として回復できるはずだった。 トールは世界樹として彼女の魂を抱いていた。 根の国から子守唄が聞こえる。大樹の地下、太い根の伸びる場所はまさに根の国だった。 死者と暗き生き物たちの棲む、黄泉の国。すべての世界は闇の子宮を通って生まれるがゆえに、光と闇の両方を等価に知る者しか守人になることはできない。 そしてここは、光の天使も闇の力も、ともに手出しのできぬ完全な中立地帯であった。 子守唄は毎日のように続いた。歌っているのは色褪せたドレスを来て青白い顔をした、亡者のような女性だった。 魂の眠る根の国に毎夜やってきては、自動人形のように子守唄を歌う。その顔は無表情であったが、彼女がルシオラのために歌っていることをトールは知っていた。 彼女もまた、ルシオラの魂の輝きに魅せられたひとりなのだ。 子守唄は幾晩続いただろう。 いくつの夢を、世界樹に見せただろう。 ルシオラの魂の回復が遅いことに、トールは気づかざるをえなかった。 自分自身のエネルギーさえ、長の間に回復するどころか、じりじりと減っているような気さえする。 思い当たる理由はひとつしかなかった。 二人でひとつの命の種では、供給が追いつかないのだ。 せめてトールが万全の状態であるならばともかく、死んでもおかしくない重傷だったのだから。 二人ともに死の淵から蘇らせるには、彼はすでに消耗しすぎていた。 ふたたび二人の大天使がやってきたのは、そのころだった。 気の重いしばらくの沈黙が流れる。 やがて、秀麗な顔を痛みに堪えてしかめながら、ミカエルが口を開いた。 「アエルが……ロストした。アトランティスで」 「なんですって?」 トールは肉体の目を見開いた。 アエルは知っている。以前長く同僚であったカイルのツインソウルだ。彼女がロストしてしまったとは……片割れのカイルの苦しみ悲しみはいかばかりだろう。 自らの辛さゆえによくわかり、トールはカイルのために悼んだ。 「アエルは回復できるのですか」 ただのロストであればいいが、とトールは問うた。守人としてエネルギーを捜せばわかるはずだが、なぜか口が先に動いた。 すると、今度はラファエルが首を横に振り、苦渋に満ちた声を出した。 「だめでした。あまりに損傷してしまっていて…… 彼女を失ったことでカイルは半狂乱になり、現在記憶操作を行われています」 「……それで、トール。俺達がここに来たわけなんだが」 「聞きたくありません」 鋭いが力のない声で、黒い羽の男はさえぎった。 大天使達が何を言うためにやってきたのか、わかってしまったのだった。 彼は弱々しく首を振った。いやいやをする幼い子供のように。 青灰色の瞳には涙こそ浮かんでいなかったが、ひびの入った脆いガラスのごとくに、大天使達には思われた。 いまだかつて、これほど傷ついた彼を見た記憶はない。一連の事件の前までは、いつも穏やかに微笑んでいるような男だった。 ミカエルもラファエルも、友人の辛さがわかるだけにしばらくかける言葉をもたなかった。 しかし、やがて思いきったようにミカエルが口を開いた。 「……ルシオラの魂を、アエルと合わせたい。アエルのほうがかけらが大きいから、しばらく休ませれば、一個の魂としてやっていけるエネルギー量になるはずだ」 一気に言う。たとえ上が決定したことでも、けしてそのせいにせず自己の責任として言葉にするミカエルだった。 ラファエルも悲しげにうなずく。 トールは耳を塞ぎたい気持ちだった。 施術でコードを切って一度。 死んで闇にのまれて二度。 いまここで三たび、それも永遠にルースを失えと言うのか……? 魂をアエルと合わせるということは、アエルの部分とルシオラの部分を持つ、まったく新しい魂が生まれるということだ。 そしてアエルのかけらの方が大きいのならば、ツインソウルの位置はカイルが引き継ぐことになる。 隣に立ち、一番近い位置で彼女を護るのは、カイルの役割となるのだ。 トールではない。 トールの立つ場所は、彼女の隣にはなくなる。 彼女がアエルと融合している限り永遠に・・・・・・。 ルシオラの部分が完全に消えてしまうわけではない。 わかっていた。 愛するルースの魂を生かすには、もうこれしかないということも。 このままエネルギーが枯渇して共倒れになるか、彼女の魂を手放すか。 二者択一なのだ。 最終的に自分がどちらを選ぶのか、トールにはそれもわかっていた。 彼女がこのまま消えてしまうのを許すことが、彼女の存在そのものを失うなどということが、どうしてできよう? 存在していてほしいのだ。 生きていてほしいのだ。 たとえ彼女が彼のルースではなくなったとしても。 幸せな幸せな、魂の片翼という位置を手放したとしても。 なにものにも代えがたく、ただ生きて笑っていてほしい。 ・・・・・・それだけでいい。 「・・・・・・わかりました」 しばらくきつく閉じていた目をあけて、トールは言った。 立ち上がるその姿は若い外見を保っていたが、まるで一気に年をとったかのようだ。 世界樹にあてた手を通して、ルシオラの魂が取り出される。 やわらかに輝く小さなエメラルド。 (……愛しているよ、ルース。いつも、いつまでもずっと……) そっと掌につつみ、名残をおしむように優しくキスをして、彼はその輝きを大天使たちに手渡した。 納得していてさえ、心がふたつに張り裂ける。 手術の時以上に手が嫌がるのを、理性でとどめねばならなかった。 大天使たちの後姿を、トールは身動きもせず見送った。 彼女さえ生きていてくれるなら、自分はどのようにでも生きてゆける。 けして自ら死は選ぶまい。 小さな種でつながる彼女を、できうるかぎり護るために。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)ま・・・まずい・・・あと一話でmixiに追いついちゃう(爆緑ちゃん入院話とかは別に書き溜めてあるんですけど^^;過去シリーズが進まなくて・・・・・・ orzコメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→ 5/19 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月18日
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星屑のちらばる宇宙空間。 果てもなく広いそこの中心に、一本の大樹がある。すべての闇に根をはり、すべての光に枝をのばし。 セントラルサンに位置するこの樹は宇宙そのものだ。幹は世界をささえ、枝先の無数の葉には、ありとあらゆる天使や人や妖精、すべての魂のすべての転生がある。 惑星にもそれぞれの世界樹があるが、ここはすべての中心となる一番大きな樹がある場所だった。 (久しいな・・・・・・今はトールか。色を変えたのか?) どっしりとした声が、幹に手をあてるトールの心に届いた。宇宙樹の幹ははるかに大きく、小さな街のひとつくらい入ってしまいそうだ。 木肌はごつごつした箇所も、まだ生まれたばかりとおぼしい、つるりとした箇所もある。 つねに死と再生をくりかえし、ただそこにある樹。 過去も未来も、この世界で彼が知らないことは何もない。 (元の属性に戻ったというだけですよ) (ふふん・・・・・・いと古き魂よ。たまには私に夢を見せてくれる気になったということだな?) (夢ねえ。あなたが知らないことは何もないというのに?) (人に入って見る夢はまた違うのさ。誰もが夢の守人になれるわけではない・・・・・・悠久の時を過ごす私の、ささやかな楽しみを邪魔しないでおくれ) 広大な空間に伸びる太い枝を揺らして樹は笑った。 枝先に宿るそれぞれの人生は、時の流れに浮かぶうたかたの夢。かつ消えかつ結びて流れゆく生と死の夢をも、世界樹は見守っている。 守人は身体をここにおいて転生し、その夢を樹と共有しながら、実際に眠りの守護者となる者のことだった。 (依頼を数万年蹴ってきましたからね、仕方ない。けれど今の私に守人が務まるかどうかわかりませんよ) (種を渡してしまったのだな。しかしお前ならできるだろうよ。種がなくとも存在が消えてしまわないとは、あきれた奴だ) (想い人のひとりくらい養えないとね) トールは肩をすくめた。小山のように盛り上がっている根の間を歩き、よさそうな場所を見つけると、大きな幹に背をあずけて座る。 眼の前に、果てのない星々の海がひろがっていた。無数に輝く光点のひとつひとつに星の歴史があり、その星の中に生きるすべてのものたちに、またそれぞれの物語がある。それはなんとも雄大で不思議な光景だった。 (そうだ。そんなに長い夢は見せられませんよ。人の尺度にしてせいぜい二十年から三十年・・・・・・もし彼女が同じ時空間にいれば、彼女よりすこし長く。 でも、今彼女は眠っているから) (わかっている。お前もとっとと眠らんか。もう立っている力もないのだろうに) 種を手放した上、ツインの片翼があの状態では、と言外に樹は言った。 (よくご存知で) ふっと笑ってトールは目を閉じた。とたんに身体中の力が、これほどなかったのかというくらい抜けてゆく。 彼の意識はすみやかに背後の世界樹に溶け、視界はかえって広がった。 世界樹の視界は、エネルギーで見た世界の流れそのものだ。 さまざまな色のさまざまな感触のエネルギーが生まれて四方八方に流れ、渦巻き、寄りそいまた離れて消えてゆく。 それは始まることも終わることもない、永遠の螺旋。 美しい、けれどとりとめのない生命の音楽の中で、守人の夢は鮮烈な映像の個を世界樹に見せる。 喜び哀しみ泣き笑う・・・・・・それは肉体のある存在にしかわからない輝く虹だ。 トールは世界樹の力を借りながら、いくつかの夢を樹に見せた。 やがて樹は枝をふるわせて不思議そうに呟いた。 (黒は自らが背負う罪の色か。純粋なエネルギーは傷つくことはない。それなのになぜ人は罪を背負うのだ?) さあ、とトールは答える。樹の意識に溶けている彼の姿は、閉じられたその瞳をのぞいて、髪も翼も全身が黒い。 (罪はわが手に。罰はここに・・・・・・そして未来に。 永劫に背負わなければ、自分が納得できないのですよ) (すでにそれほどの責を負ってもか) (責の重さではないのです。 いつかどこかの未来で、彼女が本当に自由になれるときがきたら・・・・・・。 そのとき初めて、私は私を赦せるようになるのかもしれません) (だが、お前のしたことは始めから計画されてあったのだぞ。宇宙の時間軸に書き込まれていた事項を、夢見る前に選んだにすぎん。 血を吐くような苦悩も懺悔も、すべてこの私の葉に示された事象だったのだぞ) 承知して選んだものであるはずだ、と樹は言った。なのになぜ自分を責め続ける必要がある、と。 トールは哀しげな微笑をうかべた。 (わかっていますよ。それでも・・・・・・それでもなお、愛しき者の笑顔を奪った、この自分自身を焼かずにはいられないのです。 これは私の問題で、彼女が知る必要はないことですが) 意識の一部をここに保った守人としてではなく、魂そのものの転生を幾度か越えたなら、この悔恨は薄まるのだろうか。 それとも思い出すたびに、血の涙を流して苦しむのだろうか。 後者だろう、とトールは思った。 彼女への愛を思い出すなら、深さに比例してこの悔恨もやはり思い出すのだろう。 いつか超えるまで、それらは分けることはできないのだから。 あるいは罪という幻の傷を目印に、そうしてあのひとに会いたいと、広大なエネルギーの海の中で人は希求するのかもしれない。 約束された未来というものがあるならば、それはいつ訪れるだろうか。 いつかまた、二人で笑いあえる日が訪れるだろうか。 今、彼女は白い天使の中に眠る。 黒く変わった天使の力をも、その身のうちに受けながら。 おやすみ、と彼はささやく。 今はおやすみ。 いつか目覚めるまで、暖かなまどろみの夢を守人たる私が護ろう。 いい夢をごらん、やさしい夢を・・・・・・。 心もつもの、虹の夢見る者は難儀よな、と世界樹は言った。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→ 5/19 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月17日
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コラボヒーリング、第三弾♪やっぱり三回シリーズでしょう、と勝手に(笑)決めて兎月さんを引きずり込んだ私です。えへ。だって私の直感で決めていいっておっしゃったんだも~んw兎月さんって大地とのご縁が深い方で。グラウンディングもとてもしっかりしてらっしゃるし、コラボを組ませていただくのがとても勉強になります。最近は天使系スパルタにびしばしやられてらっしゃるようですが、ますますパワーアップされてて今後がわくわくです♪不定期でセッションもやってらっしゃるようですので、要チェックですよ~♪もちろん寝落ち歓迎のヒーリングですから、もしよかったら地球に感謝を届けるおつもりだけ最初にアファメーションして、あとはぐっすり寝てくださればと思います(笑)イメージなんかなくてもかまいませんwまったりお楽しみくださいね~♪皆様の祈りは天使の力を借りて、地球へ届けさせていただきます☆たくさんの土地が癒されますように♪→★リアルタイム日時 2009年5月19日(火) 21:30より1時間(日本時間)★コールイン受け取り可能時間 日本時間で上記日時~5月20日(水) 20:30開始まで ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★募集期限リアルタイム直前(火曜21:30)まで★参加ご希望の方はこの記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★★今回は兎月さんとのコラボヒーリングとなっております。お楽しみに♪★★★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。
2009年05月16日
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「ペイン・コントロールについては他論の通りである。 抹消神経繊維に三層の皮膜を被せて痛覚刺激の量を電気的に加減する。 中脳の背側縫線核(dorsal raphe)や中心灰白質(central gray)を電気刺激すると痛覚が抑えられ、動物では侵害防御反応が抑えられる。 同時に視床下部におけるレセプタを改変する。 放射された疝痛物質であるセロトニンをフラーレン操作により右旋方向に六十度回転させ快楽物質であるドパミンに変換することで痛みを快楽にすりかえることが可能である。 そのための式および発動陣は以下に記す。動力は当人のエネルギー核より使用、通常心臓の鼓動の半分ほどのエネルギーで可能である。 (中略) ドパミンレセプタの構造式を魔法的に書き換えてある程度粗雑化し受容感度を低下させると、より多くのドパミンが放出される。 快感と同時にアドレナリンの放出を促すため戦時における高揚状態を早期に作り出すことが可能であり、アドレナリン単独の作用としても痛覚の麻痺が期待できる。 また催眠等深意識下の条件づけにより前頭葉における帯状回を麻痺させ活動を停止させると、痛みを認識するが不快に思わない、という状態になる。通常の日常生活における損傷を防ぐという意味で、皮膜システムとの併用が有望視される。 (中略) 戦士として容赦のない状態・情けのない状態を作り出すために記憶操作が必要であるとの指摘がある。 コードの切断はそれが生まれた機序を知ればその外側から切断してゆくことが可能である。構造は神聖幾何学によって説明が可能であるが、この稿では述べない。 コード及びその基盤に当たるチャクラの改変を行うことで記憶の操作を行うことができる。海馬における記憶そのものを減退あるいは消滅させるわけではない(それは効果に対して危険が高すぎると判断する)が、いわゆる引き出しの鍵を壊す行為であり、記憶自体はかなりの深度に封じられる結果となるであろう。 ただし最後に記す。 上記は理論上可能であるが、これらの操作が被験体の感情および精神に対してどの程度の負荷をかけるのかは未知数である。 操作自体および術後体験が大きな心的外傷となることは明らかであり、それは幾度の転生を経ても減殺しない。それどころか当人にとって毎回の生死を左右するほどの大きな重荷になるであろう。 これらの操作が心を持つものに対してしか有用でないことは明らかであり、またその心を殺すものであることも明白である。 ゆえに安易に用いるべきではない。理論上可能だからといって推進することを私は支持しない。 繰り返す。 これらの操作は安易に用いるべきではない。」 もしも、この実験を本当に実施するときがきたなら。 被験者とともに、施術者の心も同時に死んでしまうだろう。 命じられたレポートを嫌々まとめながら考える。 ちかちかと瞬く切れ切れのヴィジョンとともに、強い吐き気が彼を襲った。 なにかが歪みだしていた。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)ってまた暗くてすいません。続きます・・・これ書いた日は、刃物と線路と崖には近寄るな、ってくらいにどん底ですた orz もう大丈夫ですけどねー。 あ、降ってきたイメージとなるべく相似しているものを調べて書いてますが、医療関係はまったくの素人なので間違いも多いかと思います。 そういうときはこっそり教えてやってくださいませ。よろしくお願いいたしますm(_ _)mコメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→
2009年05月15日
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赤ん坊の笑い声がきこえる。 けぶるような金髪の、ひどく愛くるしい子だった。 小さな体をそっと抱き上げると、もみじのような手をのばしてにこにこと笑った。 「私のことがわかるのかい?」 銀髪の男が笑う。愛しみをこめた指先で、彼は赤子の頬をさすった。くすぐったそうな声があがる。 この子の魂が誕生した瞬間を、彼は鮮烈に覚えていた。 美しい輝きだった・・・・・・ 魂の誕生を見たのは初めてではない。 しかし闇を知る異端の天使であるために、ずっとひとりでいた彼の心を魅了して余りあるほど、それは神々しくも美しい未来と希望の光だった。 彼女の魂の設計図を、彼は知っている。 愛されるべき護られるべきあどけない形質をもってつくられる、痛みを知らぬ戦いの天使。 闇の特徴たる母性に訴える特質をそなえて。 やがてその施術に携わらなければならないであろうことも、彼は知っていた。 そもそもがひどく冷酷なこの計画は、いったい誰が考えたものだったのだろう。 鋭利に研ぎ澄まされすぎた光は、闇の底と同質であるという証左だったのだろうか。 考えるほど胸が重くなる。 だが、実際に赤子を抱いていると、そんなことはどうでもよくなってしまうのだった。 後から添加された特質のせいではない。 彼はその奥の、彼女の真実の姿を知っている。 その魂そのものが愛おしかった。 これをなんと表現したらいいのだろう? 彼女がどんな人格でも、どんな外見でも、どんな人生を歩もうとも。 かまいはしないのだ、彼女自身が選んだものでありさえすれば。 幸福にもツインソウルの位置をえた・・・・・・けれどそれより、彼女を愛する方が先だった。 だから彼女が、自分以外の誰かを選んでもかまわない。 その自由を大事にしたかった。 「愛しているよ、ルース」 優しい目で、彼は小さな耳にささやいた。きゃははは、と赤子が笑う。 ルーシーと呼ぶ大人が多い中で、彼はこの愛称を気にいっていた。きらきらと輝く碧い目の宝石。その色は、ときにエメラルドにも似て。 「愛される特質を添加」という計画のために、今後彼女は苦しむだろう。 周りにどんなに愛されても、それは素の自分ではなく後からの特質に向けられたものではないのかと、悩まずにいられないだろう。 けれどどんな魔法でも、まったくの無から有を生み出すことなどできはしない。磨いた宝石が輝くのは、原石にじゅうぶんな素質があったからだと、いつか気づいてくれるだろうか。 そのとき隣で見ていたもうひとりの天使が、待ちきれないように低い声を出した。 「はいはい、交代っ。さあおいで、アタシのカワイコちゃん」 彼のものよりごつい手が、そうっと赤子をとりあげる。 「は~い、おかあちゃんですよ~」 にこにこと柔らかい頬にキスをする。赤子は嬉しそうに笑い、あーうーと一生懸命なにごとかを話した。 「そうそう、そうなのぉ。うんうん」 フレディ・・・・・・フレデリカは碧い目を見て真面目にうなずく。天界の保育士をしている彼女は、これからこの子を育てることになっていた。 フレデリカもまた、闇の形質をもつがゆえにひとりでいることを選んできた天使だ。これからはまっすぐで大きな愛を、彼女に注いでゆくのだろう。 「そうよねぇ~、あんなおじちゃんよりは、おかあちゃんのほうがいいわよねぇ~」 「おじっ・・・・・・。それはひどくありませんか、フレデリカ」 いささか傷ついて銀髪の男は言った。天使に年齢はほとんど関係ない、というよりもそれを言ったらフレデリカ自身はどうなるのだ。 「こぉ~んな可愛いと、おヨメにあげたくなくなるわねぇ。ね、カワイコちゃん? あなたのことが大好きよっ」 フレデリカは聞いてもいない。とろけるようなその笑顔は、すべて腕の中の赤子に向けられていた。 これから育てる幼子に、彼女自身も癒されていくのだろう。銀髪の彼もそうであったように。 誰かを好きだ、と言えることの幸せ。 その想いをむける相手がいるという奇跡。 怒る気も失せて、銀髪の男は二人に微笑みをむけた。 フレデリカの腕の中で、小さなエメラルドの瞳が男をとらえる。その視線をやわらかに包んで、彼はいっそう深い微笑をうかべた。 愛しているよ。 君が生まれた瞬間から、この世界のすべてが終わるそのときまで。 ・・・・・・それは、幸せな、幸せな記憶。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)過去シリーズに入ってから話が暗いので、この-記憶-は心のオアシスです(爆このお話が偶然44話目にきたのにも、何か意味があるのかなあ、なんてね。あ、ロ○○ンじゃないんですよー。緑ちゃんの魂なら年齢は関係ないのです。ただそれだけ 笑コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→
2009年05月13日
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彼女が飲み込まれた次元の穴は閉じてしまった。 彼はどこから出てくるだろうか、とミカエルは思った。 通常ならむこうから穴を開けてくるはずだが、今の彼にそれだけの力が残っているだろうか。飛び込んだときすでに重傷を負っていたのだ。 戦いが膠着状態に陥り、一度互いに兵をひいた状態にあるのが幸いといえば幸いだった。 そのうち、なにかの予感を得たものか、天使たちが幕営の背後にある広場のような場所に集まりだした。 自然と大きな環を描いてゆく。ミカエルもそれに続き、そして彼が人垣の最前列に出たときだった。 環の中心に小さな虹色の光点が現れ、それが広がった。 大きな黒い翼を持つ男が、血まみれの華奢な身体をしっかりと抱いている。月光を映していたはずのその髪は、暗い闇色に変わっていた。 光が消えると、男はぐらりとその場に膝をついた。ラファエルが駆け寄る。 男はラファエルの手を借りて、腕の中の身体をそっと地面に横たえた。 彼女の身体を離したとたん、力尽きたように両手をついて荒い息をする。その額には脂汗がうかんでいた。 ラファエルは横たえられた彼女の身体を丁寧に検分し、辛そうに目を閉じて首を横にふった。 「もう・・・・・・」 存在の薄くなった彼女の身体を見れば、誰にもその予測はついていた。けれども癒しの天使の奇跡を、同じく誰もが切望していたに違いない。 きつく手を握りしめたラファエルが否定を示したことで、その場の天使たちに呆然とした気配がひろがった。 (助け・・・・・・られなかった?) ミカエルはよろめくように輪の中心にむかった。 そこに横たわる愛する子。 ラファエルはしばし無言で唇を噛み締めたあと、トールをふりむいた。 「この種は・・・・・・あなたのものですね?」 かすかなうなずきが返る。今彼女の存在そのものをささえている、唯一の核といっていい種。 生命エネルギーの根源ともいえる種を渡してしまえば、今度は彼自身の存在すら危うくなるはずだった。 (ありがとう) 万感の想いをこめたひと言を、ラファエルは伝えた。彼女の上半身をそっと膝にのせ、優しく金髪をなでる。ぽろぽろと涙が頬を落ちた。 いいや、とトールは首を振った。礼を言われるようなことは、何もしてはいない・・・・・・彼女は死んでしまったのだから。 いつかそこにはミカエルもきて膝をつき、碧空の瞳に大きな痛みと哀しみを宿して動かぬ手を握っていた。 亡骸を護る三人の天使を中心に、哀哭が波のようにひろがってゆく。 助けられなかった。 大事な大事な、私たちの愛する天使の子。 この魂を分けし愛(めぐ)し子。 ただでさえ共鳴し響き合う天使の中にあって、自らの特質をより強く受け継ぐよう、またその生の責任をとるために魂を分けた。 必要だから・・・・・・必要だからと、道具のように扱われたと、彼女は思ってしまっているだろうか。 けしてそうではなかった。 その魂が生まれた瞬間から、計算された特質を発揮する前、まっさらな魂であるそのときから、たくさんの天使が彼女の輝きを愛してやまなかった。 やがて失われることを知りながら。 日がかげる。 落日の赤い残光が、広場をつかのま染めて消え去ってゆく。 誰が歌い始めたのか・・・・・・いつしか、天使の環に嘆きのレクイエムが流れた。 Huic ergo parce Deus, (神よ 彼らを惜しみたまえ) Pie Jesu Domine, Dona eis requiem. (慈悲ぶかき主よ 彼らに安息を与えたまえ) ne absorbeat eas tartarus, ne cadant in obscurum; (彼らが冥府にのまれることなく 闇に落ちることのなきように・・・・・・) 「・・・・・・彼女は俺が預かろう」 やがてミカエルが言った。宵闇の中三人は立ち上がる。ルシオラの身体を抱き上げる権利はトールに与えられた。 トールはすっかり軽くなってしまった彼女の身体を抱いて立ち上がり、それだけが前の彼と変わらない、青灰色の瞳でその動かぬ顔を見つめた。 このままでは転生できぬほど、彼女の魂は失われてしまっていた。 それはすでにあまりに儚く、世界樹に預けても逆に吸収されてしまうかもしれない。 三人の天使たちのさらに中心で、さしだしたトールの腕から華奢な身体が浮かび上がる。 うっすらとした燐光を放つそれは収縮し、やがて小さな光の玉になった。 その芯の部分でかすかに脈動しているのが、トールが渡した命の種だ。 ミカエルはその光の玉をそっと手に受けると、残りの二人をかえりみた。 「元々俺の魂を多く分け持った子だ。世界樹に預けられるようになるまで、俺の中で育てようと思う。・・・・・・お前とともに。かまわないか?」 最後はトールへの言葉だった。白と黒の天使がそれぞれにうなずく。 命の種が彼女の中にあるかぎり、いつどこにいようと、文字通りトールからは命のエネルギーがつねに供給されることになる。 彼自身はすでに消耗しきっていて彼女を中で育てることはできないが、つながりがなくなってしまうわけではないのだ。 手を、離すわけではない。 自らに言い聞かせるように、彼は胸中に呟いた。 痛いほど空気の澄んだ夜だった。 白銀の月が空にある。 トールは戦場の端で、たった一人その月を見上げていた。 彼の髪はもはや月光を反射することはなく、その翼も、ぼろぼろになった瑠璃のマントさえ血と闇とを吸って黒い。 その姿は、半分闇にとけた哀しみそのもののように見えた。 冷たい光を受けて、彼は目を閉じる。 まぶたの裏に時の環がめぐるのを感じながら。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→ 5/12 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月12日
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奈落がそこに口を開けていた。 トールは剣を放り投げ、すぐに彼女の元へ駆けた。彼女の身体を飲み込んだ黒点はすでに臨界に達し収束にむかっている。 「やめろ! 普通の天使が闇に飲まれたら生きて帰れんぞ」 駆けつけたアシュタールの声がする。哀しげな微笑をひらめかせ、銀髪の男は一瞬だけ戦友をふりむいた。 「私の羽は、もうとっくに黒いのですよ。・・・・・・さようなら、アシュタール」 言葉とともに彼の背に現れた翼は、そのとおり漆黒の闇の色だった。 「お前ひどい怪我をしておるのに・・・・・・」 トールはもう答えなかった。その大きな翼を広げて地を蹴ると、収束しつつある次元の穴にぎりぎりで飛び込む。 彼女を見捨てる気も、他の誰かに任せる気も、彼にはなかった。 闇の中は冷え冷えと凍っていた。 入ったとたん咳き込んで、また血を吐く。血止めしたと思っていたが、まだどこか内臓が傷ついているのかもしれなかった。 だがスキャンして治している暇はない。こうしている間にも、死んで闇に飲まれた彼女は砕け散ってしまっているかもしれなかった。 トールは燃えるようなわき腹の痛みを無視してなかったことにし、彼女の行方を捜すべく意識を集中した。 ツインソウルとしてのコードは切断した・・・・・・ だが、完全に切れるというものではなかった。ほんのかすかな細い光が、うっすらと彼女への道を指し示す。 蜘蛛の糸をたどるように、彼はそれを追って走った。 ほそいほそい光の糸は弱弱しく明滅し、今にもちぎれて散ってしまいそうだ。 かすかな希望のその先に、ようやくトールは彼女の存在そのものを感知した。 「ルシオラ! ルース!」 呼びながら駆け寄る。倒れ伏す彼女は左腕がほとんどちぎれて片羽が折れ、血まみれでひどい状態だった。 「ルース・・・・・・」 トールはかかんでそっと彼女を腕に抱き上げた。もう息はない。それどころか最前の実験が尾を引いて、彼女のエネルギーはもうほとんどなくなりかけていた。身体そのものも下手をすれば反対側が透けそうなほど、存在が薄くなっている。 このままでは転生もできず、闇にのまれて完全に消えてしまうことは明らかだった。 それだけは以前と変わらない、目を閉じて眠るような彼女の顔を見て、彼はふっと微笑んだ。 大切な大切な天使の子。 姿かたちが精神がいかに作り変えられようと、彼の愛するその魂の輝きを消すことはできない。 彼女を生かすために、今彼があげられるものはひとつしかなかった。 左手で少女を抱えたまま、おもむろに右手を自分のハートに突き刺す。霊的手術の手法で、彼は小さな種を自分の中から取り出した。そしてそれを彼女のハートに入れる。 種は穏やかな光で明滅を始め、腕の中の彼女の存在が少しだけ濃くなった。 立ち上がろうとして、危うく膝が折れる。トールは息を整え、自分の内奥を根源につないでエネルギーを補給した。 生きるためのエネルギーの種を彼女に与えてしまったので、もう恒久的な補給は望めない。あとは自分の知識と技術で、できるかぎりのことをするしかなかった。 彼はようよう立ち上がり、次元の出口を目指した。 誰かが呼んでいる。 大きな手が自分を抱き上げるのがわかった。 おおきなくろいはねのてんし。だれ? わたしのなまえ? 彼女は自分の名前を思い出せなかった。 何と呼ばれていたのだっけ? 黒い羽の天使に心当たりはない。 けれどもその手はとても暖かく、声はなつかしかった。 しってる このひとをしってる だれだったっけ・・・・・・ 自分の一番よく知っている人だ、という感触があった。 けれども誰かはわからない。 寒かった。 彼女はこごえて縮こまった。もう消えてしまいそうだ。 さむい さむい ・・・・・・・・・・・ 思わず呼んだのは、覚えていない誰かの名前。 言葉に出てこないのがもどかしい。 すると、ふいに胸がほんのりあたたかくなった。 とくん とくん とくん とくん 穏やかな、それはとてもよく知っているはずの波動。 けして大きな光ではなかったけれど、確実に彼女の中を暖めてくれていた。 その光を抱きしめるように、丸くなって彼女は眠った。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)コメントやメールにて、ご感想どうもありがとうございます!おひとりずつにお返事できず、本当に申し訳ございません。どれも大切に嬉しく拝見しております♪続きを書く原動力になるので、ぜひぜひよろしくお願いいたします♪拍手がわりに→ 5/12 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月11日
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「ああ・・・・・・すみません。楽になりました。ありがとう」 傷だらけの男が微笑を見せる。銀髪の彼はいいえ、と微笑みをかえした。 男の腹部に当てていた手を離すと、ぱっくりと開いていた傷のほとんどがふさがっていた。 「お前さんが前線に来るとは思わなかったよ。平和主義者かと思っとった」 男と別れてひとり荒地の端の立つ彼のところに、初老の紳士がやってきた。血と埃に汚れた、かつては純白であったと思われる鎧とマントをつけている。 銀髪を風になぶらせ、瑠璃のマントごしに彼は紳士を見やった。長剣を手にしているが、急所以外鎧らしい鎧はつけない軽装だ。長身が向いている方向には、少し離れて幕営がある。 「・・・・・・そうでもありませんよ、マスター・アシュタール」 「お前さんほどの癒しの手があれば、こっちはありがたいが。・・・・・・あの子は、強いな」 アシュタールは彼の隣に立つと、同じく幕営を見やった。テントの中には他の幹部や専属の医療チームとともに彼女がいるはずだった。無言を続ける彼に困ったように、紳士は語を継いだ。 「あのな、負傷者が増えておる。正式にこちらの医師に手を貸してもらえればありがたいんじゃが」 「私はもうオペはできません。一般的な癒しがせいぜい、皆さんの足手まといなだけですよ」 「そうか・・・・・・」 紳士はそれ以上言わなかった。彼がなぜ彼女専属の医療チームにも入らず、単なる一兵士としてここにいるのか、紳士は知っていた。 やがてまた開戦の合図があり、銀髪の彼は顔をあげて歩みだした。 「待て、――――」 「その名はもう捨てました」 肩ごしに振り返って彼は言った。かつての名は、失われた彼女の記憶とともにある。 何と呼べばいい、という問いに対して、彼は目をふせて少し考えた。 「・・・・・・では、トールと」 過ぎにし幸せな日々の中に、彼女の明るい笑い声がよみがえる。あの日彼女は、彼の研究書の題名を読み間違えてそう言ったのだった。 二度と届かぬ記憶をまなかいに留めて、トールはしばし幕営を見つめた。 たん、と天使の子が大地を蹴る。振りかぶった大剣に太陽のような光が集まり、周囲の目を焼いた。 一瞬ののち、それは轟音とともに大地に叩きつけられた。むらがっていた魔物たちが次々と焼かれ、断末魔の声が聞こえる。 彼女はそれに目もくれず、軽い足取りで敵陣に突っ込んでいった。表情ひとつ変えずに、返り血を散らせて光の剣で右に左に魔や邪をなぎ倒す。けぶるような金髪のあどけない顔立ちに、無情な冷えた目がひどくアンバランスだった。 トールは斜め後方から彼女を追いかけていた。攻撃第一に特化された彼女には、防御、という概念がほとんどない。できるかぎりそれを補うつもりだった。 自らも長剣をふるいながら、加減して防御結界を展開する。もし邪魔になれば彼女はそれごと斬ってしまいかねないから、大規模な防御陣はしけなかった。 しかし、彼女の足は速い。一切の躊躇というものがない。 覚悟して敵陣に飛び込むというのではなく、お気に入りの空き地に遊びに行くように軽々とただ飛び込んでゆく・・・・・・そんな感じだった。 恐れに囚われては、動くことができない。 しかし恐れがないということもまた、恐ろしいことなのかもしれなかった。 どんなに敵が密集していようと、彼女は身を省みずに飛び込んでいった。だんだんトールの防御も間に合わなくなり、二人とも浅い傷だらけになってきたが、それでも、いやむしろ高揚して楽しそうに彼女は剣をふるう。彼女の鎧は、すでに敵の返り血で真っ赤に染まっていた。 激戦の中、ほとんど二人分の防御に徹していたトールを、複数の刃が同時に襲った。右に長剣を払い、左に魔法陣を展開してとっさにしのぐ。 一瞬視線が外れたその瞬間に、ちょうど彼女に張っていた防御の効力が切れたのは偶然であったろう。そして、そのわずかな間隙を敵の刃がくぐることができたのは、奇跡のようなものだったかもしれない。 湾曲した敵の刃が彼女の左腕をすべり、ほとんど切断しそうに大きく傷つける。 鮮血が吹きあがり、彼女は不思議そうに自分の腕を見た。痛みというものがないのだ・・・・・・そして、恍惚とした表情でにいぃっ・・・と微笑むと、血を流したまま相手に肉薄してその首を一撃で落とした。 トールは愕然とした。 今まで見たこともない彼女の表情が目に焼きついている。 自分は何をした? 自分は彼女に何をした? 天使の子は、骨を見せてぶらさがっている左腕などなかったかのように、さらなる敵を求めて剣をふるっていた。 己の行った「実験」の結果を目の当たりに見せられ、トールの動きが凍る。 それは、時間にするとほんの一瞬のことだったのかもしれない。 けれど彼女の左腕を傷つけるのにそれで足りたように、今度も時間は敵方に味方したようだった。 重い衝撃をわき腹に感じて、トールは我に返った。見れば一本の剣が背後から自分を刺し貫いている。 そこからは、すべてがスローモーションのように感じられた。 口の中に鉄臭さを感じながら、彼はふりむいて長剣を払った。トールに剣を刺していたため動けなかった相手が砂塵に倒れてゆく。 自らの手で剣を引き抜き、投げ捨てる。 悠長に癒す暇などなく、傷口をとにかく乱暴に焼いて血止めする。 目を上げれば無防備な彼女の背が見え、とっさに防御陣を張ろうとして咳き込み、血を吐いた。 敵が彼女に襲いかかる。 彼女の白い翼が折れる。 瀕死の重傷を負いながら、うっとりとした顔で彼女はふりむき、抱きこむように敵の刃を身に受けた。 刃が華奢な胸を貫き、彼女の口から血があふれる。 そこに黒点が生まれる。 親指の先ほどの黒点はどんどん広がり、彼女の身体とその周囲を飲み込んでゆく。 そうして彼女は闇に落ちた。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)昨日はメッセを含め「天使の子 -残照-」にたくさんのご感想ありがとうございました。おひとりずつにお返事することができませんので、この場をかりて心よりお礼申し上げます。上からの最大のプレゼント、とか銘打っといていきなりアレ(オペの場面)なので思い出してよかったですか?と聞かれてもしかたがないですよね^^;普通の感覚だとそうだと思います(爆しかーも暗いのがまだ続いてしまうという・・・・・・ある意味ごめんなさいな展開。。でもやっぱり・・・よかった、んですよ。あれでも。辛くても知らなくては見えない、手に入らないものが、たしかにありましたから。そのことを、いつか物語として、昇華させていずれ皆様にお届けできたらいいなと思っています。まだそこまでいってませんけどwていうか・・・あと数話でMIXIに追いついてしまうわっ。まずいわっっ(笑)拍手がわりに→☆ゲリラ開催☆ 5/7~5/10 満ちるウエサク一斉ヒーリング 5/12 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月10日
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その依頼を、彼は最初辞退しようとしていた。 闇の勢力が拡大するに従い、天使の数が激減している。より強い天使を、より戦える天使を創ろう、という流れになるのは、ある意味必然でもあった。 魔術と霊的医療の専門家である彼に話が持ち込まれたのも必然なら、実験体の人選も・・・・・・おそらく必然の流れであったのだろう。 ある日、強い意思を宿した瞳が印象的な天使の子が、ミカエルの訓練から帰るなり彼に言った。 「ねえ! 聞いてよ。私新しいプロジェクトに任命されたんだ」 幼さの残る白い頬を紅潮させ、誇りに満ちた緑色の瞳はきらきらと輝いている。天界のやわらかな陽の光に、白に近い淡い金髪がけぶるようだった。 「・・・・・・それで、受けるのかい?」 そのプロジェクトが何なのか、すぐに気がついた長身の彼は、相手の顔を覗きこんで確かめるように聞いた。もちろん、と若い天使はうなずく。当然だろ、そのために生まれてきたんだから。 「そうか・・・・・・」 相手に感づかれないように、彼はそっと嘆息した。 最愛のツインソウル、文字通り魂の片翼。 その彼女が――実際は天使に性別はないのだが、仮にそう呼ぶことにする――今回の被験者に選ばれたのだ。 辛くなるよ、と彼は言った。彼女の未来に何が待っているのか、彼には見えてしまっていたから。その誇りも必要性も、すべて理解してはいたけれど、できれば辞退してほしいとさえ思った。 しかし彼女はまっすぐに彼の眼を見て言い切る。 「わかってる。リスキーだってことは。でも私がそうしたいんだ。 ・・・・・・あのさ、こないだお前が悩んでたの、この仕事なんだろう? 話を聞いたとき、おまえならいいと思ったんだ。知らない人にいじられるよりは」 「そうか・・・・・・そうだね、私もそう思うよ」 一瞬の間をおいて、彼は限りない愛と哀しみを秘めた瞳でうなずき返した。 ……神は私になんという罪を犯させるおつもりか。 手を伸ばし、彼は愛する片翼を抱きしめた。その幸せな感覚を腕に刻むかのように、そっと目を閉じる。二人の背に純白の翼が透けて見えた。 翌朝、彼はその仕事を受けた。 手術はラファエルの管理のもとに行われた。 実際のオペは彼と黒カイルが交代しつつ行い、もう一人がデータをとってラファエルに報告、という形をとっている。 白く漂白されてたくさんの医療機器が置かれた実験棟は、もはや天界とは呼べない雰囲気だった。 求められている特質は、恐怖感を持たずに少々やられてもさらに相手に突っ込んでいく勇気。死を恐れないこと。 次元が高すぎて戦いに向かない天使の波動を落とし、戦いに特化した天使として、死の恐怖や痛みを快感として誤認するよう、洗脳すること。 それがどんなに残酷で危険なことか、彼にはわかっていた。 死や痛みや残虐さへの恐怖というものを取り去るかわりに、最終的な局面での生存意欲がどうしても少なくなる。 危機的な状況になるほど高揚してしまうために、闇や死をなんとも思わず、少々のことでわざわざそちらを選び取るような性質が生まれてしまう・・・・・・それは逆に、闇に引き込まれやすくなるということではないだろうか? しかし彼の思いとは別に、実験は着々と進んでいた。 手術台の上の彼女は、もう全身内部がぼろぼろと言っていい。 吐き気とふるえと涙をこらえ、表面的には冷静な無表情を続けて、彼はチューブを操作して彼女のチャクラの奥に当てた。 ごぼ、と音がして彼女が血を吐いたのがわかる。 苦しげにゆがむ顔を拭き、すぐさま抱き上げてやりたかった。もうやめようと言いたかった。けれどもそれは許されぬ。 奥歯を噛み締め、チューブをきつくきつく握って彼は操作を続けた。 彼の仕事のひとつは、ツインソウルの記憶の消去だった。 大事な特定のひとりがいては、戦闘員には向かない。まずそこを消さねばならなかった。 思いとはうらはらに冷徹なメスがツインソウルの太いコードを切断し、新たな回路を構築してゆく。 それは彼とのつながりが、積み重ねてきた時間が失われてゆくということだった。 彼女の眼は開いている。まぶたも動かせるし、見えてはいるはずだった。 だがもう彼のことはわかるまい。 なんとなくよく知っている人だ、くらいには認識しても、彼が誰であるか、彼女にとっての誰であるかは、もうわかるまい。 彼女の記憶とともに、自分の存在の半分が消えていくような感覚を彼は味わった。 この次目覚めたとき、彼女はもう、彼の隣にいた彼女ではない。 (愛しているよ。愛しているよ。愛してる・・・・・・) 心話というには低すぎるささやきを、彼は続けずにはおれなかった。 もう聞こえていないことは知っていた。 もしも聞こえていたならば、これ以上残酷なことはないということも知っていた。 それでも彼の魂は、失われようとする片翼に向かって、たったひとつの真実をささやかずにはいられなかった。 秘されるべき彼女の内部に進入し、辛い施術をする長い指の先から、罪が彼の心に這い登る。 そうだ、確かに他人に触らせるよりは、わが手を汚したほうがいい。この身に罪を背負ったほうがいい。 最愛の人をずたずたに傷つけるとわかっていて、あえて自分で選んだことなのだ。 血に染まった手に残るこの大罪とひきかえに、ほんのひとひらのかすかな愛でも、彼女のどこかに残ってくれればいいと願った。 手術の痛みに彼女の身体が逃げようと反応するのを見るたびに、彼の心に太い楔が打ち込まれてゆく。 施術が進んで痛みが快感に変換され、彼女の表情が徐々に変わってくることは、打ち込まれた楔に無数の棘が生えてくるかのようだった。 大方の施術がすべて終了し、彼女はうつぶせのまま手術台の上に乗せられていた。 包帯が少し巻かれているほかは全裸でひどい状態だが、観察のために毛布をかけることも許されなかった。 カイル、それと記録係の天使が、少し離れた壁際に立って彼女を見ている。 そこへラファエルがやってきた。記録係が現在の進行状況を報告する。 ラファエルはうなずき、指示を出して左の眉の上、右のまぶたと眼球ぎりぎりのところに麻酔の注射器のようなものを刺した。 彼女は恐怖の中で(それなに?)とラファエルに聞いたようだ。天使がなにごとか答えたらしい気配がつたわる。 ぼろぼろになった彼女は無気力で自暴自棄になっており、放置されていても逃げようという気もなくなってしまったのだろう。もはやラファエルに助けを求めることもないらしかった。 その様子を、彼はただひとり中二階の観察室から見ていた。 とてもカイル達と並んで見ていることはできなかったのだ。しかし、眼をそらすこともまたできなかった。 彼の愛を。彼の罪を。 しっかりと瞼に焼きつけなければならない。 吐き気がこみあげてきたが、彼はそれを無理やり押さえ込んだ。 両の目に、いままでこらえていた涙があふれようとする。 薄く開けた唇から大きく息をつき、その涙をもぐっと押さえ込んで彼は思った。 彼女は泣けない。 彼女は感じられない。 そうしたのは自分なのだ。 未来永劫、もはや自分に泣くことは許すまい。 彼女が癒されて本来の自分自身を取り戻す、そのときが来るまでは。 窓枠に両の手をつき、彼の長身は小刻みにふるえていた。 涙の涸れ果てた青灰色の瞳が、まばたきもせずに愛する人の姿を見つめる。 死ぬことも狂うことも泣くことも、彼は自分に許さなかった。 そんな権利は自分にはない。 ただ生きよ・・・・・・来るべき罰のすべてを負うために。 彼女がこれ以上苦しむ必要はない。 もう充分だ。 痛みが必要ならば我に与えよ。 苦しみが必要ならば我に与えよ。 すべての責は我が背に課したまえ・・・・・・ 愛していた 愛している 永遠に 神 よ *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)拍手がわりに→☆ゲリラ開催☆ 5/7~5/10 満ちるウエサク一斉ヒーリング 5/12 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~
2009年05月09日
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兎月さんとのコラボヒーリング、2回目です♪今回はお泊りとかじゃありませんが、エネルギーつかんだので遠隔コラボで~w前回は対面でやったわけですが、すっごく楽しかったです♪きらきら綺麗な光がいっぱい見えました。レイラインとかよく知らないのですが、光の線もいっぱい走ってゆきましたよ。土地土地の神様がたにもお会いした・・・というかご挨拶した気がしたり。優しいエネルギーがいっぱいになって、少しでも、皆を乗っけてくれてる地球の役にたっていたら嬉しいです^^もちろん寝落ち歓迎のヒーリングですから、もしよかったら地球に感謝を届けるおつもりだけ最初にアファメーションして、あとはぐっすり寝てくださればと思います(笑)イメージなんかなくてもかまいませんwまったりお楽しみくださいね~♪皆様の祈りは天使の力を借りて、地球へ届けさせていただきます☆たくさんの土地が癒されますように♪→★リアルタイム日時 2009年5月12日(火) 21:30より1時間(日本時間)★コールイン受け取り可能時間 日本時間で上記日時~5月13日(水) 20:30開始まで ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★募集期限リアルタイム直前(火曜21:30)まで★参加ご希望の方はこの記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★★今回は兎月さんとのコラボヒーリングとなっております。お楽しみに♪★★★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。☆ゲリラ開催☆ 5/7~5/10 満ちるウエサク一斉ヒーリング
2009年05月08日
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今週土曜日はウエサクの満月だそうです♪思えば2年前、2007年のウエサク直前、なんとな~く、ほんとになんとな~く思いついて、上で”場”をつくって「ウエサク祭り」を開催したのでした。誘導瞑想文とかも初めて書いて。なつかしいな~。初めてづくしで本当にできてるのかいな??ってかなーり不安に思ってたら(爆)じぇいど♪さんとちゅまちゃんが参加してくださって、「すごかった!」って言われて驚き&しみじみ嬉しかったり。そして2年たって、またまた不思議なご縁がじぇいど♪さんと繋がったり。なんだかじんわり嬉しいな~♪と思うので、このアガペーを皆様にも♪(笑)ウエサクの満月は、愛の光といいますからね。この週末、満ちる月の光を中継させていただきたいと思います♪応援してくださってありがとうございます♪→★ヒーリング期間本日この記事がアップされてから~11日(月)朝6:00まで 1回30分(募集も同じく)期間中、何度でも好きなだけコールインでお受け取りいただけます。 ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★参加ご希望の方は最初の一回のみ、この記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。
2009年05月07日
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今まで使われたことはないのだが、ルキアには緑の少女の部屋もきちんと用意してある。 トールは少女を部屋のベッドに寝かせ、その横の小さな椅子に腰かけると、ほっと息をついた。 なんだかたくさんのことが一度に起こっていて、何から手をつけるべきかと思ってしまう。 デセルとデセルの本体、そしてあの時代の魂であるデュークが、培養槽に封じられていたグラディウスの魂を助け出してくれていた。 今はひどく冷たい氷点下の白い光として、マリアの手で保管されている。 その統合にすぐ移れなかったのは、グラディウスの生を選んだ理由の生について、同時に怒涛のように情報が再生されていたからだった。 人の心をなくした、血にまみれた殺人兵器であったグラディウス。 生まれる前に、なぜ彼という人生を選んだのか、その理由を今のトールと本体は知っていた。 それは贖罪のために。 思えば不思議であったのだ。アトランティスなどを含め、ほとんどの過去生で彼(彼女)は実験体にされたり魔女として迫害されたり、言わばろくな人生を送っていない。 なぜいつも被害を「受ける側」であるのか。 どこかできっと、「与える側」であった大きなカルマの人生が出てくるに違いないと、思ってはいた。 そのひとつがグラディウスでもあるわけだが・・・・・・さらに根っこになった古い古い時代の生をも、彼らは見つけていた。 同時にその生は、トールと少女との関わりにおける、そもそもの始めの物語であるのかもしれない。 その物語を知ることは、大きな喜びであり、同時に恐怖でもあった。 のちに贖罪としてグラディウスを選んだ理由、古い古い、彼のおそらく根源の罪を、直視しなければならないから。 その強烈なイメージが否応なしになだれ込んで来ていたため、それで手一杯になってしまっていたのだが、このままでは、身を挺してグラディウスの心を探してくれたデセル達に申し訳がたたない。 椅子の背もたれによりかかり、トールはため息をついた。 そういえば、昨日は緑の少女の本体の本が出版された日だ。 朝一番にトールの本体の家にも届いたのだったが、まだちゃんとお祝いすら言えていない。 彼もデセルと色々仕掛けをしたりして、出版を楽しみにしていた本であったのに。 ・・・・・お祝い? そこまで考えて、はたと気づいた。 まるで実際の本の出版に合わせたようにやってきたこのあれこれは、もしや手の込んだ「お祝い」であったのだろうか? (そうですよ。気づきましたか?) 笑いながらコンタクトしてきたのはラファエルだった。 (最初は直接会わせようとしたのですけどねえ。それは拒否されてしまいましたから) 声はくすくすと笑っている。 そういえばアメリカに住んでいる少女の本体は、ちょうど出版の頃にあわせて「日本に来なければならない」事態に陥っていたらしい。家族のために断ったが、と言っていた。 それで次善の策、なのだろうか。 確かにグラディウスやら大きな罪の記憶やら、手前に立ちはだかる重たいものを通り抜ければ、そこにあるのは特大のプレゼント・・・・・・だろう。 (それに強くなりたいと言っていたでしょ。あなたはすでに彼を経験しているのだから、訓練するより彼を統合したほうがずっと早いですよ) ラファエルの言うとおりだった。 今ここの時間軸で戦闘訓練に何時間、何日かけようとも、いわば一生をそれで過ごしたグラディウスの経験には比べるべくもない。 まして緑の少女に並ぶ実力を持っていると思われるのだから、彼を統合してしまうのが、一番の早道ではあった。 トールは絶句した。 気づいてみればなんという複合的で複雑でまったくもって無駄のない、「上」式の愛情いっぱいのプレゼントであることか。 さらに、奥に指し示されたさらなる意味にも気づいて唖然とする。 「今訓練するより彼を統合したほうがずっと早い」。それはつまり、今の自分にとってグラディウスを経験した直接的な意味がある、ということだ。 冷酷な血まみれの戦士であった自分を卑下したり拒否するのではなく、今必要な部分である、だから選んだのだ、とポジティブに言い切れるということ。 くくっ、思わずトールは笑いをかみ殺した。 なんという・・・・・なんという幾何学的な無駄のなさ。 「上」はよほど盛大に祝いたいのだな、と彼は思った。 (・・・・・・グラディウス) 椅子から立ち上がって、トールは心に呼びかけた。マリアに繋がる彼もまた巫女質なのであり、呼び声は魔法となって魂が召喚される。 本体はグラディウス、という名前自体をどうしても覚えられずにいたが、それは呼ばれたくなかったからなのだろう。 (グラディウス) 二度目の呼びかけで、白い冷たい光が目前に現れた。横に眠る少女を起こさないようにしながら、トールは彼に手を伸ばした。 (今の僕には、君が必要だ) (・・・・・・必要?) 光が広がってぼんやりとした人型になり、半眼になっていた瞳が開く。それは今のトールの瞳よりも、わずかに蒼の強い色をしていた。 (そう。僕は彼女を護りたい。そのために、君の知識と経験と実力が必要だ) (俺は・・・・・・) (それを選んで、僕は君に『なった』んだ、グラディウス) だからおいで。 君のすべてを、そうであることを僕は望んだのだから。 伸ばしたトールの指の先に、グラディウスのそれが重なった。一瞬、まばゆい光が部屋に満ちる。初雪のような余韻を残して、白い光は消えていった。 二人は一人になり、ほんのかすかに色の変わった瞳で、トールは眠る少女を見やった。 起こさなかったようでほっとする。 するとまるで次の一歩だというように、はじまりの物語が彼の脳裏によみがえってきていた。 それは、はるかはるか昔の、傷を負った天使たちのものがたり。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)書くのが忙しくてお返事できず申し訳ないのですが、ご感想くださるととっても幸せ♪くださった皆様ありがとうございます~~~~~感涙です><よろしくお願いいたします!応援してくださってありがとうございます♪→※おかげさまで無事?自宅に戻りました~楽しみにしていたお泊りは、なんの強化合宿ですか、って感じでしたが orzいや楽しかったですけど!!メールがすごくたまっちゃってて、お時間かかるかもですがじわじわお返事させていただきますのでしばしお待ちくださいませ m(_ _)m
2009年05月07日
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トールは震える手で顔をおおった。 その記憶は、まさに新月の晩に流れ込んできたもの。それもあのときとは違って、ひどくリアルに、すべての感覚も実際に再現されていた。 肉を斬り骨を断つ感触も、生温かい血を浴びる感触も、みな自分の経験として還ってくる。 手は自分のものとは思えぬほどに冷たく、彼はクリロズの自室で椅子に座ったまましばらく動けなかった。同時存在をする余裕もなく、彼はいまここに一人しかいない。 いつかは見なければならないだろうと思っていた。それはわかっていたが、それでもあの記憶は衝撃だった。 悲しみ、苦しみ、虚無感。グラディウスが持っていた、なんだかわからないような暗い感情が胸にわきあがる。 机に両肘をつき、顔をおおったままトールはゆっくりと息を吐いた。その吐息すら、小刻みにふるえていることが自分でもわかる。 何度かそれを繰り返し、突然トールは顔を上げた。 クリロズの気が乱れている。その中心は・・・・・・緑の少女だった。 彼女はトールの状態を感知しているのだ。そして今彼が見ているものは、新月の晩に彼女が見て絶叫していた、あの情景と同じものに他ならない。 少女が大泣きしてパニックを起こしているのがわかる。トールの顔が青ざめた。 彼女は泣きながらフレディを・・・・・・フレデリカを探していた。 ようやく見つけたところで、しかし混乱したまま別のどこかに飛んでしまう。それはどこか、彼女の仲間のいるところなのだろう。安心を求めて飛び込みながら、けれどもまた誰かと繋がるまえに、今度は少女はクリロズの彼がいる部屋にやってこようとした。 とっさにトールは意思の力だけで立ち上がり、扉に駆け寄るとセキュリティを強化した。手の一振りでレベルを変えるような芸当は今はできない。 少女が泣きながら、どんどんと扉を叩く。 「あけて・・・トール、あけて」 「だめです」 背中で扉を押さえながら彼は言った。彼女の拳が扉を叩く、その振動が身体に伝わる。 できることなら、泣きじゃくる彼女を抱きしめて安心させてやりたかった。 けれども二人がともにマイナス方向に落ちているときにフィールドを繋いだら、共振したあげくお互い引っ張り合って、延々と落ち続けてしまうだろう。 そんなことをするわけにはいかない。 「どうして。あけて・・・あけてよ! トール!」 悲鳴のような泣き声が聞こえて、彼は歯を食いしばった。扉一枚がこんなにも厚く感じられたことは今までにない。 オーク材の四角い結界の向こうで、なんで、いつもあけてくれたじゃない、とすすり泣きの声が続く。 「あけてよう・・・・・・」 「だめだ!」 (シュリカン!) 声と心の両方でトールは叫んだ。 少女の身体がびくりとふるえ、眼をみはって扉の前にへなへなと崩れ落ちるさまが、まるで眼前にいるようにトールには視えた。 慌てたシュリカンの声がきこえる。 (トール、緑はそこか? 動きが早すぎて捕捉できな――) (彼女をサロンに送る。ここにいちゃ駄目だ。ステーションのラファエルのところへ連れていけ) 言うなりトールは最後の力をふりしぼり、それでも優しく瑠璃色の魔法陣で少女を包んだ。 一瞬ののちに魔法陣がサロンへと彼女を送る。 遠ざかる悲鳴を聞き、彼は扉に背を押しつけたまま、大きく息を吐いてずるずると床にくずおれた。 緑の少女が気づいたとき、彼女はどこかの台の上で数人に囲まれており、治療の準備が始められているところだった。 またすぐに意識を失い、次に気づいたときには、真っ白なベッドのある気持ちのよい部屋に寝かされていて、横にラファエルがいた。 少女は外への反応はないけれども意識はある、という状態でベッドに横たわっている。やがてノックがあり、聞きなれたトールの声がした。 「お待たせしました」 「待っていましたよ・・・・・ああ、自分の処理は終えたのですね。見事です」 微笑みを含んだ声でラファエルが言う。ベッドの傍に立つトールの気配に、さきほどの乱れた部分はほとんど感知できなかった。 まだグラディウスを統合したわけではなかったが、とりあえずの処置としてエネルギーを落ち着かせることには成功していた。いつもの穏やかな海のようなオーラに、ただ深い哀しみが見える。 「もう、あのときのことを伝える時期ですよ、トール。わかっているでしょう」 「・・・・・・混乱させてしまっても?」 「一時期のことです。知らないでいても、なにも好転はしない。・・・・・・私達の愛する緑の子」 ラファエルは愛情のこもった目で眠る少女を見た。その明るい緑の瞳をトールへむけて微笑む。 「・・・・・・わかりました」 彼が目を伏せ、そして上げると、大天使は微笑みの波動を残して消えていた。 トールは本体にメールを書かせた。かつて何があったのか、二人にも三次元できちんと伝えなければならない。寝ている少女の本体の地域は今ちょうど夜中で、彼女をも起こしてしまうことになるのが心苦しかった。 (トール・・・・・・) 本体がメールを読み終わったと思われるころ、またぽろぽろと涙を流し、かすかな思念で少女が言った。 (あいしてる。でもばらばらになりそうだ) (どうしたらいい。なにができる? なにがほしい? どうしてほしかった? いってごらん、わがままでいいから) トールは薄く開けられた少女の瞳を優しく見つめる。ずっとずっと昔から、彼はそうしてきた。 はるかな転生をこえて、気の遠くなるような昔から。 (・・・・・・そばにいてくれるだけでいい) (いるよ。これからもずっと、永遠にそばにいる。 すこしでもおやすみ、ずっとここにいるから) 手を伸ばして額をなでる。その感触に安心したように、少女はすうっと眠りにおちた。 「では、そろそろ連れて帰ります」 眠る少女を腕に抱いてトールが言う。 「ええ、じゃあ私がそっちに様子を見に行きますから。ルキアのほうが彼女も落ち着けるでしょうからね」 ラファエルが微笑んだ。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)書くのが忙しくてお返事できず申し訳ないのですが、ご感想くださるととっても幸せ♪くださった皆様ありがとうございます~~~~~感涙です><よろしくお願いいたします!今、デセルさんの本体さんが「Evening Emerald」っていうタイトルの記事を書かれてるんですがペリドットって暗いところでも綺麗に輝くためにそう呼ばれて、お守りに使われていたんだそうです。お守りか~~~と知ってなるほど納得。うんたしかに。そりゃもうお世話になりまくりでございますので・・・(^^;透明度の高いペリドット、リアルでもほしいなぁ。探して買っちゃおうかなw(←正直者応援してくださってありがとうございます♪→※連休中、セミナー参加等のため、来週水曜くらいまでメールのお返事ができないかと思います~物語はもう書いてあるので、実家でPCが触れたらささっとアップするつもりですがメールのお返事は自宅に戻ってからゆっくりさせていただきたいと思うのでどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m
2009年05月06日
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何が先に起こったのだろう。 何が後に起こったのだろう。 あらゆる出来事が同時発生し、トールと本体は混乱していた。 予兆は、デセルとその本体の見たヴィジョンだったか。 ちょうど、トールの本名はなんだろう、となんとなく考えていたという。デセルは知っているようだけれど、と。 そしてあることをきっかけに「グラディウス」であったトールと会った、と本体が伝えてきた。 銀色の髪を肩くらいで切りそろえた、大人びた眼をした少年であったらしい。 そのときデセルは「デューク」だったと。グラディウスは古い言葉で「剣」、デュークは「導き」。個人の名前なのか役割なのかはわからないが、と本体は言った。 次の順番はよくわからない。 緑の少女の本体が、ハートが爆発する感覚があるが心当たりはあるか、と聞いてきた。 デセルの本体が、今度は青年期の入り口くらいのグラディウスに会ったと言ってきた。 トールの本体が、今まで逃げ回ってきたセッションについて、やってみようかと日記に書いた。 その日記をあげた直後から、本体のハートが痛みだした。 おそろしい。 おそろしい。 そんな感覚が胸をせりあがってくる。しかし、なぜそれほどまでに恐ろしいのか、がわからない。 最初、本体は自分ひとりで耐えるつもりだった。これしきのことで助けを求めてはいけないと思い込んでいたし、涙が出るわけでもないのだからたいしたことはないと判断して。 するとミカエルがやってきて言った。 「お前はまず、ヘルプコールをすることを覚えなきゃならん。人には言えるくせに自分ではできないんだからな。 ほら、とっととやれ。どうせ二人にはもうバレてるぞ」 その通り、緑の少女の本体にも、デセルの本体にも、何も言わないのに異常はすでに感知されて心配されてしまっていた。 心臓を掴むような痛みが強くなり、息さえもつまる。 くるしい・・・ ついに本体は観念し、辛さを表明した。 変化はすぐにやってきた。 デセルと緑の少女が抱きしめてくれる感覚。少女は泣いている。それが哀しくて逆になぐさめたかったが、そこまでの余裕がない。 その本体から、ローマ風の名であるグラディウスに関連するかもしれない、という過去生の情報がやってくる。そこに出てくる兵士と、新月の晩に見た冷たい「刃物」であった男のイメージが重なった。 ローマ兵士と、もっとずっと昔の、地球ではないかもしれない場所の記憶が同時に再生される。 どちらの時のトールも、グラディウスという名であったのかもしれなかった。 そしてどちらの生でも、彼は「愛」を知らなかった。 与えることも受け取ることも・・・・・・それどころか、それが自分の中にあることすら知らない。 彼はおそらく道具であり、それも刃物のような道具だったのだろう。 愛はどこかで凍ったか落としてしまったのだろう。 「普段は気づかない胸の奥底にある、わけのわからない感覚」としてだけ残っている。 ローマ兵であったときの彼は、その感覚が出ると混乱した。 戦略も戦術も効かず、どうしていいかわからないから。 酒を飲んだり戦場に出たりしてごまかしていた。 刃物として砥がれた彼は、刃物として戦場で生きることしか、「生きている」ことができなかった。 ずっと昔の彼は、それが失われていく感覚を知っていた。 大切なもののはずなのに、少しずつ少しずつ死んでいく・・・・・・ 同時に、本当の自分というものも少しずつ死んでゆく、自分の心が無感覚になってゆくそのさまを、子供のころから何年もかけて見ていたようだ。 デセル(本体)が見たとき、サードアイに青い石のついたバンドをしている、ということだった。 衣食住には不安のない生活だったようだが、なにかの実験施設か養成施設でもあったのだろうか。 サードアイは封じられているようだった。 ハートはやがて欠落するようにカリキュラムが組まれ、事実少しずつ機能しなくなってゆく。 上層部にとって、彼の心は必要のない、邪魔なだけのものだから。 成長した彼は、自分が誰だかを知らない。 昔は知っていたのかもしれないが、いつのまにかどこかに落としてしまった。 それを探したいのに、大事なものが欠けている、となんとなくかすかに感じるのに、何を探したらいいかもわからない。 グラディウス、と呼ばれることが嫌いだった。 名前の意味も呼ばれるという事実も、それはそのまま仕事をさしているから。 仕事だけが彼を追いかける。 彼は使い勝手のよい、鋭い剣だったのだろう。 切れ味のよい剣だったのだろう。 たくさんの仕事を命じられ、たくさんの命を奪った。 人を斬っても感情は動かない。 飛び散る返り血をあびても平然としている。 その内臓をつかみだせと命令があれば、顔色ひとつ変えずに素手で取り出すことができた。 人体のどこをどう斬ればどういう結果になるか、正確に知っていた。 拷問をしろと命令があれば、ひどく残虐な方法で、望みの結果を出すことができた。 自分からやることはない。 それは心が痛むからではなく、ただ面倒だから。 相手の悲鳴にも絶叫にも懇願にも涙にも、彼は感慨をおぼえない。 相手がなぜ泣いているのかが理解できないのだ。 涙というものは、彼の理解の外にあった。 誰かが泣くのを冷め切った目で見て、なにを臭い演技をして、と思っていた。 三次元の医学でいうなら、おそらく離人症を発症していたのだろう。 世界は薄皮一枚むこうに存在し、彼は痛みにひどく鈍感だった。 自分にも、他人にも。 肉体の痛みにも鈍感だ。 怪我をして血が流れて、ああ止血したほうがいいだろうな、と思うくらい。 止めなければ痛いから、死んでしまうからというよりも、そうしなければ鬱陶しいから、くらいの感覚だった。 かなりの戦闘能力を持っていた彼は、そんな殺人鬼の養成施設のようなところで、実戦教官をすることがあった。 しかし痛みも知らず共感能力もない彼は、手加減というものをいっさいせず、特殊訓練を受けているはずの生徒を殺しかけたことが一度や二度ではない。 その容赦のなさと、すべてにおいての冷酷さから上層部にはいかず、単なる駒としての教官を務めていた。 心にいたっては、痛んでいることに気がつかない。 胸が痛むときには、柵をつくって圧縮して、無視しておくとそのうち消えた。 理由を知ろうとは思わない。 いや、理由があるということも知らなかったのかもしれぬ。 無理やり消した痛みがどこへゆくのか、知ろうと思ったこともない。 鬱陶しい痛みさえなくなればいいのだから。 生きることにも死ぬことにも無頓着だった。 すべてが面倒で、早く終わればいいと思っていた。 彼はたったひとりで、上も下もわからない暗闇に浮かんでいる。 道は見つからない。 親子とか友達とか、そういう感覚もわからない。 苦しいとか寂しいとかの感情は、意識にはあまりのぼらない。もう麻痺してしまっているのかもしれなかった。 すべてを凍らせてしまっていた。 精神制御プログラムがかかっているので、自殺はできなかった。 応戦することを体に叩き込まれているので、無防備でいることもできなかった。 ・・・・・・けれどもたぶん、心の奥底では早く誰かに殺されたいと願っていた。 死んでこの世界と仕事から離れるとき、そのとき初めて、なくしたものがなんだったのか、見つけられるような気がしたから。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)書くのが忙しくてお返事できず申し訳ないのですが、ご感想くださるととっても幸せ♪くださった皆様ありがとうございます~~~~~感涙です><よろしくお願いいたします!応援してくださってありがとうございます♪→5/5 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~♪♪ 兎月さんとのコラボヒーリング♪※連休中、セミナー参加等のため、来週水曜くらいまでメールのお返事ができないかと思います~物語はもう書いてあるので、実家でPCが触れたらささっとアップするつもりですがメールのお返事は自宅に戻ってからゆっくりさせていただきたいと思うのでどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m
2009年05月05日
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「ばっかねぇ、アンタって」 カウンターのむこうで、いかつい男の声が笑った。長い金髪の巻き毛に日焼けした肌、フリルのついた白いぴっちりしたボディラインの服を着ている。「彼女」は、明日いっときクリロズの自室にバーを開店させるのだ。 「どういたしまして」 旧い友人に穏やかな微笑みを見せて、トールはグラスを干した。隣には神妙な顔で座る緑の少女、そのむこうには、昔の情報部仲間で飲み友達の銀樹がいる。 「まったく、この知能犯の確信犯! アタシもそんな愛がほしいわ。アタシをさらって! 結婚して!」 「・・・・・・その栄誉は銀樹に譲りますよ」 「こら、まてトール」 「いやん、アタシの取り合いなんてしないで。どっちにも熱いキスをおみまいしてあげるワ」 ばっちん、と強烈なウィンクを男達に見舞って、フレディことフレデリカは緑の少女に向き直った。さきほどまでは、彼女に真面目なお説教をしていたのだ。 「はいこれ、明日の衣装」 フレデリカが取り出した濃いグリーンのフリルたっぷりのメイド服に、少女は思い切り顔をしかめた。 えーっこれかあ?と渋る少女にかまわず、フレデリカは衣装を彼女の手におしつける。 「緑だし! 色!! だから大丈夫! かわいいから!」 と訳のわからぬ説得をして、最後には押し切ってしまう。その後今度は白い衣装を取り出してトールに手渡した。 「こっちはマリアちゃんね。頼りにしてるわよん。髪は結ってあげるから、早めにいらっしゃいな。それじゃ明日ね」 席を立ったトールは、了解のしるしに軽く片手を上げた。 開店当日のバー「QUEEN」は、フレデリカ好みのピンクに赤いハートの派手な内装がほどこされていた。 「すっごいよね。・・・・・・うわ、すごいゲストが来てるよ」 淡いプラチナブロンドを波打たせ、黒いタキシードをぴしりと着た銀樹が、すれちがった後光のさしている集団に会釈する。 「ほんとにねえ」 同じく会釈し、こちらも黒いタキシードを着たトールが言った。奥のほうの二人がけテーブル席が空いていたので、そこに腰かける。 ちょうど、大きくスリットのあいた金色のロングドレスに身を包んだフレデリカがヒールの踵を鳴らしてやってきた。今日は金髪をアシンメトリーな前下がりボブにぱっつんと切りそろえ、たしかに女王然とした雰囲気を醸し出している。 「トール君、これすごく良さそうよ。ありがと」 ショッキングピンクの大きなピコピコハンマーを振り回す。見た目はまるっきりのおもちゃだが、中身はトールが仕掛けをしてあり、かなりの浄化とヒーリング効果があるのだ。店じまいの最後には、これで客をクリロズ内の大浴場にふっとばすことになっていた。 開店祝いを述べる二人に、今日はゆっくりしていってね、とウィンクをして、彼女は姿勢よく歩みさっていった。 店内はすでに色々な客が入りまじって混みあっていた。クリロズで会うサンディじいさんや女の子、マイクを握った中年男性もいるし、ハリセンを持った若い女性、老若男女にドラゴンも入り混じっている。 格好もばらばらで、クイーンにちなんだTシャツを着た者もいれば長い黒髪にエプロンドレスの女の子、三次元の姿のままとおぼしいパジャマやトレーナー姿、白いドレスを着た男・・・いや女性。 白い服の女性は年齢を問わず何人かいた。中には十歳以下にみえる子もいて、三次元では問題になるところだろうが、もちろんここではそんなことはない。 カウンターのむこうの方には、同じく情報部仲間のアル少年が、ステージで踊り終わったばかりの誰かと話していた。 オーク材の入り口扉を開けて、シュリカンに案内されたらしい紫のドレスの女性、おかっぱとウェーブ髪の二人の少女が入ってくる。さらにボブカットの女性と詰襟を着た細身の若い男性が入ってきて、満員御礼というところだ。 ただし途中で本体が寝落ちるなど消える者もいるし、ほんの瞬間から数分だけ現れる者、ずっといる者もいる。めまぐるしいといえばめまぐるしい。 最初は個人部屋にすると言っていたはずだが、これだけ雑多なエネルギーの客がくるとパーティ形式でなくてはやっていられないのだろう。 どちらにせよ、ホストのフレデリカと本体はかなり疲れてしまうはずだ。ヒーリングでエネルギーのバッテリー役を買って出ればよかったな、とトールは思った。 やがて、ミニのメイド服に身を包んだ緑の少女が盆に飲み物をのせてやってきた。 あれだけ嫌がっていたのに、衣装を着てみたら借りてきた猫のようにおとなしくなっている。 「あれ、僕まだ頼んでないけれど」 しゅわしゅわと発泡する好みの酒を前に置かれた銀樹が言った。 「マリアだよ。カウンターにいるから」 その言葉が聞こえたように、何人か助っ人の入ったカウンター内でマリアがにこやかに手を振る。銀樹がかるく目礼した。 マリアはやはりミニの白いメイド服で、フリルつきのニーハイソックスにハイヒール。ふんわりとまとめて、細い赤いリボンをつけたアップヘアはフレデリカの傑作だそうだ。 「なによ、アタシより美人ホステスじゃないの! 嫉妬しちゃうわ。アンタのトゥシューズに画鋲入れてやる! でもホント、非の打ち所のない子なのよねー。素直で綺麗だし…アタシには劣るけど!!」 とは麗しき女主人の弁だが、もしデセルが来られたらどんな反応をするか、見てみたいところではあった。 「お姫様、よくお似合いですよ」 まるで初めてのバイト先で緊張、といった面持ちでトールの前にもグラスを置いた緑の少女に微笑む。 モスグリーンの大きなリボンを髪につけられた少女は、ぎこちなく微笑みかえしてカウンターに戻っていった。 見送って銀樹が呟く。 「我らが姫君に、形から入るってやり方が有効だとは思わなかったな」 「たしかに」 本体を同じくする黒の少女はコスプレが好きだから、やはり根っこは同じなのだろうが。 トールはにこにこしながら少女の背を見守った。 (どう、ビデオに撮りたいくらい可愛いわよね~。これに味をしめて、今度はアタシ好みのもっとプリーンとした可愛いコスチュームを用意してあそばせていただくわ。ウフフ) と心話を送ってきたのは、入り口とカウンターの間で客の応対をしているフレデリカだ。トールは肩をすくめて笑う自分のイメージを送り返した。 カウンターの近くに、窮屈そうに白いタキシードを着たジョゼがいる。まだ服に着られている感じだが、学校の友達と一緒に来たようだ。 フレデリカにハグをされて驚いている。軽く手をふるとこちらに走ってこようとしたが、フレデリカに止められたようだった。 どうやら、妖精たちの機械に熱中しすぎて倉庫で寝たり、食事もせずに学校へ行ったりしているのを彼女に見抜かれたらしい。少年がしどろもどろで応答しているのが見える。 少年の熱中癖はトールも承知していたが、一度きちんと話をしておかなければならないな、と彼は思った。 むしろルキアに部屋を作って、そこから学校へ通わせたほうがいいかもしれない。 あそこならばサバトもいるし、マリアが生活面の面倒をみてやれる。同じ技術方面ということでデセルも興味を示していたから、ちょうどいいだろう。 そう考えているうちに、白いドレスの大柄の「女性」が、傍らのパンク少年をフレデリカに預けてこちらにやってきた。 「いっつもうちの馬鹿息子がお世話になってますぅ」 しなを作って挨拶する後ろから、「俺はお前の息子じゃねーっつーんだよ!」という声が聞こえる。トールの魔法理論の生徒で、先日学校でリックにふっ飛ばされたこてつだ。してみるとこの女性は、こてつと同じ本体を持つ分身なのだろう。 「いえ、どういたしまして」 トールは席から立ち上がり、丁寧にお辞儀をかえした。こてつが何か叫んで、フレデリカにぺしっと頭をはたかれているのが見える。 「相変わらず苦労性だねえ」 トールが席に戻ると、銀樹がにやにやしながらグラスに口をつけた。 彼はかつての旧クリロズ――はるか地球が創世された頃の仲間で、クリロズにいたドラゴンライダーの一人だ。当時上所属の連絡係であったトールが届ける星団中の情報を受け取り、整理してクリロズに生かす情報部の仕事をしていた。 当時のリーダーの片割れ(つまり今の緑の少女だ)に伝えたら最後、鉄砲玉になって前線に向かってしまうと思われる危険な情報は、トールやシュリカンと一緒になって隠しおおせた、という秘密を共有する仲間でもある。 「おたがいさまだろ」 トールは笑ってグラスをかかげた。 そこへ今度は象牙色の肌をした一人の女性が、人波を縫いながらやってきた。手にグラスホッパーとおぼしい緑の液体を満たしたグラスを持っている。 ほとんど白に近い栗色のふわふわした長い髪をゆらし、いつも紅茶をありがとう、とトールに笑いかけた。 「どういたしまして。座りますか? ・・・・・・今日はハルドは?」 「ありがとう、でもいいわ。いま探しているところなの。今日は来ていないのかしらね」 金髪にターコイズの目をした金星人の若者。クリロズに来られないわけではないはずだが、今日はまだ姿を見ていなかった。 それじゃあまた、と女性はもう一度人ごみに潜ってゆく。顔の広い彼女らしく、あちこちで会話の花を咲かせているようだ。 「彼女とはあっちの仕事?」銀樹が指で地下をさす。 そう、とトールはうなずいた。教職は副業のひとつで、実は彼はさまざまな仕事をしている。 「姫君が本気で嫌なら上と喧嘩しても止めるって」 「たまにはそういうのも楽しいだろ」 よくやるよ、と銀樹は笑った。今は穏やかに笑っているだけの銀髪の友人が、そうとなったら本気で喧嘩を売るであろうことを、彼は知っている。 たとえそれがWBH相手であっても、だ。 少女の性格からしても、おそらくそうはなるまいが・・・・・・もしなったら混ぜてもらおうか、それとも諌めるべきかな、と銀樹は考えた。 「我らが姫君に乾杯」 合わせた二人のグラスから、リン、と澄んだ音が生まれる。 その音は、雑踏の中でも彼らの耳に心地よく残った。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)書くのが忙しくてお返事できず申し訳ないのですが、ご感想くださるととっても幸せ♪くださった皆様ありがとうございます~~~~~感涙です><よろしくお願いいたします!応援してくださってありがとうございます♪→5/5 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~♪♪ 兎月さんとのコラボヒーリング♪※連休中、セミナー参加等のため、来週水曜くらいまでメールのお返事ができないかと思います~物語はもう書いてあるので、実家でPCが触れたらささっとアップするつもりですがメールのお返事は自宅に戻ってからゆっくりさせていただきたいと思うのでどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m
2009年05月04日
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しばらく二人はなにをするでもなくソファに座って、夕焼けの光が部屋に入ってくるのを眺めたりしていた。そういえばお茶でも出そうかとトールが思いはじめたとき、急に思い出したようにぽつりと少女が呟いた。「おまえも・・・・・・死にかけたのか?」「えっ?」「マリアの魂と身体が砕けたとき。おまえだって無事じゃなかったんだろ?」ソファの上でかかえた膝に顔を埋め、少女はひどく痛そうな表情をしていた。あのときのことか・・・・・・かすかにトールは嘆息した。嘘をついてもばれてしまうだろう。「・・・・・・ええ、まあ、少しは。でも本体のヒーリングで乗り切りましたし、大丈夫ですよ。デセルが頑張ってくれましたしね」控えめにすぎる表現をあえてトールは使った。マリアは他の分身にとっては、同じ魂であるという以上に根源の存在でもある。彼女が「死んで」いるときに、他が無事でいられるわけがなかった。実際は誰にも知られないよう、ルキアの隠し部屋で悶絶していたトールである。本体も中身がずれるやら内臓が腫れるやら、本体が転居のさなかに、お互いヒーリングしてどうにか乗りきったのだった。たとえ統合に必要なプロセスであったとしても、できれば二度は遠慮しておきたい。「・・・・・・あたし、知らなかった」少女は言い、抱えた膝を強くひきよせた。「おまえがそんな大変なことになってるのに、あたし、知らなかった・・・・・・何もできなかった」声に涙がにじんでくる。自分がヒーラーではないことを辛く思うのはこういうときだった。トールはいつも自分にヒーリングをしてくれるのに、自分は彼の窮地にも何もしてあげることができない。彼が心配をかけないために黙っていたのもわかっているが、どうしても考えてしまうのだ。もしも自分がヒーラーだったら、彼は教えてくれたのだろうか?苦しむ彼の役に立つことができたのだろうか?そう思うと普段ステーションでの授業を逃げ回っていることまで後悔の種になってきて、緑の少女は大きな目に涙をためた。「そんなこと、ありませんよ」暖かな手が頭に載せられて顔を上げると、困ったような微笑が彼女を見ていた。「なにもエネルギーワークだけが癒しの技ではないのですから・・・・・。むしろヒーラーにできることなんて、とても少ないんです」なにげないたった一言が、ほんの一片の微笑みが、誰かを救うことがある。救われるのも癒されるのも、その人がそう受け取ったからだろう、とトールは思う。何によって癒されるかは受け取る本人が決めることであり、ヒーリングは提供される道具のひとつでしかない。美味しい料理や温かい風呂や大切な誰かの写真や・・・・・・それらと似たようなものだ。「あなたはもう充分、私に大事なものをくださってますよ」手を離してトールはゆっくりと言った。あなたのもとに帰ろうと思えばこそ、あの夜を越えることができたのだから。帰りたいと強く願うこと。その笑顔を今一度見たいと切望すること。それを上回って、生きる意志を強める業などあるだろうか。生死の最後の趨勢を決めるのは、天寿のほかにはいつだって本人の生きる意志なのだ。分身以外とのエネルギーラインをすべて遮断し、身体が分解されてゆくような感覚と痛みに喉をかきむしって耐えながら、彼がよすがとしていたのは少女の存在だった。歯を食いしばってなお漏れる呻きを枕に押し当てて消しながら、脳裏に唱えたのは彼女への誓いだった。ヒーリングなぞできなくとも、それほどに彼女の存在は彼を支えている。夜はすでに越えたのだ。それ以上何を求めようか?あなたは今のままで充分なんですよ、と彼は言った。「・・・・・・ほんとに?」「ええ。それに、このとおりもう大丈夫ですから」うるんだ大きな瞳に、トールはにっこりと笑いかける。つられて少女の頬がゆるんだ。銀髪の錬金術師はほっとして、冗談めかした声を出した。「ではお詫びをさせていただきましょう。お望みはありますか、お姫様?」少女は眼をしばたたいて涙のあとを消し、ちょっと考えてから言った。「お花見したい」「お花見? 桜ですか」「うん。一緒にいけたらいいなと思って・・・・・・」お安い御用です、とトールは笑った。彼女の前に立って、芝居がかった動作で一礼する。身体を起こすと同時に振りあげた手から金色の粉が舞ったかと思うと、そこは見慣れた居間ではなくなっていた。青々とした草地に、満開の桜の花。大きな樹が何本も真白の雲のように花をつけて、風が吹くとはらはらと花びらを散らせる。「うわあ!」顔を輝かせて緑の少女は駆け出した。青空にむかってさしだした手に、幾枚もの花片がかすってゆく。「すごいすごい! こういうときって、ほんとにトールが魔法を使えてよかったと思うよね」やわらかな陽射しのなか、薄桃の花びらを髪につけて少女が笑う。大樹のかたわらに立ち、ええ本当に、とトールは目を細めた。間なく散るとも数はまさらじ。最近耳にした古歌を低く口ずさむ。花びらは雪のように間断なく降りつもり、歌われた世界と重なった。「なんかいったか?」上着の裾をひろげて花びらを集めながら少女が振りむく。トールは照れもせずに微笑んだ。「あなたを愛している、と言ったんですよ」「知ってるよ。そんなこと」まるで桜の精のように輝きながら、最上の笑顔で少女は言った。今ここであたしもだ、と。*************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)書くのが忙しくてお返事できず申し訳ないのですが、ご感想くださるととっても幸せ♪くださった皆様ありがとうございます~~~~~感涙です><よろしくお願いいたします!応援してくださってありがとうございます♪→5/5 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~♪♪ 兎月さんとのコラボヒーリング♪※連休中、セミナー参加等のため、来週水曜くらいまでメールのお返事ができないかと思います~物語はもう書いてあるので、実家でPCが触れたらささっとアップするつもりですがメールのお返事は自宅に戻ってからゆっくりさせていただきたいと思うのでどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m
2009年05月03日
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トールはルキアの研究小屋にいた。 分厚い魔法書を何冊も机の上にひろげ、難しい顔でページを繰っている。 半分ほどあけた窓から、ここちよいそよ風が吹いてきた。甘い花の香りがするのは、泉のほとりの花畑が満開になっているからだろう。 春風にのって、ふあん、とかすかな気配が銀髪の流れる肩の先にあらわれた。 気づいて視線をあげれば、うっすらと緑の少女が見える。 目が合って微笑みかけると、むこうも微笑んでふっと消えた。 トールが仕事に忙しいのを見て、邪魔しないように来てくれたもののようだ。 そんなことが何度かあって、あるときトールは希薄な気配に穏やかな声をかけた。 (ここへ来たくなったら、いつでもそのままで来てくださってもいいんですよ、お姫様) (そんなこと言うとほんとに遠慮しないぞ) (心からお待ちしておりますとも) トールは微笑んだ。実際、緑の少女は錬金術師の部屋でそれほど邪魔をしたことはないのである。あまり周囲には信じてもらえないのだが。 彼女がやってきたのは、トールが一日の仕事を終えてソファでくつろいでいるときだった。 手にとって眺めていた透明なクリスタルをテーブルに置いて、彼はドアまで少女を迎えた。 「ようこそ・・・・・・。ついにはじめたんですね? でも、無理はしなくていいんですよ」 理由に心当たりがあったから、彼女が何か言うより先に口を開く。少女は伏せていた睫毛をあげ、信頼をこめて長身を見た。 いつも優しくてもの柔らかで、しかし彼の踵はつねに最後まで少女の味方の位置から動かない。その見えざる強さを彼女は知っていた。 「うん。でもさ・・・・・・つらくなったらおまえがいてくれるだろ?」 「いますとも。いつも、いつでも・・・・・・あなたが、もういらないとおっしゃるまではね」 ソファまでエスコートしながら答えると、ふいに彼女がふりむいた。 「・・・・・・い」 「?」 「いらなくならない。ずっと、いらなくならない」 泣きそうな顔で、少女は高い位置のトールの首に抱きついた。少し背をかがめてくせのある茶色の髪に顔を埋め、トールはそっと彼女を抱きかえした。 「ええ・・・・・では、ずっと」 暖かな手で小さな背をぽんぽんとたたく。身体を離すと、少女は目をそらして少し自嘲的に言った。 「ごめん。・・・・・・あたし、ずるいよな」 「なぜ?」 「だって。おまえはいつだってあたしのそばにいてくれる。あたしがどこか他を見ていても、それでも変わらずにそばにいてくれる。 だけど・・・・・・だけどさ、あたしはどうしたって、百パーセント誰か一人のものにはなれないんだ。 そのときの気持ちに嘘はないけど、その時だけだ。大好きだ、って思う相手のことは、皆同じように大好きだから。 ずっとそばに、って言ってもらえたら嬉しいけど、でもあたしは約束しかえすことができない」 人には約束させといて、ほんとずるいよな、と呟く。 「そんなこと。百パーセント誰かのものになれる人なんていませんよ」 優しく少女の背を押してソファに座らせ、笑いながらトールは言った。見返してきた彼女の顔を青灰色の瞳でとらえて続ける。 「人はね、誰でも自分のものなんです。自分と相手が同時にそう望んだときに、刹那のような同じ時間を共有できるだけ。 だから一期一会なのですよ。 あなたはあなた自身のもの・・・・・・それでいいんですよ」 「おまえも? おまえもそれでいいのか?」 眉根をよせた少女の疑問に、彼女がソフィアのことを言っているのだとわかった。トールは自分もソファに腰かけ、背もたれによりかかってふっと息をついた。 「彼女も、ただ彼を独占したいわけじゃないんです。 本当は何より喜ばせたかった・・・・・・方法がすこしばかり間違っていたようですが」 「じゃあおまえは?」 重ねて訊いてくる少女に、トールは苦笑を見せた。かきあげた結ばないままの銀髪を、そよ風がなぶってゆく。 「そうですね・・・・・・、独占したい、とわずかなりとも思う瞬間がないといったら、嘘になるでしょう。 けれども私は、あなたの輝いているさまが好きなのです。 もしもあなたが私の隣にずっといてくださったとしても、そのことによってあなたの輝きが損なわれてしまうなら、私にとっては何の意味もない」 「あなたを束縛して苦しめるくらいなら、遠く自由に飛び立つ姿を見ているほうがずっといい。 そのために、この位置を選んで転生しているのですから」 青灰色の瞳が、宇宙の深淵を映して少女を見る。すぐ隣ではなく、いつも少しだけ離れたところに。彼がときに三次元の身体に制約をかけてまで、純粋に彼女を護る位置についていてくれることを、少女は知っていた。 しかし少女はぷんとふくれた。 「傍観者、なんて言うなよ。あたしはそんなの嫌いだ」 壁一枚へだてているようで、もどかしいし寂しい。もっと傍で触れたい・・・・・・けれどじゃあずっと傍にいます、と言われても、自分はありがとう、としか言えない。 相反する気持ちをそのまま表情にあらわして、結局彼女はふくれている方を選んだ。 そのようすが可愛らしくて、トールはくすくすと笑い出す。 「私がいつ、ただ見ているだけ、でしたか?」 笑いの中に真剣な光を宿して、彼は大きな瞳を見やった。これだけ関わっていたら、もう傍観者とは呼べないでしょう、と。 彼があらゆる意味で彼女のために動いていることは、もはや誰もが知っていることではあった。 「私は私の望みとしてここにあり、望んできたことを叶えているにすぎません。たとえ三次元でそれを忘れていることがあったとしてもね。 あなたも、自由に思うままに、あなたの望みを叶えてゆかれますように」 私はそれを力の限り手伝いましょう。 それこそが私の望みなのですから。 ゆったりとソファに座り、静かな海のように彼は言った。 嵐もさざなみもすべてを飲みこみ、ただ穏やかに海は彼女を包む。 いつまでも、変わることなく。 *************この【銀の月のものがたり】シリーズはimagesカテゴリでお読みいただけます。→→登場人物紹介(随時更新)トール&緑ちゃんの話をお待ちの方!(いるのかな)お待たせしました~・・・このお話はけっこう自分でも気に入ってて、わりかし読み返したりしちゃいます。なんかね~大事なこと言ってますよね~~~~~三次元の私はほえーって感じだけど(爆)書くのが忙しくてお返事できず申し訳ないのですが、ご感想くださるととっても幸せ♪くださった皆様ありがとうございます~~~~~感涙です><よろしくお願いいたします!応援してくださってありがとうございます♪→5/5 一斉ヒーリング~地球へも感謝をこめて~♪♪ 兎月さんとのコラボヒーリング♪※連休中、セミナー参加等のため、来週水曜くらいまでメールのお返事ができないかと思います~物語はもう書いてあるので、実家でPCが触れたらささっとアップするつもりですがメールのお返事は自宅に戻ってからゆっくりさせていただきたいと思うのでどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m
2009年05月02日
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来週のヒーリングはスペシャルです!実はですね~、その日兎月さんがうちに泊まりにいらっしゃるのですよ~wので、胸をお借りしましてスペシャルコラボさせていただこうと思います♪コラボしよう!っていうのはすぐ決まったんですけど、テーマがなかなか決まらなくて(笑)なんかね、みんなやってほしそうなんですもん。ワクテカしてる人たちがいっぱい、みたいなwご先祖さまもいいし~、ハイヤーセルフもいいし~地球もいいし~って二人で散々悩んだんですが私の個人的直感wに任せていいとおっしゃったので、地球(土地)へ、にさせていただきます!調べたら去年の夏以来だったし~(ご先祖さまとかは秋にやってた)。新型インフルエンザとか、いろいろ不安も多い昨今。地球の上に住んでる私たち、感謝して生きていけたらいいなあと思うのですね^^なので土地(地球)への感謝とヒーリングを送りたいと思います。まあ個人でされたらじゅうぶんなことでもあるでしょうが、こういう機会があってもいいよねってことで♪もちろん一斉ヒーリングですから、まずは皆様がっつり温泉に入っていただいて(笑)もし寝落ちしなかったら、ご自分に満ちたエネルギーが、一緒に地球を癒すように、と祈っていただけたらと思います。寝落ちする気の方は、先にアファメーションしておいてもいいですね。強制ではないので、もしよかったらやっていただけたら嬉しいなと思います♪皆様の祈りは天使の力を借りて、地球へ届けさせていただきます☆たくさんの土地が癒されますように♪→★リアルタイム日時 2009年5月5日(火) 21:30より1時間(日本時間)★コールイン受け取り可能時間 日本時間で上記日時~5月6日(水) 20:30開始まで ※とくに決まった宣言文はありませんが、よいお時間に 「さつきのひかりのヒーリングを受け取ります」と宣言していただければ大丈夫です。 ★募集期限リアルタイム直前(火曜21:30)まで★参加ご希望の方はこの記事(エラーになってしまう場合、mixiの同名記事)のコメント欄に、HN(ハンドルネーム)と都道府県、以前さつきのひかりのヒーリングをお受けになったことがある方は、前回のご感想を一緒にお書きください。私もとても嬉しく励みになりますし、書くことでご自身の気づきも深まるかと思います。※他の記事へのコメント・メッセージ等は無効になります。お返事もできませんので、ご注意ください。★ヒーリングの種類その時々のテーマとともに、純粋な愛のエネルギーによるヒーリングを、お申し込みいただいたご本人、住んでいる土地、ご先祖さまがた、にお送りいたします。もっともシンプルで、誰にでも入りやすく、心の癒しには一番効くのだそうです。ハートが癒されると、ふんわり開いてご自分にとっていいものがたくさん引き寄せられてきます。キラキラをたくさん引き寄せちゃいましょう♪♪★初めましての方は、フリーページをご一読くださいませ^^→→「ヒーリングについて(http://plaza.rakuten.co.jp/satukinohikari/4000)」※よくあるご質問もまとめてあります。ご質問の前にご覧下さいね^^★喉が渇くことがあります。また好転反応が出た場合に楽に流すためにも、白湯などの水分をとられることをお勧めします。★エネルギーやヴィジョンを感じるワークではありません。リラックスして、寝るつもりでゆったりとお布団で受け取ってくださるといいと思います♪★車の運転など、注意力・集中力を必要とする場面では、絶対にヒーリングを受け取らないでください。 眠くなることがありますので、危険です。万一そういう事態になった場合には、「私は今はヒーリングを受け取りません。後ほど布団に入るときに改めて受け取ります」とはっきり宣言してください。★ヒーリングは医療行為ではありませんので、受けたことで怪我や疾患が良くなったり悪くなったりするというものではありません。変化はご自身が望まれたことを後押しするために現れます。ご自身の判断と責任によりお受けくださいね。
2009年05月01日
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