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アンナ・ネトレプコ、アーウィン・シュロットの愛息 ティアゴ・アルア君(Tiago Aruã)君(8カ月)お披露目。 フォトギャラリーになっています。 可愛いですね~! ネトレプコさんは現在チューリヒ・オペラの椿姫でベチャーラと共演中です。 以前にもベチャーラがインタビューで語っていたとおりです。 チューリヒ「椿姫」写真。Zürich Opera : La Traviata - Verdi unterstützt von Chopard April 2009 Dirigent:Marco Armiliato Inszenierung:Jürgen Flimm Choreographie:Katharina Lühr Orchester der Oper Zürich Chor der Oper Zürich Anna Netrebko (Violetta Valéry) Piotr Beczala (Alfredo Germont) Juan Pons (Giorgio Germont) Mit Spannung wurde ihr Debüt am Opernhaus erwartet nun kommt Anna Netrebko, der russische Opernstar, endlich nach Zürich ついにネトレプコさんがチューリヒにデビューということで現地は盛り上がっているようです。ショパールがスポンサーについているようなので店の前で写真を撮っていたのですね。(ベチャーラさんは常に陰の人?…sigh)まあスーパー・スターとはこういうものです。 いつも amazing な OPERA CHIC にSF TVのニュースビデオが貼り付けてあります。 椿姫のリハーサルシーンです。ベチャーラさんも赤ちゃんもホアン・ポンスさんも映っています。
2009年04月29日
PRIZEWINNERS OF THE 2009 PRIX DE LAUSANNE MaleEdo Wijnen (Belgique)Telmo Moreira (Portugal)Sebastian Concha (Chili)+++第37回ローザンヌ国際バレエ・コンクールクラシック“眠りの森の美女”から」セバスティアン・コンチャ「“海賊”から」テルモ・モレイラ「“白鳥の湖”から」エド・ヴァイネンコンテ「ワスラフ」ジェミマ・ローズ・ディーン「スプリング・アンド・フォール」ゲルゲーイ・ルブラン「ヨンダリング」ティグラン・ムクルチャン「ヨンダリング」スカイラー・キャンベル「ワスラフ」ラファエレ・ケイロス・ロドリゲス「ニジンスキー」セバスティアン・コンチャ「プレリュードCV」(音楽:アウエルバッハ)ハンナ・オニール「ロング・ノート・ラグ」テルモ・モレイラ「スプリング・アンド・フォール」エド・ヴァイネン「ロング・ノート・ラグ」(The Wrong Note Rag by Leonard Bernstein* )のテルモ・モレイラが抜群だった。これはサーシャがエトワールガラとディナーショーで踊った、バーンスタイン・ダンス。この踊りだけが客を呼べる踊りだと思った。男子で受賞したのがエド・ヴァイネン、テルモ・モレイラ、セバスティアン・コンチャの3人だった。2009年4月 NHKデジタル教育3で放送。※きょんさまのおかげで見落とさずにすみました。ありがとうございました。+++*John Neumeier's ''Bernstein Dances,'' NYT reviewJuly 1998Lloyd Riggins : The young BernsteinHeather Jurgensen : The adult woman in his lifeAnna Polikarpova Otto Bubenicek : duets Jiri BubenicekJoelle BoulogneLaura CazzanigaJiri Bubenicek ''Wrong Note Rag''Serenade.'' ''Candide,'' ''Who Am I'' from ''Peter Pan'' ''Will I ever live again as a rooster or a hen?'' ''Facsimile
2009年04月26日
John NeumeierJohann Sebastian Bach : Weihnachtsoratorium (Christmas Oratorio)Premiere Dec. 2007in der Hamburger StaatsoperAnna Polikarpova als MariaPeter Dingle als JosefSylvia AzzoniEdwin RevazovThiago BordinDie musikalische Leitung Alessandro De MarchiHamburger Abendblatt24 Dec 2007Nachrichten aus HamburgJohn Neumeiers Weihnachtsoratorium feiert Hamburg-Premiere
2009年04月26日
Mahler's Third Symphony Ballet by Neumeier Set For Paris OperaMarch 13-April 11 2009John NeumeierLatestMahler : Symphony No.3(Troisième Symphonie de Gustav Mahler)Paris Opera Balletincomparable Nicolas Le Riche (Etoile)Clairemarie Osta (Etoile)Stéphane Bullion followed by major works of John Cranko and Roland Petit to complete the season of POB
2009年04月26日
「ESPRIT~Les Ballets de Roland Petit~」Tamiyo Kusakari Farewell Gala22-24 Apr. 2009Second night in TokyoBunkamura Orchard hall, Shibuya Tokyo「エスプリ~ローラン・プティの世界~」2009年4月23日(東京公演二日目)Bunkamuraオーチャードホール***M.M.M.(マッシモ・ムッル・祭り)《裏》一日だけじゃさびしすぎる。(元祖M.M.M.(マッシモ・ムッル・マニア)ほみさまのサイトは常時祭り開設中です。)エスプリ Day2皆様に朗報です!きょうNHKさんのHDの収録カメラが何台も入っていました。放送が期待できます。さすが草刈民代さまです。きょうは芸能人の方もいらっしゃいました。きょうは2回目だったのでムッルがん見に専念。(いやきのうもそうでしたが)+++アルルの女、すばらしかった~きょうのフレデリは実にすばらしかったです。草刈さんも良かったです。感動しました~ムッル、クライマックスですごく感情が入っていた。何より悲痛な哀切な瞳。これにやられた。彼の悲しみは誰にも救えない。ムッルはルティレでピルエットするとき、足がアン・ドゥオールにならないんです。閉じている。これは昔からの癖のようで、こういうのは直らないものなんですね。骨盤のせいもあるかも。+++そしてスワン・レイクオデットのソロ。チェロです。実にテンポがゆっくりの音楽で後半のテンポUPするところも相変わらずゆっくり。何度見ても頭が真っ白になる。なぜかわかりました。見惚れているからです。理性が入る余地がないからです。美しすぎるオスの白鳥を眺めているだけでソロが終わってしまいます。それに音楽に気を取られているからです。存在感を誇示するように美しく踊るオスの白鳥が憑依した人間。透きとおった瞳。表情は静謐そのもの。感情を浮かべる必要がないとき、マッシモは美しすぎる。神が与え給うた美しい体。長い四肢。美しい筋肉。片手を床につけ片手を上にあげ、片足を開いて上に伸ばし、そのまま横に倒れる。片手をつき両足のつま先を立てて、床の上で体を回転させる。時々羽ばたいて見せる。僕はホントは白鳥なんだよ、と見せるように。ソロの最後の部分のパもジャンプしながら下手(しもて)に移動するものだが美しすぎて見惚れてしまう。彼にぴったりの演目としかいいようがない。屈みこんで静止すると拍手がわく。女性が現れる。ハープが流れる。床にうずくまる。女性が背中を踏んで越えていく。鳥のしぐさのように彼女の足に頬ずりしていた~クライマックスの女性のリフト。差し上げてそのまま上で女性は体まっすぐのまま後ろに倒れこむ。ダイナミック。かと思うと女性をリフトするかと思いきや床に引きずり、自分は美しく前転する。女性の体を引き寄せて、座り込んで前に抱える。ここは妙にエロティック。同じスワンのポーズをとる。すなわち片手を白鳥の首のように上にさしあげて床に座っている。シンメトリーに。そして前に伏せる暗転、終了。+++Related LinksAltynai Asylmuratovaand Roland Petit, a new Swan Lake, the Kirov BalletLe Lac des Cygnes et Ses Maléfices (Swan Lake and Its Evil Spells){Mar.1998}ムッルの写真が2枚あります。そしてこの記事にはきわめて興味深い記述があります。白鳥は全部オスなので、「マシュー・ボーンのスワン・レイク」が思い浮かぶだろうが、と書かれています。マシューボーンのスワンレイクの初演は1995年。プティ版スワンレイクは詳細は不明ですが1986年の「マ・パヴロヴァ」ですでに登場しています。男性のスワンの発想はプティが先だったということになります。+++ムッルの最後の演目モレルとサンルー。いや~いいです。何とも言い難い。刺すような激しい視線のモレル。同じようにきりっとした視線で対抗するサンルー。しかしコルプのモレルは荒々しいだけでなく妙に色っぽいところもあるんだ。これでこそ魔性の男。まあ魔性と言えばビュヨンの方がそう感じましたが…とにかくこの2人のコンビは抜群でした。二人が並んで立っている。ほんの少し、ムッルの方が背が高いが、コルプがつま先立ちするとコルプの方がやや大きくなる。肌色のレスリングのユニフォームみたいな衣装なので、裸に見える。初見だったら、いいんだろうか?と狼狽しちゃう感じ。チェロのぐわ~という押し出しの強い演奏とともに二人の絡みが始まる。コルプがサンルーの首を締めあげるように抱え、サンルーが斜めになって手を伸ばすあれ、首は絞めてないんですね~抱え合っている。とにかくエロチックなパが満載です。二人の関係性ですけど、ビュヨンとマチュー・ガニオだと完全にビュヨンがその悪魔のような美しさで美しいサンルーを支配している感じがわかった。サンルーのマチューは感情の起伏が激しく、ドラマティックだった。ムッルは違うんですよね~同じ男として激しく対峙するんです。視線もすごく男らしいし、かといってマチューのように感情をむき出しにするわけでもない。そこがコルプと対照的で実に良かった。コルプは今にも飛びかかってきそうな野犬で、ぐるぐる獲物の周りを回っている感じ。しかし絡むとしなやかなオス猫になるコルプ。ムッルは正統派でコルプは悪魔。まさに天使と悪魔。ラングドン教授の出番か~(話が違うから)アポロとディオニュソス。天使と堕天使。キリスト教的なものがバックグランドにある展開だったのかも。最後のサンルーがモレルの足のふくらはぎを枕にして手をチューリップのように開き、モレルの背中を支えてるように見えるあれ、手は背中につけていないんです。了+++タマラ・ロホ・プチ・祭り 《プティだけに》《これも裏》ノートルダム・ド・パリきょうもエスメラルダが抜群でした~残念なのはこれがマッシモのスワンの直後だったこと。マッシモの幻影を頭の中で反芻中にもうカジモドが出てきちゃうもんで…でもロホの踊りが素晴らしすぎてそちらに引き込まれてしまう。カジモドは背中のこぶのせいで体が湾曲している。右手が不格好に吊り上ってしまっている。これが彼のコンプレックス。でもエスメラルダは笑い飛ばす。彼女は彼を恐れないし笑わないし、忌み嫌いもしないし利用もしない。腕をだらだら垂らして振っているカジモドの真似をする。そして二人はシンクロして踊りだす。この瞬間がいちばん好き!音楽のテンポにぴったりあった二人の不思議な動き。カジモドは彼女と踊っている時だけは普通の姿勢に戻れる。まるで魔法のようだ。性急に腕をひっぱり痛いわ!という顔もされるが。カジモドの人間的な大きさ、頼りがいのあるところにエスメラルダは安心して身を投げ出している。バランスも完璧なのを2回見せてくれた。2日目は立ってましたね、ずっと。初日は振り付け通り立ったら後ろに傾いて男性のホールドを待つんです。2日目は垂直。でも嫌味なほどのキープはしません。そういうとこさすがタマラ、心得てます。彼女は超絶技巧のひけらかしは今回いっさいなかったです。自分の役どころをわきまえているんですね。プティだということもあるのでしょうが、私には意外でした。つまりいつものはじけたタマラでなく、お嬢様系私…を演じているタマラだったのよ~カジモドが振り子のように、鐘つきの棒のように、彼女を地面と平行に抱えて揺らすと、エスメラルダは眠くなって寝てしまう。そっと地面に横たえるカジモド。カジモドの腕は魔法が解けたようにまた元に戻ってしまう…あ~せつないカジモド版シンデレラです。もちろんエスメラルダはフェビュスという兵士の恋人がいるのだがセクシーでもてすぎるため、ちょっと天狗入っている。彼女の心のすきまはカジモドの愛で埋められたのだ。愛を与えるものこそが愛を与えられるのだ。+++ヴァントゥイユの小楽節。美しい音楽に合わせて踊る男女。ピアノとヴァイオリン。その男女も楽器になっている。ピアノとヴァイオリンになっている。これはまさに音楽。見ているだけで幸せな音楽を聴いている感じと似ている。というか音楽が美しすぎて音楽の方が立っちゃってるんですよね。タマラのお尻の下に手を入れて垂直に上に持ち上げるリフトがある。ここだったか初日は降ろす時にちょっとひやっとしたシーンが。ここ以外は完璧だった。コルプさんはリフトは苦手なのでしょうか。女性をリフトすると見せかけて実は男性のまたの下をくぐるというプティらしいファニーな振付もあってにやっとする。コンビネーションとしては2人とも濃い! 隠してても濃い!のでう~んという感じはありました。でもすてきでした~コルプのムーヴメントがとにかくきれいなんで見とれてしまうんですよね。+++タイスこれもすごくよかった~これはカルフーニと比べてはいけないです。タマラはタマラの良さがある。手足は短いが完璧なバランスに完璧なピルエット。男性より多くきっちり3回転、常に回ってました。しかも3回転めがゆ~っくりになって余韻を残して止まるの。もちろんまだまだ回れるのよ~ということで。まるで女版、ホセ・マヌエル・カレーニョでしたわ。+++イーゴリ・コルプ・プチ・祭り 《プティだけに》《これも裏》ヴァントゥイユは上記。なんといっても切り裂きジャック君でしょう~!きょうも異様さ炸裂してました~どんだけ怪しいんじゃお前という演技でもう圧倒されます!ホントにストレートプレイのようでした。草刈さんがまるでセルロイドの人形のように可愛くてはまってました。なぜかというとまったく微笑とか恐怖とか女は表情を浮かべないんです。同じ顔なんです。常に。美女と野獣を通り越して、人形と異常者でしたわ~めちゃ倒錯!リフトで彼女の股間をもろ持って、もう片手で彼女の足を上げてなで上げるというバレエ界において反則!みたいなパもあって、もうレッドカード!でした~彼女を刺すのは唐突でえ?という感じ。長く伸ばす女性の悲鳴でそれがわかる。彼がいつナイフをどこから出したのか、きょうもわからなかった。すぐにナイフを投げ捨てる。手をひっぱるが、ダランと人形のように元に戻る。そしてその後の狂気。狂気がおさまったあと襟を正してゆっくり上手(かみて)に歩いていく。暗転。あのコルプをまじかで見たお子ちゃまは夢に出てきてこわいんじゃないかしら。私はけっこう受けてましたが~+++Ralated LinksMassimo Murru Index
2009年04月23日
「ESPRIT~Les Ballets de Roland Petit~」Tamiyo Kusakari Farewell Gala22-24 Apr. 2009Opening night in TokyoBunkamura Orchard hall, Shibuya TokyoTamiyo KusakariTamara RojoMassimo MurruIgor KolbLuigi Bonino Lienz Chang「エスプリ~ローラン・プティの世界~」2009年4月22日(東京公演初日)Bunkamuraオーチャードホール草刈民代(牧阿佐美バレヱ団)タマラ・ロホ(ロイヤル・バレエ)ルイジ・ボニーノマッシモ・ムッル(スカラ座)リエンツ・チャンイーゴリ・コルプ(マリインスキー・バレエ)すべてローラン・プティ振付第1部:1.「アルルの女」より音楽:ジョルジュ・ビゼー草刈民代マッシモ・ムッル2.ヴァントゥイユの小楽節「プルースト~失われた時を求めて~」より音楽:セザール・フランクタマラ・ロホイーゴリ・コルプ 3.コッペリウスと人形「コッペリアより」音楽:レオ・ドリープルイジ・ボニーノ4.タイスの瞑想曲 「マ・パヴロヴァ」より音楽:ジュール・マスネタマラ・ロホリエンツ・チャン5.オットー・ディックス~切り裂きジャック~音楽:アルバン・ベルク ルル組曲草刈民代イーゴリ・コルプ第2部:1.「白鳥の湖」第2幕より音楽:P.I.チャイコフスキー※日本初演草刈民代マッシモ・ムッル2.エスメラルダとカジモドのパドドゥ「ノートルダム・ド・パリ」より音楽:モーリス・ジャールタマラ・ロホリエンツ・チャン3.ティティナを探して小さなバレエ「ダンシング・チャップリン」より音楽:チャーリー・チャップリンルイジ・ボニーノ4.ジムノペディ音楽:エリック・サティ草刈民代リエンツ・チャン5.モレルとサン=ルー侯爵 パ・ド・ドゥ「プルースト ~失われた時を求めて~」より音楽:ガブリエル・フォーレマッシモ・ムッルイーゴリ・コルプ 6.チーク・トゥ・チーク音楽:アーヴィング・バーリン草刈民代ルイジ・ボニーノ7.フィナーレチーク・トゥ・チーク音楽:アーヴィング・バーリン全員+++ M.M.M.M.=マッシモ・ムッル・めちゃ・マニアいや、M.M.M.M.=マッシモ・ムッル・めちゃ・マゾやいやいや、マッシモ・ムッル・めちゃ・草食系???エスプリ東京公演初日。久しぶりのマッシモ、ほんとにステキでした。個人的にはマッシモのスワンがかな~り来てます。これだったらあと100万回でも見たいです。魂持ってかれました。美しすぎる!マッシモは人間より動物の方があってる~全体的にはコールプが相変わらずすばらしかった!切り裂きジャックはものすごかったっす。個性の真逆な2人の競演は非常に興味深かったです。アンコール、ムッルさんやる気なし。コールプさんは非常に上手でした。ジャージーな踊り。クラシックバレエダンサーにジャズダンスを即興でやらせるのはよくない。反省してもらいたい。今までの積み上げたものがアンコールで崩れた。しかもフィナーレ演目を2回もやらすなんてスマートじゃない。ダンサーは疲れ切っていた。プティ!という個性の炸裂はまったく感じられないガラだったのはプティがいなかったからだろう。そこは残念だった。ファニーな部分が微塵もなかった。1、アルルの女ムッルさんのフレデリを楽しみにしていましたが、この役に草食系男子は合わない~私が見た中ではジェレミー・ベランガールが一番良かった。マニュエル・ルグリも合っているとは言い難い。この役は狂気を内在させていて、終盤になってそれが表に出てくる。踊りが狂っていかねばならない。もっと狂って!ムッルさん!と私は心の中で叫んでいた。だんだん高くなるジュテとかにそれが現れていなければいけない。マネージュとピケピルエットに現れていないといけない。そういった爆発系の感じはいまいちなかった。彼の表情は茫然。そういう表現も彼としてはあるんだろうなと思った。焦燥感や情熱はなく。ひたすら失った女への悲哀で魂が消滅してしまった感じ。最初は普通の恋人の営み。しかしある時点で彼は幻影を見る。とりつかれてしまう。もう逃げられない。婚約者の腕や両腕や体を押しやる。新婚初夜のために服を脱ぐが、魂はそこにない。キスはもうキスではない。女は絶望して去る。残された男はまだ幻聴を聴くまいとする。やめろ!僕の中に入ってくるな!しかし幻聴も幻影もやまない。彼は音楽に憑かれたように踊りだす。もう最後までノンストップの急行に乗ったようなもの。彼が窓からダイブするまで。2、ヴァントウイユの小楽節タマラは抜群。コールプの踊りも美しい。タマラを見ていると絶対失敗しないという安心感で見ている自分がわかる。白い衣装前は短いキューピッドのようで、後ろは少し布地を垂らしている。3、コッペリア机の中に人が隠れていて、コッペリアの足をボニーノの足につけたり外したりしているようだ。相変わらず芸達者。4、タイスこれすばらしかった!コンビネーションが最高。美しい黄金のスパンコールをつけたドレス。5「切り裂きジャック」MVPはやっぱこの演目かな~コールプの入りからしてすごい。悪魔が飛んできた。黒いコートに黒い帽子。ものすごい勢いでグランジュテしながらマネージュ、そして床に這いつくばって後ろ向きにさささと移動する。怖い。楳図さんの世界?娼婦なのか女が現れる。赤い髪の毛の草刈さんすごく美しくて色っぽい。彼女は男を誘惑しコートの前を開いて見せたりする。誰がどう見てもおかしい男なのにどうして引っかかっちゃうんだろうと思いながら見ている。コールプが彼女の前を二度ほど、真横に180度以上開脚しながら飛ぶ。身体能力も柔らかさも頭抜けているコールプさん。しかも性格俳優。彼はこの公演で一番光っていた。女を殺す。それからがまたすごいんです。激しく空中で回転ジャンプして着地し、首を傾けて右手をけいれんさせる。自分の右手がいうことをきかないのだ。繰り返す。恐ろしい男。そして平常心に帰って去っていく。第2部1、スワンレイク プティ版 第1幕 2場 男性のソロ。 これはオデットのソロの音楽です。 そう、アダム・クーパーの踊ったマシューボーンの男性のスワンのソロと同じ音楽です。 衣装は白いパンツ(ブリーフ)一丁。 美しすぎる! 優雅な手の動き。 ムッルさんは大きいダンサーなのに手先まで優美で美しい。ムーヴメントも美しい。もう時よ止まれ!と念じた。 床に腕立て伏せのように手をつき片手だけで支え、片足をアラベスクのようにあげます。そのまま向こう側に展開する。こういう不思議なパが満載。 プティは天才ですねえ。 そして女性とのパドドゥ。 音楽はオデットと王子のパドドゥ。 不思議なハープが流れ、チェロのソロになだれこんでいくところ。 音楽はオリジナルな録音でテンポがすごくスロウです。 記憶がとんでいる。 2、エスメラルダとカジモド これもすごく良かったです。いたずらっぽい表情を浮かべるカジモド。場末のジプシー、でも天使のエスメラルダ。彼女は自由で美しく、どんな人間にも平等だ。見事に憑依しているタマラ・ロホ。ほんとにすばらしいパドドゥだった。3、ダンシングチャップリン これはもう賞味期限切れかな~と思ってしまいました。4、ジムノペディ 音楽のせいもあるが間延びした感じ。5、モレルとサンルー。 はああ…ついにきたか。 めちゃ良かったです。 初見だったらもっと衝撃を受けていただろう。 コルプがモレルにぴったりだった。彼は悪の力で善のサンルーを支配しようとしていた。サン・ルーはあらがえない。悪魔の刻印を胸に押されてしまう。一転二人は仲の良い子供のようにシンクロして踊りだす。サン・ルーは持てる愛を彼に捧げてしまう。モレルは鋭い一瞥でそう言った善性をすべて破壊しつくし、サンルーの心を焼き尽くす。6、チークトゥチークフレッド・アステアを思い出しちゃったそのままフィナーレへ。これは誰が振りつけたのか?いきいき踊っていたのはコルプ机から飛び降りる時も技を競い合うコルプとチャン。ムッルはまあ~やる気なし(笑)おつかれさまでした。稀有な公演でした。お客さんがおとなしめだったので演目的には刺激が強すぎたかと少し心配だった。プティの世界も知っていないとなんかふつうのバレエと違うよねと思っちゃっていたんじゃなかろかと思う。いわゆるコアなファンは少なく草刈さんのファンで占められていたと思う。しかしすばらしい意味のある稀有な公演だった。
2009年04月22日
Massimo Murru dances Roland Petitローラン・プティ・ガラMASSIMO MURRU LE TALENT SIMPLEMENTPetit The Bat 2003こうもりこうもり 1979新国立劇場「こうもり」2006新国立の「こうもり」2日目Petit "The Bat" INDEX Related LinksMassimo Murru Index
2009年04月18日
Roland Petit Ballet VideosRoland PetitNotre-Dame de ParisIsabelle GuerinNicolas Le RicheLaurent HilaireManuel LegrisParis Opera Ballet (1996)やっぱり~イレールさまがめちゃめちゃかっこいいです~ルグリが金髪に染めてセクシーなフェビュス。抜群です!このスーパーなキャストのノートルダムはやっぱすごいです。Related Links「ノートルダム・ド・パリ」2003
2009年04月18日
Roland Petit Ballet VideosPetit GALA 2004Roland PetitKen KikuchiJan Broeckx プティ・ガラ {2004} 出演本人ラカッラ菊池研ほか演目?若者と死(菊池)カルメン(フィルム ジジ・ジャンメール ローラン・プティ)ジジプルースト「囚われの女」(ラカッラ ジャン・ブレックス)プルースト シャルリュス男爵 (ボニーノ ほか)ピンク・フロイド・バレエデューク・エリントン・バレエ
2009年04月18日
Roland Petit Ballet Videos''L'Arlesienne.'' Manuel LegrisParis Opera Balletアルルの女マニュエル・ルグリイザベル・ゲランこれには金髪のカール・パケットが群舞で出演していて目立っている。フレデリとその婚約者は登場するが「アルルの女」は登場しない。プティの傾向として自分の興味ないことは説明しないということがある。シチュエーションだけが提示されるが、ストーリー展開がないのでまったくよくわからないのである。(それはプルーストでも同じだ)全部「小品」になってしまって細切れなのである。それに出演者が少なすぎる。セットもないし。あのゴッホの絵はインパクトが強すぎて舞台の背景には適さない。あの太陽のせいで狂ってしまったように感じられる。短すぎる。もっとちゃんとした作品にできたろうに。二人のパドドゥは3回あるがどれも短い。
2009年04月18日
Roland Petit Ballet VideosMa Pavlova 1986 {ビデオ制作 1987)Arlequinade: Dominique Khalfouni Mathieu GanioPas de deux "La Méditation de Thaïs": Dominique Khalfouni Denys Ganioマ・パヴロワローラン・プティ 1986 {ビデオ制作 1987)パヴロワへのトリビュートのコラージュ作品。しかしパヴロワではなくしっかりプティそのものになっている。▽瀕死の白鳥の音楽(サン・サーンス)でのプロローグ▽黒い衣装で踊るカルフーニ(?)▽白い衣装と黒い衣装の女性。レ・シルフィードのイメージかしら 音楽はショパンの革命のエチュード。▽男性のソロ。ボニーノ。 ショパンのワルツ。▽3人の白塗りの男(ピエロ) ショパン。▽群舞(男) ショパンのワルツ。▽コロンビーヌとアルルカンでアルルカンとして可愛い2歳ごろのマチュー・ガニオが登場する。▽白鳥の湖{プティ版} プティ版。 伝統版では3幕の幕切れの音楽で男子の白鳥の群舞。 そして男性の白鳥のソロ(音楽は第3幕のテンペスト)▽レダと白鳥(?)Pas de Deux 音楽:JSバッハ プティ版白鳥の続きのようで男は白鳥のポーズをしている(腕を白鳥の頭部のように真上に上げている)下の衣裳もシンプルな白のタイツのみ。▽群舞▽ドン・キホーテ{プティ版)▽ジムノペティ{サティ} 男のソロ イングリッシュホルンとピアノ 男の倒立からパ・ド・ドゥになる。 Pas de deux カルフーニとジャン=ピエール・アヴィオット。▽ベートーベンシンフォニー7の第2楽章による群舞(女性)▽タイス (マスネ) パ・ド・ドゥ ベージュのパンツにシャンパンゴールドの衣装 カルフーニとデニス・ガニオ。 カルフーニの髪は真黒。 パパのデニスの髪は濃い茶。 しかしアルルカンに扮した息子の髪はきれいな金髪だった。 成長すると色が濃くなるんかしら。▽最後は羽のようにショールを動かし息絶える女(カルフーニ) 明らかに「瀕死の白鳥」▽フィナーレRelated Linksマチュー・ガニオお宝映像奇才コルプの世界Le Chat Botte (1985)
2009年04月18日
ようやく出ました~!フランチェスコ・メーリ 日本初リサイタルです~!ちゃむさまのおかげです~ところでフェデラー結婚しました~
2009年04月14日
Debora Voight: How were you singin' the bed swinging'?ND: during first rehearsalJDF: spinning even more.ND: Yeah.JDF: Boon boon boonDV: difficulties isn't it?DV: You and I completely opposite repertoire, youare cololatura me being Wagnerian, what do you particullary challenge is Bellini's music?ND: Difficulties with this music is really open your heart and be naked as a person. it's difficult because let you go do pianissimi sounds on the breath you know, and that's very scary. because you can't really push it's high note when it's middle voice you have to be comfident enough to just as you go as a sigh--DV: you do that. very-ND: sometimesDV: Juan Diego, you now have sung all three big belle canto composers Live in HD, Rossini, Donizetti and Bellini. What particularly challenge Bellini?JDF: Well Bellini is the phrases. Bellini most beautiful phrase really and the melodies and the breath is endless. You have to everything regart, and then comes the high note, you have to ,you know, nail it. So is that lots of difficulties in the melody.DV: well it's interesting to see the space you are working very much like rehearsal studioND: It's really rehearsal studio.JDF: We are still rehearsing.DV: Well , rehearse to the final performance. Are you bring something personal experiences working rehearsal to the particular productionND: I brought my clothes.DV: Really? ND: Yeah, my own pants, and my tights and the dresses like I'm everyday.DV: HahahaJDF: my socks and underware.ND: we don't see that.DV: You both have next act. Juan Diego can you give me some tribute to big aria? JDF: Ah---!ND: Yes, it's thatJDF: always crying and suffering.DV: any particullary p? moments? in ane performance the moments do you think really important you have to JDF: Oh my God high notes. ND: "Tutto e sciolto"(すべては壊れてしまった)so beautifulJDF:(singing like whispering)"♪Tutto e sciolto--"DV: and you have to sing the famous "sleep walking" scene "Ah! non credea". Wht's it's like to performing the aria being in a sleep walk trance?ND: it has to soften voice actually. but my most horriblr moment is to "♪Ah! non credea" without missing "♪Ah! non credea" DV: enough to won't be any missing.ND: not today. DV: really exciting to see both of you. phenomenal. looking forward to second half as everyone else. Thank you very much for the talking. Toi toi toi for the second act.ND: say hello to the French people (in French) Papa je regardJDF: now me say hello to everybody at radycomal? for the Peruvians watching, my mam (tuu) and thank to radio philharmonia to bring this to Peru.ND: Good-bye!DV: Oh that's enough. Shut up for now. All of them: A-hahahah!
2009年04月11日
METROPOLITAN OPERALIVE VIEWING in Japan 11th April 2009Bellini: La SonnambulaPerformance Date: Saturday, March 21 2009GMT1700-現地ニューヨーク EDT(東部夏時間) 2009年3月21日(土) 1300-日本時間 2009年3月22日(日) 0200-Mary Zimmerman's new productionAmina : Natalie Dessay (soprano)Elvino : Juan Diego Florez (tenor)Rodolfo : Michele Pertusi (bass)Lisa : Jennifer Black (soprano)Alessio : Jeremy Galyon (bass)Teresa : Jane Bunnell (mezzo-soprano)Notary : Bernard Fitch (tenor)Chorus and Orchestra of Metropolitan OperaEvelino Pido (conductor). (3 hrs.)ライブビューイングを見た。JDF全開!すごい歌唱を聴いちゃった。大音量すぎてマイクが割れる一歩手前。明らかに他と違う。これぞ歴史的なエポックメイキングな事件とも言うべき歌唱だ。彼だけが突出している。100年に1人の歌手。それだけは間違いない。と、その事実を置いとくと、メアリー・ジンマーマン勇気ある演出家。NY市民の失笑をかいながらもこの演出をやってのけた。彼女はコンヴィチュニーになれる。しかしところどころ破たんしている。でもそれもよし。ですよ、私は。だって何のひねりもない演出はつまらないでしょ。これは「夢遊病の女」を稽古するオペラ、でまったく「夢遊病の女」とは別物になっている。ほとんどコメディシリアスちょっと。最後の客の失笑をかったところは明らかにコンヴィチュニー並の「狙い」ですから。演出家はカーテンコールでブーイングされたのかしら?でも演出家のカーテンコールがなかったというかライブビューイングでは映ってなかった。残念。ナタリーはどうしたのか声がハスキーになる部分が少しあって、絶好調ではなかったようだ。しかしとってもチャーミングなアミーナだった。演技力がすばらしく、可哀そうで涙を誘う。あのシーンの演出には驚愕!。ミケーレ・ペルトゥージはペーザロのロッシーニ・フェスで確かマオメットじゃなかったですか?日本に来てくれなくて残念だった。とってもセクシーで存在感のあるオジサンです。背が高く紳士で魅力的。アレッシオのジェレミー・ガリオンも背が高くて人が良さそうで好演でした。※内容を書くのでご注意ください。第1幕オペラ「夢遊病の女」のリハーサル。演出助手のリーザは準備のため人より早く来て働く。もう一人の演出助手は愛想のない男。二人でバミリのため床の長さを測ったりする。舞台監督のおじさんも来る。リーザは掃除しながら歌う。彼女は前につきあっていたエルヴィーノを奪ったアミーナが憎い。アレッシオは合唱指揮者で作曲家の卵。リーザを好きなのにいつも無視されている。リーザはいらいらしながらバミリのためのカラーテープをばりばり千切っている。スターの登場だ。アミーナ、ソプラノ歌手。付き人兼マネージャーのテレーザが従っている。白いコートに白い帽子。赤いマフラーに赤い手袋。黒いバッグ。手には携帯。男たちが帽子や外套を脱がせる。彼女はリハーサル用のスカートをはく。ドレスを合わせる靴を合わせる。でもいやよ!鬘だけは!(笑)恋人のエルヴィーノがやってくる。遅れてごめんね~!リハーサルがはじまるがすぐにリーザが休憩の合図を出す。稽古では舞台用の指環を贈ったエルヴィーノだが、リアルワールドでは本物の指環をプレゼントする。ここの歌唱がまたもう…すばらしい。テンポがとにかくゆっくりなのである。まさにJDFワールド全開。指輪をマネージャーに見せるアミーナ。そこに闖入者。アミーナは携帯を手にいなくなる。やってきたのは金持ちそうな紳士。ロドルフォ。謎の男だ。彼はその場の女性を全員メロメロにしてしまう。生来のプレーボーイ。その育ちの良さを女たちは本能でかぎ分けている。リーザも彼に夢中になっている。戻ってきたアミーナを見たロドルフォは彼女の可愛らしさを讃える。「あの子ばっかり!」リーザはふくれる。急に明かりが消えて暗くなる。このスタジオにいつも現れる幽霊の話をロドルフォにする人々。急に窓枠がガタッ!と落ちて怖がらせる。ロドルフォは信じないが興味をひかれぜひ会ってみたいものだとつぶやく。夜。稽古場は宿屋のリハーサルシーンになっている。簡易ベッドに横たわるロドルフォ。リーザは彼を狙っている。彼の気を引き、スカーフをはずす。しかしゴーストが!なんと??が??に現れた。ロドルフォはこの謎のからくりを理解した。夢遊病でうろつくアミーナがゴーストの正体だったのだ。自分に抱きつくアミーナに心をかき乱されるロドルフォだが、かろうじて自制し、自分のコートをかけてアミーナを寝かせる。その時スカーフが床に落ちる。ロドルフォはリーザのスカーフを「ふん!」とそこに投げ捨てて立ち去る。夜が明けて、ロドルフォがこの領地の伯爵だとわかった領民が集まる。あいさつしに来たのだ。しかしそこに寝ているのは女。リーザはわざわざエルヴィーノを呼んできた。アミーナは目をさましパニックになる。ここはどこ?人々はとんだスキャンダルに背を向ける。こんなやつが主役の舞台なんかやってられっか!台本を引き裂きプロンプターを追い出し、荒れ狂う人々。第1幕了。第2幕舞台はまだ散らかっている。人々は一転アミーナの潔白を伯爵に証明してもらおうとする。夜。アミーナはけいこ場にやってきた。エルヴィーノもやってくる。ここの歌唱がすごい~もうすごすぎる。エルヴィーノはアミーナとの別れを嘆く悲痛な怒りのアリアを歌う。大喝采。今まで生きている中で一番のブラボーを聞いた気がする。2番目はJDFの日本公演だったが。エルヴィーノはアミーナにあげた婚約指輪を無理やり取り戻す。リーザはエルヴィーノと結婚することになり浮き浮きしている。アレッシオには目もくれない。むくれるアレッシオがかわいそう。ロドルフォは挿絵つきの医学書を持ってきて、医学的にアミーナの症状を説明しようとする。人々は信じない。本を椅子にたたきつけるエルヴィーノ。もしかしたらと思ったリーザは本をおしりの下に隠す。ロドルフォが止めるが聞かず、2人が教会に行くため出て行こうとしたとき、マネージャーのテレーザがやってくる。「静かにしてください。泣いていたアミーナがやっと寝付いたのよ」すると…人々は驚愕する??が??を歩いている。アミーナの姿を目にし、すべてを理解した人々。彼女は夢遊病だったのだ。危険を回避させたのはリーザ。そして人々はいなくなる。エルヴィーノとロドルフォ、テレーザの目の前で、歌うアミーナ。かわいそうでかわいそうで涙なしでは見られないシーン。指輪がないの…とエルヴィーノの顔を覗き込む。でもいいのあの人の面影は心にあるから…すみれの花もあるし。でも枯れちゃったわ!私たちの愛もたった一晩で枯れてしまった…またぶっとんだ演出!ピーターパン?すまない気持ちでいっぱいになり彼女をかき抱くエルヴィーノ。指輪をはめる。すみれの花を渡すテレーザ。さあ!オペラの幕が開くよ!いきなり舞台衣装を舞台で身につけるアミーナとエルヴィーノ。間に合わずに笑いをとるナタリー。大団円の歌唱。ローラン・ペリーもやったコロラトゥーラで笑いをとる演出もあった。これに客が大受け。最後のシーンで客は笑いっぱなし。大団円。まさに最後の歌唱が劇中劇のカーテンコールとなったのだ。おもしろい演出だった。すごい歌唱だった。
2009年04月11日
Marcel ProustÀ la recherche du temps perdu私:語り手。作家。スワン:「私」のコンブレーでの隣人。ユダヤ人で芸術を解する。上流社交界と付き合いがある。ジルベルト:私の初恋の相手。スワンの妻オデットの娘。アルベルチーヌ:「私」の恋人。レズビアン趣味がある。アンドレ:アルベルチーヌの友人。オデット:スワンの妻。元高級娼婦。「カトレア」の人。サン・ルー(ロベール):私の友人。シャルリュスの親戚。シャルリュス男爵:男色家モレル:ヴァイオリン弾き。私の下僕の甥ヴァントゥイユ:作曲家。娘はレズビアン。ヴェルデュラン夫人:ブルジョアジー。サロンを開いている。+++プルーストの「失われた時を求めて」。学生時代に図書館で読もうとしては、その冗長ないつ果てるとも知れぬ描写にいつの間にか寝入ってしまったことを思い出す。したがって今回のチャレンジははなからプライドをかなぐり捨て、抄訳で挑戦した。これは便利!すばらしい。嘘のように読める。これだと。語り手はプルースト自身のようである。語り手は自分の少年時代どうであったかということやコンブレーでの生活について書き始める。隣人のスワン(これはある人をモデルにした人物で明らかに偽名というか通り名? だって恋人がオデットなんだよ!)プルーストは文学や音楽を引き合いに出すのが多くて、ワーグナーの作品名はほとんど登場するし、画家や作家の名前も数限りなく登場する。主人公の名前の付け方から、チャイコフスキーのスワンレイク、を思い起こさせるし、カトレアのくだりでは、椿姫(デュマ・フィス)を連想させる。最初はスワン家の方へである。スワンと高級娼婦オデットの恋が語られる。作者はどうもスワンに自分を投影させている?語り手は非常に移り気であるがスワンも同様で女のために身を焦がすがしばらくするとその傷が癒えて、すっかり憑きものが落ちてしまうのである。そこが語り手も同様なのだ。語り手は異様に神経質な子供である。寝る前にママンが来てくれないと気が狂いそうになる。そして祖母。祖母への愛情も語られている。召使のフランソワーズが彼に強い影響を与えている。語り手は貴族にあこがれている。だから名家のゲルマント家にあこがれている。夫人をストーカーのようにつけまわしたりする。スワンの妻オデットの娘ジルベルトが初恋の相手だがその描写が子供の恋とは思えないエロテッィックな粘着系である。今の時代ならさぞキモ!と気味悪がられるであろう。しかし彼は美男らしい。なぜなら男色家のシャルリュス男爵が初めて見かけた少年時代の「私」に目が釘付けになるからである。生きている間には才能を認められなかった大作曲家、ヴァントゥイユの音楽がたびたび登場する。スワンも「語り手」もこの音楽に強くとらわれる。ヴァントゥイユの娘はレズビアンである。ヴェルデュラン夫人はブルジョワジーで貴族にあこがれている俗物。サロンを開いていてそこでオデットとスワンが出会う。オデットとスワンの最初の逢引のくだりはじつにエロチックで、文学的に優れている。しかし、オデットはしょせんは元高級娼婦で、頭の軽い軽薄な女性として描かれている。語り手の女性への興味はすぐに失われ永続するものはまったく一つとしてない。女性の知性もまったくあると思っていない。そしてアルベルチーヌ。彼女は孤児で不遇な幼女時代を過ごした。アンドレという友人とレズビアン傾向にあると語り手は猜疑心にとらわれている。語り手は彼女の首筋の生え際に執着している。彼の彼女への愛は非常に倒錯している。彼が一番快感を感じるのはアルベルチーヌが寝ているのを観察する時である。彼はさすが作家で、対象についていろいろ夢想するときが一番幸せなのである。いざ相手と向かい合うと話さなくてはいけないので観察ができなくなるのである。しかしいないと夢想だけで空しいから。だから寝ているアルベルチーヌが一番好きなのだ。川端康成ですよね。シャルリュス男爵は貴族で、小太りで中年。眼光鋭く相手を吟味する。非常に変わった人物である。語り手は彼を観察していて、ついに尻尾をつかんでしまった。目撃してしまったのだ。男との逢引を。そして語り手の老僕の息子、モレル。モレルは連隊に所属している、ヴァイオリン弾きである。巻き毛。シャルリュスはモレルに盲目的に恋してしまう。サン・ルー侯爵は「まるで太陽をその身に集めたような」美しい金髪の美男である。彼にはラシェルという愛人がいた。ラシェルは彼の死後に女優になる。ロベール・ド・サン・ルーはその後ジルベルト・スワンと結婚する。娘をもうけるが、サン・ルーは戦線で戦死。サン・ルーにも秘められた世界がある。いかがわしい店に出入りしていた。そこは男が男に奉仕する場所だ。シャルリュス男爵がその店で鞭打たせているのを語り手は目撃する。シャルリュス男爵は年をとって何もかも失う。一方モレルは同じく従軍するが脱走し逮捕される。しかし戦線に復帰し功をあげる。語り手の聞いた噂では、モレルは女をとっかえひっかえ、レズビアン趣味のあるアルベルチーヌにその女を払い下げていたという。彼が本当にシャリリュスの「情婦」だったかはわからない。彼はちやほやされ貢がれていたが、女好きだった。別の同性愛者の娘を妻とし、シャルリュスの後ろ盾を得ていた。アルベルチーヌは「死んだ」という知らせを作者はもらうが、のちにそれが嘘だったことがわかる。しかしその頃には語り手はアルベルチーヌへの興味を失っている。ヴェルデュラン夫人はゲルマント公爵夫人になった。再婚したのだ。時がたち、社交界は様変わりしていた。******Proust - BalletChoreography : Roland Petitアルベルチーヌ:エレオノラ・アッバニャート Eleonora Abbagnato青年時代のプルースト:エルヴェ・モロー Hervé Moreauモレル:ステファン・ビュヨン Stéphane Bullionシャルリュス男爵:マニュエル・ルグリ Manuel Legris サン=ルー侯爵:マチュー・ガニオ Mathieu Ganioヴェルデュラン夫人:Stéphanie Romberg ジルベルト:マチルド・フルステー Mathilde Froustey オデット(ジルベルトの母):?オデット(フェール・カトレア):?スワン(フェール・カトレア):?女(ヴァントゥイユの小楽節):ローラ・エケ男(ヴァントゥイユの小楽節):クリストフ・デュケンヌ?アンドレ:?Ballet Opéra National De Paris Orchestra Opéra National De ParisRelated ArticlesPROUST ACCORDING TO ROLAND PETITRoland Petit: Proust [DVD Video] (2007)
2009年04月09日
Radio New Zealand Concert本日日本時間1200-(なぜかきょうまでのはずのNZの夏時間がもう終わってる?)Broadcasted on Web 5 April 2009Performance Date: 28 Feb 2009 NY現地(ウェリントン?)15:00~Opera on SundayMetropolitan Opera SeasonVERDI: Il TrovatoreLeonora......... Sondra RadvanovskyAzucena......... Dolora ZajickManrico........... Marcelo ÁlvarezCount di Luna......Dmitri HvorostovskyFerrando............ Kwangchul YounMetropolitan Opera Chorus & Orch/Gianandrea Noseda (EBU)***MET Radio broadcastDie WalküreMusic by Richard WagnerApril 11, 2009 / 12:00 pm ETThe CastConductor: James LevineBrünnhilde: Iréne TheorinSieglinde: Waltraud MeierFricka: Yvonne NaefSiegmund: Johan BothaWotan: James MorrisHunding: John Tomlinsonボータのジークムント、過去にヴェルザー=メストのウィーン国立歌劇場で聴いた。その時は相手役はニナ・シュテンメだった。マイヤーのジークリンデは2005BBCプロムスのコンサート形式で聴いた。モリスのヴォータンとネフのフリッカはMETの前回の来日公演で聴いた。ボータとネフは超おすすめ。***Radio4 NetherlandNPR Opera Live 08-09Programme (Zontag(土曜))11-04-09Richard Wagner:Der fliegende HolländerRoyal Opera Covent Garden, Londen***BBC Opera On 316 May at 6.00pmOffenbach: Les Contes d'HoffmannRoyal Opera House23 May at 6.00pmKorngold: Die tote StadtRoyal Opera House 30 May at 6.00pmWagner: Der fliegende HolländerRoyal Opera House6 June at 6.00pmBellini: I Capuleti e I Montecchi from Royal Opera House13 June at 6.00pmRichard Strauss: Elektra Royal Opera House20 June at 6.00pmPurcell: Dido and AeneasHandel: Acis & Galatea Royal Opera House パーセル:ダイドーとエネアス、ヘンデル:エイシスとガラテア Related Links Video - Choreographer Wayne McGregor talks about his ballet created for the opera エドワート・ワトソンとローレン・カスバートソン(?)のリハーサルシーンあり。 27 June at 6.00pmWagner: Lohengrin Royal Opera House4 July at 6.00pmBerg: Lulu Royal Opera House11 July at 6.00pmBritten: Peter Grimes English National Opera METシーズンが終わるとBBCはROHをやってくれるのはいいのだがメーリの出たリゴレットがない! はあ~残念です。
2009年04月05日
BPO DCH14 March 2009Anja Kampeアニャ・カンペヴェーゼンドンク リーダーAnja Kampe singsWesendonck-LiederSong Cycle by Richard Wagner1.Der Engel2.Stehe still!オーボエ:アルブレヒト・マイヤー3.Im Treibhausトリスタンに使われている曲4. Schmerzen5. Träumeトリスタンに使われている曲+++The Lied and Art Song Texts Page
2009年04月05日
新国立劇場「ワルキューレ」初日 Akt3※内容を書くのでこれからご覧になる方はご注意ください。ここはWALHALLに隣接する救急病院。いやもう~序曲と同時に赤い非常灯が次々と回りだした時にはもうおかしくてどうかなりそうでした。まるでサイレンのように感じられる音楽。めちゃ音楽と合ってるよ~天才だ~キース・ウォーナー。そしたらいきなりストレッチャーに乗っていた死体が蘇生してのしのしとワルハラに向かって歩きだすじゃありませんか!ゾンビ?いやいや「英雄」です。刀傷が背中に。いや~もう笑えます。ワルキューレたちはフェンシングのユニフォームで白衣をはおっている。次々に死体を運びこんでは手術室で切り刻んで蘇生してワルハラに送り出している。デジタル時計の時間がいくつも表示される。これってERなの?それともシアトル・グレイス病院?ほとんど遊んでいる。かくまって!とやってきたブリュンヒルデジークリンデはスカートの裾が泥にまみれていてリアル。まだジークムントの黒の革のコートを着ている。彼女の登場にぶっ飛んだ思わず笑いが。彼女はノートゥンクの破片を乗せたストレッチャーを押してきたのだ。ちゃんと点滴もついている。青いカルテ?を握り締めている。「死亡」とでも書いてあるのかそれをぐちゃぐちゃにする。沈んでいるジークリンデだがおなかに彼の子供を宿していると知ると生きる意欲がわき逃げていく。ブリュンヒルデは子供に名前を付けてノートゥンクの破片を渡す。怒り狂ったヴォータンがやってくる。ワルキューレたちはストレッチャーを5つ置いてブリュンヒルデを隠す。ヴォータンにはお見通しだ。ヴォータンはストレッチャーを一つ一つどけて後方に押しやる。そこでうずくまっていたブリュンヒルデの背中に槍を突き刺そうとする。寸止め?おまえはもうワルキューレじゃない。自分が何者かは自分に問うがいい。ヴォータンがオケピのすぐそばまで出てきて歌う。すごい迫力だ!病院のセットがどんどん後退していく。ワルキューレたちの乗ったセットは完全に後退し、すると驚いたことに(中略)黒い幕が下りて白いセットを隠す。ブリュンヒルデ一人がそこから歩み出てくる。私はそんなひどいことをしたんですか?私は父上がヴェルズングを愛していたことを知っていました。彼に会ってその眼を見てその苦悩を知りました。そうやって愛の快楽でいい気になっていた時にわしは神である上の危機を味わっていたんだぞ。ヴォータンは巨大な木馬のかげに隠れること2回。水を飲んでるのかな?このへんの二人のやりとりは涙、涙です。そっと近づくブリュンヒルデ手だけ握らせるヴォータン。お願いですから腰ぬけの男にだけは私を与えないで!ジークリンデのお腹には尊い種が宿っています。わしは関わらんぞ。お前の罰の執行をせねば。眠りに縛り付けるんだお願い恥辱にはさらさないで炎を燃え上がらせてほしいのです。最後にはヴォータンが手を差し出し、ブリュンヒルデが飛び込んでいく。抱き合う。さようなら!さようなら!(Leb' wohl! Leb' wohl!) 神である私より自由な男がお前に求婚するのだ。するともう幕が下り始めるえ?と焦るまだ続きがあるのに。ヴォータンがブリュンヒルデの双眸に口づけし神性を奪うと、黒い幕が2人の姿を覆い隠す。幕のしもてに黒いドア。ヴォータンが出てくる。幕のかみてに赤いドア。疲労困憊しているヴォータンはよろめきながら赤いドアの方に近づき、ローゲを呼び寄せて閉じ込める。幕に電光掲示板のように文字が走る。その文字は燃えているのだWer meines Speeres Spitze fürchtet, durchschreite das Feuer nie!わが槍を恐れる者、この炎を横切ってはいけない。そして幕が上がったらそこはブリュンヒルデの子供部屋だった。ベッドに寝ているのは赤い赤十字の盾を身にまとった女性。最初子供か?と思ったが大人の女性だった。でもブリュンヒルデにも見えないし人形にも見えない。スタントなのかな?ヴォータンが映写機のスイッチを入れたら(略)全幕了カーテンコールは盛大なブラヴォで迎えられた。すばらしかった。ほんとにありがとう。ワーグナーさん。キース・ウォーナーさんスタッフさん。照明も見事だった。この瞬間よ永遠に!こんなにおもしろいワルキューレは初めてだった。
2009年04月03日
新国立劇場「ワルキューレ」初日 Akt2※内容を書くのでこれからご覧になる方はご注意ください。ヴォータンの居室WAL-HALLの屋上の駐車場。ここはヴォータンの荷物が雑然と置いてある。ヴォータンは楽しくてしょうがない。自分のおもちゃで世界を動かして遊んでいるのだ。ワルキューレの兜のおもちゃを取り上げて満足そうに置く。ダンボールに地図を広げて、小さな赤い矢を3つずさと突き立てる。この意味はあとでわかる。ホヨトホーヴォータンの愛し児の登場。なんと木馬に乗っている。木馬には「GRANE」と刻印してある。ブリュンヒルデはフェンシングのユニフォームを着ている。フリッカがやってきたのでブリュンヒルデは去る。嵐と対峙するヴォータンは心が揺れている。フリッカはもう黒のウィッグはやめて金髪のウィッグにしている。フリッカのエレナ・ツィトコーワって何をやってもコメディなの。ほかの登場人物がめちゃまじなのに彼女だけコメディキャラ~笑えます。彼女は毒づく。フンディングに結婚の神聖の誓いを破られたから何とかしてほしいって言われたわ。あなたが人間に生ませた双子がおぞましくも契りを交わしたのよ!愛し合ってるんだから何もできないよほっとけばよいそうはいかないわ!私の恥辱をそそいでくれないの?フリッカはヒステリーをおこして段ボールを蹴飛ばし、ヴォータンに殴りかかる。ヴォータンはフリッカを受け止めよしよしと抱きしめて頭をなぜる。まだヴォータンは余裕に満ちている。しかしこの後どんどん劣勢になっていく。フリッカは夫の浮気をあげつらい、人間であるヴェルズングをこき下ろす。ヴォータンは床に崩れ落ち、口数が少なくなる。あの剣を取り上げて!ジークムントは苦難の中で自ら得たのだぞ。そうたくらんだくせに、彼に約束し、彼を誘導したくせに!ヴォータンは手を振り上げる神々は下々の者とは争いません。罰するだけです。私は下僕のジークムントに従わなきゃいけないのかしら何が望みだ?手を引くこと。ワルキューレにも手出しさせないで。剣からも魔力を抜き取りなさい。ついには約束してしまう。ジークムントから武器を奪い負けさせると。フリッカは「よし!」「よし!」と何度もガッツポーズを決める。可愛い~ブリュンヒルデが走ってくる。余裕で去っていくフリッカ。フリッカがブリュンヒルデの顔をさわろうとすると手をねじあげる。義理の母とうまくいってない娘。ヴォータンは憤怒にかられ、槍を膝に置いて真っ二つに折ろうとする。振り上げた槍をブリュンヒルデが押さえる。ヴォータンに問いただすブリュンヒルデわけをお話しください。ヴォータンはしゃべることで歯止めがかからなくなるのを恐れている。私に話すのは自分に話すのと同じことです。ヴォータンは語り始める。映写機を回し、映画をブリュンヒルデに見せる。ラインの黄金の話を繰り返す。そしてブリュンヒルデらワルキューレをエルダに産ませたこと…ブリュンヒルデはフィルムを変える。ヴォータンはアルベリヒにより終末がもたらされるのを警戒している。しかしファフナーの指輪は契約により自分には奪えない。だから英雄が必要なんだ。しかしアルベリヒは憎しみの種(ハーゲン)を得たのに、自分は愛するすべてを見捨てなくてはいけない。愛した子供を殺さなくてはいけない。信頼してくれたものを裏切らねばならない。(これはジークムントとブリュンヒルデのこと。ヴォータンにはもうすでに未来が見えている。つまりジークムントを自分が殺すこと。二人を自分が裏切ること。見捨てること。しかし神の英知のなせる業か、彼自身も予測できないものの潜在的に自分の望む未来(=彼の望んでいた自由な英雄、ジークフリートの誕生)を招いている。)そういう神に課された過酷な運命を嘆く。権力者が核爆弾のスイッチを握っているのと似ている。ヴォータンはいっそすべてを破壊しつくして終わらせようかという気持ちに襲われている。ヴォータンは突然映写機のフィルムを引きちぎる。このへんが「ノルンの紡ぐ糸」を連想させます。運命の糸。槍をフィルムに絡ませる。その槍を抜くとき、あやまってフィルムのかかってるリールをひっかけてしまうが、彼は慌てずそれを投げ飛ばした。そして発泡スチロールでできた、ミニチュアの「WALHALL」をつかみ、ぐちゃっと引き裂く。ブリュンヒルデにジークムントを負けさせるよう命令する。ヴォータンの剣幕にブリュンヒルデは抗弁できない。ヴォータンは怒りをみなぎらせて歩いて去っていく。ブリュンヒルデは35mmフィルムの切れ端を掲げて見ようとする。引きずってかみてに退場する。ここもノルンの運命の糸を連想させる。あっという間にヴォータンの倉庫?は消えてなくなる。ブリュンヒルデのフィルムの端を握っているのは逃げてきたジークリンデ。こっからの演出が秀逸で驚きの連続です。さっきの赤い矢3本。この巨大なものが上から下りてくる。駐車場が巨大な地図になっていて、赤い矢にHUNDINGHUTTE(フンディングの小屋)NEIDHOHLE (=ナイトヘーレ、妬みの洞窟、ファフナーが大蛇に姿を変え指輪を護っている洞窟)WÖLSUNGEN(ヴェルズング族=ジークムント)とそれぞれ書いてあり、地図を指し示している。しかもルーン文字みたいな字体なのだ。ジークムントとジークリンデが歩いてくるとその「Wölsungen」が彼らを指差して移動するのだ。ジークムントは黒い革のコートを脱ぎ、ジークリンデに着せている。自分は上は黒いタンクトップ1枚になっている。筋肉隆々でたくましい二の腕が見える。そして疲れている彼らはここで休もうとする。ジークムントもジークリンデもお互いに悪夢を見ている。ジークリンデは錯乱し、屋上をノートゥンクを持ったまますり足で移動している。これは彼女の見ている、そしてジークムントの見ている悪夢。彼女が彷徨い歩く中、ジークムントは寝ている。最後のシュヴェスター、ゲリーブテ!(愛する妹よ!)も寝たままで歌われる。つまりこれはジークムントが寝ながら見ている夢なのだ。やがてワルキューレが現れる。フェンシングの面にユニフォーム。赤十字のマークの盾。銀色の槍。ジークムントは起き上がる。でもこれも彼が見ている夢なのだ。あなたは誰ですか?ブリュンヒルデとジークムントは見つめあう。寝て起きてからのジークムントは声が微小。ブリュンヒルデはワルハラに連れていくとジークムントに告げる。ジークムントは彷徨い歩くジークリンデの方が気になっている。ジークムントはジークリンデをワルハラに連れていけないと聞き、彼女の誘いを断る。ジークリンデは疲れて倒れて寝てしまう。ブリュンヒルデ「その剣を作った方が魔力を抜き取るのです」うるさい!彼女が起きちゃうだろ。僕はワルハラへは行かない。地獄のがましだ。そんなにその女が大事なの?もっと大事なことがあるでしょう?あなたはきれいだが冷たい人だ。ジークリンデは私が守るから!この女には指1本触らせないぞ!さあノートゥンク!二つの生命を奪ってくれ!彼女を殺そうとするジークムント。やめて!根負けしたブリュンヒルデは方針を変え、ジークムントの味方になると告げる。ブリュンヒルデは消える。ジークムントはまた横になる。ジークムントは目を覚ます。今のは夢…?彼はノートゥンクをたずさえはける。ジークリンデはまだ悪夢を見ている。フンディングと緑の顔の親族の集団が現れる。(このフンディングの出方にも大注目です!)フンディングの武器は長い棒の先に鎌のようなものがついたもの。ジークムントは高らかに言う。僕はもう丸腰じゃない。女神の力を借りる気か?二人はスローモーションで戦う。ブリュンヒルデが叫ぶ「打ち込んで!ジークムント!」打ち込むとフンディングの武器が飛んでいく。瞬間ヴォータンが現れ、叫ぶ。「この槍を恐れよ!剣は折れよ!」ノートゥンクがまっぷたつになり、剣先が舞台の前の方に飛んでくる。(このトリックがわからない)緑の顔の男どもがジークムントに襲いかかり集団で殴る蹴るの暴行を加える。ジークムントは殴り殺される。ジークリンデは倒れる。ブリュンヒルデは折れた剣を拾ってジークリンデを連れて逃げる。ヴォータンは倒れたジークムントに近づきひざまづく。そしてフンディングに告げる「フリッカに恥辱をそそいでやったと報告しろ!」フンディングは操り人形のように前の方に行進していき、振り向いてヴォータンの方を向く。「行け(Geh')」(普通の声で)次の声はささやくような魔術的な声であった。「行け!(Geh')」視線を合わさず、フンディングを指差すヴォータン。瞬間フンディングと一族の全員が一撃で倒れて死亡する。まるで魔術を見ているよう。ヴォータン、ものすごくかっこよかった~ヴォータンは両腕にブリュンヒルデの槍と自分の槍を掲げる。ブリュンヒルデに呪詛の言葉を吐き追っていくヴォータン。見せ場のシーンがなっとくの演出で感動させられる。このような活劇アクションの要素もあるからワグナーは男性を虜にするんだろうな。まるで西部劇かカンフー・アクションのような展開だもん…ハードボイルドだし。第2幕了。カーテンコールは全員の後に、この幕限りのフライア、フンディングとジークムントの個別のカーテンコールがあった。エントリック・ヴォトリッヒには若干のブーも天井桟敷から降ってきた。本人は意に介さず笑顔で満場の大拍手にこたえていた。Part3 へ続く
2009年04月03日
Richard Wagner : "Der Ring des Nibelungen" Erster TagDie WalküreDay13 April 2009New National Theatre, TokyoThe premiere of Keith Warner's Die Walküre at New National Theatre was in March 2002Conductor : Dan EttingerThe original production team Production : Keith WarnerSet and Costume Design : David FieldingLighting Design : Wolfgang GöbbelStage Manager : Onita MasahikoCASTSiegmund : Endrik WottrichHunding : Kurt RydlWotan : Jukka RasilainenSieglinde : Martina SerafinBrünnhilde : Judit NémethFricka : Elena ZhidkovaGerhilde : Takahashi TomokoOrtlinde : Masuda NorikoWaltraute : Obayashi TomokoHelmwige : Hirai KaoriGrimgerde : Shimizu KasumiRosseweisse : Yamashita MakikoOrchestra : Tokyo Philharmonic Orchestra新国立劇場楽劇「ニーべルングの指環」第1日ワルキューレ※キース・ウォーナー演出版の再演初日2009年4月3日作曲/台本:リヒャルト・ワーグナー指揮:ダン・エッティンガー初演スタッフ》演出:キース・ウォーナー装置・衣裳:デヴィッド・フィールディング照明:ヴォルフガング・ゲッベル芸術監督:若杉 弘 指揮:ダン・エッティンガー 演出:キース・ウォーナー キャストジークムント:エンドリック・ヴォトリッヒフンディング:クルト・リドルジークリンデ:マルティーナ・セラフィンヴォータン:ユッカ・ラジライネンブリュンヒルデ:ユディット・ネーメットフリッカ:エレナ・ツィトコーワゲルヒルデ:高橋知子オルトリンデ:増田のり子ワルトラウテ:大林智子シュヴェルトライテ:三輪陽子ヘルムヴィーゲ:平井香織ジークルーネ:増田弥生グリムゲルデ:清水華澄ロスヴァイセ:山下牧子管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団すごい演出だった!お金がかかってる~キース・ウォーナーって天才。ラインはめっちゃコメディで笑っちゃったけどワルキューレもそういう部分はあるんだがとにかくすごかった!基本コンセプトがヴォータンのおもちゃ箱つながってるんだよね~映写機でしかもモチーフというかテーマの小道具があって、ラインは黄色のジクソーパズル(ラインの黄金)だったけど今回は真っ赤で巨大な矢印(ヴォータンの槍)なの!顕著ではっきりとわかるこれはヴォータンの世界を司る権力であり、彼の性的な欲求、征服欲なんだよ~彼が作った世界で彼が遊んでいる。うまくいかないと怒るおもちゃを殺す壊す眠らせる!まさにヴォータンの世界だった。ユッカ・ラジライネンは見事にその演出にこたえていた!彼は緩急つけてるし、よくコントロールしている。さすがです。そしてジークムント!期待していたエントリック・ヴォトリッヒは声量がないことを除けば完璧。鼻梁が広すぎるがいわゆるオペラの世界のジークムントしてはめっちゃいい男!ワイルドなハンサムで背もすらっと高く、脱ぐとスゴイいんです(この人も?)セクシーで男らしくて芝居もうまい。声はバイロイトの録音といっしょだった~(当たり前)声が低いんです。でも私にとってジークムントってもとからそういうイメージなんで(最初ギャンビルさんで聞いたから)このジークムント、ぴったりだった~それから今回の白眉はジークリンデのマルティーナ・セラフィン。抜群だった。すばらしい声に声量。美しいかんばせ。彼女とクルト・りドルが1幕ですごい音量で歌うんでヴォトリッヒが霞んでいた。でもヴォトリッヒは1幕の後半はめちゃめちゃ良かったよ~すばらしかった。とにかく演出が何から何まで斬新ですばらしいのでそっちに頭が半分ぐらい行っちゃってる。笑いっぱなしだった。なんでみんな笑わないんだろう。クルト・りドルはもう悪役やらしたら右に出るものいないですね。凶暴な猿、フンディングの演技がすばらしかった。ブリュンヒルデは高音が苦しかったがそれ以外は合格。体格のいいいかにもブリュンヒルデの歌手という感じ。夕方5時から始まって、終わったのが10時45分ぐらい。オペラ3本分一気に見た感じ。※内容を書くのでこれからご覧になる方はご注意ください。Akt1舞台に刺さっている、赤い、細い十字架のように見えるもの。これはノートゥンクだ。きょうは指揮者のエッティンガーが登場で拍手をもらい、あいさつもしていた。ラインではわざと拍手なしで始めた。序曲からもうステージが展開している。ヴォータンが客席に背を向けて立ち、槍を手にしている。背景に見えるのは映画のスクリーン。その前を逃げるジークムント。追いかける男たち。緑の仮面をかぶっている。彼はステージに刺さっていたノートゥンクを持って、上手に去る。彼の「映画」が始まった。第1場フンディングの家。ここのセットチェンジが見事!巨大な赤い矢が下りてくる。しかもその先端にはノートゥンクが埋め込まれている。プラモデル的発想。どの場面もセットチェンジすら芸術的な見せ場になっている。巨大なダイニングテーブルと椅子、フンディングとジークリンデの大きな結婚写真。ここは巨人の家か?ってぐらい。多分人間はヴォータンの「おもちゃ」だから小さいんだろう。テーブルの上で寝ているジークリンデ。黒っぽい地味なワンピース。黒い長い髪。彼女は酒か毒薬を飲もうとしている。しかし人が来たのでやめる。入ってきたのはジークムント。黒い髪にあごひげ。黒い長い革のコート。彼はテーブルの下に倒れる。上から伺っていたジークリンデは「水!」と言われて下に下りてくる。2人は初めて見つめあう。まるで電流に打たれたように。最初の水を渡そうとする。警戒して、ジークムントが飲まないのでジークリンデが先に口をつける。水をむさぼるように飲む。今度は甘い酒。飲むとジークムントはジークリンデを抱きしめキスする(?)顔を背けるジークリンデ。フンディングが帰ってくる。さきほどジークムント追いかけていた緑の顔の一団も連れている。彼らはよそ者に臨戦態勢。飯の支度をしろ!ジークリンデは男たちに飯の椀を持ってくる。先に客人に。ジークムントはむさぼるように食べる。この椅子には上っていく感じで高い位置にある。フンディングは客に名乗らせようとする。名乗らないのでフンディングがジークリンデを押さえつけて云わせる「お名前を知りたく思います…」ヴェルフィング族のヴォルフェです。「そんな名前知らんな」あなたのお父様はどうなさったの?ジークリンデが男の会話に口をはさむとフンディングは激怒する。父は皮だけ残していなくなりました。うちは焼けて母が惨殺され、妹も行方知れず…それから?森をさまよって女性が恋しくなって(ここで意味ありげにジークリンデを見る)でも愛してくれた女性は死にました。僕はけがをして武器もなくなりました。だから僕はフリートムントとは名乗れませんヴェーヴァルトなんです…お前だったのか一族の敵は!明日の朝決闘だ。フンディングはいきり立つ緑の顔の親族たちを外に出す。フンディングはジークリンデの腕をつかみ突き飛ばす。ジークリンデは彼の手をゆっくりつかんで下に下げる。強くつかまれた腕をさする。妻に暴力をふるうフンディングをジークムントは、見ていることしかできない。ジークリンデはフンディングに薬入りの寝酒を飲ませる。フンディングは盃を投げ捨て、客人の前で見せつけるようにジークリンデの首筋に無理やりキスする。フンディングは寝所に下がる。ジークリンデも行く。ジークムントは自ら敵の巣の中に飛び込んでしまったことを自嘲する。でも奥さんはすばらしい人だ。でも彼女が殴られても俺には何もできない。ヴェルゼ!ヴェルゼ!(長く伸ばした。適度に。すばらしい)約束したのに僕に武器を与えるって!ピカ~と頭上の巨大な真っ赤な槍の中に埋め込まれた真っ赤な剣に照明が当たる。「それでジークリンデが目で合図していたのか!」テーブルの上で寝てしまうジークムント。難所をこなしたヴォトリッヒはどんどんよくなる。ジークリンデが着替えて出てくる。薄いブルーのワンピース。よそいきだ。あなたに武器をあげるわ!隻眼の男がこの剣を刺して行ったいきさつを語る。お互いに思いを告白する。フンディングの寝室の扉がバン!と開く。床からは緑の矢印(←)がいくつか出てくる。これは春の風、もしくは春の草花。しかもこれはどんどん伸びる!春が来たんだ!あなたこそが春よ!あなたのお父さんの名前は何と言うの?ヴェルゼだ。僕の名前はあなたがつけてください。ジークムントよ。僕はジークムント!ジークムントはノートゥンクの前で歌う。ノートゥンク、ノートゥンク、ナイトリッヒャー・シュタール!すると驚いたことに(中略 *1)ジークムントはノートゥンクを手にする。ジークムントはノートゥンクでジークリンデとフンディングの結婚写真を引き裂く。寝室の戸が開いているので寝ているフンディングが見えるがその脇でジークムントはジークリンデを抱きしめる第1幕了。Part2 へ続く
2009年04月03日
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