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勝間和代、あさイチで自身の発達障害「ADHD」を語る 「さらっと言っていてすごい」と称賛の声経済評論家の勝間和代さんが9月28日放送の「あさイチ」(NHK総合)に生出演し、発達障害であることを明かし話題になっている。勝間さんは以前から、自身がADHDという発達障害であることを公表しており、特別なことではないという態度と口調でさらりと明かした。その飾らない態度が逆に注目を浴び、ツイッターでは「さらっと言ってるけど…凄い!」などと称賛する人が相次いだ。会計士は向いていなかったことに気づき、コンサル部署に異動するその話題になったのは、勝間さんの経歴を話しているときだ。働きながら3人のお子さんを育ててきたワーキングマザーでもある勝間さん。大学3年生の時には会計士の資格を持っていたので、学生でありながら会計事務所で働いていた。「単位はほとんどとってしまっていたのであまり学校に行かなくてもよかった」と語る。学生兼会社員である21歳のとき、「何も考えずに」長女を出産したという。勤務先の会計事務所に子どもが生またことを報告すると、開口一番「おめでとう!」と言われたまでは良かったが、「いつからパートになる?」と聞かれた。今でこそ働きながら子供を育てるのは当たり前だが、当時は「子どもを持って正社員という人はほとんどいなかった」と語る勝間さん。一旦態度を保留し、大学のゼミの教授に「残業も出張もなく、パートではなく定時で帰れる会計士事務所」を紹介してもらった。柔軟な働き方ができる日本企業はほとんどなく、外資系の企業だった。ただ、半年か1年務めたころ、勝間さんは「仕事が向いていない」ことに気づく。「私は会計士に向いていなかったんですね。細かいことがすごく苦手なので、人の帳簿や書類を調べるのは向いていなかった」「私 ADHD という発達障害の一種を持っていて、この(早口の)喋り方もそうなんですが、拡散系で物事を広く考えることが得意なんですね」そのため、自分から「コンサルティングの部署に移してもらった」そうだ。コンサルティングなら新しいアイデアを持っていれば時短でもある程度優遇される。無理に合わせるのではなく、自分の特性を認識して仕事のほうを変えたのだ。適職を選べば能力を発揮できることを自然に体現しかしそうして変えてもらったコンサルティングの部署だが、その後不況でなくなってしまう。それでも勝間さんは次に金融系に入り、金融と経済に強くなった。中途で入ったコンサルティング会社では自ら研修プログラム立ち上げるなど、その都度自分で居場所を確保し、活躍している。発達障害といってもモデルの栗原類さんが告白したADD(注意欠陥障害)など、診断名も様々あり、特徴は人それぞれだ。程度の差はあれ、周囲に理解されないと、なんらかの「生きづらさ」を抱えることにもなる。しかし勝間さんの話は、発達障害であることはハンデというよりも「特性」であり、適職を選べば能力を発揮できることを自然に教えてくれていて、同じADHDや発達障害の人たちを大いに励ましたようだ。自身も生きづらさや葛藤を抱える部分があるだろうが、それにはまったく触れず、こともなげに自身の特性を語る様子は清々しかった。博多大吉さんは、「自分でそうやって切り開いて行かれたんですね」「先見の明がありますよね」と感嘆したが、勝間さんは「私の先見の明じゃなくて、たまたまそこにいられなくなっちゃったので。伸びてるところが雇ってくれたんです」と応じた。能力が無ければ雇ってもらえないので謙遜だなあと思う。しかしまったく嫌味には感じない。勝間さんの魅力が存分に味わえる回だった。[@nifty ニュース]あさイチより何よりお人柄、人徳ですね。☄
2018.09.30
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自閉症支援の在り方考える 30日、久留米でフォーラム 基調講演やシンポ [福岡県]久留米市や市近郊で障害のある子を持つ親のグループ「gocochi(ゴコチ)」は30日午後1時から、同市六ツ門町のホテルニュープラザ久留米で、自閉症の子どもに対する支援の在り方を考えるフォーラム「自閉症支援のNextStage-実現したい未来を考える」を開催する。 臨床発達心理士の服巻(はらまき)智子さんが「TEACCH(ティーチ)プログラムの原理と哲学」をテーマに基調講演する。ティーチプログラムは自閉症の特性に配慮した支援や教育を行う包括的な療育プログラム。講演に続いて服巻さんを交えたシンポジウムがある。 ゴコチ代表の松尾博子さん(48)は自閉症の長男樹(いつき)さん(15)を地元の小中学校に通わせた経験から、ティーチプログラムに基づく「構造化」と呼ばれる支援の重要性を指摘する。机の回りに仕切りを設けて集中しやすくしたり、1日の予定を視覚的に示したりすることで、落ち着いた行動が可能になったという。 ゴコチは保護者や学校、福祉関係者を対象にした定期的な学習会を開いている。松尾さんは「周囲の環境とのミスマッチに苦しんでいる自閉症の子どもは多い。フォーラムを通じて理解を広げたい」と語る。シンポには松尾さんの夫和弥さん(54)も登壇する。 参加費500円。=2018/09/27付 西日本新聞朝刊=ご夫婦揃っての講演は珍しいですね。☄
2018.09.29
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安室さん公演入場拒否 「療育手帳」理解不足 当事者「取り返しつかぬ」引退した歌手の安室奈美恵さんが2~6月に開いた最後のコンサートツアーで、知的障害者に発行される「療育手帳」を身分証として提示した客が入場を断られ、当事者から「取り返しがつかない」と憤りの声が上がっている。 「妹は事情が分からず、母に『安室ちゃんのライブ、来年は来られるかな? 入れるかな?』と繰り返し聞いていました」。宮崎市に住む会社員の湯浅雅代さん(36)は振り返る。 湯浅さんは2月25日、福岡ヤフオク!ドームでのコンサートに母と3人姉妹で参加した。2番目の妹愛子さ… この記事は有料記事です。[毎日新聞]有料記事の為、詳細が明確ではないので何とも言えませんが、障害の有無に関わらず、入場拒否は理解に苦しみますね。346万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2018.09.28
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発達障害「生かせば戦力」 金沢で職場考えるセミナー発達障害のある人が働きやすい職場環境を考えるセミナーが、金沢市の県女性センターであった。専門家が障害の特性に応じた配慮を呼び掛け、「その人の強みを生かして働ける職場なら、ものすごく戦力になる」と語った。 発達障害に特化した人材紹介や就労支援を担う会社「Kaien(カイエン)」横浜事業所リーダーの安間香織さんが講演した。発達障害のある人は同時並行の作業や段取りなどが苦手な半面、緻密な作業が得意で、集中力が高いという。アスペルガー症候群の人はマニュアルのある仕事に適し、コミュニケーションが得意で好奇心の強い注意欠陥多動性障害(ADHD)の人はメディアやものづくり、研究職が向いていると説明した。 セミナーは金沢市などに拠点を置くNPO法人ワンネススクールが市の委託を受けて開き、企業の人事担当者ら約70人が参加した。 [中日新聞]多くの企業の人事担当者に広く分かち合って頂きたい内容ですね。☄
2018.09.27
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大阪府、知的障害の自立支援強化で一致 総合教育会議で大阪府は25日、大阪市内で総合教育会議を開き、障害のある児童・生徒の教育環境の整備や卒業後の就職支援などについてサポートを強化することで一致した。会議には松井一郎知事や酒井隆行教育長、府の教育委員らが出席。学力向上などに向けた取り組みをまとめた教育振興基本計画について報告を受けたほか、障害のある児童らへの支援方法を話し合った。 府によると、府立支援学校に在籍する知的障害のある児童・生徒は今後10年で約1400人増加すると見込まれており、支援学校での高度な医療的ケアが求められる割合も増えているという。 会議では、教育委員から学校での支援について「生徒らの得意な分野の才能を伸ばしていかなければならない」などの指摘があり、松井知事は「将来の自立の道を指導していくことが一番大事だ」と応じた。[産経WEST]知事の言葉が実践されること、祈るばかりですね。☄
2018.09.26
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散歩「一緒に行こ」 目の不自由な81歳に寄り添う小2「僕も一緒に行くよ」。炎暑が続いた夏休み。茨城県守谷市内で目の不自由なお年寄りの犬の散歩に朝夕、付き添い続けた小学生がいる。市立黒内小学校2年の松本泰志(たいし)君(8)。19日、学校で小池義寿校長から善行表彰された。優しく献身的な行動に、松丸修久市長らも駆けつけ拍手を送った。 夏休み明けの9月3日、学校あてに手紙が届いた。松本君が手助けした染谷ちよさん(81)からだった。「泰志君をほめて頂けましたら幸いです」。感謝の言葉がつづられており、児童の行動が学校に伝わった。 集会では、松本君と染谷さんらが壇上に並び、北見裕教頭が全校生約690人に行いを紹介。染谷さんが「優しさにふれてものすごく感動しました。優しくするのは簡単なようで難しい。『おはよう』とか『暑いですね』と声をかけてもらった人はうれしいと思います」。松丸市長も「一人ひとりが誰かのために何かができる」と呼びかけた。染谷さんは一人暮らし。7月中旬の夕方、3匹の愛犬(雌)の散歩を終えたころ、近所に住む顔見知りの松本君が訪ねてきた。「おばちゃんの散歩の手伝いをしたいんだ」。目の不自由な染谷さんが、朝夕と犬の散歩をしているのを気遣っての申し出だったという。 翌朝から手助けが始まった。朝は午前6時すぎ、夕方は午後4時すぎに自宅に迎えに行き、松本君が1匹を、染谷さんが2匹を連れて並んで歩く。毎回、市役所周辺など約1・5キロを約1時間かけて往復する。 休憩場所では、松本君が持参した水筒の水を犬に飲ませる。信号がほとんど見えない染谷さんのため、赤信号で止まった後、青になると肩をたたいて知らせる。「うれしくて、いつも涙が出そうになります」 大雨の日以外、付き添いは休まなかった。2学期が始まった後も夕方の付き添いを続けている。松本君は「散歩している時が楽しい。ずっと続けたい」。染谷さんは目を細めながらいう。「一緒にいてくれると、とても安心する。愛(いと)おしい存在です」[朝日デジタル]身内でもなかなかできないこと。久しぶりに心がほっこりするニュースですね。☄
2018.09.25
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再審請求中の死刑、是非は? 法務省、慣例破り次々執行死刑囚が再審請求をしていることは、死刑執行の際に考慮されるべきか。長年の慣例を破り、請求中の執行が相次いでいることで、こんな議論が浮上している。法務省は「執行を認めなければ、事実上の延命につながる」との立場だが、執行されれば取り返しがつかないだけに「慎重な判断が必要」という声もある。 「再審請求中の死刑執行は、憲法が保障する『裁判を受ける権利』を侵害する」。大阪地裁で現在、死刑囚がこう主張し、再審請求中は執行しないことを求める裁判を起こしている。 原告は大阪拘置所に収容されている松本健次死刑囚(67)。兄(自殺)と共謀して2人を殺したとして2000年に死刑が確定したが、弁護人の金井塚(かないつか)康弘弁護士は「手を下していないし、共謀もしていない。知的障害があるのに配慮されず、取り調べで自白を誘導された」と訴える。7度目の再審請求が6月末に最高裁で退けられ、現在は新たな請求を準備中だ。 再審請求に刑の執行を止める効力はない。訴訟で被告の国は今月11日の口頭弁論で「刑事裁判とは別の手続きで判決を取り消し・変更できるなら裁判所の判断が矛盾し、解決できない不合理な問題が生じる」と指摘。「訴えそのものが不適法で却下されるべきだ」としている。次回の口頭弁論は10月26日にある。 訴訟を起こした理由の一つは、冤罪(えんざい)の可能性などを考慮し、「再審請求中の死刑執行は原則しない」という慣例が破られたからだ。 法務省は昨年7月、18年ぶり… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。[朝日デジタル]自閉症者だと、おうむ返しで自ずと自白を誘導されそうです。きちんとした配慮のある方の同席をお願いしたいですね。☄
2018.09.24
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学校の記念写真を禁じられた自閉症の少年、H&Mのモデルに(英)高機能自閉症(またはアスペルガー症候群とも)と診断された11歳少年が現在、イギリスのハイストリートファッションブランドのモデルとして活躍している。モデルを始めるようになってからは息子の自閉症の症状が随分改善したと喜ぶ父親は、「自閉症だからといって、夢を諦める必要などないということをみんなに知ってもらいたい」と話している。『Mirror』などが伝えた。 英ハートフォードシャー州レッチワースに暮らすアルフィー・アルドリッジ君(11歳)は、現在スティーブニッジにある特別学校(special school)に通っているが、高機能自閉症と診断される前に通っていた普通の学校では、大きなストレスを抱えながら毎日を過ごしていた。アルフィー君は頻繁に攻撃的になる兆候が見られたため、学校側は記念写真撮影やその他のイベント、様々なアクティビティーなどにアルフィー君を参加させることを禁じた。アルフィー君の態度を敬遠する学校側とその対応によりますますストレスを感じて更に攻撃的になるアルフィー君との悪循環を知った父のギャリーさん(50歳)は、このままでは希望など持つことはできないのではないかと息子の将来を案じた。しかし特別学校に転校した後、家族の友人が「モデルをさせてみてはどうか」と提案、モデル事務所のスカウトを受けたアルフィー君は、その後大きな変化を遂げた。「Zebedee Management」は心身障害者の雇用においてはイギリス初のモデル事務所として知られており、アルフィー君は現在、H&MやRiver Island、Land Roverなどイギリスで人気のハイストリートファッションブランドの撮影にプロのモデルとして登場している。撮影に参加するようになってからは、アルフィー君の自閉症の症状が大きく改善されたようだ。アルフィー君の母親とは別れているが3児の父親であるギャリーさんは、このように喜びを語っている。「これまで息子は、水泳教室やジム、サッカーなどもチャレンジしました。ですが、グループで何かをするということがダメでした。モデルに関しては、とてもリラックスしてやっています。モデルになるために生まれてきたのかと思ってしまうぐらい情熱的な姿勢で撮影に取り組んでいて、今までの息子とは大違いなのです。息子自身にとっても、モデルをすることで自分を表現することができるのでしょう。これまでなにかと攻撃的でしたが、今では随分改善されて、息子は自信に満ち溢れているように見えます。息子を通して私が皆さんに是非伝えたいのは、自閉症だからといって夢を諦める必要などないということです。」ギャリーさん曰く、今でもまだ友人たちとの社交的問題やグループ内での作業に多少の問題はあるという。しかしモデルの仕事がアルフィー君を大きく成長させたことは間違いないようだ。アルフィー君自身、大好きなことを見つけた嬉しさをこのように話している。「撮影に行くと髪やメイクをしてもらって、なんだかセレブになった気分になるんだ。学校で友達に話したら、みんな『へぇ、カッコいいね!』って言ってくれるよ。モデルの仕事が楽しいし、将来はトップモデルになれたらいいな。」今週には次の撮影があり、12月にはキャットウォークにもチャレンジする予定だというアルフィー君。カメラに向ける視線からは、今のアルフィー君のやる気が溢れてきそうである。[ニコニコニュース]可愛らしい坊や、何が人生の転機になるか計り知れませんね。*ミ
2018.09.23
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発達障害の当事者対談「早稲田大学に入るよりコンビニバイトのほうが難しかった」昨年からさまざまな場所で耳にするようになった「発達障害」というフレーズ。その種類は主に以下の3つにまとめられる。《発達障害の種類》■ADHD(注意欠陥・多動性障害):失言やケアレスミスに悩まされる傾向がある。また、多動で落ち着きがなく、複数タスクをこなすことに困難を感じる。■ASD(自閉スペクトラム症):独特のマイルールをもち、環境の変化や急な予定変更に合わせられない。言葉の裏の意味を読み取れず、冗談も通じないため人付き合いに支障をきたす。■LD(学習障害):知的な障害はないにも関わらず、漢字の読み書きや簡単な暗算ができない。 発達障害はこれまで未成年の問題だと思われてきた。しかし実際には大人になって社会人生活を送る人の中でも、その症状で苦しむ人は多いことが明らかになってきている。 だが、実際にそんな“生きづらさ”を抱える当事者たちの生の声はなかなか聞こえてこない。フリーライターの姫野桂氏が8月に上梓した『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』は、日本人の10人に1人が発達障害を抱えると言われながら、その実態が見えない当事者たちの声を集めた証言録である。 一方、自身も発達障害の当事者であり、そのうえで「本当に役立つ」ライフハックを記した『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』がベストセラーになった借金玉氏。発達障害を最前線で見守り続ける2人に、クロストークを展開してもらった。◆「日本一意識が低い自己啓発書」が売れた理由姫野:借金玉さんの著作はベストセラーになっていますね。借金玉:ありがたいです。発達障害当事者に向けて書いたのですが、定型発達(発達障害ではない)の人にも読んでもらえた結果ですね。姫野:そもそも、ここまでが定型発達でここからは発達障害という明確な基準がないですよね。それに職場や学校などで周りに「発達障害かもしれない?」と思うような人がいると、それを理解しようと思って読んでいることも多いかもしれませんね。借金玉:私の本は「日本一意識が低い自己啓発書」を名乗ってるんですが、朝まったく起きられない人が起きるためのライフハックから語っている本って案外なかったんでしょうね。朝が苦手なのは発達障害者の特徴のひとつなので書こうと思ったんですけれども。私はもとより、周りにも発達障害をかかえる人が多いので、本を書く際のサンプルはたくさんありました。姫野:借金玉さんは現在のご職業に就く前に、経営者をやられてましたよね。雇用主としても発達障害当事者と関わる機会はありましたか?借金玉:ありましたね。何度教えても消費税の計算ができない人がいたときは困りました。計算の概念が理解できず、電卓を叩く順序が絶対に覚えられないんですよね。彼女のために、電卓を叩く順序を紙に書いて机に貼り付けてあげることでなんとか解決しました。姫野:私も計算が苦手で、昔アルバイトでレジ打ちをしていたのですが、いつまで経っても要領が悪く、すぐに辞めてしまいました。借金玉:私自身もコンビニ弁当工場のアルバイトをしていたときに、何度教えてもらっても、フライヤーを使って揚げ物を作ることができなかったことがあります。そのときは店長に「言いづらいんだけど、キミは知的障害者だと思うよ。僕が言わないと誰も言ってくれないだろうから言うけど」と言われましたよ(苦笑)。私からしたら、早稲田大学に入学するよりも、コンビニバイトをマスターすることのほう難しいんですよね。それで心から敬意を評して「早稲田入るよりもコンビニバイトのほうが難しいんですよ。店長のこと本当尊敬します」って言っちゃって(笑)。あのときはこの言葉が皮肉に聞こえるってことも理解できなかったんですよね。極端に空気が読めないのも発達障害の特徴ですが、長い時間をかけてだんだん人に失礼をしないようにできるようになりました。◆発達障害者には営業職が向いている?姫野:借金玉さんは現在、営業職に就かれています。借金玉さんの昔のエピソードからも伺えますが、取材で知り合った発達障害当事者の方々もコミュニケーションに苦手意識を覚えている人が多いですよね。それで会話が多くなる営業職を敬遠して事務職に就きたがる人が多かったのですが、借金玉さんは営業職に難しさを感じませんか?借金玉:実は、営業職に向いている発達障害者が意外と少なくないと思います。成果型労働は、ゴールに至るプロセスで多少のミスをしても、結果さえ出せれば文句は言われない。だから、ケアレスミスが多いADHD(注意欠陥・多動性障害)の人や、上司などの指示に対して疑問を感じる傾向のあるASD(自閉スペクトラム症)の方にとって、自分のペースで働ける営業職は向いていることもあり得るんですよ。姫野:営業職をやらず嫌いしている人は多いのでそのアドバイスは有益ですね。借金玉:私は発達障害を持つ知人には「営業を怖がるな!」って言ってます。もちろん、発達障害にもさまざまなケースがあるので、「すべての発達障害者に営業が向いている」とは言えませんが、苦手意識は持たずにチャレンジしてみてもいいんじゃないかと思いますね。大体の人がいの一番に避ける業種でもありますし。姫野:私は新卒で入った会社で3年間経理をやったんですが、本当にしんどかったんです。定時で帰れる仕事内容だったのに毎日ヘトヘトで、土日はずっと寝こんでいました。借金玉:それはお疲れ様でした……その状態で3年も働いたら表彰ものですよ(笑)。私も銀行員をやっていた頃の土日は、月曜日が来ないことを祈りながら酒を飲むか、布団にくるまって延々と泣いてましたから。この前、発達障害だと告白された勝間和代さんとの対談でも話しましたが、彼女は会計事務所を半年で退所したそうです。ADHDでケアレスミスの多い人やLD(学習障害)があって計算が苦手な人は、会計や経理はまったく向いてない。ただ、ADHDやASDと違ってLDは見逃されがちですよね。姫野:LDなのに知的障害者だと誤解されて、職場や人間関係で悩んでいるというケースは多いですね。◆そもそも世の中で言う「普通」ってなに?借金玉:私も『発達障害の僕が「食える人」に変わった-すごい仕事術』の執筆にあたって当事者取材をしたのですが、本当に大変でした。途中で連絡がつかなくなるのはザラですし、取材相手に依存されてしまって困ってしまったこともあって。これだけバラエティに富んだ当事者たちに取材するのはしんどかったでしょう?姫野:実は、それほど大変だとは感じませんでした。でも、精神的に辛くなったのはASD(自閉スペクトラム症)をかかえ、何度も転職を繰り返し、自殺を考えてしまった女性。彼女のお話にはかなり感情移入してしまいましたが、他の方については、ある程度の距離を保って、冷静に書けたかと思います。借金玉:たしかに姫野さんの文章は淡々としていて当事者に寄り添いすぎず、描写に徹しています。そもそも、なぜこの本を書こうと思ったんですか?姫野:近年、NHKの特集番組をはじめとして発達障害の話題を耳にすることが多くて、「私も発達障害なのかな?」とうっすら思ったのがきっかけです。今回の書籍の担当編集や友人にも「姫野さんは普通じゃない」と言われます。もちろん彼らはいい意味で言ってくれてるんですが、そもそも「普通ってなに?」っていう疑問もあって。だから、この言葉は帯にも入れてもらいました。借金玉:僕も発達障害にまつわる本をいろいろ読んできましたが、姫野さんのようにイデオロギーや主張を省いて、事例紹介に徹した本はほかにないと思います。姫野:東洋経済オンラインでの連載開始当初は発達障害についてほとんど知らなかったんです。勉強しながら取材を重ね、当事者の方々の生きづらさを理解したので、目の前の当事者の言葉を丁寧に聞きとることに集中できたんだと思います。それでも、私は「自分は定型発達(発達障害ではないこと)」だと信じて疑いませんでした。だから、取材相手に対して心理的に距離があったように思います。それが結果として、淡々とした描写につながっているのかもしれません。借金玉:そんな姫野さん自身もWAIS-Ⅲ(発達障害傾向の有無を調べるテスト)を受けて、その様子が著書に描かれていますね。このときの動揺も正直に書いてあって、これはすごいオチだなと思いました。姫野:自分の“普通じゃない”部分が“発達障害”だと判定される可能性が現実的になると、さすがにうろたえてしまいました……。借金玉:私は自分が発達障害だと知ったとき、驚かずに「まあ、そうだよな」と納得しました。おまけに悪いことに、当時はネット上には「あの偉人も発達障害だった!」みたいな偏りのあるポジティブ情報がけっこうあって、自分も成功者になれるかもと楽観していたくらいで(笑)。姫野:たしかに、発達障害をアイデンティティにしている方は一定数いますよね。私は発達障害をアイデンティティにしちゃいけないなとすごく思います。借金玉:その通りだと思う面はあります。でも、発達障害の概念を支えに生き延びている人もいるのも事実なので、一概には言えないんじゃないでしょうか。姫野:当事者の方々を取材していて、よく出てきた議論が「発達障害は個性か、障害か」というものでした。発達障害を個性として生き延びている方もいれば、発達障害はあくまでも障害なので助けてほしいという方もいるのが現状で、難しい問題ですね。借金玉:私はブログがバズって書籍化までされたので、「お前は発達障害じゃない、才能のある人間だ」って批判されることがあったんです。でも私は「発達障害はただの障害、役立つことはない」と言いたい。ブログにも書いたんですが、私にとって発達障害はツルハシなんです。穴を掘れって言われたら普通はスコップが欲しいじゃないですか、欲を言えばパワーショベルがもっといい。ところが、私はツルハシを渡されてしまった。ツルハシって硬い岩を削るときには便利だけれども、穴掘りにはスコップのほうが役立つじゃないですか。みんなはスコップもらってていいなって普通に思いますよ。◆発達障害当事者は「みんな違って、みんなダメ」姫野:発達障害当事者一人ひとりが抱えている症状や、それに伴う悩みもまた千差万別ですよね。借金玉:私が知人の言葉を借りてよく言うのが「発達障害者、みんな違って、みんなダメ」ということです。発達障害には豊富なグラデーションとバリエーションがあります。職場の発達障害者のことを理解したいと思う定型発達の方は、発達障害を説明する書籍を読むよりも、その発達障害当事者のことをこれまで以上によく見てあげてほしい。ダメの種類は人それぞれ全然違うので。姫野:そうですね。例えば、うつ病だと典型的な症状や原因があるはずですが、発達障害にはそれがない。また、ADHDやASD、LDを併存している方がほとんどで、ひとつの類型に当てはめることもできない。そのうえそれぞれの障害のレベルも異なってくるので、発達障害はとらえどころがない。借金玉:私が『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』で気をつけたのは、なるべく多くの人にリーチするような仕事術を書くことでした。しかし私の書いたライフハックでも救われない人がいるのが現実です。姫野さんの本が素晴らしいのは、発達障害者の多様性をそのまま描いたところです。定型発達の方々も読み終わったとき、「発達障害って結局なんなのかわからない」という印象を抱くと思います。姫野:「取材を通して発達障害についてどのような結論が出ましたか?」と質問されたことがあるのですが、発達障害というものがわからなくなったというのが、正直なところです。借金玉:よくわからない、と素直に言えるような認識が広まることが重要だと思います。姫野さんの本に出てくる22人の当事者だけでも全然違いますよね。 類型・パターン化して結論を急がずに、一個人としてじっくり接することが、発達障害当事者の救いになるはずです。姫野:そう言ってもらえると嬉しいです。[livedoor NEWS]コンビニは働きやすいようで、多様性を求められるのでしょうね。*ミ
2018.09.22
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働きやすい環境工夫 静岡の民間企業障害者雇用の水増し問題で、静岡県内でも県や静岡市などの行政機関で不適切な雇用率算定が相次いだ。一方、民間では工夫を凝らして就労支援を進める企業もある。働く現場からは、一連の問題について「障害者が働きやすい環境は何か、行政が考え直すきっかけにしてほしい」との声が上がる。 「お疲れ様です」。9月中旬、バックミラー製造会社「村上開明堂」(静岡市葵区)の藤枝工場で知的障害を持つ男性が元気にあいさつした。男性は工場一角の作業所でミラーを運搬するための空箱を次々に掃除する。残った異物やほこりでミラーが傷つくことを防ぐためだ。 同社は2017年2月に障害者の就労訓練のための作業所を新設した。藤枝市の社会福祉法人「ハルモニア」と請負契約を結び、施設利用者に作業所を働く場所として提供する。働きぶりを見て正式採用するかを決め、これまでに女性1人を採用した。同社経営企画課の高嶋明主査は「早期離職してしまっては、本人も会社にもマイナスになる。まず適性を見極めることで障害者の職場への定着が図れる」と狙いを話す。同社は20年以上前から障害者の採用に取り組み、現在は18人が働く。障害の程度を把握するため手帳の写しの提出を義務付け、雇用率は2.38%と民間の法定雇用率(2.2%)を上回る。ただ、12年度は法定雇用率に届かず一定規模以上の未達成企業に課される納付金を国に納めた。 県などは国のガイドラインが原則とする障害者手帳の確認を一部で怠っていたが、同社人事担当の鈴木由賀里さんは「民間の感覚では根拠が重要。手帳は採用に当たっての根拠」と指摘する。鈴木さんは「障害者と健常者が一緒に働くことで職場の雰囲気が和らぎ、工場の安全意識も高まる。障害者が自立できる環境が整えられるよう、行政には支援をお願いしたい」と話す。[毎日新聞]企業の中に作業所、何より幸先が安心ですね。☄
2018.09.21
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兵庫・三田市おり監禁事件 第三者委、市の引き継ぎ怠りを指摘兵庫県三田市の自宅で73歳の父親が20年以上にわたって知的障害のある長男をおりに閉じ込めていた事件で、市の対応を検証した第三者委員会は20日、報告書を公表した。市が内部での引き継ぎを怠り、長男側の視点に立った支援ができなかったことが、保護や通報が遅れた原因だとした。共同通信が報じた。報告書によると、長男は1993年まで市の福祉サービスを受けていたという。だが、18歳になって担当者が交代した際、記録を残していなかったことから引き継がれずに放置された。第三者委は「市の管理体制に問題がある」と指摘。[livedoor NEWS]担当者が変わると対応が急変することがあっても、怯まずに訴えてゆくことが大事ですね。☄9月20日で当ブログ11周年を迎えました。12年目に突入しますが、今後とも宜しくお願い致します。☄
2018.09.20
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発達障害の僕が「食える人」に変わった、「片づけ」の極意『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(借金玉/KADOKAWA)で、仕事や人間関係がうまくいかない人にも役立つライフハックを学びましょう。●発達障害の収納は、 箱ひとつでいい 全く片づけられない、モノをすぐなくす……。典型的な発達障害の僕が、なんとかモノをなくさなくなったのは、ある「片づけハック」のおかげです。 それが「本質ボックス」です。本質ボックスは、本質のあるボックスです。本質を入れることができます。本質が入っています。 あなたのお部屋には「行き場のない物品」が溢れているのではないでしょうか。 例えば、引越しで家具を組み立てた後のドライバーセット。どこに置いておけばいいかよくわからないと思います。そして、あなたは思い立ってどこかにそれを収納し、二度と思い出しません。埋められたドングリは、時々芽を出して立派な爆弾に育ちます。「おいおい、あれがないと大変なことになるんだよ!」と言いながら部屋中を探し回った経験のない方はあまりいないと思います。 いざというときに必要な物がない。とても辛いことです。ええ、会社実印が契約当日見つからない。僕もそんな人生でした。ご融資いただく銀行の皆様に「ADHD」という概念を理解していただくのは難しいので、とても辛いことになりました。 はい、そこで便利な概念が「本質ボックス」です。本質ボックスは、100均ショップなどで購入することができます。 サイズは任意です。アクリル製でもダンボールでも、適当な箱を1個買ってください。行き場のない物品はとりあえずその中にぶっこんでおけばいいのです。使い終わって「どこに収納しようか?」と思ったら、本質ボックスにポーンです。 使用頻度の低い、居場所の定まらない物品は全てこの箱の中に放り込む。たったこれだけのことで生活が劇的に変わります。ちなみにこの命名は、この本を書くきっかけにもなった、大変重い発達障害と極めて高い知能を両立する方によるものです。「まさしく!」と思ったものです。とにかく、買ってぶっこめ。溢れたら整理しろ。それだけのことで、世界はとても大きく変わります。「本質ボックスの中にはある」という安心感は他に代え難いものがあります。●本質ボックスが増えてしまったらどうする? なおこのハックにはひとつ欠点があり、「本質ボックス自体が増えて本質を失う」という現象が起こりがちです。 僕のツイッターフォロワーが「本質ボックスです」とアップロードした写真には、10個を超える本質ボックスが写し出されていました。 これは大分本質を見失っている可能性があります。もう少しで本質ルームになってしまう。本質ルームは典型的な発達障害者の部屋ですが、ここまで大きくなると本質は失われてしまいます。本質にはサイズ的な制約があるのです。もちろん、その制約は個人差があります。 僕の場合、本質ボックスは3つです。それぞれの箱には「雑多」「仕事」「貴重品」と書かれています。「雑多」は最もサイズが大きく、「仕事」はそれに次ぎます。ドリルとか電ノコとかクランプとかが入っています。会社を経営していると必要になりがちですよね。「貴重品」は小さめの箱で、さすがにこればかりは部屋のちょっとわかりにくいところに隠してあります。 サイズ的制約がないのであれば「部屋の中にありさえすればいい」ということになるので、このハックは不要になりますよね。しかし、あなたの部屋には小型ブラックホールがいくつか存在しているはずです。そいつらに大事な物品を吸い込ませないための本質ボックスです。●使う頻度の高い物は「聖別」しよう さて、「本質ボックス」は使用頻度の比較的低い物を収納するためのハックでした。では、使用頻度の高い物はどうすればいいでしょうか。 これについては僕もほんの数カ月前まで確定的なハックを出せずにいました。ジッポーライターも電子煙草もどこかに消えてしまう。万年筆もすぐに神隠しに遭ってしまった。それは仕方ないかな、100円ライターを使えばいいかな、と思っていました。アイコスは諦めるかな、ボールペンは安いのを使うかな……と。 しかし、これには例外があります。僕には「普段から持ち歩くが、そうそう紛失はしない物」が2つあるのです。「財布」と「スマートフォン」です。かばんを丸ごと紛失したことはあっても、僕はこの2つを紛失したことはありません。これは、冷静に考えるととても不思議なことです。使用頻度が高いのだから、紛失頻度も一番高いのが妥当なはずです。 この点についてツイッターに書いてみたところ、第n回緊急ADHD会議が持たれ(実にしばしば持たれます)、結構多くのADHDに共通する現象であることがわかってきました。「確かになくさない物品がある」という声が多数寄せられたのです。 この現象について僕は「聖別」という名前をつけました。よくわからない理由でとにかく他の物品とは違う位階を与えられた物があり、その数には個人差がある、と。僕は2つですが、3つ以上の人もいました。「車の鍵はなくさない」という人もいました。ちなみに僕はなくします。バイクの鍵が見つからないから電車で出かけるというのは、とてもよくあることです。●おばあちゃん流「大事な物は神棚に置け」 この「聖別」を意図的に起こすことができれば、それは恐ろしく便利です。高価な万年筆を持ち歩くという長年の夢が叶う可能性があります。 僕はその方法について考えてみました。そこで思い出したのが、僕の祖母のことです。祖母は、大事な物品を神棚に置くという、僕にとってよくわからない行動をしていました。例えば、実印とか通帳とか中国株を運用する投資信託のあれとか(その後、それは面白い値動きをして面白いことになりました。本人はあまり面白くなかったかもしれないですが)。 よくわからない現象を起こすにはよくわからないこと、すなわち儀式をやってみるというのが世界的な原則です。そういうわけで、僕はとりあえず部屋に神棚を作ってみました。机のスペースの一部を仕切ってクリーンに保ち、「神棚」と名づけたのです。 そこにひとまず名刺入れ(最も聖別する必要のあるアイテムでした)、ネクタイピン、腕時計、スマートフォンの予備電源などを置いてみました。毎日帰ってきたらそこに置き、効果はよくわからないけれど毎日拝んでみました。祖母がそうしていたように。 僕自身も驚いたのですが、すごい効果が出ました。 僕はそれらの物をなくさず、必要なときに持ち出し、またそこに戻すことができるようになったのです。名刺入れとネクタイピン、それにボールペンは完全な「聖別」に成功し、定期購入する必要がなくなりました。ネクタイピンやペンは定期購入すればいいですが、「名刺入れ」は紛失すると場合によっては結構危ないので、これは本当に助かりました。おかげで、僕は現在ちょっといいペンを使っています。とても書き味が良いです。「聖別」された紛失リスクの小さいアイテムを5個くらいまで増やすと、生活の利便性はちょっと信じられないくらい向上します。ツイッターでも「効果が出た」という声がいくつも見られました。ぜひとも試してください。【著者紹介】 借金玉(しゃっきんだま)1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。やが話題となり、初著書『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を刊行する。[ダ・ヴィンチニュース実体験からの気づきに変化、とても貴重な極意ですね。*ミ
2018.09.19
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九州の7県3政令市で9県市、採用対象限る障害者枠「身体」に偏重 「精神」「知的」困難と敬遠 九州の7県と3政令市の正規職員採用試験について、「障害者枠」が設けられているにもかかわらず、福岡県を除く9県市が対象者を身体障害者に限定していることが分かった。身障者に比べ、精神や知的障害者は就労環境を整えるのが難しいと考える自治体が二の足を踏んでいるとみられ、障害の種類によって雇用機会に格差が生まれている現状が浮き彫りになった。 障害者雇用は、身体障害者雇用促進法に基づき1976年に義務化された。当初は身体障害が対象だったが、その後、知的障害にも拡大。今年4月から精神障害(発達障害や高次脳機能障害を含む)も対象に加わった。 九州の自治体では、福岡県が82年に障害者枠を導入したのを皮切りに拡大。現在は7県3政令市すべてで導入されており、主に教養や作文の筆記試験と面接による選考が行われている。福岡県は制度改正に伴い、今年4月の採用から精神障害も対象に加えたが、同県以外は現在も対象を身体障害に限定。知的、精神障害者は、障害のない人と一律に受験することになっている。 精神、知的障害者を枠外にしている自治体が理由として挙げるのは障害の特性。「身体」は職場のバリアフリー化などハード面の環境整備で受け入れの見通しが立つと考える自治体が多いのに対し、「精神」は働く能力があっても長時間の勤務が困難などの点から「仕事を用意したいが何を任せられるのか見定められない」(大分県)との声が多い。仕事内容や勤務時間の個別調整の可否がネックとなっている。「知的」についても「単純作業が想定されるが行財政改革で多くを外部委託しており、仕事がない」(熊本市)。福岡市などは1年契約の嘱託員として採用しているが、正規採用への道は開いていない。 一方、福岡県は「重いストレスをかけないなど適切な配慮をすれば、通院しながらでも仕事の成果は出してもらえる」と判断し、今春から精神障害者1人を採用。外部との接触が少なく比較的自分のペースで進められる内部管理業務などを任せる予定だ。佐賀県は法定雇用率を下回っていることもあり、来年度実施の採用試験から精神障害者も対象に含める検討をしている。 精神障害がある北九州市の男性(38)は同市での就労を希望しているが、求人枠がないことが機会の不平等を生んでいると指摘。「私たちは差別されていると思う。行政は民間の手本になれていない」と話している。=2018/09/16付 西日本新聞朝刊=制度が見直されても、実際に現場での受け入れ態勢が整うまでに時間が掛かってしまうのが現状のようですね。☄
2018.09.18
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発達障害への理解深めて 本紙連載「泣いたり笑ったり」が単行本に発達障害の双子の娘を育てる森山和泉さん=兵庫県在住=が本紙くらし面に連載しているマンガ&エッセー「泣いたり笑ったり 発達障害の双子の歩み」が本になった。くすりと笑ってしまう6こまマンガとエッセーのほか、描きおろしのマンガを収め、発達障害の特性を紹介し、向き合うヒントを伝えている。(網 麻子) タイトルは「マンガ&エッセー 発達障害の暮らし日記」(神戸新聞総合出版センター)。連載は2014年3月にスタートし、月1回のペースで掲載している。本には18年2月までの48回分を加筆・修正したものと、大変だが時に心癒やされる「双子のこぼれ話」を、描きおろしの4こまマンガにして収めた。 主人公は、ほんわか癒やし系だが、空気をよむのは苦手な「もも」(姉)と、純粋で天真らんまん、探究心の強い「きい」(妹)。姉妹と森山さんこと、母との日常生活を描いている。 並外れた記憶力があるもも。「メモ」にまつわるマンガで、ももは自分の好きな偉人の名言をさらさらと書き出す。森山さんが驚くと、「ママみたいにメモに残すのも新鮮でいいよね」とにっこり。エッセーには「発達障害のある人の良いところは、大切に守ってあげたい」とつづる。 服の肌触りに敏感に反応し、綿100%の服しか着られないきい。マンガでは、ポリエステルが入った服に「この服嫌だ。気持ち悪いから着たくない!」と訴える。森山さんが途方に暮れて友人らに相談すると、綿100%のお下がりの服があちこちから届き、きいは笑顔で服を選ぶ。「周囲の温かさに感謝の気持ちでいっぱい」と森山さん。 森山さんは、娘たちに気持ちが伝わらず困り果てていた時に、マンガで伝える方法を知った。「お母さんは悲しい」というセリフと自身が泣く絵を見せたところ、初めて伝わった。それがきっかけでマンガを描き始め、今は広く発達障害への理解を深めてもらおうと描き続けている。 「発達障害のある人たちは純粋、素直で魅力的」と森山さん。「自分の価値観と異なる言動でも、一呼吸置いて歩み寄り、伝え方や教え方に心を砕く。発達障害のある人との関わり方を工夫することは、他の人とのコミュニケーションにも役立つ」と話している。 1512円。神戸新聞総合出版センターTEL078・362・7138[神戸新聞NEXT]連載の4コマ漫画がまとまった単行本になる。とてもすてきな試みですね。☄
2018.09.17
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被災地で発達障害者を支援する人にむけリーフレット作成被災地支援 北海道地震 発達障害情報・支援センターは、被災地で発達障害がある人や子どもを支援する人にむけ、リーフレット(北海道版)を作成した。被災地では「障害を知らない人には理解しにくい様々な困難がある」とし、支援する際のコツなどを具体的に紹介している。 同センターのホームページ(http://www.rehab.go.jp/ddis/)で公開している。 発達障害があると、変化が苦手だったり、見通しが立たないことに強い不安を示したりすることがある。「そっちへ行ってはダメ」などと言うのではなく、具体的に「このシートに座ってください」と伝えたほうがいいという。 道内各地にある発達障害者支援センターの相談窓口も紹介されている。[朝日デジタル]いつ起こるか分からない天災、備えあれば憂いなしですね。345万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2018.09.16
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抱っこで自転車、悲劇生んだ 子ども死亡、母を書類送検電動自転車で走行中に転倒し、抱っこしていた当時1歳4カ月の次男を死亡させたとして、神奈川県警は14日、横浜市都筑区の保育士の母親(38)を過失致死の疑いで書類送検した。県警への取材でわかった。専門家や業界団体は、乳幼児との同乗はバランスが不安定になりがちだとして注意を促している。 県警都筑署によると、母親は7月5日午前8時25分ごろ、同区の市道で、次男を抱っこひもで前に抱え、左手首に傘を提げた状態で電動自転車を運転。過失によって転倒して次男の頭を強く打ち付け、死亡させた疑いがある。雨が降っていて母親はかっぱを着ていたが、提げていた傘が自転車のフレームと前輪の泥よけの間に挟まったことで、ハンドルが動かなくなり、転倒につながったと署はみている。 母親は前部の幼児用座席に事故当時2歳だった長男を乗せ、次男とともに保育園に送り届ける途中だった。ヘルメットをかぶっていた長男にけがはなかった。自転車は前後に幼児用座席が取り付けられ、幼児2人を乗せる安全基準を満たしていたが、後部席には荷物を置いていたという。(安藤仙一朗)[朝日デジタル]乳児を抱っこしたり、おんぶしての自転車の走行は側から見ていても危ないですね。悲惨な事故、二度と起こらぬよう祈るばかりです。*ミ
2018.09.15
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西陣織支える知的障害者 工房開所15年、10業者から受注 「ガッシャン、ガッシャン」-。3階建てビルの中から、機織りの音がリズム良く響いてくる。慣れた手つきで布を織り上げるのは、京都市北区の就労継続支援事業所「西陣工房」で働く知的障害のある人たち。工房は開所から今年で15年目を迎え、「福祉から地場産業を支える」という目標に向かって着実に歩を進めている。 工房ができたのは2004年9月。西陣織の工程の一つで経(たて)糸を整える「整経」を行う家で育ち、京都市内の福祉施設で長く働いていた河合隆施設長(61)が、西陣織と福祉をつなげられないかと考え、立ち上げた。 はじめは知的障害のある3人で組みひもの生産からスタート。2007年には修学旅行生や観光客に、工房で働く人が組みひも作りを指導する体験教室を始め、今では年間に約700人が工房を訪れる。その後、糸繰り機や複雑な文様を織れる「ジャカード機」を順次導入し、本格的な西陣織の技術習得に乗り出した。 中村賢太郎さん(19)=左京区=は、工房に通い始めて2年目。今年8月から、手織りできるジャカード機を使って作業を始めた。正絹の糸を機械に通し、美しい紋を織り上げていく。「手で織るのは楽しい」と、笑顔を見せる。 現在、27人が工房で働くが、言葉での意思疎通が難しい人も多い。複雑な作業を習得するのに時間がかかるが、「見たものを記憶するのが得意な人もいる。粘り強く教えると、覚えられる」と河合施設長。 今、中央省庁などで障害者雇用の水増しが問題になっているが、「工夫次第でその人の能力を伸ばすことができる。雇用確保の面だけでなく、どんな仕事をすればキャリアアップになるかを考えることが重要だ」と話す。 工房では今夏、夏用の生地「紗(しゃ)」を織る機械を新たに導入した。織物は自主製品として、市内の店舗やネット通販などでも販売しており、多様な製品を生み出すことで販路拡大を目指す。糸繰りはすでに、市内の個人や企業約10業者から継続的に発注を受け、地場の産業を支えている。 「工房で働く人たちが良質の物を作り続け、伝統産業の後継者になれるようレベルアップすることで、西陣を支えていきたい」と、河合施設長は力を込める。[京都新聞]京の西陣織の工房、下積みが強みになっていますね。☄
2018.09.14
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どう対応するか知ってる?発達障害の子どもを支援する「最良の方法」母親を殴り暴れる小学2年生の「激変」 平成19年(2007年)に特別支援教育がはじまって10年以上が経ちました。いわゆる普通教育のクラスに特別支援教育が導入されましたが、この間、教育の現場には様々な混乱があったことは想像に難くありません。 その中で、独自の評価シートとレーダチャートに基づき、その子にあった支援を助け、現場から高い評価を受けてきた『発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』が新版として生まれ変わりました。2013年(日本版は2014年)に出された〈精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)〉にも対応しています。本書の中から、その一部をご紹介しましょう。なぜ大切? 発達障害の子どもへの早期対応平成19年、従来の普通教育のなかに特別支援教育が導入されるというニュースに、当時の私は危機感を覚えていました。発達障害の情報も充分ではなく、ベテランの専門家がまだまだ少ないなかで、現場で対応される先生方のことを考えたからです。専門家ではなくても、発達障害の特性がどのくらいあるのかを、素早く把握し支援に反映できるアセスメントが、絶対に必要だと思いました。そこで、長年の特別支援教育研究会の活動や研究をまとめ、気になる子どもの性格や行動特性を把握する〈基礎調査票〉と〈評価シート〉を作成しました。この〈基礎調査票〉と〈評価シート〉を軸にして2007年に『発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』としてまとめ、出版したところ、幸いなことに、ひじょうに多くの教育現場で使われるようになりました。発達障害の子どもたちのなかで、知的発達の遅れが目立たない子どもたちは、小学校に入学し、通常の学級に在籍しています。ところが、発達障害とは周囲からは気づかれにくいため、周囲からの理解や支援を得られず、授業についていけない、先生が対応しきれない、などの問題が生じる一方、性格やしつけのせいにされがちです。早く周囲が気づき医療や療育的ケアにつなげていくことが何より大切なのです。 "家庭の問題"にしないで、社会が支援する周囲が気づき、支援することがなぜ大切なのでしょうか。近年、少子化の時代にもかかわらず、虐待や校内暴力の問題は増加を続け、各分野で解決に取り組んでいる人たちは、大変な苦労を強いられています。こうした社会問題の陰に、私は、ある共通のものの存在を感じるようになりました。それは発達障害です。すべての問題について言えるわけではありませんが、発達障害の存在はけっして小さくないと感じるのです。発達障害が社会問題の原因ということではなく、うまく社会に適応できない、その陰に発達障害があるのではないかと、少しでも早く周囲の人々に気づいてほしいのです。たとえば、児童虐待の要因として、いくつか挙げられているものを、以下の4グループに分けてみました。親自身(衝動的・攻撃的な性格、依存的性格、社会的未成熟さ、精神疾患、親自身の被虐待体験、自己評価の低さなど)家庭環境(夫婦の不和、家族の不和、経済的困難、家族に病気や障害があるなど)子ども(望まれない出産、低出生体重児、育てにくい子〈リスクチルドレン〉)社会的孤立(希薄な人間関係、子育て環境の未整備など)これらのうち、いくつかの要因が重なると虐待のリスクが高まるといわれています。虐待を受けた子どもの特徴に不安が強い、落ち着かないなどがあげられますが、これらは発達障害の特徴でもあり、この特徴が強いと、「かわいいと思えない!」と育児意欲を減退させてしまう母親もいます。3 の育てにくい子の要因があてはまるでしょう。また、不登校や校内暴力・家庭内暴力も、そこにいたる前に発達障害の影響がある子どももいそうです。発達障害は、「子どもと家庭」の問題ではなく、社会が気づき、スムーズな集団適応を支援していくことがより重要であるといえます。調査と評価の方法『新版 発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』でとりあげた〈基礎調査票〉と〈評価シート〉は、発達障害の診断をすることではなく、子どもの特性を正確に把握し、行動を理解し、すみやかに具体的な支援を考えることを目的に作成しました。もちろん、医療機関を受診する際にも貴重な資料となります。実施は、子どものようすをよく知っている大人が記入します。1回だけでなく、経過や成長にともなって間をおいて何度か実施し、比較すると、経過や対応の効果も検討できます。母親へ暴力をふるう、2年生の男の子を救ったカギは?ここで、〈基礎調査票〉と〈評価シート〉を活用した例をご紹介しましょう。*プライバシー保護のため、内容はいくつかのケースを組み合わせていますEくん 男 小学2年生(8歳)母親と2人の母子家庭。母親は仕事をしており、幼児期は保育園、小学校に入ってからは学童保育でお母さんの帰りを待つ片づけられない、朝起きられない、授業に参加しない、など母親に対する反抗的(暴言など)な態度、暴力(蹴る、たたく、殴るまねなどの威嚇行為など)が目立つ拡大画像表示 手のつけられない小学2年生!?【それまで】 もともとEくんはだらしがなく、朝も起きられない傾向にあり、学校では授業も聞かずノートにいたずら書きばかりしていました。先生が注意しても聞かず、ノートを取り上げると椅子を蹴るなど暴れることがありました。給食はほとんど食べられないほど好き嫌いが激しいのに、お菓子は大好きでやや肥満傾向。【相談時のようす】 国語と算数のワークをしたところ、散々文句を言い、なかなか取り組もうとしません。ようやく、取り組み、書き上げると、ほらと言わんばかりに放り投げてきます。ワークを見ると、乱雑ですが、思いのほか漢字は正確です。お母さんのお話では、漢字はほとんど練習しないのに、目で見て覚えてしまう、ということでした。算数のほうが苦手のようですが、1年生レベルの計算はできるようです。お母さんに対する態度は、他人の前でも反抗的で乱暴でした。■ 過去の父親のDVがきっかけ!?【母親への聞き取り】 お母さんに話を聞いてみました。「Eがこんな乱暴になったのは、4歳のころに父親から、殺されるのではないかと思われるようなひどい体罰を受けたことが原因ではないかと思っています。あの子の父親は、私にも暴力を振るい、それが原因で離婚になりました。母ひとり子ひとりの生活で、私も仕事があるので、日中はなかなか目が行き届きません。ふらっといなくなることもあるので、ついつい口うるさく注意してしまいます。Eは、それに対して2年生とは思えないような暴れ方をして、私の顔に紫色のあざができたことがあります。思いあまって、そんなに乱暴ばかりするなら出て行きなさい! と言うと、はっとしたようにわれにかえって、泣いて謝るんです」学校では、友達に暴力を振るわないものの、授業に対するやる気のなさを注意されると、暴れることはあるようでした。 父親の体罰や暴力がきっかけだったのか? photo by gettyimages■ "電車"が支援のカギになった!【対応したこと】 担任の先生には、〈基礎調査票〉に記入してもらいました(上図左の図)。すると、II-1不注意、II-3衝動性が非常に高く出ました。また、異常に熱中することがあるとのことで、お母さんに確認すると、電車が大好きとのことでした。どうやら、授業中の落書きは鉄道の路線図だったようです。Eくんに「電車が好きなんだって?」と聞くと、目を輝かせて電車の話をしはじめ、試しに画用紙に絵を描いてもらうと、山手線の車両の絵を、小学2年生とは思えないほどのできばえで描き上げました。私がほめると(実際驚いたのですが)、とてもうれしそうな表情を見せました。 電車が好きなんだって?と聞くと、目を輝かせた photo by gettyimages ■ 母親との豊かな時間を取り戻した 学校ではちょいモテ・キャラにも【相談後の方針】 そこで、お母さんには、Eくんが不注意や衝動性の傾向が強いことを説明し、また整理整頓が苦手であることを伝えました。そこで、お母さんには、片づける棚や場所を決め、食事や就寝前に一緒に片づけるうるさく注意しすぎないようにする後述の電車旅を実践してほしいことを伝え、Eくんには、・1週間、片づけと宿題をがんばること(カレンダー表をつくり、できたら○をつける)・ちゃんと出来たら、日曜日にはお母さんと電車に乗りにいくこと ・そのために自分で路線や時刻を調べて じょうずに乗り継いで帰ってこられるように計画を立てること などを約束しました。学校の先生には、最低限とはいえ学力は身につけていることから、授業に参加していないようでも、先生の話は聞き、黒板もときどき見ているので、しばらくようすを見てなにも言わずに授業を進めてもらいました。【その後】 いつの間にか少しずつ興味のある授業には参加するようになり、なんと嫌いな算数のドリルも自分からやるようになりました。電車旅によって、車中親子でいろいろ話をするようになり、暴力は影を潜めていきました。片づけは相変わらず苦手でしたが、友達ともうまく付き合い、バレンタインデーにはクラスの女の子からチョコレートを2つもらったと、自慢げに報告してくれて、相談は終了となりました。彼本来の性格に周囲が気づき、大きな枠のなかで彼を育てることが、Eくんの衝動性を抑え、長所を引き出すことになったようです。 母親への暴力も影を潜め、良好な親子関係につながった photo by gettyimages 〈基礎調査票〉と〈評価シート〉への思い〈基礎調査票〉と〈評価シート〉は先生方ばかりでなく、ご両親や子どものことをよく知っているすべての大人に使っていただきたいと思っています。また、本書では、記入や評価のポイントのほか、子どもへの具体的な対応例なども詳しく解説しました。今回新版となった『発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』が子どもたちの健全な成長の助けになることを心より願っております。 『新版 発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』著者:黒澤 礼子発達障害を診断するテストのようなものは数多くありますが、専門的だったり、使いにくかったりしていませんか。本書の〈基礎調査票〉と〈評価シート〉は、発達障害を代表するASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)などの特性把握のための質問項目が含まれ、結果をレーダーチャートでわかりやすく表示できます。その子のために、どのような支援ができるのか、傾向を把握して、対応策を考えましょう![現代ビジネス]新版 発達障害に気づいて・育てる完全ガイド (健康ライブラリー) [ 黒澤 礼子 ]参考にできる図書がまた一冊増えましたね。☄
2018.09.13
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『グッド・ドクター』医療監修者による「発達障害」チェック表賢人主演、『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が話題だ。山崎が演じる小児外科の研修医・新堂湊は、発達障害の一種である「自閉症スペクトラム障害」である。湊は生きづらさを感じながら、患者に正面から向かっていく。 その『グッド・ドクター』の医療監修を務めるのが、ハタイクリニック院長で精神科医、自身も発達障害である西脇俊二さん(56才)だ。 第1話に印象的なシーンがあった。入院中の子供に“いつになったら退院できるの?”と聞かれた湊は「退院はできません」と直球で答え、質問した子供、そして、側にいた先輩医師を戸惑わせた。「相手の気持ちを推し量ってマイルドな表現をする、ということができません。人に対し“太りましたね”“化粧が濃いですね”と直球で言ってしまうのもそうです。事実や正論であっても、言わなくてもいいことを言ってしまい、相手の気持ちを害してしまう。空気が読めない、物言いが失礼だと言われることが多い人は、発達障害、またはそのグレーゾーンかもしれません」(西脇さん・以下「」内同) また、家事も得意ではない。「特に片付けや掃除が苦手で、決して怠けているわけではないのに、部屋が散らかりがちです。料理もあまり得意ではありません。頑張って作っても、量が多すぎたり、そばにミックスベジタブルを合わせるような、バランスの悪いオリジナルメニューを作ったりします」 ドラマでは、湊はいつもおにぎりを食べているが、これにも裏付けがあるという。「味覚や嗅覚、聴覚などの五感が過敏なので偏食の人が多いんです。私も大学生になるまで寿司を食べたことはありませんでした。子供の頃に寿司が出ると、その横で焼き肉を1人で食べていました。ケーキも気持ち悪く、自分の誕生日にも食べませんでした」 KY、家事が苦手、偏食──ほかにも、発達障害の中でも特にアスペルガー症候群には、同時に複数のことができない、小さな物音に敏感、何かに没頭すると時間を忘れるなどがあるという。 以下のセルフチェックの結果、「発達障害かも」と思った人も、悲観する必要はない。自覚すれば、改善の余地はいくらでもあるからだ。 西脇さんは、「3つのことに取り組むように」とアドバイスをする。まずは、人に期待しすぎないこと。「人間関係のストレスは、相手、それから自分に期待し、裏切られることで生まれます。ようするに、完璧主義がストレスを生むので自分、他人への期待を手放すことです」 それから、自分よりも他人を満たすこと。「人間というのは自分を認めてもらいたい生き物なので、相手の承認欲求を満たすことが大事。“私はあなたを大事に思っています”、“あなたは私にとって必要な人です”と行動や言葉で相手の自己重要感を満たすことを意識します。人は自分の自己重要感を満たしてくれる人を必要とするので、まずは自分より他人を満たすようにしましょう」 最後は、「認知の変容」だという。「これは、ものごとの受け取り方をコントロールすることです。たとえば、十円玉を落としてなくしてしまったとします。“損をした”と受け止めるとストレスになりますが、“いいお賽銭になった”と受け止めればストレスにはなりません。受け取り方を自分でコントロールして、プラスに受け止める練習を積むことで、ストレスはだいぶ軽くなり、人間関係もうまくいきます」 自分の行動を確認すれば、生きづらさはなくなるはず。【発達障害新チェックリスト】□周囲からKY、天然と言われても理由がわからない□他人は気にしないような小さな物音に敏感□丁寧に話していても「失礼だ」と怒られる□周囲が気にならないほど、何かに没頭することがよくある□同時に2つ以上のことを頼まれると、対応が難しく悩む□テレビや映画などの登場人物の意図を理解できないことがある□自分が話しているときには、他人に口を挟ませないことがある□日付や時刻表など、あまり意味のない数字にこだわる□会話の進め方がわからなくなってしまうことがある□よく偏食家だといわれる□フィクションよりノンフィクション作品が好き□仕事や旅行に行くとき、いつも極端に荷物が多い□「同じ話を何度も繰り返す」とよく言われる□独り言が多い□新しい環境にいるとき、極度に不安を感じる□些細なこと(貸していた本のページが折れているなど)でよくもめる□人に触られるのがとても苦手である□物を規則的に並べないと気がすまない□においに敏感で、イヤなにおいがしたらその場にいられない3個以上…発達障害(アスペルガー症候群)の疑いがある5個以上…発達障害(アスペルガー症候群)の可能性がある10個以上…発達障害(アスペルガー症候群)の特性が見られる*西脇さんの著書『アスペルガー症候群との上手なつきあい方入門』(宝島社刊)を参照し、女性セブンが作成。※女性セブン2018年9月20日号[@niftyニュース]【新品】【本】アスペルガー症候群との上手なつきあい方入門 僕がこの病気を乗りこえてきてわかったこと コミックエッセイ 西脇俊二/著 アベナオミ/イラスト自ら克服された方の書物は分かりやすいのでしょうね。☄
2018.09.12
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自閉症の男の子とゴールデンレトリバー~『ありがとう、ヘンリー』ある親子の葛藤僕たちは冷たいものを食べすぎてお腹の調子を崩しても、きちんとコントロールすればまた元気になる。でも、今の医学では治療法が確立されていない障がいがあります。今日ご紹介するのは『ありがとう、ヘンリー −自閉症の息子とともに育った犬の物語—』(ヌアラ・ガードナー著 入江真佐子訳 早川書房 2008年)です。副題からもわかる通り、著者であるヌアラの息子、デールは自閉症です。自閉症も、治療法が確立されていない障がいの一つです。スコットランドに暮らす看護師のヌアラは、ジェイミーとの間に元気な男の子を授かります。体重2640gで生まれてきたデール。二人の愛情に包まれて、デールはすくすくと成長します。小さい頃は育てやすい子でした。よく寝るし、一人遊びも上手だったからです。ですが、徐々に成長するにつれて、ヌアラはデールが人の目を見ない、呼びかけても反応しない、同じ行動を繰り返す、などの特徴を見つけ、何かおかしいのではないか、と思い始めます。デールは徐々にこだわりが強くなり、ヌアラは戦々恐々の毎日を送ることになりました。とくに何か気に障ることがあるとかんしゃくを起こします。すると母親が押さえつけなければ、自分のあたまを壁や床にぶつけたりと、危険な行動に出てしまう。言葉を発しないので、コミュニケーションが難しく、どうやって彼と向き合っていけばいいのか、ヌアラ夫妻は悩み続けました。自閉症と向き合うある日ヌアラは、以前働いていた職場でのパーティーに招待され、2歳半のデールと一緒に出掛けます。しかし、その場の雰囲気に圧倒されたデールは泣きわめき、とてもパーティーどころではなくなってしまいます。そこで働いているジーンという女性がヌアラに言いました。こういう行動を前に見たことがあると。そしてその子は「自閉症」だったと。ヌアラは「自閉症」という言葉をそれまで知らなかったそうです。図書館で自閉症の本を読んだときに、彼女は衝撃を受けました。地元の図書館に駆け込み、自閉症について読み始めたが、すべての本にデールのことばかり書いてあるのでぞっとした。まるで自分の息子のことを書いているのではないかと思ったのです。そして彼女は、デールが自閉症なのではないかと考え始めます。もしそうだとしたら、適切なケアを早く始めたほうがいいはずだと。ですが、そこからが大変でした。ケアをするためには、デールが自閉症であるという確定診断を医師からもらわなければ、相当の施設に申し込むこともできないのですが、この診断がなかなか出ないのです。ヌアラとジェイミーはいろいろな医者に頼みますが、皆がグレーの診断しか出しません。苦労に苦労を重ねてやっと診断が出たころには、本当に疲れ果ててしまっていました。その後、少しずつデールのために彼に合ったプログラムでケアをはじめるのですが、ある時ヌアラは思い立って、犬を飼うことにします。これは大きなかけでした。犬を飼うことは散歩や食事、そして体のケアといろいろな手間もかかります。ただでさえデールを育てることが大変な苦労であった彼女たちが犬を飼う。それは世話をする対象が増えることに他なりません。でもヌアラは決断します。そしてブリーダーの元へ行き、一匹のゴールデンレトリバーを家族に迎えるのです。それがヘンリーでした。かけがえのないパートナーヘンリーを迎えてすぐ、ヌアラ夫妻はこの決断がとてもよかったことを確信する出来事がおこります。その部分はすごく感動的。ぜひぜひ本書で確かめてね。そしてデールはヘンリーを文字通り心の友として、一緒に育っていくのです。自閉症の症状がすべて改善されるわけではありませんが、ヘンリーの助けを借りて、デールはどんどん社会性を身に付けていきました。小学校、中等学校と、進学に際しても壁は多く、読んでいて苦しくなることがたくさんあった。でも。ヌアラは強い。訳者あとがきにもありましたが「母は強し」とは、彼女のための言葉だなと思いました。そしてヘンリーは、デールを助けると共に、このヌアラのことも、特に精神面で力強く支えてくれる存在でした。デールと一緒にヘンリーは成長しますが、大型犬なので10歳を過ぎたころから関節炎に苦しみます。デールはそのころ、もう10代の立派な青年でしたが、自分の大切なパートナーであるヘンリーが苦しむ様子を見て、共感し、ヌアラと共に献身的にサポートをします。自閉症の症状のある人がこうした行動をとれるようになるには、とてもたくさんの壁を乗り越えなくてはならないのですが、デールはヘンリーのおかげできちんとそうした社会性を身に付けていたのです。この本は、犬がどれだけ人にとって大切な存在かを思い知らされるとともに、一人の障がいをもった子どもが、数多くの人や犬のサポートを得て、ゆっくりでも確実に成長していく様子を丹念に追った作品でもあります。そしてヌアラという女性の、結婚から今までの詳細な記録ともなっているのです。それは、デールの物語が中心になっている一方で、息子に妹か弟をと考えた夫妻が直面する不妊治療。そして壮絶な体験を経てやっと授かったデールの妹の月齢が進んだときに出た思わぬ症状。事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、ノンフィクションとは思えないほどの重量感ある内容です。それぞれの場面でヌアラが書いた言葉は正直で飾り気のない、率直なものです。時にそれは心の叫びであり、つぶやきであり、感謝の言葉でもある。そこに僕は吸い寄せられ、400頁以上あるこの本を一気に読んでしまいました。自閉症の人がどんな思いでいるのかも、巻末についているデール自身の文章からわかるので貴重です。ぜひぜひ読んでみてください。[Biglobe News]『中古』ありがとう、ヘンリー—自閉症の息子とともに育った犬の物語新書ではないようですが、感動の一冊となりそうですね。☄
2018.09.11
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松永さんの新刊『発達障害に生まれて――自閉症児と母の17年』、5人にプレゼント初めてわが子の障害を告げられた時、親は混乱する。取り乱すこともあるだろう。ヨミドクターで大きな反響を呼んでいる連載コラム「いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち」を執筆している小児外科医の松永正訓(ただし)さんが、新著『発達障害に生まれて――自閉症児と母の17年』(中央公論新社、税別1600円)を、9月10日に刊行した。「いのちは輝く」の連載についての意見や問い合わせを受ける中で、母親・立石美津子さんと勇太くん(仮名)に出会い、取材が始まったという。電車内で大暴れして乗客になじられたこと、予防接種を受けたクリニックでパニックとなりガラス窓に頭突きしたこと……。次々と訪れる困難を前に、もがき、涙し、一方では幸せな時間も与えられながら、母子が障害というものを心に受け入れていく心の軌跡が、包み隠さず描かれている。ヨミドクターでは、本書を5人にプレゼントする。締め切りは、10月1日正午。応募はこちらから。<関連記事> ヨミドクター 松永さんの好評連載コラム『いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち』 ヨミドクター 本ヨミドク堂『発達障害に生まれて――自閉症児と母の17年』 松永正訓著[yomiDr.]発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年/松永正訓【3000円以上送料無料】新刊をプレゼントとは素敵な企画ですね。☄
2018.09.10
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9/22から愛知で知的障害者五輪・全国大会 高知から3競技12人「金メダル目指し頑張る」 知的障害のある人がスポーツを通じて社会参加を目指す「スペシャルオリンピックス(SO)」の全国大会が22日から3日間、愛知県で開かれる。高知県からは陸上、競泳、ボウリングの3競技に15~27歳の12人が参加予定。「最後まであきらめずに頑張る」と追い込みの練習に力が入っている。...この記事の続きをご覧になるには登録もしくはログインが必要です。いますぐ[高知新聞]すばらしいですね。是非、日頃の成果を精一杯振り絞って欲しいですね。☄
2018.09.09
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知的障害者の子育て支援 8日、東京で知的障害がある親の子育て支援を考えるシンポジウムが8日、東京都板橋区の東京家政大学板橋キャンパスで開かれる。 厚生労働省の調査(2016年)によると、65歳未満の知的障害者が夫婦で暮らす割合は4.3%で、身体障害者52.1%、精神障害者27.1%と比べて大幅に低い。国内では、障害者の結婚・子育て支援に取り組む福祉団体は数少ないのが現状だ。どんな親… この記事は有料記事です。[毎日新聞]とても有意義なシンポジウムですね。心強いばかりです。☄
2018.09.08
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自閉症の人、求む! マンハッタン区の人材派遣会社 【4日付ウォール・ストリート・ジャーナル】対人関係には難があるが、驚異的な集中力を発揮し、仕事を正確に速くこなす能力に長けるといわれる自閉症。マンハッタン区のベンチャー企業、ダイバージェントは、自閉症がある人だけを対象にした人材派遣を行っている。 同社の共同創業者で最高経営責任者(CEO)のバイラン・ダイさん(28)によると、自閉症の人は就職試験の面接で苦労するだけでなく、仕事上でもコミュニケーションでつまずいて長続きしないことが多い。その約半数から75%は長期間、失業経験があるとの統計もある。 また、自閉症の人は言われたまま理解する傾向が強く、あいまいな指示を受けると前に進めないこともある。そこでダイさんは契約社員を管理するプラットフォームをオンライン上に設立。大きなプロジェクトを単純な作業に分解して社員が1歩ずつ業務を積み重ねられるシステムを作った。 在宅勤務の自閉症契約社員は全米に200人ほど。これらの社員の報酬はプロジェクトごとに支払われるが、時給に換算すると12ドルから20ドル程度。将来的に福利厚生も導入する方針だという。 ダイさんの男のきょうだい、ブランドンさんは自閉症。4年前、母親が息を引き取る際に、ブランドンさんの面倒を見るよう言われたという。ダイさんは「彼には有意義な人生を送ってほしい」と話した。[DAILYSUN]母の思いを形にして、すてきな兄弟愛ですね・・。☄
2018.09.07
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グッド・ドクター監修医、山崎賢人の発達障害理解に感極まる「クランクインした3か月ほど前には、リハーサル現場で山崎さんの主語が欠けた会話やぎこちない体の動きを確認し、やり直しをお願いすることもありました。その後も脚本や映像のチェックを続けてきて、いよいよ最終回です。山崎さんが『発達障害』という病気の理解を深めているので、もう修正はほとんどありません。私自身、映像チェックで感極まってしまうことも増えました」 そう語るのは、今クール注目のドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の医療監修を務める、ハタイクリニック院長で精神科医の西脇俊二さん(56才)だ。 山崎賢人(23才)演じる小児外科の研修医・新堂湊は、発達障害の一種である「自閉症スペクトラム障害」で他人との意思疎通に困難を抱えながらも、子供たちや親に向き合う。その真っすぐで曇りのない眼差しが視聴者の涙を誘い、第9話(9月6日)と最終話(13日)は15分拡大。2週連続の15分拡大は、フジテレビ『木曜劇場』の34年の歴史で初めてのことだ。「自閉症スペクトラム障害の人は体の動かし方が特徴的。また、『感情』と『表情』が一致しないことが多い。喜怒哀楽の表現をうまくできないので、気持ちが伝わりづらく、山崎さんにはあまり表情を変えないよう指導しました」(西脇さん。以下「」内同) そう話す西脇さん自身も、自閉症スペクトラム障害の症状の1つにあたる「アスペルガー症候群」を抱える。知的な発達は正常ながら、こだわりが強く、場の空気が読めないのでコミュニケーションで問題を抱える場合が多いことが特徴だ。湊もそうした特徴を持っている。「病気に気づく30代半ばまで、人間関係に苦手意識を持っていました。たとえば、私は好きなクラシックカーの話ならいくらでもできますが、人との会話はそればかりということはないのでつまらなく感じ、その場で浮いてしまうのです。当時は理由がわからず、人間関係がうまくいかないのは“他人のせいだ”と思っていました」 西脇さんのように、生きづらさを抱える人が周囲と協調しながら生きていくにはどうしたらいいのか。「第1話に、湊が“ぼくは人と違います”と言うシーンがあります。そのように、発達障害を“自覚すること”が大事なんです。私も、自分がアスペルガーで自分の好きな話ばかりしたがるのだと知ると、それを変えよう、人の話を聞こうと心がけるようにしました。それから、気持ちが楽になりました。人間関係が苦手な人は、程度の差はあるものの、発達障害の可能性がある。まずはそれを認め、正しく対策を立てることが重要です」※女性セブン2018年9月20日号[@niftyニュース]監修医、自ら悩みを抱えていたんですね。いよいよ最終回、再放送もお願いしたいです。344万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメントありがとうございます。☄
2018.09.06
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映画館も楽しく 照明や音量配慮 東京で試写会発達障害などで感覚が敏感な人も鑑賞しやすいよう、明るさや音量に配慮した映画の試写会が2日、東京都内であった。欧米などで広がる「センサリーフレンドリー」と呼ばれるこうした取り組みが国内で導入されるのは珍しく、参加した当事者や家族ら40人から「安心して楽しめた」という声が上がった。 発達障害がある人は感覚過敏によって光や音、臭いといった強い刺激でパニックになりやすい。試写会では、音量を通常より10デシベルほど下げ、叫び声やオートバイのエンジンなどの大きな音はさらに抑えた。また、スクリーンがまぶしく感じられないように場内で明るさを変え、座る場所を選べるようにした。 上映したのは自閉スペクトラム症の女性が主人公の米国のロードムービー「500ページの夢の束」。鑑賞した川崎市の大学3年、土生(はぶ)雄介さん(20)も自閉スペクトラム症で、普段は地下鉄駅の白い照明や電子音がつらいという。「大迫力の映画は好きだけれど、大きな音は耳に針が刺さるようで耳栓を使っている。今日は音も光も気にならなかった。自由に出入りできるという案内もよかった」と感想を語った。 監修した国立精神・神経医療研究センターの高橋秀俊医師によると、欧米ではスーパーが照明やBGMを抑える時間を設けたり、混雑を避けて美術鑑賞ができたりする発達障害者支援も進んでいるという。企画に関わった日本発達障害ネットワークの市川宏伸理事長は「どういう環境がいいのかは個々に違うが、理解を広げる第一歩になる」と話した。 映画は7日から全国公開され、センサリーフレンドリー上映の予定もある。問い合わせはキノフィルムズ(03・6459・2671)。【毎日新聞】市川先生も関わったこの企画、広く利用されるといいですね。
2018.09.05
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知的障害者施設で入居男性死亡 埼玉県警が経緯を捜査29日午前6時35分ごろ、埼玉県東松山市岩殿、社会福祉法人愛弘会が運営する知的障害者施設「愛弘園」の2階ホールで、入居者の男性(41)が倒れているのを巡回中の施設職員が見つけ、110番した。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。県警によると目立った外傷はなく、司法解剖して死因の特定を進めるとともに、詳しい経緯を調べている。 男性は2階の部屋に2人で入居。部屋から約15メートル離れた床にうつぶせで倒れていた。扉は付いていない。男性にはてんかんなどの持病があった。 外部から侵入した形跡はないとみられる。施設は2階建てで、約50人が入居している。[産経ニュース]早朝のできごと。死因だけでも分かるといいですね。☆ミ
2018.09.04
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水彩画と五行歌に思い乗せ 知的障害ある息子と母コラボ重度の知的障害がある息子と、成長を見守り寄り添ってきた母が二人三脚で描いた水彩画。その絵に、母の五行歌を添えて一冊の本になった。「カタツムリからのメッセージ」。ゆっくり、のんびり進むカタツムリに、母子の姿を重ねている。その原画展が福岡県飯塚市で開かれている。飯塚市下三緒の甲斐みどりさん(54)と次男義人さん(23)。水彩画はみどりさんが構図を描き、義人さんが彩色した。色や塗り方はみどりさんが細かく指示を出したが、みどりさんのイメージをはみ出て、それがかえって絵に温かみを与えている。 みどりさんは2013年4月、義人さんの「もうひとつの居場所」として、自宅近くにコミュニティーカフェ「グリーンテラス」を開いた。営業は金曜と土曜のランチタイムだけ。もともと絵を描くのが好きだった義人さんは週に1作のペースで水彩画を仕上げ、作品をカフェに展示。ポストカードとして1枚100円で販売している。本はカフェの客の勧めで実現した。文庫版72ページ(銀の鈴社、税込み1080円)。春夏秋冬それぞれ7枚ずつの絵に、みどりさんが育児がつらくてたまらなかった時に始めたという五行歌と、思いの詰まった書き下ろしの随筆を添え、原画展初日の今月27日に発刊された。のんびり ゆっくり 花ひらく 今年の桜 あなたに似ています 桜は「『くじけずに生きているかい?』と、毎春忘れずに問いかけに来てくれる花」だという。一つのことを習得するのに長い時間がかかり、成長をひたすら待ち続ける。何かができた時の喜びを開花の喜びに例えた。満開の桜の絵からは、力強い生の息吹が伝わってくる。 「あそこ!」と 大きな声で 知らせる あなたの指先に 虹が架かる 義人さんが、発語はまだほとんどなかった9歳のころ。雨上がりの夕刻、車から降りる時に突然空を指さして「あそこ!」と叫んだ。振り向くと、指先の向こうに大きな虹が。 幼いころの子育ては苦労の連続だったが、時折そんなうれしいサプライズが起きた。自然の美しさは誰にでも平等であることに、義人さんを通じて気付いたという。水彩画には、みんなが探し求めている「幸せ」がそこにあるかのように、四つ葉や三つ葉のクローバーの向こうに、鮮やかな虹が浮かんでいる。 みどりさんは「障害の有無などいろんな違いを認め合う、優しい共生社会が実現してほしい。そんな願いを込めました」と話す。 原画展は9月2日まで、飯塚市堀池のさかえ屋本店風の音ギャラリーで開かれている。会場では本とポストカードも販売している。問い合わせはみどりさん(080・5202・3826)へ。[朝日デジタル]親子二人三脚の作品、生涯の宝ですね。
2018.09.03
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自閉症の子を持つ大学教授が相模原事件・植松被告に尋ねた一つのこと「あなたの父親が心失者になったら…」 植松被告の偏見が社会にでる危険性「相模原殺傷被告『植松被告』書籍化に抗議」(「静岡新聞」、2018年6月8日夕刊、3面)私たちは2018年5月17日、立川拘置所で植松被告と接見し、被告手記が書籍化されることを知った(「静岡新聞」2018年6月5日朝刊、1面)。植松聖被告は元同施設職員で、2016年7月26日、神奈川県津久井やまゆり園入所者19人殺傷し、26人に重軽傷を負わせた戦後最悪の大殺人事件を犯した人である。その事件に怯える関係者が今も相当数いる。その現状を考えれば、植松被告の手記の書籍化は容認できるものではない。そこで、本学の学生やゼミ卒業生が中心となり、静岡市駅前、北口、南口で署名活動を行った。2016年事件当時の新聞記事を配布し、出版差し止めの署名を訴えた。書籍を読むことにより、植松被告の偏見が社会にでることは危険である。そして、優生思想に共感する人が増加する恐れがある。 事件に怯える障害者たち「植松被告の手記に『波紋』 接見の教授『障害者傷つく』」(「東京新聞」、2018年6月27日、夕刊6面)被告手記出版差し止めのもう一つの理由は、事件に怯える我が子へ安心できる生活が送れるように生活環境を整えてあげたいからだ。私は障害を抱える子の親として、相模原事件は親類が殺害されたような気持ちで取り組んでいる。彼は22歳の男性で広汎性発達障害を持ち、事件以降怯えている。彼は「障害者は、生きていることが不幸だ」「障害者は生まれてこなければよかった」「僕がいることが幸せか」等々、これまで口にしたことのない言葉を言うようになった。彼の気持ちは不安定になり深夜に何度もうなされ、意味不明な叫び声や、夕暮時にはシャッターを下ろしたり玄関の鍵を二重にロックしたり、事件前には見られなかった心の動揺が起きた(「被告今も主張改めず」毎日新聞、2018年7月24日(火)、27面)。さらに植松被告が「神奈川から静岡へ向ってくる」と何度も怯えていた。植松被告は警察が逮捕したので安心するように何度も言った。「息子がパニックになるので、我が家で『植松』は禁句」(「相模原事件被告手記・編集長の考え本に」朝日新聞、2018年7月23日(月)、34面)、(「事件の影響、ハーフタイム」中日新聞、2018年6月27日(水)、28面)我が子に限らず、遺族の方々、施設職員、障害を持つ方々にとっても逮捕された者の身柄が拘束されているが、彼の偏見が社会に出ることにより、社会全体が危険にさらされていることになる。被告手記の出版中止を求めた理由私は、障害児を持つ親として、社会福祉専門職員を養成する教育者として、また、社会福祉の研究者として、植松被告の偏見が広まる恐れがあり危険だと感じたため署名活動を行った(「静岡新聞」、2018年6月5日、1面)。署名活動は2018年6月8日より6月15日まで静岡駅前で実施した。出版阻止の理由は以下の3点にある。①植松被告の手記出版が障害者のさらなる不安増大につながる。前述したように「植松」の言葉で心身が害される方が相当数いるし、事件から2年しか経過しておらず、7月お盆の時期の刊行は、命を失った方にとっても二重の痛みである。②植松被告の手記出版が新たな事件に発展する危険性がある。事件後も、施設を攻撃する電話が神奈川県や静岡県、他県でもあり、第二の相模原事件が起きるのではないか、夜勤の職員らは不安に陥っている。③子どもや障害者らを取り巻く環境が悪化する。児童、障害者、高齢者などに適切な環境を与え、安心できる生活を保障してあげることが社会の責務であると多くの関係法律で述べられている。例えば児童福祉法第2条では、「児童育成の責任」について、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」と記されてある。つまり、社会全体で適切な環境を整えてあげる責任がある。 殺人者の手記は、健全育成の視点から有害図書で、殺人者の偏見を子どもたちにとって危険であり、子どもにみせられない。植松被告の「麻薬の解放」などの危険な思い込みはその一例である。一部意見では、「読者が判断すればいい」「オープンにした議論を」がある。しかし、特定の雑誌や専門書と異なり、書籍の刊行は不特定多数の方々の眼に触れる機会があることを忘れないで欲しい。保育士・幼稚園教諭養成の立場から、幼児の眼に触れさせたくない書物は数多い。大人がそれを峻別しなければ、気が付いた時は子どもが犯罪に巻き込まれ、命が奪われることになる。いつもそのような事件を見るたびに、子どもにとっての成長環境が汚染されていることに心が痛む。被告手記中止の署名提出 2018年6月21日、私と「静岡市静岡手をつなぐ育成会」の中村章次会長や私のゼミ卒業生は、2,071人分の被告手記中止に関する署名を創出版に提出した。その際、街頭での意見やメールで寄せられた意見も同時に提出した。 私と中村育成会会長は、刊行予定の手記の目次を見ながら、第一部の植松被告(殺人者)の部分は全面削除するよう強く申し入れた。編集上それが難しいのであれば、最後にその原稿を再考して欲しいと強く要望した。 篠田編集長は検討すると回答した。その際、変更される部分を書面で私たちに提出するよう求めたところ快諾をえた。しかし、7月20日の刊行まで全く連絡はなく、7月下旬、出版差し止めを強く求めた書籍が届いた。私たちは大きな怒りと恐怖を感じた(「静岡新聞」、2018年6月22日(金)、30面)。事件が社会に与えた影響 津久井やまゆり園の事件以降、福祉関係の施設では防犯体制が強化されてきている。 保育所等では門から入口まで監視カメラの設置、静岡市内の児童自立支援施設でもカメラの設置を増やし管理体制を強化している。 私は静岡県内の学生の施設実習巡回指導の場面から言えば、社会福祉施設などでは防犯上の整備が目立つ。 具体的には、どんな対応がされてきたのか。どのような手段・方法を講じているのか。 障害者総合施設を運営している法人から資料提供をして頂いた。事件後、「施設攻撃する。襲う」という電話が入っている。 特にどの施設も夜勤体制における夜間警備員の常設(23:30~5:00に警備員を配置する)である。 また、施設事務所に「オートコールシステムの導入」し、利用者居室の出入りが全て配信されカメラで見られるようになっている。「ネットランチャーの設置」は巡視員が侵入者を拘束する備品を設置している。職員全員が「催涙スプレー」を携帯し施設の安全を守っている。また、土・日祝日の門警備員の配置や休日の門の出入りについて警備員を契約し配置している。 日本では1981年の国際障害者年を契機に、「完全参加と平等」が叫ばれ、施設の社会化がさらに推進されてきている。つまり、施設が地域の中の社会資源として、地域住民の方々が自由に地域の施設に出入りしたり利用したりする開放性があった。 施設の運動会に町内会の方々やボランティアの方々がお手伝いするなど多くの交流を持つことにより、自助、公助、共助、互助の精神が相互に培われていくのである。 障害の有無にかかわらず、誰もが地域のなかで安心して生活できるように、それぞれの立場で健全な環境を整えてあげることが急務である。いま一番必要なこと 津久井やまゆり園殺傷事件以降、2年が過ぎた。 新聞などで見る限りその9割以上が植松被告の内容である。殺した人の偏見ばかりで不公平を感じている(「岩手日報」、2018年7月25日(水)、24面)。 仮に2年前、たとえは良くないが、私の学生が自分を含め19人以上殺害されたとしよう。 その殺人者の手記が出るとしたら遺族の方々はどう受け止めるだろうか。学生に尋ねてみた。「考えられない」「気持ちわるい」「許せない」の答えが返ってきた。 では今回なぜ、植松被告の手記刊行が可能なのか。それは「重度の障害者」であることが理解できる。これは、健常者と障害を持つ者について、命の大切さを等しく見ていないことの現れである。 また、社会は弱者の立場に立ち考えてみよう。身内の方々、父や子どもが突然理由もなく殺害されたら、手記刊行は歓迎するだろうか。 つまり、「いのち」を平等にしていない社会は常に差別を再生産してくる。これは歴史上明らかであり、結果的には人間の不幸を生む。自分は事件の当事者でなかったから安堵感がある。本来、自身でも他者でも被害に合うことは望ましくない(「読売新聞」、2018年7月27日(金)、29面)。 国会等の議員の発言を聞いても、健常者に視点を置いた発言が目立つ。 植松被告に「あなたの父親が心失者になったら、父を殺し自然にもどすか」と尋ねた。立川拘置所で返事なく下を向いたままだった。 今、必要なことは地域における障害を持つ方々、生活に困っている方々を地域レベルで把握し関わり支援していくことである。それが障害に対する偏見や差別解消の第一歩である。 私が担当する講義や学生生活のなかで、可能な限り重度の障害者(知的、精神的、身体的)の方々と関わる機会を設けている。 生活困窮者の自宅訪問、刑務所訪問、少年鑑別所や少年院慰問、デイサービスセンターなど関わり生活実態に触れることが大切である。 関わらずして気持ちを理解することは不可能である。社会福祉は、当事者の生活に入らなければ真実が見えてこない。佐々木 隆志[現代ビジネス]何年過ぎても、決して風化させてはいけない事件ですね。☄
2018.09.02
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「障害者採用うっとうしいのか」国の担当者に怒りの抗議 中央省庁の多くで障害者雇用の水増しが明らかになった28日、障害者や雇用を進める民間企業からは非難が相次いだ。先導すべき国の機関でなぜ、問題が起きたのか。徹底調査とともに、誰もが働きやすい共生社会に向けた議論を求める声が上がる。 「こんなに水増しされていたのかという思い。障害者雇用が正しく進められてきたのか疑問だ」 28日午後、野党各党が国会内で開いた合同ヒアリングで、日本盲人会連合の工藤正一・総合相談室長は、目の前に並んだ国の担当者らに強く訴えた。その後も、障害者団体の幹部らからは「残念でならない」「障害を持った人を採用するのはうっとうしいという感じが見えてならない」と怒りの声が相次いだ。 国家公務員になる目標がかなわなかった障害者も憤りを隠さない。関西に住む20代男性は「違法な状態で競争させられていたということになる 数年前、国家公務員の総合職試験に最終合格した。官庁訪問に進み、厚生労働省や文部科学省などの面接を受けたが、すべて不合格に。障害者への差別ではないかと疑ったが、当時は適性が合わなかったと自分を納得させ、自治体の職員になった。 男性は生まれつき両手足に障害があり、普段は電動車いすで移動し、着替えや入浴には介助が必要。身体障害者手帳1級の認定を受けている。 普段の生活では、自分しか気付かない生きづらさを抱えているからこそ、国の政策立案に関わる意味があると考えている。男性は「障害者目線で政策を考えることで、真の共生社会の実現につながる。水増し期間中に不採用となった受験者には再受験の機会を与えるべきだ」と話した。 内閣府の障害者制度改革担当室長を務めた東俊裕弁護士(65)は「厚労省の担当部局は熱心だが、他省庁は障害者施策を軽視してきた。障害者を雇いたくないのが本音だろう」と語る。 コミュニケーションや仕事の指示などで配慮が必要なため、特に知的障害や精神障害のある人の雇用は進まないという。「そうした人たちが働ける環境をモデル的に作るのが国の役割。制度をきちんと守る仕組みを入れるべきだ」と話す。[朝日デジタル]実際に差別の気持ちは無かったにしろ、疑われても仕方のない無様さですね。
2018.09.01
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