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きょう(正確には昨日)、母の荷物の処分が終わった。一年間、兄の家の近くのホームにいたのだが、そこにあった母の家具や荷物は、すべて処分業者に引き取ってもらった。母は、この火曜日に亡くなった。入院してから、生きて病院を出ることはできないだろうと予想はしていたが。そのときは突然だった。先週木曜日、私が母を見舞ったときは、普通に話をしていた。「普通」というのは、語弊があるかもしれない。入院時の緊急性が解け、チューブ(カテーテル)だらけの状況をようやく受け入れて落ち着いていた、といった感じの中で、以前のような、静かな会話ができていた。母「お母ちゃん、ここ出られるの?」私「うん。入院したときより随分元気になったやろ。 腎臓の状態がよくなったら、出られるよ」母「出たら、どこ行くの?」私「うちでも、姉ちゃんとこでも、ホームでも。 行けるとこはいっぱいあるよ」母「そう」私「行きたいとこ、ある?」母「買い物連れてって」私「いいよ。この近くにも、イオンとか、いっぱいあるし」母「買い物したい」私「そうやな。早よ元気になり」母「うん」そんな会話をしたほどだった。私を「泥棒」とののしったことも忘れ、以前と同じような昔話や、父の話や、看護師の話をして穏やかな時間を過ごした。母が眠るまで帰らないつもりだったが、19時くらいに「帰り。忙しいねんやろ。早よ帰り」と何度も言うので、「もっと一緒にいるつもりで来たんやよ」と粘ると「それやったら、おり」と、言う。気を使って、帰れと言ってくれたんだろうと思った。が、ほどなくしてまた同じ言葉を繰り返す。何度も言われたので、「そう? じゃ、帰るわ」と、探るように言うと「うん。また来て」と。それが、私が聞いた母の最後の言葉になった。無念。何をどうしても、後悔や懺悔や無念はつきまとう。わかっていたのに、無念。この無念の繰り返しが人生なのだと思う。これから先の人生、何かを無くし続ける人生なのだと。この3年で、父と母を失い、自分の人生も大きく転換させた。これから、新たな人生が始まると思おう。何をするにも、のど元に刺さった刺のような存在だった両親が、安らかに旅立ってくれた。これからが、本当の私の人生なのだと思おう。祖母と両親が逝けば、私の存在価値がなくなると思っていた人生。そんな人生は終わりにして、これからは、自分の思いどおりの人生を歩もう。……といっても、明確な明日は描けていない。母の一周忌が終わるまでに、考えて、試して……。とにかく、明日(今日)は、体を休めよう。あぁ、めまぐるしい人生。
2014.05.24
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母が入院した。54年前に大病で入院して以来(実は、昨年1週間ほど、よくわからない入院はしているが)のこと。しかも、状態がよくない。今日、明日、亡くなってもおかしくないそうだ。原因がわからない。入院5日目になってもまだ。腎臓に直接チューブを入れて尿を出すという大技をやってもらうほど大変な状況。いつも37℃以上の微熱がある。母の脳は熱に弱い。夏の暑さでダウンしたことがある。体ではなく、脳が。そのとき、医者から「脳に熱を持ちやすい体質。眠るときは、我慢せずにエアコンを。少しでも脳に違和感を感じたら、氷枕を使いなさい」と言われた。きょう、母が看護師さんに氷枕を要求した。すると「氷枕はお熱のある方のものです」と言う。私は、すぐに持ってきてくれると思っていたので拒否されたことに慌て、「母の脳は熱に弱いんです。以前、不具合を起こしたときに、お医者さんから脳を冷やすようにと言われてます」と言うと、「じゃ、おうちから持ってきてください」と。「わかりました。きょうは、貸してもらえますよね」「じゃ、きょうは、お貸しします」……。熱がないわけじゃない。チューブにつながれて、ベッドから身動きできない母に対して「他の患者に遠慮しろ」と言うのか。酸素吸入器、尿道チューブ、点滴、心電計、腎臓チューブなど多数のチューブや配線でがんじがらめにされている母を見ると、やるせない。チューブをはずしてしまわないように、絶対はずれない手袋をされ、もう片方の手は包帯でぐるぐる巻き、腰のチューブがはずれないように宇宙服のような頑丈な服を着さされて、ベッドの上で寝返りすらうてない。食事も摂れず、わずかな水分を摂るだけの毎日。たとえ微熱であっても、大変な苦痛を感じているのだろう。その母に、「他の患者に遠慮しろ」と言う看護師。氷枕一つのために。それが病院の常識なのか。多分、回復して病院を出ることはないだろう。それならば、少しでも苦痛を和らげてやろうとは思わないのか。私が母のようになったとき、こんな病院には入りたくない。が、そのときには、自分の力でどうすることもできないだろう。やるせない。母の最期を、こんな病院で迎えなければならないのか。母の残された時間を、こんな病院で費やさなければならないのか。やるせない……。
2014.05.01
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