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2007.07.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
その24【仏教学校に棲む何か】

私が卒業した高校は、創立80年を超える
歴史ある学校である。校歌は、作詞:北原白秋・
作曲:山田耕作という、これまた巨匠の名前が
登場する。

歴史があるということと、財力があったせいだと
思うが、建物の構造が今風ではない。天井が高く、
それに合わせて窓も高い。要は、“無駄”がまかり通って
いたのだ。

何しろ、校舎は寺の境内に建っていたのだから。
教室からは見えないのだが、トイレの窓を開けると、
裏に広がる墓地がすぐそこに見えるのだ。
場所が場所だけに、ゾッとしない。
ゆえに、窓に近い一番奥の個室には入らないように
していた。

在学中、ひょんなことから生徒会に属することに
なった。中学、高校併せて3000人という大規模な
学校だったので、学園祭(文化祭・体育祭)というと、
準備に大変な時間がかかる。で、生徒会の面々は、
数日間学校に泊まり込んでの作業を強いられる。


レンタルの布団を敷き、体育館を出るとき、同学年の
役員に目配せして電灯のスイッチをOFFし、ドアを
バン! と閉めて猛ダッシュした。

「イヤー! センパーイ!」
という声を背中で聞きながら、走って生徒会室に


「ひっどーい! 先輩!!」
「電気消しても暗くなれへんかったやろ」
「もうっ! 恐かったー」
「電気消したくらいで、大袈裟な」
「電気はいいんです。外の明かりが入ってきて
暗くなかったから。でも……」
「それやったら、何が恐かったんよ」
「ドアを閉めたでしょう」
「閉めたって、カギを閉めたわけじゃなし、押したら
開いたでしょうに」
「押さえてたもん!!」
「え?」
「ドアを押さえてたでしょう?」
「押さえてないよ。ドアを閉めてすぐ、ここに走って
戻ったもん」
「うそっ!!!」
同学年の役員と顔を見合わせた。後輩の言っている
ことが理解できなかった。ドアを押さえたという事実は
ない。
「押さえてないよ」
「だって、手が見えたもん! ドアを押さえている手が
見えたもん」
「何本?」
「2本! こうやって押さえてました」
後輩は動作をしたが、そんな覚えはさらさらない。
「だから、押さえてないって」

「ギャーーーッ!!」

後輩二人の声が狭い生徒会室に響き渡った。

校舎の裏の墓に起因しているのか、それとも、学校
自体に棲みついている霊がだったのか、はたまた
後輩、あるいは我々が背負っている霊がいたずらを
したのかはわからない。
しかし、何者かがいたのは間違いないようだ。
後輩二人が同時に同じ手(2本)を見ているのだから。


                     南無






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Last updated  2007.07.03 21:33:37
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