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ピアノを演奏している最中、ふと雑念が忍び寄る。気付くと、鍵盤の上を舞う指先は、いつの間にか、あのメロディーを奏でてしまっている。ハリー・ポッター。お笑いのネタで披露するには、もったいないほどの上質なピアノ。イングリッシュ・トークやダンスだって、なかなかのもの。さらに、書道の腕前も只者じゃない。そう、彼女は才女。これだけの才能を持ち合わせているのだから、もっと自信たっぷりに振る舞えばいいのに、いつも、どこか自信なさげで、モゴモゴモゴ……ふっきれれば、もっと世間に認められ、大ブレークできるのに……大きなタイトルを獲っても、今一つあか抜けない。ひな壇に座っていても、自ら一歩前に出ようとしない。それが彼女らしさなのか?でも、そんな彼女を応援したくなる私が、今ここにいる。 *** そんなシャイな彼女の関連書籍はコレ。 今年3月に全国公開された映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』のノベライズ。 彼女は、この日本語吹き替え版で、踊り子・バブルの声優を務めています。 まさに適役?
2018.07.31
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学校がブラック企業だということが、近年広く認知されるようになってきた。 しかし、教員の世界しか知らない者にとっては、 それが当たり前すぎて、その異常さになかなか気付けないでいる。 それでも、その影響は教員採用試験受験者数減少という形となって表れ始めた。 本著を手にするのは、恐らく、その多くが教員の方だと思う。 自分たちが当たり前だと思ってきた学校の常識が、 実は、世間のそれとは異なることに気付いてもらうため、本著は書かれた。 教員として働くとは……、今一度考えてみよう。 ***まぁ、本著についてPRしようとする人は、こんな感じでするのかな。部活動については、色々な書物も多数出版され、スポーツ庁からガイドラインが出されるなど、一定の成果を見たので、次は、給特法ということなのだろう。 そもそも最終下校時間が、 正規の退勤時間より当たり前に1~2時間も遅く設定されていること自体、 おかしなことである。(p.84)確かに、公立学校の多くの教員の勤務時間は、8:15頃~17:00頃ではなかろうか。中学校で、部活動終了が平日17:00に設定されているのは冬季くらいのもので、他のシーズンなら、18:00や18:30といったところが標準的で、延長練習もある。まぁ、部活の在り様はガイドラインで大きく変貌しつつあるが。 ④児童生徒の在校時間を勤務時間内に収めてください 始業前に児童生徒が登校し、終業後も児童生徒が学校に残り続けます。 これは、教員の残業を前提とした時間設定となっています。 所定の時間に出勤したら仕事に間に合いませんし、 所定の退勤時間に帰ったら児童生徒を放置することになります。(p.153)これも確かに、勤務開始時刻よりも相当早く児童生徒たちは登校してくる。部活の早朝練習なんかがあると、7時頃に来る者も。そんな生徒たちが欠席するとなると、保護者からの電話は6時台にかかってくる。早朝練習が無くなるだけで、生徒教師、保護者共に負担は相当軽減される。 どんな職業も、勤務医も先生も民間の労働者だって、 みんな社会のなかで何らかのかたちで役に立つ仕事をやっています。 いい仕事をやりたいという思いはみんなもっていて、 教師だけが聖職者として、 特別な意識で仕事をやるべきだと義務づけられるのはおかしい。 私の考えとしては、教師は労働者であるからには、 当たり前の労働条件のもとで働くということが大事だと思います。(p.118)これは、弁護士さんのコメントなのだが、世間の多くの人たちは、これに同意してくれるだろうか?「聖職」という言葉は、もはや死語となったが、「教師」「公務員」という言葉の中に、「児童・生徒・地域住民のためならやって当前」という意味が込められ続ける。 ③時間割に「レディタイム」「休憩時間」を設定してください。 時間割には授業や会議が詰め込まれている一方、 授業準備の時間や担任業務のための時間が設定されていません。 いわゆる「空きコマ」や、勤務時間外にそれらを行っているのが現状です。 また一応設定されている教員の「休憩時間」は、実際にはほとんど休めません。 時間割の中に、授業準備・担任業務・分掌業務を行う「レディタイム」2コマと 労基法が定める「休憩時間1コマ」を確保してください。(p.153)この提案が、一番「なるほどなぁ」と思わされた。まぁ、そうすると空きコマの一つ一つに意味付けしないといけなくなる気もするけれど。でも、実は学校で「休憩時間」を労基法に従って設定することは、相当難しい。学校の「休憩時間」は本当に有名無実で、それなしでやることが大前提で回っている。
2018.07.29
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本著の著者である新井紀子さんは、 国立情報学研究所教授で、同社会共有知研究センター長を務める方。 『AIに心は宿るのか』の著者である松原仁さんとは、 AIの未来に対する思いや考えに、少なからず隔たりがあるように感じました。 もちろん、現状認識については、ほぼ一致しているようですが。 AIはいくらそれが複雑になって、 現状より遥かに優れたディープラーニングによるソフトウェアが搭載されても、 所詮、コンピュータに過ぎません。 コンピュータは計算機ですから、できることは計算だけです。 計算するということは、認識や事実を数式に置き換えるということです。 つまり、「真の意味でのAI」が人間と同等の知能を得るには、 私たちの脳が、意識無意識を問わず認識していることをすべて 計算可能な数式に置き換えることができる、ということを意味します。 しかし、今のところ、数学で数式に置き換えることができるのは、 論理的に言えること、統計的に言えること、確率的に言えることの3つだけです。 そして、私たちの認識を、 すべて論理、統計、確率に還元することはできません。(p.164)数学者らしい、とても明快で、納得できる一文です。著者は、AIは神にはならないし、人類も滅ぼさないし、シンギュラリティも到来しないと、本著冒頭で述べています。それでも、人間の仕事の多くがAIに代替される社会は、すぐそこに迫っているのだとも。では、AIには肩代わりできない仕事、つまり、AIが苦手な仕事とは何なのか?それは、高度な読解力と常識、そして人間らしい柔軟な判断が要求される仕事。ところが、著者らが実施したRST(リーディングスキルテスト)の結果では、日本の中高生の読解力は危機的な状況にあると警告します。確かに、テストで点数が取れない生徒について、その理由を考えてみたとき、その問題で問われている内容が十分に理解できていなかったとか、知識としてしっかり定着していなかったという以前に、問題そのものが読み取れない、何を問われているか分かってないというケースは多々あります。そして、著者がRSTの結果から導き出した次の結果は、鶏が先か、卵が先かについての議論の余地はあるにせよ、確かなことでしょう。 就学補助率が高い学校ほど読解能力値の平均が低いことが分かったのです。 つまり、貧困は読解能力値にマイナスの影響を与えています。(p.227)さらに、次の一文は、新学習指導要領が目指す新しい授業のあり方に、一石を投じるものです。 答えを知っている者にとっては珍答である解答が、 それを知らなかった4人にとって、 一番確からしい解答になっていく過程に驚いたのです。 つまり、「推論」が正しくできない人ばかりが集まって グループ・ディスカッションをすると、 このような事態に陥ってしまう危険性が高いことを思い知ったのです。(p.237) 意味のあるアクティブ・ラーニングを実施できる中学校は、 少なくとも公立には存在しません。 高校でも、ごく限られた進学校だけです。(p.239)生徒たちに主体的に活動させることは、とても意義のあることです。しかし、生徒たちの自主性に任せっきりでは、良い結果にはつながりません。やはり、教師が生徒たちの実態に則して授業を上手くコントロールし、卒業までに、必要な力をしっかりとつけてやることが重要です。 AIと共存する社会で、 多くの人々がAIにはできない仕事に従事できるような能力を身につけるための 教育の喫緊の最重要課題は、中学校を卒業するまでに、 中学校の教科書を読めるようにすることです。 世の中には情報が溢れていますから、読解能力と意欲さえあれば、 いつでもどんなことでも大抵自分で勉強できます。(p.241)
2018.07.29
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JKFBインターリーグ初戦、対吉井商業戦。 希のオウンゴールで先制点を許したものの、 田勢のアドバイスで希は平静を取り戻し、その後ワラビーズたちは躍動。 4対2で強豪校を破るという、大番狂わせを演じて見せた。 以後、深津の指導でディフェンダー陣も次第にレベルアップし、 オフェンス陣の攻撃パターンも確立されていく。 そして、第2戦で佐々木高校、第3戦で和千永高校を撃破し、 決勝トーナメント進出を決めたのだった。そんなワラビーズの練習に現れたのは、深津の後輩・高萩数央。代表でも活躍した左ウインガーで、鉄人と呼ばれた男。その高萩が、深津のこれまでについてワラビーズ達に語る。右脚のけがで現役引退し、指導者となるもチームが崩壊したという過去を。 先輩はもう ー サッカーへの情熱をなくしてしまったのかもしれないそう呟く高萩に、希は言う。 そんなことないよ クマはサッカーが好きだよ だから私達の監督やってるんだよ だから クマは私達の側にいるんだよ ダメダメ監督だけどねそして迎えた決勝トーナメント。対戦相手は、インターハイ関東予選で久乃木を破った栄泉船橋。キャプテン・浦川茜が作り上げた鉄壁守備からのカウンター攻撃チーム。10人守備ブロックに、オフサイド・トラップ。 引いて固めるチームとあたった時 もっともスペースと時間があるのは お前達だ DFが一介のDFでいられる時代はとっくに終わっている 1本のチャレンジが全てを変える それがフットボールだ深津の言葉を胸に、CB宮坂がロングフィード。FW・田勢が敵のディフェンスラインを誘い出し、そこへSB菊池がオーバーラップしてのブロック突破、右サイドからのクロスに田勢が右足で合わせて、ゴ~~~~~ルッ!! ***いよいよ「クラマー」というタイトルが相応しくなってきましたね。さて、私がこの作品を読み始めたきっかけは以前にも書きましたが、2018年7月12日(木)の読売新聞夕刊に掲載されていた「サッカー漫画列伝 GOAL4」がきっかけです。その文章が、とても素晴らしかった。 力強くスピーディーな男子サッカーに比べ、 女子は組織的連携が分かりやすく美しい。 だからマンガもきれいに描こうと意識し、 さまざまな戦術も取り入れています。ということで、既刊はこれで読了。そして今日は、あと30分余りで「2018プレナスなでしこリーグカップ1部 決勝」が始まります。私が応援する背番号2は、只今ケガで戦線離脱中ですが、チームには、何とか頑張って優勝を勝ち取ってほしいです。
2018.07.21
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試合終了間際のアリスの先制シュート。 それでも諦めない希、そしてワラビーズの面々。 それを見た浦和邦成は、遂に本来のシステムを発動。 そして、アリス、ドッピエッタ、試合終了のホイッスル。 試合翌日もボールを蹴る希。 そこへ通りかかった深津に一言。 女の子は楽しんでサッカーやっちゃいけないの?それは、浦和邦成との試合後に、桐島が、曽志崎、周防、希に対し言い放った言葉が原因だった。 あんた達 何やってんの!? 関東大会や全国大会 力のある奴は たくさんの人の目に触れなくちゃいけない もっと目立って盛り上げなくちゃいけない 女子サッカー選手は特にそうだ それなのになんで 万年リーグ戦の学校を選択するのよ そんなに才能があるのに ほれぼれするようなサッカーをするのに 私達には 女子サッカーの未来がかかっているのに あんた達は 何やってんのよ悩める希に、深津は言う お前は そのままでいい後日、池袋で桐島達に出会った曽志崎は言う 私も自分でチームを作ってみたい‥‥ だって 人集めしてる時 チームの戦術やシステムの話をしてる時 チカ先輩 すごい楽しそうなんだもん浦和邦成は埼玉県予選で優勝し、関東予選へと駒を進める。同じく、久乃木も神奈川県予選を勝ち抜き、関東予選へ。その初戦の相手は、千葉予選を勝ち抜いた栄泉船橋。が、昨年の全国王者・久乃木が、まさかの初戦敗退。総体予選で勝ち残っている男子サッカー部員5人を交えて、紅白戦で汗を流すワラビーズ(深津の飛鳥への陰謀の成果)。目指すは、6月から始まるJKFBインターリーグ。昨年と一昨年のインターハイで、2年連続2位の興蓮館もエントリー。さらに、その先には選手権予選。意気上がるワラビーズの面々が、男子に負けじとピッチを駆け回る。その中には、山田鉄二、竹井薫、谷安昭の姿と共に何と越前佐和の姿もあった。そして迎えたJKFBインターリーグ初戦。対戦相手は、群馬の強豪で関東大会常連校・吉井商業。いよいよワラビーズの快進撃が始まる? ***やっぱり、ピッチに立っちゃいましたね佐和。そして、やっと希がピッチの上で勝利を味わえそうな予感。
2018.07.21
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埼玉の絶対王者・浦和邦成との雨中の決戦が始まる。 その守備の要は、戸田北中で曽志崎がコンビを組んでいた先輩・桐島千花。 昨年、全日本高等学校女子サッカー選手権大会関東予選1回戦で久乃木に敗れ、 そのリベンジに、並々ならぬ闘志を燃やしている26番。 センターサークルから一気に駆け上がった ダービッツかよ浦和邦成の可変システムに押されながらも、前半を0-0で乗り切った蕨青南。ハーフタイム、深津から希への指示は「26番 あいつをぶっちぎれ」。練習試合やフットサルを通じて互いを認め合い、再戦を誓い合った井藤と希。そんな井藤や佃のいる久乃木に追いつき、追い越すため希は走る。雨で荒れたピッチなどお構いなし、リフティングしながらのドリブル。ゴールに向かって突き進み、3人かわしてのシュート!惜しくもゴールポストに嫌われたものの、希は一躍注目の的に。そして、周防が、曽志崎が、チームの仲間たちが走る。桐島が希に張りつかざるを得ない状況が生まれ、中盤の形勢が一変。希を止めることに、桐嶋が意識を集中したその時、曽志崎から周防へのロングパス。周防はゴール前で詰まるものの、繋いだ希は桐島をも抜き去り、ゴールを目指す。しかし、アリスに阻止されてしまうと、そのまま浦和邦成のカウンターへと移行。その後、アリスは二人のブロックを突き破って、そのままシュート。試合終了間際、先制点は浦和邦成に。 ***遂に、希が主役らしい輝きを放ち始めました。とってもイイ感じです!それに勝るとも劣らぬほど気になったのは、希が藤第一中にいた頃からの親友で、今もチームマネージャーである越前佐和の次の言葉。 くやしい‥‥ ノンちゃんと みんなと 私も仲間と ピッチに立ちたいまさか、本当に?
2018.07.21
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男子サッカー部との合同練習を実現すべく キャプテン・田勢たち2年生の作戦行動は続く。 が、男子サッカー部監督・飛鳥のガードはとてつもなく固い。 それでも諦めることなく、次々とあの手この手を繰り出す2年生たち。 一方、1年生は、商品券獲得を目指して、久乃木の佃、井藤と共にフットサル。 その佃、井藤が中学生の頃、同じクラブチームで活動していたのが九谷。 決勝戦は、その九谷の所属するチームとの対戦になる。 そして、九谷は希に、そして井藤に対して激しいコンタクトを繰り返す。 女子サッカーは才能ではなく フィジカルを求めている ゴリゴリしたサッカーで何が悪い!! 華麗でもない 泥くさい 自分の出来ることを活かして 何が悪いフットサルは準優勝に終わったものの、商品券3万円を獲得し痛ユニ回避。一方、飛鳥陥落に向けて、遂に動き出したのが深津。結果、ミニゲームの時だけ、男子の練習に参加できることになる。新しいホームグラウンドも決まり、県予選が始まった。曽志崎、周防、白鳥らの活躍で、昨年3位の朝霞商から先制点。しかし、希は試合に向けてのコンディション調整に失敗し、絶不調。挙句の果てに、最後の最後にヘッドでオウンゴール。これが決勝点となって、初戦惜敗。それでも、希がベンチから外れた第2戦は、3対1で三郷女子に勝利。そして迎えた第3戦、対戦相手は小手指西輪。希は、体育のソフトボールで痛めた右足でダイレクトスルーパス。それを、白鳥がゴールへ突き刺し、リーグ戦を2位通過。決勝トーナメント初戦の相手は、あの浦和邦成。総体埼玉県予選8年連続優勝校。去年の埼玉県予選、全試合クリーンシート。カテナチオを誇る、絶対王者。 ***「カテナチオ」とは、自陣に多くの選手を配置してしっかりと守りながら、カウンターで素早く得点しようとするイタリア流の戦法。私が応援しているのは、ポゼションフットボールを志向しているチームなので、個人的にはあまり好きじゃない(けど、痛い目にあわされることが多々ある……)。
2018.07.20
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久乃木は後半に入って3点追加し、10対0とリードを広げる。 しかし、蕨(わらび)も希の奮闘でボールを前に運べるようになってきた。 さらに、気持ちが前向きになれないでいた周防も、希の言葉に心を揺らし、 久乃木のサイドバック・佃の態度に遂に覚醒!! すると、蕨のカウンターが久乃木ゴールへ次々に襲い掛かる。 そして試合終了直前、3人に囲まれた希がルーレットからの強烈なシュート!! そして、そして、遂に……、 ゴォ~~~~~ルッ!!!!!が、蕨のファールで、得点無効……ってか……これって……自らのシュートと、クロスを上げてからの味方ヘッドとの違いはあるものの、『さよならフットボール(2)』と同じなんですけど。21対0の屈辱的な敗戦。しかし、希のプレイは、久乃木の監督や選手たちも認めるところとなり、指導者である能見も、その才能を預かった自らの責任の重さに、一瞬戸惑いを見せる。さらに、深津までもが、少々感じるところがあった……様子。久乃木との再戦、即ち全国大会での対戦を目指し、動き始める希たち。藤第一中で共に活動した山田や竹井、さらに江上西中の谷ら期待の新人を加え、古豪復活を目指す男子サッカー部に合同練習を申し入れるが、あっさり却下される。さらには、自分たちの練習場所まで、男子に奪われそうな雲行きに。そして、もう一つの当面の課題、能見が新調した痛ユニに変わる自分たちのユニホームを入手するため、優勝チームは商品券がもらえるというフットサル大会に出場することに。しかし、集まったメンバーは、希、周防、曽志崎、白鳥の4人で一人足りない。そこで出くわしたのが、久乃木の佃と井藤。何とも豪華なメンバーで、大会に挑むことになる。 ***さて、この作品のタイトルにもなっているクラマー。これは、恐らく日本サッカー界初の外国人コーチで、「日本サッカーの父」と称されたデットマール・クラマーのことだと思われます。さて、本作のクラマーは、能見?深津?それとも鮫島?
2018.07.16
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全国3位の戸田北中3年の曽志崎緑。 チームを牽引するボランチでU-15代表の逸材。 一方、戸田北中にことごとく惨敗を続けた川口伊刈中3年の周防すみれ。 曽志崎が勝手に自らのライバルとする、突出した才能を持つウィンガー。 そんな二人は、強豪校の浦和邦成ではなく、弱小校の蕨青南高に入学。 その女子サッカー部監督は深津、部長は2年の田勢恵梨子。 そこに登場、同じく新入生の越前佐和、そして恩田希! いきなりの2年生相手の紅白戦で、曽志崎・周防と共に希が輝きを放つ。監督の深津は、次期ユース監督候補・森住の強い推薦により就任したのだが、現在は全くやる気が見られない状況。そこへ、新コーチとして現れたのが能見奈緒子。17歳でA代表入りし、日本サッカー界を15年間も牽引し続けたレジェンド。そして迎えた練習試合、相手は鷲巣監督率いる春夏連覇の久乃木学園で、ほぼユース代表で固めた1・2年のレギュラーメンバー。鷲巣監督のチームへの指示は、10点差以上でクリーンシート。出来なければ、全員、今後一切公式戦で使わないというもの。曽志崎、周防、希らが奮闘するものの、さすがに相手チームのレベルは桁外れに高く、その差は圧倒的。能見は深津に「それでもなお顔を上げる人間がいるか」を見たいのだと言う。そんな能見に深津は、次のように問い質したのだった。 女子サッカーに未来はあるのか? かつて世界王者となった女子サッカーを取り巻く環境はどうだ 純粋なプロクラブはいつくある? いくら稼げる? 環境改善に協会は何をしてくれた? 「プロを目指せ」とガキ共に言えるか?前半を終了して7対0。この状況に、能見をはじめ皆落ち込む中、一人興奮している選手が……希! 知らなかったな こんなにすげー奴らがいるなんて 知らなかったな フットボールは こんなにも高くて広いなんてーそして、始まった後半戦。希がギラギラしてきた!! ***やはり、リサーチした通り、この作品を読むならば、予め『さよならフットボール』の1と2は必読。もちろん、読まないまま本作に突入しても大丈夫だけれど、読んでいるか読んでいないかで、全然違った読後感になるはず。特に「03.雪の中の少女」。『さよならフットボール』を読んでいないと、少々キツイかも。即ち、『さよなら私のクラマー』は、『さよならフットボール』の続編です。今のところはですが。
2018.07.16
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希が乱入したゲーム後半、 希の動きはことごとくナメックに止められてしまう。 そして、希と競り合いながら、 遂にナメックがヘッドでゴールネットを揺らす。 試合進行の合間合間に、希がサッカーにのめり込んでいった理由や、 希とナメックの出会い、スポ少時代の思い出が描かれていく。 街で偶然出会った時のナメックの心情、 さらには、ナメックが希に抱いていた本当の想いも。 そんなゴリゴリしたサッカー 楽しくもなんともないわフィジカルにとらわれていたのは、自分の方だったと気付いた希は、次々に味方選手へとナイスパスを供給し始める。それが契機となり、藤第一中は本来のパス主体のサッカーを展開、次第に江上西中を圧倒し、相手ゴールへと襲いかかる。 勘違いをしていた…… 恩田は女でいい ずっとベンチで見てるしかなかった 辛いことをさせていた…… あのコの輝きを奪っていたんだな……三人の選手に囲まれながら、それを振りほどき、さらにナメックを2度抜き去っての右サイドからのクロス。それを竹井が頭で合わせ、遂にゴ~~~~~ル!!!!!と思いきや、藤第一中側のファールで得点なし……しかし、足を痛めてピッチを去る希には、観客席から大きな拍手と声援が送られたのだった。 また一緒にサッカーやろうね 安昭君 ……親分 ***本著の発行は2010年。この頃なら、もう既に女子中学生は男子に混じって普通にサッカーしてたのではないかと思うのですが……今、なでしこリーグで活躍している選手たちの中にも結構いるはず。でも、高校生になるとさすがに厳しい。実際、なでしこリーグのチームでも、高校生男子のチームには、なかなか思うような試合が出来ない。男子と女子のサッカーは、やはり別物になっていきますね。それでも、私は女子サッカーの方が好きです。「ゴリゴリしたサッカー」は好きじゃない。でも、世界で勝ち抜くためには、そんなサッカーも出来るようにならないとダメなのも事実ですが。
2018.07.14
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先日、読売新聞で『さよなら私のクラマー』という作品があることを知った。 そして、その作品を楽しむには、 『さよならフットボール』を読んでおくほうがいいことが分かった。 早速購入、読んでみた。 ***藤第一中学校サッカー部2年、恩田希。誰よりも熱心に練習し、男子顔負けのセンスとテクニックを持ちながら、女子ゆえに、一度も公式戦に出場させてもらったことがない。鮫島監督も、密かに「恩田が男だったら」と思う日々。新人戦1回戦が迫る中、執拗に試合出場をアピールし続ける希。その対戦相手は、江上西中。その主将でディフェンダーを務めているのが、ナメックこと谷安昭。かつて、スポ少で希の子分のように付いて回っていた小柄な男の子。そんなナメックに、小4で彼が転校して行って以来、久しぶりに街で再会した時、彼は身長も大きく伸び、希に対する態度も一変していた。 俺はもう恩田より上手くなったんだ 俺は虐げられた頃の俺じゃない お前を越えたレベルにいるんだ いいか恩田 サッカーはフィジカルだ 身体のデカイ俺に女のお前が敵うわけがない じゃあ お前に何が出来る? その身体で何が出来る? 男というだけで 俺は…… お前を超えたレベルにいるんだ希はユニフォームををもらえないまま、新人戦が始まった。そして、試合は押され気味のまま前半終了。チームはハーフタイムに作戦を練り直し、いざ後半戦に突入。が、右サイドを務めているはずの希の弟・順平はトイレで転がっていた。背番号7を背負っていたのは希だった。
2018.07.14
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著者は、はこだて未来大学教授の松原仁(まつばら ひとし)さん。 衆議院議員の松原仁(まつばら じん)さんとは別人です。 人工知能やゲーム情報学を専門とし、 2014年から16年には、第15代人工知能学会会長を務めた方。 本著には、第3回星新一賞応募作品である 『コンピュータが小説を書く日』が掲載されています。 これは、AI作家・有嶺雷太が生み出したものですが、 その事実を伏せ応募したところ、一次審査を通過してしまったというもの。これが、結構面白い。もちろん、突っ込みどころは色々あるのですが、それは、人間が書いた作品でも普通に起こりうること。なので、なかなかの出来と言って全く差支えのないレベルのものです。 実際の社会は、言ってみれば 「問題に対して、それなりに適切な答えを10分以内に出しなさい」 という問題の連続です。 自分単独でできようが、何かの助けを借りようが、 答えを出すことができればよい。 それが生きていく能力であり社会的適応能力だとすれば、 大学入試でも、それを問うということは自然な流れなのだと思うのです。(p.111)これは、今年2月に国民栄養賞を受賞した羽生善治竜王との対談で著者の松原さんが述べた言葉。これからの学習で重視されるのは「判断力や応用力」であって、漢字の書き取りや英語の綴りを問う入試問題に意味はあるのかと問いかけています。 アメリカのAI研究者であり、未来学者であるレイ・カーツワイルが提唱した 「シンギュラリティ(技術的特異点)」という概念は 今や多くの人に知られるようになりました。 人間が生み出したテクノロジーが、急速に進化し、 後戻りできないほどに人間の生活を変容させてしまう-。 その未来の到来をカーツワイルはシンギュラリティと呼称し、 年代を2045年と特定しています。(p.44)この世界を現代に見出すことができるのが、囲碁・将棋の世界だと著者は言います。確かに、囲碁も将棋も、人間はAIに太刀打ちできない状況になりました。そこで何が起こっているのかを知り、研究することが、今後、人間とAIが社会で共存していくために必要なのだと述べています。 AIがフレーム問題を解くというのは 「目の前の問題を、何の知識を用いて解くかを コンピュータが自力で見つけられる」ということ。 つまり未知への状況への対応という知能本来の働きを行わなければ 汎用的とは言えないのです。(p.131)ここでいう「フレーム問題」というのは、『ある行為をコンピュータにプログラムしようとした時、「その行為によって変化しないこと」をすべて記述しようとすると計算量が爆発的に増えてしまい、結果としてその行為を行うことができなくなる』という問題のこと。「必要な情報を枠(フレーム)で囲い、適切に用いる」という、人間なら大多数の人々がなんとなくうまくやっていけることが、現状のコンピュータにとっては、とてつもなく難しい。その突破口として、著者は身体という物理的限界を与えることを提唱しています。
2018.07.14
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ちょうど1年前、105歳で大往生された日野原先生。 先生にまつわるエピソードで、私が最も強く印象に残っているのは、 オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こした際、聖路加国際病院院長として、 他の通常業務をすべて停止し、被害者640名の治療に先頭に立って当たったこと。 先生は数多くの著書を残しているが、その中でも多くの読者を得たのが本著。 本著は、先生が最後の力を振り絞って行った、 約1か月に渡るインタビュー形式の取材をまとめたもの。 そのため、地下鉄サリン事件については、ほとんど触れられていない。本著を読んで改めて気付かされたのは、日野原先生がキリスト教信者であるということ。聖路加国際病院勤務ということから、まぁそれはそうだなと得心したけれど、そんなレベル以上に、キリスト教への信仰心というものが、先生の発言や行動、生き方等々、色んな所に滲み出ているように感じた。
2018.07.14
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著者は豊田有恒氏。 世間の誰もが名前を知っているという方ではないけれど、本当にスゴイ人。 『エイトマン』で脚本家デビューを果たすと、手塚治虫氏に見込まれ虫プロ入り。 『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』のアニメ・シナリオを手がけた。 虫プロ退職後は『スーパージェッター』や『宇宙少年ソラン』のシナリオを書き、 その後『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの原案、設定に携わることになった。 この作品については、プロデューサーの西崎義展氏と漫画家の松本零士と間で、 後日、著作者人格権をめぐりドロドロの争いに発展したのは、有名なお話。本著は、そのドロドロな部分について、この作品に深く関わり続けた豊田氏が、赤裸々に語ったもの。アニメ興隆期の記述には、思わず引き込まれ、ドロドロの抗争の記述には、うんざりさせられた。
2018.07.14
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著者は、起業はやめておけという。 飲食店経営など、もってのほかだという。 全くのゼロから事業を立ち上げ成功させられるのは、選ばれた人だけ。 ベンチャーキャピタルの業界でも「千三つ(0.3%)」といわれるのだと。 そこで、お薦めなのが、後継者問題に直面する中小企業の個人買収。 つまり、現社長から会社を買い取って事業を承継、自ら社長になれと。 前近代的な中小企業の経営を、大企業勤務で得たノウハウで改善するのは簡単。 そこで得られる役員報酬とキャピタルゲインで、資本家・資産家を目指そうと。著者は、今年40歳になる、株式会社日本創生投資の代表取締役CEO。中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行っている。かつて、ソフトバンク・インベストメントで、ベンチャーキャピタリストとして、ベンチャー投資や、投資先でM&A戦略や株式公開支援を行った経験を持つ。また、兵庫県議会議員を務めた経験まで併せ持つ。さらに、加古川市長選に立候補するも落選し、神戸市長選では、樫野孝人候補(落選)の事務局長を務めた経験も。なかなか多種多様な経験をお持ちの方です。
2018.07.08
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著者は、慶応大学経済学部の田中准教授と 国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口助教。 参考文献には、荻上チキ氏や中川淳一郎氏等の、お馴染みの著作も見られるが、 分析には、19,992人へのアンケート調査結果が用いられている。 これまで様々なメディアを通じて知らされてきた、 私たちの記憶に、今なお鮮明に残る数々の「炎上」事件について、 学術的な視点と調査方法を用いながら、研究・分析を進めており、 「研究」と銘打つに相応しい一冊となっている。 *** 以上の結果から、炎上に積極的に参加している人は、 年収が多く、ラジオやソーシャルメディアをよく利用し、 掲示板に書き込む、インターネット上でいやな思いをしたことがあり、 非難しあっても良いと考えている、 若い子持ちの男性であるといった人物像が浮かび上がってくる。(p.112)これが、19,992人へのアンケート結果から導き出された「炎上」という事象に、直接かつ積極的に関わっている人たちの特性である。著者は、これまで漠然と抱かれていたイメージと食い違う部分もあると指摘する。そして、「炎上」という現象に関する、著者の結論は次の通り。 しかし、主役となる攻撃者、 すなわち炎上事件で書き込みをする人はごく少数である。 過去1年に炎上事件への書き込んだことのある人は、 インターネットユーザーの0.5%程度にとどまる。 個別事件単位になると書き込む人は0.00X%のオーダーとなり、 人数で見ると、数千人である。 さらにこのうち大半は一人でつぶやくだけであり、 直接に当事者を攻撃してアカウント閉鎖などに追い込む人は 数人~数十人のオーダーにとどまる。 炎上事件が起こると、ネット中が批判のあらしになり、 全ユーザーから攻められているような気持になるが、 実際に騒いでいるのはごく少数である。(p.145)つまり、「炎上」は大多数の人々の意見を集約、反映した現象などでは決してなく、ごく限られた数の人たちが発生させた一現象に過ぎないということである。 問題なのは、そのようなわずかな人が、 多くの人の情報発信を委縮させるほどの、 あるいはネット上の意見分布を左右するほどの 大きな力を持ってしまったということである。(p.152)ごく限られた人たちの主張が、世間を揺るがすほどに大きく響き渡ってしまう。この現実を、私たちはしっかりと受け止める必要がある。そして、インターネットとは、そもそもどのような空間であったのかという次の事実についても、知識としてしっかりと持ち合わせておく必要がある。 すべての人に最強の発信力を与えれば濫用の恐れが出てくる。 しかし、当初のインターネットは学術ネットワークだったため、 濫用は抑制されていた。(中略) すべての人が最強の発信力を持ってもそれが濫用されなかったのは、 そこが学術ネットワークだったからである。(中略) 同じように学術ネットワークの外側の多くの人が最強の情報発信力を手にすれば、 少数ではあってもそれを濫用する特異な人が現れるのは避けられない。 炎上の真の原因はここにある。 すなわち、この学術的な、あまりに学術的なネットワークが、 少数ではあるが特異な人もいる世界全体への適用に耐えなかったこと、 ここに炎上問題の本当の原因がある。(p.179)これを受け、著者が提唱するのは、「受信と発信の分離」である。そのSNSの具体例として、「サロン型SNS」を挙げている。これについて、その賛否は意見が分かれるところであると思うが、「発信の制限」については、今後考えていかざるを得ない問題となるだろう。
2018.07.08
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同期との出世競争に敗れ、転籍した子会社で定年を迎えた田代。 東大法学部を卒業し、大手銀行で勤務したプライドが、 再雇用や新たな職場探しの邪魔をする。 妻は妻で、現在の仕事に生きがいを見出しており、忙しい日々。 しばらくして、当初乗り気でなかったスポーツジムに通い始め、 さらには、大学院入学を目指してカルチャーセンターにも通い始める。 そして、そこでの出会いがアバンチュールに発展し、 ベンチャー企業の顧問就任へと繋がっていく。その流れで、遂に社長に就任したものの、会社は呆気なく倒産。多額の負債を背負い込むことになり、妻からも見放されてしまう。しかし、倒産の後処理に明け暮れる中、出向いた郷里は優しかった。そして、卒婚。 ***私は、主人公のことも、そして、その妻のことも好きにはなれません。唯一、まともなのは娘だけです。皆さんは、どんな気分で「エピローグ」を読みましたか?こんなお話が映画になるとは……
2018.07.08
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ケーキを求め、サニー号に迫るビッグ・マム。 それを必死で食い止めるジンベエ、チョッパー、ブルック、ナミ。 そこへ、ケーキを完成させたベッジの船が遂に到着。 サニー号はカカオ島へ、そしてベッジの船は、ふんわり島へと向かう。 一方、鏡世界ではルフィとカタクリの死闘が続く。 途中、フランベの横槍が入ったものの、カタクリはそれを排除し、 一対一の男と男の差しの勝負が、さらに延々と続く。 そして、遂にカタクリが倒れた時、ブリュレを担いだペコムズが現れたのだった。ルフィと麦わら海賊団が再会を約束した時刻が、刻一刻と迫るカカオ島。集結したシャートット家の面々が、島で唯一残った鏡の前で待ち構える。が、鏡世界から飛び出してきたのはペコムズだった。そして、その直後、ルフィが姿を現すと、サンジが素早くその身を確保。が、圧倒的な敵の数に、サンジが危機に追い込まれる。そこへ現れたのはジェルマの船団、サンジを強力にバックアップ。そして、ルフィとサンジはサニー号への帰還に成功するが、周囲をビッグ・マム海賊団の大船団に取り囲まれてしまう。一方、ふんわり島で極上のケーキを口にしたビッグ・マム。 みんな幸せ 平和な世界 どんな種族も 拒まない 出て行くんなら 殺すけど 悪魔の契約 平和な「万国」 みんな家族さ 優しい女王 ン~ ビッグ・マムタイヨウの海賊団の力を得て、脱出を試みたサニー号だったが、海上に浮かぶ、麦わらの海賊旗…… ***最後は、どうなったのか全く分かりません。まぁ、ルフィたちが生き残っていることだけは確かです。じゃないと、このお話、こんなところで終わってしまいますから。それにしてもペコムズ、もうちょっとカッコよくしてやって欲しかったなぁ。
2018.07.07
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曹と対面した崇は、天廻功入信者の素性を知らされる。 それは、法を犯したにもかかわらず、服役していない犯罪者たち。 全員ではないが、傷害、窃盗、強かん等々を行った経験を持つ。 そして、堕胎 - これも原則的に違法行為だという。 凶悪犯だけを標的とする捕鯨と、軽犯罪者たちをも標的とする曹の羊狩り。 崇は、その違いの大きさを訴え、曹を手を組むことを拒否する。 その後、環が天廻功に捕らわれたことを知ると、加藤と共にその道場に向かう。 そして、天廻功が自分達で仲間の臓器を摘出していた事実を知るのだった。ヌクイは、環に羊を捌くのを手伝わそうと考える。そして、環を道場から逃がそうとしたシイナを次の羊に選ぶ。その時、目を覚ました環は、スタンガンで次々に天廻功のメンバーを倒していく。しかし、そこに現れた神崎梨世によって、環は捕らわれてしまった。遂に環を手に入れた梨世は、アメリカ大使館に向かうと一報を入れる。しかし、電話に出た相手は、突如これまでの取引を終了すると宣言。目を覚ました環は、冷静に状況を判断して、車を停止させることに成功すると、そこに現れたリュウが、環の居場所を崇に伝えたのだった。曹から、天廻功のメンバーには戸籍がないと知らされる崇。臓器移植ツアーで中国にやって来る人間で、一番多いのは日本人であること、そして、曹自身も移植手術を受けた経験があることも。しかし、曹自身が天廻功の尊師であることを、崇はまだ知らない。そして、ヌクイは環によって解体されたのだった。 ***今巻は、ヌクイや梨世の過去が描かれるシーンが多かったです。そして、そこに絡む曹。これによって、お話に立体感が生まれています。上手いなぁ、と思います。
2018.07.01
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