Jul 8, 2005
テーマ： エッセイを書きませんか？(25)
カテゴリ： カテゴリ未分類
「磯野さん。」と、坂本さんに声をかけられた。
「絶対、後ろを振り向かずに、このまま私の部屋に来て。」
「はい…。」
私はなんだろう？？ と思いながらも彼女の部屋に行った。
坂本さんは部屋に入るなり 「磯野さん、吉沢さんと何かあった？」
と、心配そうに聞いてきた。
「いいえ。別に… 」 と言いかけて
一応、さっきの出来事を話した。
その後、廊下で声をかけられ握手を求められたこと。
すると、坂本さんは「そっちかぁ…。」と
言うなり、座り込んでしまった。
「どうしたんですか？ そっちって…？？」
わけがわからず、私はとても不安になってしまった。
「今ね、エレベーターを上がってきたのよ。
で、さりげなく右側を見たら、吉沢さんが立ってたの。
そしたら、磯野さんのことを、じーっと見てたのよ。
それで慌てて、あなたに声をかけたってわけ。」
「ええーっ。 彼、あのまま廊下に立っていたんですか？」
私は、ちょっと背中にぞくぞくしたものを感じてしまった。
でも今の話からあり得ないわね。 逆だわ…。」
「逆って…？」
「磯野さんを好きになったってことよ。」
「ええええええっっっ。 まさかぁ！
だって、会釈と握手をしただけですよ！！」
「そんなぁ…。」
私は泣きそうだった。
よりによって、危険人物に一目惚れされただなんて…。
これからどう対処すればいいのか…。
考えるだけで泣きそうだった。
「私、これからどうしたらいいですか…？」
半べそ状態で、坂本さんに聞いてみた。
「私も今まで、彼が女性を好きになるなんて
見たことがないからわからない…。」
坂本さんも、不安そうに答えた。
「とりあえず、様子を見るしかないわね…。
ほら、もしかしたら私の勘違いかもしれないし…。」
坂本さんは、私を励ますように言った。
そうであって欲しい…。
私は心から願っていた…。
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磯野 愛
３年間、私はある研究所に派遣社員として働いていました。そして、社内恋愛をして結婚。社宅に１年間住んでいました。高学歴の人達ばかりの職場、そして高学歴の人達ばかりの奥様方…。 その中で体験したことをもとに、文章を書いてみました。
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