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「ダメです」
「ダメだ」
「え?」
「辞めるってんでしょ、ここ。ダメに決まってるでしょそんなん」
(――と、↑のような会話が当然なされると思ったんだが……)
「いいですよ」
「構わんぞ」
「……え゛?」
「どうしたんですか、そんな鳩が鉄砲直撃食らったような顔して」
「いやそれ即死してるだろってそうじゃなくて、ちょっと待ていいのか内容聞かずに即答して。俺がLE辞めるとかだったらどうすんだよ」
「そんなこと言うくらいだったら、とっくに辞めてるだろ? あいつらが出てきた時点で」
「どうせ怒るだろうから、諦めたんでしょ? それくらいわかります」
「!………」
「やれやれ、これだから困る」
「じゃ、何の話だと思ってんだ?」
「うちの社員になってもらうってんでしょ、皆さんに」



「まあ、そうしてくれるとこっちも助かるんだけど」
「ちょっと待ってよ、私たちは前に断ったでしょう? 私たちには私たちの生活があるんだから」
「だから、別に正社員じゃなくていいさ。非常勤だよ。連絡を密にして、問題が起こった場合来てもらう」
「……今までと変わんねえじゃん」
「いやー、給料も払うし、ここの設備も使い放題だぜ。その他特典諸々」
「別にあいつらが敵ならばそんなもの貰わなくても手を貸すが……」
「そう言うなって、こいつは静馬からの提案なんだ」
「静馬から?……」
「ありがとよ、フォローしてくれて」
「例なんか言うな気色悪い。俺にとってもあいつらの協力は必要不可欠だし、まあデメリットはないからな」
「いいさ、どうせ単なる自己満足のための行為だ……俺には、金しかないからな」
「もう八年になるか、俺たちが出会って。あんなチビガキが、生意気さはそのままに体だけでかくなりやがって」
「何親戚みたいなこと言ってやがる。お前だって当時は十五だろうが」
「懐かしいねえ……って、懐かしんでばかりもいられんがな」
「……八年前、俺は何もできなかった。今だってそうだ。今回なんかとっ捕まってたし。せめて、「何か協力した」と言い訳させてくれないと、とてもやってられん……」
「んなこと別に気にしなくていいのに……損な性格してやがる」
「お前こそ、あいつらに全部話さなくていいのか?」
「なに、わざわざ改まって話さなくても、いずれ話すことになるって。今回のことで痛感した」
「あいつらに隠し事は無理か?」
「いいや、隠し事する気にならん。見抜かれすぎてるからな」
「いずれ白日のもとに、か……ま、いいかそれでも。あいつらだって問い詰める気ないみたいだし。……フォルト」
「ん?」
「決着をつけよう。八年間の悔恨と、因縁に……」
「ああ、世界一速いスピードでな」
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