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「仕事納めで有給を取りイギリスへ旅行へ行くことにしたカイト。シェイクスピアの生誕450年であることは知らなかったようだが。今度シェイクスピアの舞台に杉下さんと幸さんが一緒に行くらしい。「天と地には君の哲学では思いもよらない出来事がまだまだある」――ハムレットの台詞だそうだ。健康診断を受けてから向かうってよ」
「んでその次の日……ええっ!? 交番が吹っ飛んだよ!? 爆弾!? 丁度近くの病院にいたカイトも駆けつけるけど……ん? なんか変な少年いるね。外歩いてるのに裸足だよ。なんか怪しいから追っかけよう!」
「何なんだこのガキ。逃げるし、裸足だし、スマホ首から吊るして、なんかおっさんの声が聞こえ……ん!? 体に爆弾巻いてるぞこいつ!」
「どうやらスマホを通して喋っているJBと名乗る男に巻かれたようだ。外そうとするかスマホの電源が切れれば自動的に爆発する。カイトが警察官と知ると、少年から離れず爆弾が巻かれていることを知られてはならないと命令され、携帯を破壊させられた。悔しいが、少年の命がかかっている以上仕方がない。何をさせる気だ……?」
「爆破された交番ですが、警察官は警邏中だったため幸い怪我人はいません。というか警邏中のスキを見て爆弾を設置し吹っ飛ばしたというところでしょうか。公安も動き出しています。事件当時近くのポストの収集をしていた郵便局員から少年のことを聞き出した杉下さんはさっそくかれの似顔絵を作ります。一方捜査会議ですが……ん、公安部長が出てきました。J……ボマー?」
「依頼を受ければどんな爆弾でも作るEUで指名手配されている爆弾魔、そいつが日本に入ったという情報を入手した。容姿年齢一切不明で、わかってるのは日本人らしいこと、アジトに残っていた毛髪からのDNAデータぐらいだ。日本のテロ組織がこいつの爆弾で大規模テロを企んでいる可能性がある。テロ組織の連絡係が産業センタービルでJボマーと落ち合うという情報を入手してるからこれを総出で当たることになった。JボマーってのがJBの正体なのか……?」
「しっかし新公安部長の正木って人、いかにもエリートって感じね。祖父の代から大臣を歴任してて、兄は前福祉衛生大臣というサラブレッドだって。一方カイトたちはJBが用意したアジトの船にいた。やっぱり産業センタービルに行かされることになったけど、その前に靴が必要だね」
「産業センタービルへやってきた二人、しかし靴としてカイトが用意したのはサンダル……? まあいいとして、JBはロビー内の人間を全員取るよう少年に命じた。何故こんな真似を……うん? 少年の顔色が変わったぞ。何を見た……やばい、張り込んでた一課の奴らにカイトがバレた!」
「爆弾のことがバレたらアウトだ! 今は人質を取った振りをして逃げるしかない! これでカイトはテロ組織の関係者と疑われてしまった……杉下さんは二人はテロ組織のメンバーではなく利用されてるのではないかと推理したが詳しい情報は……ん、サンダル?」
「サンダルは近くの銭湯で盗まれたものでした。無論ただ盗んだんじゃありません、カイトが手掛かりとしてメッセージを残したんです。銭湯のロッカーには学生証がありました。定時制高校三年の北村悠馬――そう、あの少年の物です。おや、悦子さんから電話です。旅行の予定が連絡がつかなくなって不安になり電話してきたんですね。――変なこと?」
「なんでも三週間くらい前、帰ってみると部屋の物の配置が変わってる気がしたんだと。おいおいまさか……やっぱりだ、盗聴器が仕掛けてある。カイトが健康診断を受けた病院は交番のまん前、病院の予約をあらかじめ聞いていればそこに合わせることは容易だ。どうやら、カイトが事件に巻き込まれているのは偶然じゃなく、計画的なことのようだな」
「悠馬の近辺を探る杉下さん。父親は早くに他界して、今は母親と妹の三人暮らしだけど二人は旅行してるみたい。定時制高校でバイトしながら通ってるって。バイト先のロッカーを調べてみると……ん、なんか新聞記事の切り抜きがある。なになに、山王財団理事長山王美紀子さん知人の自宅で殺害、警察は知人女性の桂木涼を逮捕。容疑者は犯行を否認――なんでこんなものが?」
「弁護士に話を伺うと、一審で有罪判決を受けて今は控訴中。美紀子さんと涼さんは財団が学術などの侵攻のための留学を支援している頃知り合った仲だ。アメリカに留学した彼女は昨年までNYでジャーナリストとして活躍していた。捜査報道専門のNPOを立ち上げるつもりで、美紀子さんは出資する予定だった。事件当夜自宅へ美紀子さんと帰った涼さんは車から出る直前電話を受け取ったので、美紀子さんに鍵を渡して自宅へ入ってもらった。そして涼さんが家に入ると部屋は物色されていて美紀子さんは殺されていた。現場には見慣れぬペンライトがあり外から走り去るバイクの音がした。つまり入った空き巣が偶然美紀子さんと鉢合わせになり、彼女を殺して逃げたという考え方もある。しかし、涼さんはただの空き巣でないと言っている」
「どうやら当時涼さんが調べていたある事件の調査資料を盗みに来たのではないかと疑っているようです。しかし、どんな事件かは話してくれませんでした。会って話したいところですが、彼女は今意識不明の重体です。二週間ほど前、拘置所で突然アナフィラキシーショックを受けて倒れました。差し入れの本にピーナッツの粉末が混入していたようですね。しかし彼女と悠馬の関係は?」
「半年前のその事件のあった時刻、悠馬はピザの配達のバイトでそのすぐ近くに来ていた。バイクの音は、悠馬のものだったのではないか? 悠馬は何かを目撃している可能性がある。問題は、だとすれば何故何も話さなかったのか、裁判の不利を知りながらどうして涼さんは口を閉ざしたのか、その重要なデータとは何か? もっともこれはまだ杉下の推測を出ないからな……内村部長たちは次長に呼ばれて今夜どこかへ向かうらしい。はたして何なのか」
「カイトたちも動き出した。今度はどこへ向かうのかね。そのJBだが、妙なこと言ってたんだよな。エンベットがどうとか……ん? どこだここ。どっかの料亭か? あれ、料亭から誰か出てきた……次長たちだ。内村部長も……!? おい、内村部長が撃たれたぞ!」
「だ、誰が狙撃を!? 部長は無事!? ……ってやばい! ここにいちゃ狙撃犯と勘違いされる! 今は逃げなきゃ! 一体何事なの? JBも驚いてる様子だったけど……」
つづく
現実VS虚構(ニッポンVSゴジラ) 2016.08.31
レビュー企画 相棒Legend12 2015.09.20
レビュー企画 相棒Legend11 2015.07.28
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