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先日、香港へ仕事に出かけた時、時間がかなり余ったのでちょっと「中環(Central)」へ遠征してきました。香港島の「中環」の周辺には、私が知っているだけでも、万年筆専門店が3店あります。「中環」と言えば、金融関連やその他オフィスビルが立ち並ぶ香港経済の中心地。しかし、こんな場所にも万年筆店があり、意外や値段もリーズナブル。地下鉄「中環駅」のCの出口を出て、「徳輔道中(Des Voeux Road)」を「上環(Sheung Wan)駅」方向へ1駅分歩いて行くと、3つのお店が回れます。と言う事で「中環駅」から「上環駅」方向へ歩いてみました。最も「中環駅」寄りの「華佑金筆行(Winner Pens Collection)」は、「Man Yee Arcade」と言うショッピングセンターの1F、つまり2階にあります。・華佑金筆行(Winner Pens Collection)Man Yee Arcade, Shop 110, 68 Des Voeux Road, Centralショッピングセンターの中にあるので、3店中でも一番綺麗なお店で、店は狭いのですが、上手くショーウインドウを活用しており、商品自体は見やすいです。しかも値段は安く、「中環」のお店とは思えません。実は、気になるものを見つけたのですが、先に別の店を見ることにしました。さらに歩いてゆくと、「合昌名筆専門店(Hop Cheong Pens&Lighters Co.)」と言う如何にも香港らしい凄く狭くて小汚いお店があります。小さなお店ですが、路面店なので見つけやすいはずです。・合昌名筆専門店(Hop Cheong Pens&Lighters Co.)G/F., 111 Des Voeux Road, Central店の規模の割りには商品数が多く、商品が所狭しと並んでいるので、よく目を凝らしてお宝を見つけないといけません。殆どが新品ですが、僅かに中古品も置いています。値札のある商品と値札のない商品があり、外国人には、この制度、微妙かもしれません。基本的に価格が安いお店なんですが、値札のない商品に限って、聞くとちょっと値段が高いような気が・・・。ちなみにモンブランのヘミングウェイが置いてあったのですが、値札が無かったので聞くと、HK$29,800(約346,000円)でした。最近は、オークションでも一時期ほど高値が付かなくなっているようなので、店舗販売としても、うーん、微妙ですかね。最後は、「上環」になりますが、「廣蘭金筆行(Kwong Lan Pen Company)」と言うお店。ここは、住所こそ「徳輔道中(Des Voeux Road)」になってますが、実際には入居しているビルが「徳輔道中(Des Voeux Road)」沿いにあるだけで、見つけるには路地に入る必要があります。とは言え、路面店なので見つけやすいはずです。・廣蘭金筆行(Kwong Lan Pen Company)Shop A6, 285 Des Voeux Road, Central店は、小汚い感じではないんですが、何となく活気に欠けますね。(笑)私にとっては、3店の中で、一番興味のないお店なんですが、貴重なものも沢山有ります。絶対に見ておいた方が良いでしょう。3店、じっくり見たので、元の道を戻り「華佑金筆行(Winner Pens Collection)」で目を付けていたものを無事、保護しました。箱、説明書なし、(純正でない)ペンケース付きで売られていたモンブランの古いノック式シャープペンシルのデッドストックです。値段は、HK$490(約5,700円)。シャープペンなんて安物しか持ってなかったので、丁度良い買い物でした。以下、かっこ付けて「ペンシル」と呼ばせて頂きます。本当は、ペンシルを買うなら、ペリカンのK400にしようと思っていたのですが、こいつを見つけてしまったので・・・。見た目で70年代の普及モデルの系統と分かったのですが、購入した時点では、正体不明でした。レシートでは、モデルナンバーは「291」となっています。軸には、「Made in Germany」のシールが貼られたまま。クリップに付けられたラベルには、6000円?6,000円のものが、HK$490(約5,700円)なのでお得感はありませんが、古いモンブランの製品は、全般的に人気があるので、こんなものでしょう。どうも、日本市場向けのストックが香港に流れてきたみたいです。長さ、約136mmの細身のノック式のペンシル。現行のマイスターシュテュックと比べると、高級感がありませんね。このペンシル、レシート上では「291」のモデルナンバー付いていたのですが、そんなモデルあったんでしょうか?私が調べた範囲では、見た目は「251」にそっくりです。 クリップ周りのデザインは、70年代に投入された3桁モデルそのもの。デザインからして、70年代から90年代初頭まで売られていた普及モデルの何れかではないかと思うのですが、やはり「251」に見えます。個人的には、このクリップのデザインは、今1つかと思います。質感は、後継の「ジェネレーション」と大差無いように思いますが、クリップ周りで損をしている気がします。この辺りのデザインも、どう見ても「251」なんですよね。とりあえず「291」は忘れて、「251」と言う事にしておきます。適合する芯は、0.5mm。絶対、「251」ですよね。と自分に言い聞かせる。しかし、リング上の刻印は「MONTBLANC」、「GERMANY」のみで型番は入っていません。万年筆と同じルールなら、70年代半ばあたりから、リング上のモデルナンバーの刻印が無くなると思うので、多分、70年代半ば以降の生産なんでしょう。内部の機構はこんな風になってます。モンブランだからと言って、凄い機構が入っているわけではないのですが、この一見安っぽく見えるノック式機構が、私には使い易いです。多分、兄弟モデルにあたる万年筆の「221」(手前)と並べてみました。このペンシルが「251」なら、「221」と同系列のはずです。気になるのは製造時期。70年代の3桁モデルは、息の長いモデルもあるので、90年代前半くらいまでは、可能性があります。でも、「251」がいつまで販売されていたかは知りません。調べたところ、80年代半ばまでは存在していて、その時の定価が5,000円でした。しかし、それ以降の販売状況や定価などは分かりません。基本的に時代が進むにつれ値上がりしているので、6,000円と言う事は、80年代半ば以降の製造と言う事になります。あくまで、これが「251」であった場合ですが・・・。こいつの正体が分かる方、ご教示下さい。
2010年03月27日
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今回は、折財布の造りを比較してみます。左から、「万双 ブライドル 二つ折り財布(小銭入付)」、「ディスタンス コードバン折財布」、「TAKUYA コードバン折財布」。この写真では、サイズの違いや、糸の太さの違いは分かりますが、細部の違いは分かりませんね。まずは、「ディスタンス コードバン・SMGの二つ折り財布・小銭入れなし」を見てみましょう。革小物市場 「ディスタンス」は、良質な革を使った革製品を販売する比較的、良心的なお店です。実際、このコードバンは、滑らかで落ち着いた光沢があり、表面も自然な感じがして綺麗です。この財布は、既に廃盤になってしまっていますが、フランス産のコードバンが使われています。縫製は、ナイロン糸のミシン縫いですが、丁寧に縫製されており、たいへん丈夫です。内装は、左右に4段のカードポケットがあるだけですが、無染色のヌメ革が使われています。無染色のヌメ革を財布の内装に使うパターンはありがちですが、ここのヌメ革は、かなり上質です。造りはと言うと、左右のカードポケットを中央の革で繋いで内装としており、1枚革をベースに組み上げられた内装ではありません。最下段だけが、大きな1枚のヌメ革で、その他の段は、上部だけがヌメ革で内部は布張りです。この財布は、ステッチの内外両方を念引きすると言う手間の掛かる事をしていますが、これは珍しいかもしれません。札入れ部分には、仕切りがあり、仕切りには、無染色のヌメ革の1枚革が使われています。仕切りに1枚革を使っている点は優秀ですね。コバは、切れ目で、顔料で処理されているようです。あまり丁寧な処理に見えないかもしれませんが、割れ難く、頑丈なコバです。ここの革製品は、革に重点を置いているようで、造りもかなり丁寧な方なんですが、造りに関しては、取り立てて褒めるほどではないと言った感じです。とは言え、一般的な財布に比べれば、かなり丁寧な造りです。 続いては、東京、アメ横万双の「ブライドル 二つ折り財布(小銭入付)」。・万双のブライドルレザーの2つ折り財布を買いました その1・万双のブライドルレザーの2つ折り財布を買いました その2高品質な革製品を手頃な価格で売る店として非常に有名なお店ですが、この財布に使われているブライドルレザーも中々綺麗です。ステッチは、やや太めで、ミシン縫いの左肩上がりを強調したような独特のステッチラインです。ミシン縫いの場合、ステッチは左肩上がりになるのが普通ですが、実際のところ、見た目は直線的なものが多いです。しかし、万双のステッチは、左に倒れるような印象になってます。内装は、無染色のヌメ革で出来ており、左に4段のカードポケット、右にボックス型の小銭入れが配置されています。1枚革をベースにカードポケットと小銭入れが縫製されており、かなり重厚な造りです。カードポケットは、見えない部分に多少手抜きはありますが、基本的に各段1枚革で出来ており、贅沢な仕様です。札入れ部分には、ヌメ革の1枚革を使った仕切りがあり、表のブライドルレザーの裏側にも、ヌメ革で裏張りが施されています。革を惜しむことなく、贅沢に使った仕様ですね。コバは、切れ目で綺麗に磨いて処理されています。万双のコバ処理は、かなり丁寧で見ごたえがありますよ。難点は、造りが重厚すぎる事。厚めの革を使うことで、確かに高級感は出ますが、小銭入れ付きの折財布の場合、かなり厚みが出てしまいます。最後に「万双のブライドル 二つ折り財布(小銭入付)」と先日届いたばかりの「TAYKUYAのコードバン折財布」と比較してみましょう。写真左側が、万双ので、右側がTAKUYAになっています。コバのどちらも切れ目で、丁寧に磨かれていますので、見た目にも美しいです。どちらも贅沢に革を使った使用なので、コバの厚みは、どちらもかなりの厚さです。万双の財布は、厚いところで4mm程あります。対して、TAKUYAの折財布の方は、5mm程です。カード段の部分を見ると、TAKUYAの折財布の折財布の方が革が薄く漉かれており、段差がそれほど出ていませんよね。また、お札を出し入れする上側(開口部)のコバの厚みは、万双の折財布より薄いくらいで、革の厚みがお札の出し入れを妨げない工夫が見られます。重厚な造りながら、厚みを最小限に抑える工夫が、随所にされているようです。屈曲部にも工夫があり、開閉し易い点も、厚みを感じさせない工夫かと思います。今回紹介した財布は、どれも良心的な造りなのですが、コストパフォーマンスでは、万双が一歩飛びぬけていると思います。この品質で、この価格は、かなり驚異的です。しかし、個人的にはHPに書かれているほど、丁寧とは思えず、手抜きもあるので、あまり期待し過ぎるとガッカリかもしれません。とは言え、値段以上の価値があることは間違いないでしょう。私の頭の中では、「ステーショナリー工房スリップオン」と「アメ横 万双」が、革業界のユニクロなので。 更にその上を狙うとなると、既製品では難しく、私のようにオーダーメイドと言う事になると思いますが、随分と価格が上がってしまいますので、品質と価格の兼ね合いを、どのように見るかで評価は変わると思います。とは言え、私がオーダーしたTAKUYA氏の財布の場合は、オーダーした時期も良かったこともあり、比較的安く出来たと思います。結局のところ、職人さんの手間代が価格の大半を占めることになるので、職人さんのネームバリューのよっても随分価格が変わり、明確な相場はないと思います。
2010年03月21日
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先日レビューした「TAKUYA コードバン折財布」が届いて、手持ちの「コードバン」製品も随分と増えました。基本的にコードバン、好きなので・・・。数えてみると、コードバン製品は6個になります。1 コードバン 肉盛り1本差しペンケース ビタータン2 aries WEBSHOPコードバン 通しマチ名刺入れ チョコ3 SONNE コードバン コインケース4 SONNE コードバン キーケース5 デイスタンス コードバン・SMGの二つ折り財布・小銭入れなし(現在廃盤)6 TAKUYA コードバン折財布上の画像の1と2は、メーカーこそ違いますが、革質がそっくりで、同じコードバンが使われているのではないかと思います。3、4は、同じメーカーのもので、全く同じコードバンが使われています。3年半ほど使っており、4のキーケースは多少へたっていますが、まだまだ使える状態ですね。5の財布も、3年半ほど使いましたが、今回6の「TAKUYA コードバン折財布」にバトンタッチ。しかし、全く問題がない状態で、この先も長く使えると思います。何か、活用方法を考えないと勿体無いです。1口にコードバンと言っても様々なタイプがあります。1 aries WEBSHOPコードバン 通しマチ名刺入れ チョコ2 SONNE コードバン コインケース3 デイスタンス コードバン・SMGの二つ折り財布・小銭入れなし4 TAKUYA コードバン折財布1は、こげ茶色で、表面が故意に整えられた感じが強く、自然の風合いが損なわれています。表面は単調な感じで、色も単調な感じがしますね。手触りは、滑らかですが、表面が軽くコーティングされている感じで、汚れを気にせずにタフに使えそうです。2は、赤みのかなり強い茶色で、表面に厚く顔料が乗せられている感じですが、自然な、風合いは残っています。手触りは、滑らかで、色も中々綺麗です。3は、一番、表面が滑らかで、自然な光沢もありますが、故意に整えられた感じではありません。これも、やや赤みのある茶色でが、光によっては黒っぽく見えますね。表面が滑らかなこともあり、色味はやや単調です。4は、オイルで仕上げたオイルコードバン。3には劣るものの、表面はかなり滑らかで、しっとりした手触りです。表面は過度に整えられてないようで、自然な風合いと光沢を持っています。こげ茶色ですが、赤みが若干あり、透明感のある深い色をしていますね。他にも、蝋引きコードバンなど特殊な加工を施したものや、最低限の染色しか施していないナチュラルなものもありますが、私は持っていません。また、コードバンと言っても、ピンからキリまであるので、実物を見てから買ったほうが良いと思います。私は、通販が好きですが、賢い買い方とは言えません。特に表面の印象は大事です。コードバンに限った話ではありませんが、表面が均一で綺麗に整っているものに限って、厚化粧だったりします。表面にあまり手を加えていないものなら、表面が綺麗で滑らかに見えても、よく見ると平らではなく、自然でランダムな凹凸があるはずです。使い勝手を考えると、一概に厚化粧が悪いとは言えませんが、本来の革の品質を誤魔化す手段にもなっているので要注意です。また、同じ革でも、製品のサイズによって印象が変わるので、財布サイズで、悪いものを買ってしまうと、かなりガッカリする結果になると思います。基本的にコードバンは高級革なので、それなりに値段は高いのですが、コードバンも財布も価格破壊が進んでいるようで、ビックリする値段のものもあります。 コードバンの財布って、1万円でも安いと思っていたんですが・・・。コードバンは、供給がタイトで貴重という表現を良く見かけますが、少子化の影響でランドセル需要が減って、コードバンの需要もタイトになって来ているはずなので、その辺りが影響しているのかもしれません。1万円くらいになると選択肢も増えてくるのですが、危険ラインでもあります。 1万円出して失敗すると痛いですからね。2万円-3万円の財布になると、かなり確りしたものが買えます。 私も奥さんに「中身が無いのに高い財布を買ってどうする?」と、よく言われるのですが、どうせ買うなら、このクラスをオススメしたいです。まぁ、最終的には、自己満足の玩具みたいなものなので、どうせなら、子供のように枕元に置いて寝たいと思える物の方が良いでしょう。
2010年03月18日
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注文したのは、2008年8月の半ば。待つ事、約1年半。予定通り、完成しました。以前、記事にしたのですが、覚えてますか?・財布をオーダーメイドしてみました。ただし、納期が・・・。届いたのは「TAKUYA MADE BY HAND」でオーダーした財布です。TAKUYA氏の革製品、特にペンケースは、万年筆愛好家の間でも有名です。この1年半の間に、TAKUYA氏は、フランス人アートディレクターと新ブランド「MAISON TAKUYA」を立ち上げるなど活躍の幅を広げられています。 この2つ折財布は、こげ茶色の「コードバン」を使っています。この財布に使われているコードバンは、やや赤みを帯びていますが、光によって黒から赤茶への変化し、様々な表情を見せてくれますね。表面には、自然な光沢があり、中々綺麗なコードバンです。一見、エナメルのように滑らかに見えるコードバンですが、アップで見ると、表面はけして平らではないことが分かります。自然の革の表面には、シワやキズがあるのもですが、いくらでも誤魔化す事ができるのが怖いところ。コードバンの場合、表皮を使っているわけではありませんが、必ずしも表面が均質で滑らかに見えるコードバンが上質とは限りません。私は、厚化粧や加工で粗を誤魔化した革は好きではないので、このコードバンは気に入りました。内装は、左右に4段のカードポケットのみとし、小銭入れがないシンプルなもの。内装には、コードバンではなく「ブッテーロ」のワインレッドを使用しています。ブッテーロの1枚革に、左右それぞれ5枚の革を縫ってカードポケットを作っていますが、革が薄く漉かれているので、厚くはありません。この内装の作り方、当たり前のように思われるかもしれませんが、1枚革をベースに内装が作られているものは、けして多くはないはずです。たっぷり革を使うと、結果として重厚で分厚く、扱い難くなるため、あえて革の量の減らしているという理屈もありますが、TAKUYA氏の財布を見ていると、これは方便だなぁと思えていきます。単にコスト上の理由でしょう。沢山、革を使っても、一手間かけて薄く漉けば厚みは出ません。実は、カードポケットの裏側にも拘りがあり、写真では色の再現性が良くありませんが、ライナーとしてサーモンピンクのブッテーロを貼っています。4段のカードポケット下も、横長のポケットになっていますが、この裏側にもサーモンピンクのブッテーロが貼られており、一切、手抜きなし。サーモンピンクは、使いにくい色ですが、見えない場所なら大胆に使えますね。カードポケットが2重構造とは言え、薄く漉かれた革を使っているので、驚異的に薄く仕上がっています。また、4段のカードポケットのうち上3段は、裏張りのサーモンピンクのブッテーロの下側両端を半円状に少しカットする工夫が施されています。しかし、カードポケットにカードを入れ、一番下の段にカードを入れない場合は、この半円状の形が表面に浮き出てしまいますね。2段目の革だけ長方形にしても良かったかもしれません。札入れ部分には、仕切りが1つ。この仕切りには、カードポケットが2つ付いており、機能的です。コードバンの裏に当たるライナー部分と仕切りやポケットは、ブッテーロのワインレッドを使用していますが、この2つのカードポケットの裏側にも、ブッテーロのサーモンピンクをライナーとして使っています。この財布は、使われている革の量を考えると、非常に重厚な造りなのですが、第一印象として予想以上に薄く感じました。実際のところは、コバ面は手持ちのどの財布よりも厚く、けして薄くはありません。薄く感じる理由として、パーツが薄く漉かれており、必要以上の厚みを出していない点が上げられると思います。下手に厚い革を使うと、財布の開閉や札の出し入れが辛くなり、結果として厚みを感じてしまいます。もう1つには、財布の形状に理由があるのではないかと思います。この財布は、一般的な2つ折財布と比べて、やや横長でスリムな印象のデザインになっています。 上から見ると、外側、仕切り、内装にの間のスペースを広く取っていることが分かりますが、こうする事で、財布の開閉が楽になり、開いた時に札入れ部分が大きく口を開け、お札の出し入れが楽になります。。縫製にもTAKUYA氏の拘りが生かされており、サドルステッチと言う縫い方で、手縫いされています。ミシン縫いと異なり、ステッチラインは右肩上がり。 薄いピンク色に染めた麻糸で丁寧に縫われています。(シルク糸を使う予定でしたが、麻糸に変更。)TAKUYA氏のアドバイスで、薄ピンク色の糸にしましたが正解でしたね。ピッチは、広くもなく狭くもないと言った感じなので、同色の糸を使ってステッチを隠すより、ステッチを上手く見せた方が、お洒落でしょう。カードポケット部分も、ポケットを跨いで綺麗に縫われていますね。ステッチラインの外側には「念引き」が施されています。コバの処理は、切れ目で、非常に丁寧に磨かれて仕上げられており、染色はされていません。革の断面の色が見えていますので、地層のように色が変化していて面白いです。この財布、過度な色の冒険は控えて、外側と内装に似たような色を使用しているのですが、こげ茶色の財布から覗く、ワイレッドの内装という対比も中々綺麗でしょう。シック過ぎず、ラフ過ぎず、フォーマルにもカジュアルにも使えると思います。革と糸の色の組み合わせについては、一番悩んだ点で、どんな感じか心配でしたが、上手く行きました。(特に海外で)財布を買う時に絶対にやらないといけないので、お札が入るかどうかのチェック。一応、計算はしていましたが、大判のお札も収納できました。けして安い財布ではないですが、細かく見て行くと値段だけの価値はあったかなと思います。革も普通の財布が、3、4個作れるほどの量を使っているのではないでしょうか。贅沢な造りの財布も、ノーブランドの既製品なら2、3万円から買えますが、その上を狙うとなると、既製品では難しく、一気に高くなってしまいます。価格の差と品質の差をどのように見るかによって、こういったオーダーメイド革製品の評価は変わって来ると思います。新ブランドを立ち上げたTAKUYA氏ですが、現在も「TAKUYA BESPOKE」ラインと言う形でフルオーダーメイドの革製品の製作を受付中。今のところ完成までの待ち時間は4ヶ月です。価格は、以前より高くなってしまったようですが、技術や革はレベルアップしているそうです。この財布は、贅沢に革を使いながらも厚みが上手く抑えられていますが、時期的に春財布(張る財布)と言う事で、中身が増えて厚くなると良いのですが・・・。ちなみに代金は全額先払いだったのですが、今、考えると先に払っておけば後が楽ですね。この時期に、一気に財布が軽くなるのを防げました。
2010年03月13日
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楽しみにしていたものが手元に届きました。これは、今年、何としても買いたかったものでもあります。それは、桐箱に入っていました。中身は何でしょうか?以前、蒔絵の万年筆を購入する予定であることを記事にしましたね。・このブログ、有料になりました???そう、蒔絵の万年筆なんですが、結局購入したのは、「プラチナ #3776 加賀蒔絵 ツキニウサギ」。蒔絵師によって、加賀蒔絵が施された万年筆です。蒔絵は、接着剤である漆で模様を描き、その上に金や銀などの金属粉を蒔いて、美しい絵柄を施す技巧。漆器などに施される日本古来の装飾技法として知られていますが、万年筆の装飾にも使われています。蒔絵といっても、かなり安価なモデルで、25,725円で「オフィスワン北浜店」にて購入しました。このお店は、よく利用しますが全体的に安いです。この万年筆は、長さ145mm、軸径13mmと、小さくはないサイズ。優しい曲線を描く、こんもりとした軸で、首軸は先端に向かってキュッと細くなり、先端はラッパ型に開いています。軸とキャップは樹脂製で、特別な材質のものではありませんが、本漆を使用し、「平蒔絵」の技法で月と兎が描かれています。値段が値段なので、凝ったものではありませんが、金色と銀色を基調にした落ち着いた雰囲気の絵柄です。黒い軸と絵柄の調和もとれていますね。軸には、兎の絵柄が描かれています。少し寂しいですが、軸にある絵柄は、この兎のみです。兎の絵柄を拡大してみましょう。絵柄自体は、下地から多少、盛り上がっています。印刷では出せない雰囲気が分かりますでしょうか?蒔絵と呼ばれるものの中には、シルクスクリーン印刷を応用したものも見かけますが、本蒔絵とは異なります。 キャップには、雲と月がキャップを一周するように大きく描かれており、絵柄に存在感がりますね。残念な事に、月の一部がクリップに隠れるデザインになっていますが、クリップ側を正面として、正面に月を配置するためでしょう。軸の裏側には、「香苑」と作者の銘が入っています。製作者である漆工芸大下香仙工房の大下香苑さんは、なんと女性蒔絵師。確かに女性の作品らしい優しい雰囲気の絵柄です。 キャップは螺子式だと思っていたのですが、勘合式でした。勘合式だと、キャップと軸の絵柄の位置を合わせ易いからではないかと思います。金メッキが施されたクリップとリング取り付けられています。耐久性は落ちるでしょうが、リングは無い方が、図柄に連続性が感じられて、良いように思いますが・・・。ペン先は、14金で、ハート穴はハート型。字幅は太字を選びました。蒔絵モデルの場合、案外、太字って無いんですよね。プラチナの蒔絵を選んだ最大の理由が「太字」があったからです。ナミキも考えたんですが、安いラインは如何にも外国人受けしそうな絵柄なので・・・。大型のペン先が付いており、存在感はあるのですが、ペン先の形は、あまり好きではありません。かなりエラが張ったペン先なので、ペン先とペン芯のサイズのバランスが悪いように思いますが、如何でしょうか?大切な機能は「書く事」とは言え、やはり見た目も大事ですよね。この万年筆は、両用式です。コンバーターは付属していないので、別途購入しておきました。この万年筆自体の重量は、約18gと軽量で安っぽい感じがするのですが、コンバーターを付けると約23gになり、更にインクを入れれば、重量感が生まれ安っぽさは無くなります。最後に、いつもの如く、汚い字で書いてみました。使用した紙は、ブロックロディア。5mm方眼が入っています。インクは、パイロット インキ ブルーブラック。平らに研磨されたペンポイントを持ちますが、ペリカンのB以上ほど、明確に面があるわけではなく、ペンポイントは丸みを帯びているので、筆記角度やひねりに対する許容は大きく、癖は殆どありません。プラチナは、インクフローが悪いという話を良く聞きますが、良い~適度といった印象です。フローの良いインクを入れたせいもあるかもしれません。ペン先は、柔らかくありませんが、撓りは若干あり、紙あたりは非常にソフト。ペンポイントからハート穴付近までが、比較的良く撓る感じです。日本のメーカーのものなので、当たり前の事ですが、日本語が書き易く、筆記線も綺麗です。単調な筆記線にはならず、強弱が付けやすく、ペリカンほど極端に筆記線の差も出ないので扱いやすいと思います。問題は、稀に最初の一画分のインクが出ないこと。殆ど筆圧をかけないで線を引くと、この現象が起こり易いですね。逆に、ある程度筆圧をかければ、起こりません。「#3776 バランス」の太字も持っているのですが、同様の現象が頻発するので、全く、使っていませんでした。この万年筆の場合は、気にするほどの頻度ではないのですが、私の癖と相性が悪いのかもしれません。今回の万年筆は、本蒔絵としては価格が安く、お買い得感もあるモデルですが、その分、どうしても絵柄がシンプルになってしまいます。蒔絵モデルを狙うなら、頑張って貯金して10万円とか20万円のものを狙った方が満足度が高い気がしますね。
2010年03月08日
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これは、1月末にオークションで落札した、怪しい「パーカー 51」です。掲載されていた写真を見て、怪しいと分かったのですが、肝心な部分は「パーカー 51」に間違いないと思い、保守部品として2,960円で落札。分かる方は、この状態で、パーカー 51にしては変だと感じておられますよね。実は私は、ここまで怪しいとは、現物を見るまで気づいていませんでした。キャップを外してみると隠されていた秘密が暴露されます。まぁ、これについては、写真があったので一目で分かったのですが・・・。見事に変ですね。首軸は「Forest Green」、胴軸は「Teal」と色違い。何か問題があったんでしょう。色違いの首軸と胴軸を組み合わせて、使える状態にしたようです。「パーカー 21」のカラーに「Teal」が存在するのか、「パーカー 51」と互換性があるか分かりませんが、もしかすると胴軸は「パーカー 21」の物かもしれません。ちなみに胴軸の重量は、「パーカー 51」のものと比較して誤差程度の差しかありませんでした。しかし、ペン先、吸入機構を含む首軸は、「パーカー 51」のものです。吸入機構は、吸入機構は、「Aeromatic Filling System」。「Pli-Glass」製のサックは、インクで黒く染まっており、洗っても黒いままですが、十分に使える状態です。欲しかったのは、首軸部分で、保守部材としてストックしておこうと思っています。吸入機構の刻印に「4 TIMES」ありますので、1950年以降の製造品である「MARK 2 TYPE 2」になります。吸入機構の刻印を全文書き出すとPARKER "51"TO FILLPRESS RIBBED BARFIRMLY 4 TIMESUSE DRY WRITTINGSUPERCHROME INK.HOLDING PEN POINTDOWN, WIPE POINTWITH SOFT TISSUE. THE PARKER PEN CO.MADE IN U.S.A.です。刻印に「SUPERCHROME INK」という表現がありますが、この表現は1957年頃までの製造品に見られるようなので、1950年-1957年あたりの製造品と推定できます。首軸だけは・・・。ちなみに胴軸が、間違いなく「パーカー 51」のものなら、呼吸穴が軸の横にあるので、1960年以降の製造品でしょう。肝心な部分は、以前、落札したまともな「パーカー 51」よりも古い時代のもののようです。 さて、次の問題はキャップ。届いてから気づいたのですが、「パーカー 51」のものではありません。 クリップは矢羽ではなく、中央が盛り上がった山型をしています。キャップリップには、溝があり、「PARKER」とのみ刻印されており、モデル名の刻印はありません。クリップの留めの部分は、丸い球のような形をしています。手持ちのパーカー製万年筆では見られない形状です。天冠には、オール金属。 おそらく「パーカー 21」の初期製造品のキャップではないかと思いますが、正確なところは分かりません。キャップ内部の構造も「パーカー 51」とは異なっています。一見、スリップ式に見える「パーカー 51」のキャップですが、実際には、内部の金具で首軸の金属リングを捕られて固定する方式になっており、キャップを抜き挿ししても、それほど軸を痛めません。ところがこのキャップの内部は、首軸周辺全体で固定するような形状で、如何にも軸を傷つけそうな感じのキャップです。また「パーカー 51」のキャップとしては、ブカブカで、キャップとしての役割を果たせていません。割り切って落札した商品ですが、正直、キャップは誤算でした。それから、ペン先も、保守部品として使えるだろうと目論んでいたのですが、希望的観測に反してイリジウムがかなり消耗しています。中古品の場合は、これはある程度仕方ないです。とは言え、使えない状態ではありません。ちなみにオークションで、イリジウムの消耗について記載がない場合は、質問した方が懸命です。わたしも、本気で欲しい物は、必ず、確認しています。では、以前、落札した「パーカー 51」と比較してみます。案外、普通の「パーカー 51」に見えますね。三個一君である事は、言わないと分からないかも。しかし、キャップを取ると、色違いが・・・。しかも、キャップがブカブカで使い物にならないので、保守部品として、このまま死蔵する事になるでしょう。実用する「パーカー 51」としてはちょっとアレですが、色々なパーツが手に入ってOKとしておきましょう。しかし、パーツを生かすためには、分解出来る事が前提となります。構造的には、両端に螺子溝が切られた樹脂製の筒に金属リングを嵌め込んだパーツが、首軸と同軸繋いでいるようです。つまり、首軸を回せば、リングからの先の首軸部分だけ外れるはず。ただし、首軸も、首軸と胴軸を繋ぐパーツも、弱いようなので慎重に。加えて、吸入機構の構造は、見たままの中押し式ではなく、1世代前のバキュマチックの様に、吸入機構内部にチューブ状のパーツが伸びているようなので、折らないように気をつけないといけません。と、イメージトレーニングは、バッチリだったのですが、接着されているのか簡単には外れそうもなかったので、とりあえず無理をするのは止めました。方法を良く考えて再挑戦してみたいと思います。最後に、いつもの如く、汚い字で書いてみました。使用した紙は、ブロックロディア。5mm方眼が入っています。インクは、ペリカン 4001 ロイヤルブルー。使い込まれているせいもあり、インクフローは良くスムーズに書けます。筆記線は、Fくらいですが、使い込まれてEFがFになった可能性もありますね。以前、落札した「パーカー 51」では、ペン先に若干の撓りを感じましたが、こちらは、撓りは無く、見た目通りに硬いペン先です。でも、こっちの方が書きやすいかもしれません。
2010年03月04日
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