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小説 「scene clipper」 Episode 3朝めしの目玉焼きはしっかり焼く、それとバナナジュースと珈琲。しょっぱいの好きな人、バナナは塩追い出すからいいんだよ!でも後味甘すぎなんで珈琲で口の中を中和する。マンションを出ていつものコンビニで今日は競馬新聞を買う。ターゲットがいなかったら馬券買うことにして笹塚駅を目指す。(いたいた・・・)片手に丸めた競馬新聞を持って京王線笹塚の駅ビルの角を曲がると京王クラウン街の入り口が見える。その向かい側の壁の前、何時ものようにコンクリートの床にべったり尻を下ろして片膝を立てて片手にスマホを持ち、空いた手の人差し指で空に何かしら書きなぞっている仕草、その変化の無さは「scene clipper」の目を釘付けにするのだ。しかし、彼女・・・(君の目の前にアルミの皿でも置いてあれば、誰かがコインを投げ入れるかもな)そんなことより、今日はどんな手を使って彼女に接近しようか・・・。「なるほ・・ど!」頭の中で裸電球のフィラメントが閃いたのだ!上手くいくかどうかは置いておいて実行するしかない。「scene clipper」にとってそれは鉄則である。彼は丸めて手にしていた競馬新聞を持ち変えた。次の行動に備えたベターな持ち方にである。ターゲットに注視してもらえることを信じて・・・さあ、行こうぜ!京王クラウン街笹塚の出入り口の端に移動して立つ。ちょうど道の向こう側にターゲットがいる。思いついた道具に見立てて丸めた競馬新聞の片方を目に当てた。子供じみてはいるが、それは望遠鏡のつもりであることは明らかだ。異様な視線に気づいたらしくターゲットがこちらを見てフリーズした。手ごたえを感じて競馬新聞製望遠鏡を目から外すと、彼女の口が「あ」という形になった。それから彼女は両膝を立てて、そこに両手の肘をのせて笑い始めた。上を向いたかと思えば俯いて首を振りながら笑った。そして・・・。彼女は右の手のひらを上にむけて人差し指を立て「おいでおいで」をしてくれたではないか。(上妻!食いついたぞ!!)応援をお願い致します。「scene clipper」はあなたの応援に感謝いたします。
2022.11.27
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小説 「scene clipper」 Episode 2上妻(こうづま)の顔が見たくなった。(なら、Roy に変更だな)シッティングブルなら桜上水だが、『Roy』なら上妻の棲家のある下北沢だ。「scene clipper」 は上妻に優しい。高2の時、のちに卒業出来なくなった3年のワルに高2の女子が拉致された。上妻が好きだった女だ。上妻は俺に助けを求めた。初めての事だった。「滝田が素子を拉致した。返して欲しけりゃ野球部の部室に来いと」「分かった、行くぜよ」(坂本龍馬のまねだ、こんな時に・・・)結果は意外だった。俺と上妻がいざとなれば腹を括れる男と見抜いたのか、滝田は満更でもなさそうに右の口角を上げて見せた。そしてこう言った。「俺が卒業した後、この学校お前ら二人で守れるか?」校内でも校外でも暴力の嵐が吹き荒れた時代だった。「分かった、約束する」「その約束破ったら承知しねえからな・・・良し連れて帰れ」先輩、短気なだけじゃなかったんだねえ・・・。あれから俺と上妻はどこへ行くのも一緒で、「あいつらホモ達?」など陰口たたく奴もいたらしい『Roy』の分厚い2重のドアが微妙な間を置いて開いては閉じを繰り返したあと、上妻が片手をあげて入って来た。「バランタイン12年、ダブルで」とカウンターのオーナーに告げて俺の前のイスを引いて腰を落としテーブルにひじをつけるところまで引き戻す。「笹塚の人はどうだったんだ?」「うん、今日初めて声をかけてみたんだが・・・」「セリフを言ってみろ」「いつもここに居るんだね、スマホとタバコが必需品らしい、と」「で、だめだったと・・・」「ああ、お察しの通りだ」「clip のしがいがありそうじゃないか」「ん、お前もそう思うか・・・」「思うも何も、お前が諦めてないだろ」上妻はそう言うと、丁度その時オーナーがぶっきら棒に置いてったグラスを手に取ってひとくち口に含むと、その味を確かめるように喉の奥へ転がした。「安くて美味い、スコッチはこれで上等」上妻は翻訳を正業にしている。1ページ1万円だそうだ。それだけでも食べていけるのだが、奴にはコネクションが有って父親が出版関係のお偉いさん、で奴が翻訳業に就いていて、母親は放送の業界にコネクションがあった。そこで、俺がclipした映像を文章に起こし上妻に渡して奴のネームで出版し、そこそこ売れていて印税も入る。仮に出版物として売れなくても、母親のコネで放送作家の目に留まるとテレビ・ラジオの番組制作に携わることもあるそうで、やはり俺じゃなく奴の作品としておいて正解だった。ギャランティはその時々で決めるが揉めたりはしない。高校の時以来上手くいってるコンビなのだ。応援頂けましたら励みになります。(^^♪
2022.11.18
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「scene clipper」 Episode 1何時ものようにいた。何時もの場所にいた。(いいね、そうこなくちゃ)スニーカーとコンクリートが喧嘩しながら俺を彼女の元へ連れて行く。嫌いじゃない音を引きずって。少しづつ彼女の姿が大きくなってくる。(ジーンズに焦げ茶?の半袖Tシャツだな)胡坐をかいて左足はそのまま、右膝を立て右ひじをそこへのせてスマホ、(誰かとお話し中ですか)左の人差し指をせわしく動かしているのは視線の先、頭一つ上辺りその先を追ってみたが、ただの空気と、ちょくちょくその視線を遮る人、さらには甲州街道に架かるあの歩道橋か・・・視線の元を振り返ると、醒めた眼が俺を射る。「いつもここに居るんだね、スマホとタバコが必需品らしい」一言も無しに立ち上がり、すれ違いざまにひと睨みして駅の敷地を街に向けて出て行った。(出直しだな・・・まあ1回目の clip はこんなもんだろう ジーンズに焦げ茶の半袖Tシャツ・・・タバコ好き、眼力強め)高層ビルを避けた空に左の人差し指で字を書いて覚える。「あんたの真似じゃない、俺もこれ癖なんだよ」さっきまで座っていた場所に真新しい彼女の残像を描き出しながら捨て台詞を吐いたが、言い訳になってしまった。( 相手はもういないっていうのに ・・・)( さてと、シッティングブルでバーボン飲んで帰るか )久しぶりの小説、応援頂けたら嬉しいです。
2022.11.12
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久しぶりに散文を書いてみました。お時間がありましたら読んでみて下さいね。思い出は素数のように白い肌と小麦色の手足砂浜に名前を書いた時君は見たかなぼくの白いとこぼくは見たよ君の白いとこ遠い夏 ぼくは10で君は7つ近い夏 ぼくは20で君は17才思い出は順番どおりに現れない素数と同じように予測できないから遠い夏 近い夏反復記号はどっちにも見当たらないわからなくなった君の寝息を新しい畳の匂いの中で聞いたことがあるそれはぼくの本当なのか 作りごとなのかそれだけはもう二度と明確には現れない 何故かしらそんな気がする遠い夏 近い夏今はどっちも遠い夏応援して頂くと嬉しいです。
2022.11.04
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