ノベルの森
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「あの梅の木は」 第21話 香織は先頭に立って歩き始めたのだが、途中で何度も立ち止まり、 健司を振り返り裕也と二人で問いを発することになった。 それは先ほど健司が体験したことを二人に告げたからである。 初めに裕也が 「それって、そんなとんでもない出来事を経験してマスターは良 くそんなに平気でいられますね!」 香織は(ほんとに!)という代わりに大きく頷いた。 健司はそうじゃないよと言うように笑って頭を振った。 「平気だなんて、ぼくの頭は今、混乱の極地にいるさ・・・」 いつもなら30秒ほどでたどり着くはずの香織の家の玄関まで、約 5分もかけて健司は未知との遭遇を話し、裕也と香織を驚嘆させた。 「それじゃあ、一度その出入口かも知れない『あの梅の木』をくぐ って見ることにしますか?」 「いやそれはだめだ!・・・すまない、きつい言い方だったね しかし、考えてもみてくれ。あれは即応できるほど簡単な出来事 かい?ぼくは正しく未知との遭遇だと思う。日中の空間を照らす ほどの光が眩しくなかった。それだけでも異常だろ?」 裕也の発案に対する健司の返事は強く、断定的だったが、あとに 続く『 日中の空間を照らすほどの光が眩しくなかった』という 不可解極まる事象を反復認識すると、裕也はため息をもらした。 彼自身の内に生じた性急な衝動にブレーキがかかったのだ。 「確かに・・そうですね。ばくは未だ観たことがないんですけど 映画『未知との遭遇』、一度観たほうがよさそうですね」 「うん、そうかも知れない、いや是非とも二人で観ることを勧め るよ。いずれにしてももっと頭の中を整理してからじゃないと」 「ないと、どうなると?」 「向こう側に行けたとしても帰ってこれなければ?」 香織は思わず裕也の腕を掴みしめた。 彼女の手を見た裕也の目が香織の目に転じた。 大きく頷く。 「マスターの言うとおりにするよ」 香織の顔には安堵の笑みが浮かんだが、その手は離さない。 3人は不安な気持ちを抱えたまま歩みを進め、香織は玄関の ドアノブに手をかけた。 ご無沙汰しておりました。この酷暑の折、少し涼しいところに避難しておりました。有体に言いますと入院していたのですが、もう大丈夫らしく退院して元の暮らしを取り戻してきましたので小説再開いたします。どうぞよろしくお願い致します。(^^♪
2026.09.01
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