かえりみち

かえりみち

2008/02/28
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★2月24日

松山東映ホテル。朝六時二十五分。もさっと起きた。

「行かなきゃ・・・・・」

働かない頭を傾けたまま、宮田町から伊予鉄に乗って、上一万へ。乗換えて道後温泉へ。

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↑坊ちゃん列車

道後温泉の商店街を進んで、いよいよ道後温泉本館へ。

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↑千と千尋の神隱しの舞台になった「道後温泉本館」

いや、趣き深いね。朝も早いというのに、けっこうな入浴客。思い切って1500円で個室を占拠。昭和天皇が入浴した、又新殿(ゆうしんでん)を見学。

天皇様がご使用なさった、トイレもまた趣き深かった。

神代の昔、大国主命と少彦名命(すくなひなのみこと)の二神が国造りのため、伊予に来られたところ。折悪しく少彦名命が重病に倒れました。これを見た大国主命は掌の上に少彦名命をのせ、湧き湯にひたされたところ、さしもの重病もたちまちなおりました。身をもって湯治を体験された二神が浴地を整えられたのが、この道後温泉のはじまりと伝えられております。



最初、二階の霊の湯へ。大浴場を一人で占領。あぁ、ええ風呂や。本当に生きててよかった。そう思える瞬間である。

そして、下の階の神の湯へ。東と西があり・・・・「坊ちゃん泳ぐべからず」というあの名セリフも浴場内に立てかけられている。

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↑入浴後は「坊ちゃん団子」とお茶で一服。さすがは個室である。

そして、あの夏目漱石が滞在した、坊ちゃんの間へ。

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↑漱石先生

赤シャツとかって実際におったのかね?もし、おったとすれば、いつの時代にも厄介なヤツはいるものである。

マドンナのモデルとなった女性の写真を見たが・・・・

「あぁ、これがマドンナなんや・・・・」

という感想。

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↑則天去私

あぁ、倫理でやったな・・・用語集には以下のようにある。





その帰り道、みかん売りのおじいさんと遭遇した。

「このサニー○○(品種名を忘れてしまった)は温州の中では一番甘いでー。昔、巨人に西本いうピッチャーがおったんやけどな、そこの生まれた島のみかんや。甘いでー。味は保証するで、買うていかんかい?」

とおっしゃる。

「甘いでー」 というおじいさんの言葉にはとてつもない魅力があったので、500円もしたが購入した。

後日譚であるが、このサニーなんちゃらいう温州みかんは本当に本当においしかった。こんな甘いみかんは生まれて初めてであったことは言うまでもない。


(詳しくは・・・・ 西本聖 - Wikipedia を御覧ください。)

さて、その後は道後公園へ。実はココなんと・・・・
湯築城跡 なのである。

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↑道後公園(湯築城跡)

信長の野望で昔は城防御度をマックスにしたものだった。何気に国指定史跡というから驚きである。

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↑頂上から松山方面

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↑頂上から道後方面

見晴らしはサイコー。ただ湯冷めしそう。頂上からは松山市内を一望。

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↑湯築城模型

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↑河野通直自筆の国分寺安堵状

河野氏といえば水軍だが、戦国期まではかなりの実力をもっていたようであるということが、この城を見る限り窺えた。伊予国史もおもしろそうである。

というわけで、伊予鉄で大街道へ。まぁ、ココが最もな繁華街なのであるが、秋山兄弟の生家へ。

高校生すれすれだったので、入館料は無料。ボランティアの方々がたいそう丁寧に、秋山兄弟について語ってくれた。

まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。
(司馬遼太郎「坂の上の雲」冒頭)

司馬先生の小説「坂の上の雲」は秋山兄弟と、正岡子規を中心に日本の近代という時代が松山という町を中心に展開されたという設定である。

坂の上の雲とは、まさしく西洋近代そのものである。

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↑秋山真之銅像

この弟、真之さんの銅像、ローマで造られんだとさ。本物は海上自衛隊にあって、それのレプリカだそうである。マリオっていう人が作ったらしいんだが、写真一枚だけだったため、この銅像の背後はヨーロッパ人のように造られている。

と、ボランティアのおじいさんは熱心に私に語りかけた。まるで、あの 日露戦争 が起きたのが昨日のことのように。

松山の人は、すべての遺産を観光にする。商売のためだけではない。本当に自分たちの土地の先人に敬意を抱いている。バルチック艦隊やコサック騎兵隊を昨日のことのように話し、正岡子規が親友であるかのように私たちに語りかける。

テレビ朝日で、數週間前に坂の上の雲ミュージアムが道路税で作られていると、叩かれていたが・・・歴史を残し、伝えるということは、お金では変えることのできない、偉大なことではないだろうか?テレ朝さん・・・・?

松山人の歴史への執着に、私は尊大な敬意を払う。

初めてである、このような素晴らしい土地を旅できたことは・・・マジで誇らしく思う。
本当に住んでみたい。そう思えた。

ボランティアのおねえ様は、私が秋田から来たというと、こうおっしゃった。

「秋田の佐竹公のお姫さんが宇和島に来ているからね。」

まさか、松山で秋田藩公のお名前を聞くとは思ってもみなかった。私はそんなこと何も知らない。自分の無知を悟った。

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↑秋山好古銅像

好古は教育者でもあったという。これから、日本の近代を追いかけてみるのもまた、おもしろいと思った。

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↑鍋燒きうどん

実は、松山の名物と言うたら「鍋燒きうどん」なんやて。銀天街を裏に入ったコアの場所に「アサヒ」という店がある。もう一つ「ことり」という店もあったのだが、今回はアサヒに入ることにした。昭和の香りがする店内に運ばれてきたアルミ鍋。

歴史を感じるじゃ、あーりませんか。

本当にウマい。蒲鉾と牛肉がええ感じや。心の底からあったまった。次は、あの映画「がんばっていきまっしょい」で田中麗奈が食したという「ことり」の鍋燒きうどんを食べよ。

ここは、穴場だね。本当に。

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↑城山の 浮かみ上るや 青嵐 (子規)

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↑春や昔 十五万石の 城下かな (子規)

松山には句碑が多い。近代の日本語を造った、正岡子規は松山の出身である。ちなみに子規は秋田を訪れている。ご記憶されたし。

こうしてフジグランドで買いだし。もう地元の主婦だわね。そして、ホテルに帰って勉強を始めたのである。

遊んでいたように見えるが、実は遊んでいたのかもしれない。
いや、ちゃんと勉強は、した。多分。

★2月25日

実はこの日は試験だった。そして試験は国語一教科であった。というわけで早く終わった。

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↑東雲神社の梅

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↑松山城

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↑じゃこ天うどん

松山駅名物、じゃこ天うどんである。私はこの旅行中、じゃこ天にべた惚れした。黒ほんぺんみたい。ほんとにウマい。うどんも最高。多分、これがこの旅における最後のうどんになるだろう。

そして、松山空港から、私は機上の人となった。伊豆半島上空がくっきり見えて、羽田に向かった。

羽田からは京浜急行で品川。山手線で田町へ。(暇人は暇なことしかしない。)

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↑西郷、勝の江戸開城談判の地

えぇ、三田の三菱ビル本社にある。この歴史的な会談はこの地で行われた。

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↑スターバックスで一服

皮肉なことに、ここ三田の薩摩藩屋敷にはシアトルのスターバックスの店舖がある。ここで私はトールラテとシナモンロールを頼んで、夕食を済ませた。

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↑さらば東京

多分、人生で一番短い東京滞在だろう。いったい何しにここまで来たんだろうか。やはり私の居場所は関東なのかもしれない。

エスカレーターは左が落ち着くんじゃい。

というわけである。その後、浜松町から東京モノレールで羽田へ。そして私は、その日のうちに北奥羽へと帰還した。










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Last updated  2008/02/28 10:01:35 PM
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