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2024.01.30
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カテゴリ: 神社仏閣・御朱印
八事五社宮から引き続きとなる今回、五社宮から少し南に下った所に鎮座する高照寺。


ひと回り約6.5㌔、八事周辺の社寺を廻るコース。
そのコースに高照寺が含まれ、概説には以下のように紹介されています。
「臨済宗。
元は延喜式神名帳に記載のある丹羽郡稲木荘寄木村の稲木神社(稲置天神)で、享保9年(1724)天道山高照寺と改め、寛保元年(1741)愛知郡八事邑の現在地に遷座。
本堂は天道宮とも云われ、御本尊は天道大日如来を祀る。
往時の寺域は広大で、五社宮を含め八事の八勝館あたりまで境内だった」

高照寺へは地下鉄八事駅2番出口を左に進み、八事南交差点を南に下り、五社宮の社頭前を2~3分下った右に山門を構えています。

八事南交差点の南に「天道山大門」と刻まれた石標の立つ交差点があり、こちらを進みます。
大正元年に寄進されたこの石標、当時八事を訪れた参拝者の道標となった。
周囲の景観は変った現在もこうして残されています。
右手に見える杜が前回掲載した五社宮の杜。

上は高照寺山門付近から五社宮の眺め。
一帯は南を流れる天白川に向かって緩やかに下る丘陵地で、五社宮の社頭から山門までの所要時間は徒歩2~3分程だろうか。

高照寺山門全景。
参道は南北を幼稚園の施設に挟まれています。
間口が狭く、山門が奥まった所にあるので少し分かり難いかもかもしれませんが、歩道沿いに聳える大きな松が目印になります。

参道入口の注意看板。
住宅の広がる一帯に、大きな蛇が生息できる環境が残っているようだ。

高照寺山門。
臨済宗妙心寺派の寺院で山号は天道山、城東西国三十三所観音霊場13番札所でもある。
間口は狭いが山門から先の境内は広がりがあり、外観に反して広い境内を持っています。

寺域の東側に立つ山門。
この山門がいつ頃のものかは不明ですが、切妻瓦葺の薬井門は築地塀と繋がり、かつての広い寺域全体を囲っていたのでしょう。

山門の山号額。

境内から見る山門。
木造ならではの落ち着いた佇まいの門、遠目に大きな傷みは見られませんが、破風や懸魚など腐食は進んでいるようです。

山門から眺める境内。
正面に拝殿(呼称は不明)と本堂、右に庫裏などの伽藍が広がっています。

参道左に「天道山高照寺」の寺号標。
年代は見ていませんが、境内には遷座する前、現在の江南市を示す「丹羽郡今市場村」の銘が入った石灯籠(1698)などがある。

参道左の寺務所に掲げられている先端が宝珠の形の輪宝紋。

境内右の庫裏と観音像。
像の周辺は、嘗て子安観音を祀る観音堂が建てられていた場所で、経年劣化から堂は取り壊し、子安観音は本堂に安置され、その跡地に石造を祀ったもの。
本堂の観音様と併せてお参りしないと片参りなんだとか。

拝殿、本堂全景。

境内左側の光景。
参道左に手水舎があり、本堂左から南にかけて複数の堂と石像がある。

手水舎全景、切妻瓦葺の二間の建物で左の間には古井戸がある。

手水鉢の年代は分からなかったが「十二世 全初尼 首座」と刻まれているようだ。
尾張名所図の一文に、現在の江南市に鎮座し尼僧が守る稲木神社で、享保9年(1724)に天道山高照寺と改名、寛保元年(1741)現在地へ移転。。。とある事から、この手水鉢はその時代を伝えるものか。

拝殿全景。
入母屋瓦葺の平入二棟の建物が連なり、神社の拝殿か舞殿を思わせるような建物で、大きな鈴と鈴紐が降ろされています。本尊を安置する本堂はこの建物の後方に連なっています。

左の堂は文殊弘法堂。

上は本堂の大棟、下は手前の拝殿向拝の上で踊る獅子。

向拝の木鼻と蟇股。

感覚的には神社と錯覚し、拍手をしてしまいそうになるが、神仏習合時ならともかく、現在は寺院。
参拝を終え下足を脱いで本堂へ。

お参りしている時は気が付かなかったが、一歩中に入り格子天井を眺めると、天井絵が描かれています。
木の地色に白の顔料で人物や草花が描かれていますが、退色が進み作者や寄進年などは見つけられなかった。

本堂前に吊るされた鰐口、銘文が刻まれていましたが、読み取る事が出来なかった。
下は天道山縁日の年間予定、全て大陰暦に基づいて開催され、裕福無禍を祈願する天道祭は旧暦の10月14日に行われ、今年令和6年は11月14日になるようです。


本堂軒下の「高照寺」の額と吊灯籠。

本堂入口の光景。
外光が反射し内部はよく見えないが、こちらに本尊の天道大日如来と子安観音が安置され、左の間に観音様、不動明王、毘沙門天が安置されている。
堂内には三つ葉葵の紋幕が張られ、右の間には稲木社、神明社、天王社が祀られています。
寄木の天道と呼ばれた稲木神社は高照寺に改め、遷座後、神仏分離により五社宮に分離されたと認識していたが、現在も堂内に祀られています。
拝殿(呼称は不明)内に吊るされた鰐口と鈴が吊るされているのはそうしたこともあるようだ。

江南市に鎮座する稲木神社の由緒によると
「寛保元年(1741)末社の五社(日宮・月宮・星宮・神明社・八坂社)とともに、愛知郡八事村野分新田に移されたが、明治元年(1868)、再び末社とともに現在地に復された」とある。

どんな背景から行ったり来たりしたものか、一度江南にも訪れないといけない。


手前の建物の内部に弘法大師らしき一体の石像が安置されている。

本堂と拝殿周辺には、複数の象の置物が並べら、宝珠のついた親柱を持つ高欄の先が本堂、本堂と拝殿は随分と高さが違い、神社様式の強い建物です。

本堂左の文殊弘法堂。
「七つと十三参りにて 知恵を授かる文殊様 弘法様もみそなわす。
おりこうさんになるよう お祈りしましょう」とある。

文殊弘法堂の左の薬師如来堂と左の石像はなかよし地蔵尊。
・薬師如来
「当方瑠璃光世界の教主様。
除病安楽の願を立てられた。
大医王佛とも呼ばれ 病を癒す仏様」
・なかよし地蔵尊
「てをあわせてごらん おじぞうさまが にっこ にっこ ともだち みな なかよく げんきで おおきくなるよう おいのり しましょう」

手水舎の後方の阿弥陀堂。
「阿弥陀堂 西方無量寿仏 阿弥陀如来
江戸時代「下之一色」の漁師さん達が、海中より拾い上げた仏様。
自分達に勿体ないからと当所に収められたと伝わる。
その縁から戦前は「下之一色」の漁師さんより供養があった」 

その右に賽の河原の地蔵菩薩の祠。

賽の河原の地蔵菩薩全景。
「心ならずも父母に先だった幼児の供養佛。
不幸な者に 祈りの御供養が 現に生きる者の幸せをもたらす。
ここで祈りの御供養は他人の為のみではありません。」
光背の一部が欠け落ち、像の左右に文字が刻まれている様ですが内容は読み取れない。

この辺りから南門に続く参道沿いにかけて複数の地蔵や石仏像が安置されています、その一部は八事周辺に安置され、行き場を失くしてこちらに安置されたものと云う。

こうした祠に安置されたもの、野晒しのものなど南門周辺には年代の分からない石像が安置されている。

お揃いの前掛けと帽子を被せてもらった石像が至る所に安置されています。
中には風化により表情の読み取れないものも見られた。

高照寺は名古屋四国霊場34番、城東西国13番、知多本四国移霊場87番などの霊場となっており、弘法大師像と札所の本尊石仏がひとつの台座に安置され、境内に点在しています。

拝殿から山門の眺め。
隣の幼稚園では元気な子供の声が聞こえてくるが、境内・事務所ともに人影はなく、お話を伺う機会もなく境内を後にする。

天道山 高照寺
宗派 / 臨済宗妙心寺派
山号 / 天道山
創建 / 不明(寛保元年(1741)遷座)
開基 / 不明
本尊 / 天道大日如来
本堂祭祀社 / 稲木社、神明社、天王社
縁日 / 天道祭 旧暦10月14日
所在地 / 名古屋市天白区八事天道815
地下鉄名城線八事駅から高照寺 / ​ 徒歩5分強
参拝日 / 2024/01/19
関連記事 / ​ 五社宮 (名古屋市天白区八事天道)





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Last updated  2024.01.30 00:00:18
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