Laub🍃

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2018.01.17
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カテゴリ: 🌾7種2次表
→1
→2  『わけがわからない』
→3  『話せない』
→4  『置いておけない』
→5  『収拾がつかない』
→6  『違えない』
→7  『誘えない』
→8  『知らない』
→9  『受け止めきれない』
→10
→11  『訊けない』
→12  『救われない』
→13  『そつがない』
あらすじ:
・過去にやってきた安居・涼・まつりIF二次創作小説
・安居(過去)を拉致し、夏B村(過去)で暮らす涼(未来)
・涼(過去)を説得し、混合村(過去)で暮らす安居(未来)とまつり(未来)


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カイコ       12

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 誰か、誰でもいい、助けてほしい。




 俺達は強い。

 俺達は特別だ。

 俺達は大丈夫だ。

 俺達は大丈夫じゃない、一般の、弱い奴らを導き、守らなくてはいけない。

 必要なら粛清もする。


 もはや俺達が法だ。

 俺達を縛り、従え、導き、救う者などどこにも居ない。

 だからこそ今日も俺達は歩ける。
 やらねばならないことをする為に、生きていける。







 俺達の法を形作ったのは要先輩だ。
 俺達に法を守らせたのは先生達だ。

 先生達の事は憎んでいた。もし再会したら卯浪ほど残酷にではなくとも、殺していただろう。
 要先輩にはずっと会いたかった。もし再会したら、俺達のこの選択は、生活は正解なのか訊きたかった。

 答えは何?

 要先輩はいつも正しい事を教えてくれる筈だ。

「要先輩!」

 だから、涼に無理やり連れていかれた先で要先輩と出会えて、俺は心底喜んだ。

 涼はそんな俺を冷たい目で見ていたが、気にする余裕はなかった。


 どうやって生きていけばいい?……要先輩のように、他のチームを陰ひなたにサポートすればいい。

 どうやって、過去を昇華すればいい?……要先輩のように、失敗や挫折を全て前に進む力に変えればいい。

 どうすれば、圧し潰されそうな責任感をどうすればいい?……要先輩のように、沈着冷静に、なすべきことだけをなせばいい。

 混合チームも、花とやらも、夏Bも。

 同様に俺達が導き守らねばならない相手だ。

 余計な事は知る必要も、考える必要もない。


 それだけが、真実だ。
 それだけが、救いだ。





【続】





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最終更新日  2018.11.24 21:17:50
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