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2021年08月11日
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カテゴリ: 自動車メカ、部品
 初めてフルモデルチェンジした 新型アクアは、駆動用車載電池としてリチウムイオン電池(LIB)ではなく、バイポーラ型ニッケル水素電池を採用した。
 LIBよりも安価で安定した性能と耐久性持つ(歴代のプリウスも先代アクアも、電池寿命は30万km以上)ニッケル水素電池(Ni-MH)が、LIB並みに大容量、小型化できたメリットは大きい。

リチウムイオンでない新型トヨタ・アクアの
世界初「バイポーラ型ニッケル水素電池」
が、セル出力1.5倍、搭載セル数1.4倍で
従来比2倍の高出力を実現
著者塚田勝弘
2021/07/19 clicccar 
■従来型アクアの約2倍の高出力を実現
 新型トヨタ・アクアが2021年7月19日に発表されました。初代アクアは、海外名のプリウスCも含めて約187万台を発売。主力市場は日本で、5ナンバーサイズのコンパクトカーとして幅広い層に支持されてきました。 「TNGA化(GA-Bプラットフォーム)」 された新型アクアは、最大の特徴であるカタログ燃費が従来型比で約20%向上し、WLTCモード燃費35.8km/L(Bグレードの最高値)を誇っています。
 新型アクアは、燃費の向上はもちろん、メカニズムの面でも見どころ満載。高出力な 「バイポーラ型ニッケル水素電池」が、駆動用車載電池として世界で初めて採用 されています(Bを除く全車に搭載。Bはリチウムイオン電池になる)。
  … (略) …
 走りの面でも利点があります。アクセル操作への応答性が向上し、低速からリニアでスムーズな発進、加速が可能になるそう。また、電気だけでの走行可能速度域が拡大され、街中の多くのシーンでエンジンを使わず電気だけで走行できます。
  ―  引用終り  ―
     ​
 従来のNi-MHよりコンパクトで高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池は、トヨタ自動車が電動フォークリフト用電池のノウハウを持つ豊田自動織機と共同で開発した。
 従来のNi-MHはニッケルを含有するために、同一容量でリチウムイオン電池より重かった。構造面では、正極と負極の活物質を別々の集電体に塗り、セパレーターを挟んで電解液を注入した1つのセルとして独立している。複数のセルを組み合わせてモジュールにする際は、集電体の横から出したダブをつないで電流を流していた。
  バイポーラ型は、 集電体の片面に正極、もう片方の面に負極を塗った「バイポーラ電極(Bipolar:双極)」を複数枚積層させてパック にした構造をとる。
 従来のニッケル水素電池より集電体などの部品点数が少なくなるため、セルのコンパクト化が可能になる。
 バイポーラ型ニッケル水素電池の 集電体に使われる導電性多孔質体は電極活物質層の厚さ方向に導電経路を形成できる。バイポーラ電極板を積層することで電池容量を増やしながら、大電流を一気に流すことが可能になる
 これらにより、セル単位での出力が高く、同じ体積により多くのセルが搭載できるバイポーラ型ニッケル水素電池は、従来型のニッケル水素電池と比べて大幅な高出力化が可能となる。
 動力用バッテリーのバイポーラ型ニッケル水素電池の容量は5.0Ah。Bグレードが搭載するリチウムイオン電池の容量は4.3Ah。
     ​
 下記の記事は、大容量長周期用途の再生可能エネルギーなどの定置型の電力貯蔵用電池。

実用化困難とされた
「バイポーラ型蓄電池」を量産へ
コストはリチウムイオン電池比2分の1以下
[永山準,EE Times Japan]
2020年6月10日  EE Times Japan
 古河電気工業と古河電池は2020年6月9日、長年実用化が困難とされてきた次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を共同開発した、と発表した。リチウムイオン電池と比べトータルコスト2分の1以下を実現するといい、「電力貯蔵用電池として理想的なものだ」と説明している。2021年度中にサンプル出荷、2022年度から製品出荷を開始する予定だ。
  … (略) …
「揚水発電並み」の低コスト化
&高いエネルギー密度を実現
 今回発表したバイポーラ型蓄電池は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造が特徴。薄い鉛箔を集電体としており、従来の鉛蓄電池と比較し金属材料を削減できることなどから、大幅な低コスト化を実現。同時にその構造から、従来の鉛蓄電池と比べ体積エネルギー密度は約1.5倍、重量エネルギー密度は約2倍を実現するという。
 単電池のエネルギー密度としてはリチウムイオン蓄電池の方が優れているものの、リチウムイオン蓄電池の場合は離隔距離の規制などがあることから、「設置面積当たりのエネルギー量はバイポーラ型蓄電池が上回る」としている。充放電特性は0.2CAで、リチウムイオン蓄電池に匹敵する。
     ​
 消費電力当たりの単価は、リチウムイオン蓄電池と比較し50%以下となるうえ、鉛 電池の特性から、リチウムイオン蓄電池の場合に求められる空調設備も削減できる など、初期投資、ランニングコストの面でのメリットもある。これらの結果、トータルコストはリチウムイオン電池と比較し2分の1以下を実現している。
 このコストについては、揚水発電の設置コストと同等(2万2000円/kwh)を目標としており、「開発が順調に進めば同等のコストのものが提供できる」としている。
  ―  引用終り  ―






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最終更新日  2021年08月11日 06時00分10秒
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