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2022年02月17日
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テーマ: 路線バス(284)
カテゴリ: 自動車メカ、部品
 排気ガス規制、燃費向上(低炭素化)のため、エンジンのダウンサイジングがすすめらた結果、大型トラック、バスのAT(ATM)の普及が拡大している。
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大型路線バス用アリソン製
アリソンジャパン株式会社
2019.11.05 @Press
 中型・大型商用車向けオートマチックトランスミッションの世界最大手メーカー、アリソントランスミッションの日本法人であるアリソンジャパン株式会社(代表取締役社長:アシュウィン・ゴパラスウォーミー)は、大型路線バス用のオートマチックトランスミッションTモデルの累計搭載台数が10,000台に達したと発表しました。
 Tモデルは、2000年8月に三菱ふそうの大型路線バス「エアロスター」ディーゼルエンジン車に初めて設定され、翌年CNG車にも搭載されました。また、2005年にはいすゞ自動車のエルガや日野自動車ブルーリボンにも搭載され、スムーズな発進や加速性が全国のバスドライバーから高く評価されています。2010年には三菱ふそうがエアロスターにATを標準装備することによって、昨今問題となっているドライバー不足を解消するためにもAT車を採用するバス事業者が増え続け、近年の登録台数ベースで、ATは国内の大型路線バスの約4分の3に採用されています
  ―  引用終り  ―
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 商用車では排ガス規制に対応する必要に迫られ、かつてのNA(自然吸気)エンジン主流の時代からターボインタークーラーエンジンが導入され、エンジンのダウンサイジングが図られた。
 ターボ化は排ガス規制対応に必要で、高過給・高燃焼圧化によるエンジンのダウンサイジングは、厳格化する排ガス規制の中で省燃費性能との両立に不可欠だった。
 一般に小排気量エンジンを高出力化できてもトルクカーブは貧弱。
 発進性の確保にはワイドレンジのミッションの多段化が必要で、そのために煩雑なミッション操作を自動化し、トルクを減らさないATであるAМT(オートメーテッド・マニュアル・トランスミッション)が採用されるようになった。
 現在の大型トラックのAМTは12段が主流。
 このAMTが発進停止の多い路線バスでは運転しにくいとのこと。
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最新路線バスの実情とは
編集部(k-kakizaki) 
2022/02/07 ドライバーWeb
  …  (略)  …
現在ワンメイク状態の中型バス
 現在、日本のバスメーカーは路線バスに限ると基本的には三菱ふそうとジェイ・バスの2社です。ジェイ・バスとは聞き慣れないかもしれませんが、日野といすゞの合弁会社。ここで製造されたバスが日野といすゞで販売されています。
 私の所属先の路線バスは中型が主力です。ちなみにここでいう中型とは、免許区分ではなく車体サイズのこと。中型は全長が7~9mのバスを指します。
 この中型路線バスを現在製造しているのはジェイ・バスの一社。車名で言えば日野・レインボーといすゞ・エルガミオで、同一車種です。不評なのはこの現行レインボー/エルガミオ兄弟。では一体どこが不評なのでしょうか。
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実用域でトルク不足の4気筒ターボエンジン
 一般車にはダウンサイジングターボエンジンが浸透しましたが、それはバスも同じです。レインボーもエルガもどちらも4気筒のディーゼルターボエンジンを積んでいます。ちなみに排気量は5.2L。メーカーは環境対応とうたっていますが、実際運転してみると…。
 弊社では旧型のバスが現役です。過走行を気にする人なら目ん玉が吹っ飛ぶような200万km選手もピンピンしています。そんな旧型のエンジンは排気量約8000cc直6の自然吸気。年式により諸元の差は多少ありますが、特性はほぼ一緒です。
 おそらくどのバス会社でもそうですが、運転時はエコの観点からなるべくエンジン回転を抑えて運転するよう運転手に指導するはずです。ちなみに、国交省が策定している指導マニュアルにもそう書いてあります。
 バスのタコメーターにもエコゾーンの表示があり、おおむね2000回転以下だと思います。旧型の場合、1000回転~2000回転の間にパワーバンドがあるため、エコゾーンに回転を合わせていれば、なんの苦もなく運転が可能です。低速トルクも太く、坂道もガンガン登っていきます。自然吸気なのでアクセルレスポンスもよく、例えるなら髪の毛一本分の調整が効きます。
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 しかし、最新型の4気筒ターボはそうはいかないのです。
 ドッカンターボ気質で、低回転はスカスカ、1800回転まで上げて初めて実用域のトルクが出てきます。ターボが効いた瞬間あっという間に吹け上がるので、2000回転を簡単に超えてしまいます。
 そんなエンジンなので、アクセルレスポンスもわりとルーズ。旧型に比べて扱いづらいエンジンです。
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オートマしか選べない
 前述の扱いづらさをさらに助長しているのがトランスミッション。
 現在のバスは、運転の負担を軽減しようという国の方針でAT車の導入が推奨されています。実際、現在のバスはほぼAT車しか売られていません。私がふだん乗る中型路線バスももちろんAT。これがやはり扱いづらいのです。
 このATは、一般車のようなトルクコンバーター方式ではなく、構造は通常のMTで、その変速を自動化したもの。変速の際、トルコンATやDCTのようにすぐに次のギアにつながるのではなく、1.5秒ほど時間がかかります。
 特に発進時に気を使います。先ほども言いましたが、4気筒エンジンの低速トルクが薄いため、発進時はどうしても踏み込みがちになります。そうすると、会社推奨の2000回転のリミットを一瞬で超えてしまいレッドゾーンまで一気に吹けます。
 後続車がイライラするほどゆっくりと発進しないと2000回転で変速してくれないのです。これがMTであれば強制的に2000回転で変速できるためまだ扱いやすい。
 ちなみに私の路線は地方の山岳路線です。この低速トルクの薄いパワートレーンでは吹かさないと山を登りません。
 ちなみにこの4気筒エンジン、 ターボが効いた高回転域のパワーとレスポンスはピカイチ です。それはそれは別のエンジンになったと思うほど。低回転と高回転でこの差をなくすよう設計をして欲しいと願うばかりです。
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効果を疑うCO2削減機構
 ジェイ・バスの中型はダウンサイジングターボエンジンを搭載し、アイドリングストップ機能も付いているエンジンなので、額面上はCO2削減に寄与する環境対応のエンジンです。しかし疑問も。現在のバスに使われるディーゼルエンジンは、一定距離を走る毎にエンジンをかけっぱなしにする必要があります。なぜなら触媒内に閉じ込めたススを燃料で燃やし、尿素水(アドブルー)で無害化するためです。
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 ある程度ススが溜まれば運転中に自動的に焼いてくれるのですが、この間はエンジンを止めてはいけません。止めると故障します。
 これが最終バスで営業所に帰ってくる直前に燃焼に入ってしまうと最悪。運転手は焼き上がるまで帰れません。 焼き初めから完了まで、時間にして30分ほどかかります。
 燃焼状態ではアイドリングストップもできず、停車中に手動で焼けば30分のアイドリング。しかもエンジン回転がある程度上がります。
 エコとはなんぞやと感じます。エコ性能を詰め込んだ結果、チグハグなエコ性能になっていると感じます。
  ―  引用終り  ―
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 大型商用車のATは、AMTが大半。
 AMTは、マニュアルトランスミッションを自動化したもの。 AMTは基本的にマニュアルトランスミッションの操作を自動化したもので、トルクの増幅やトルク抜けのない変速といった機能は備わので、悪路や低ミュー路での走破性はMTと同様。メンテナンスでは、クラッチディスクの交換も必要。
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 バスのATは減速時もMTにはない気遣いが必要だという。
 一速ずつシフトダウンするため、そのたびにシフトショックが伝わり、エンジンブレーキの力が一定しないため、繊細なブレーキ操作が必要になる。
 とくに、停車前の2速から1速にシフトダウンするときの変速ショックが大きいという。
 エンジンの出力特性とミッションの相性の問題であれば、技術進歩でいずれ解決すると思うが、その前にEV化がすすみ、問題(高出力低トルクのエンジン)の所在が解消するだろう。





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最終更新日  2022年02月17日 06時00分09秒
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