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2024年01月23日
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テーマ: 地球温暖化(20)
カテゴリ: 航空&ミリタリー
 第二次世界大戦中、フェルディナント・ポルシェ博士は、タイガー戦車を試作するにあたり、ガソリンエンジンで発電し、モーターで駆動するハイブリッド方式を選択した。当時の技術では重戦車のトランスミッションの強度、耐久性がネックとなったためとされる。
 競合施策で不採用となったが、ポルシェ博士は採用を確信しており、合否を待たずして量産発注に入っていた。
 生産済みの車体装甲板が相当数あったため。これらの車体を突撃砲に改造して、90輌のティーガー(P)戦車駆逐車(フェルディナント)が生産された。フェルディナント重駆逐戦車を運用した部隊は、ギアチェンジが無用であったため操縦性の評価は悪くなく、また変速機に関するトラブルが少なくなったと報告されている。
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 下記は、現代の米陸軍が戦闘車両のハイブリッド化を目論んでいるとの記事。
 メリットは大きな電力需要に対応可能なことと、静粛性の向上。
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“驚異的な燃料代”削減だけじゃない目論見…EVは?
乗りものニュース / 2023年12月17日 
 アメリカ陸軍が主力の装輪装甲車「ストライカー」を“ハイブリッド電気駆動”にしようと動き始めました。ただ、なぜEVではなくハイブリッドなのでしょうか。また、防衛省および自衛隊の動向についても探ります。
アメリカ軍で進むハイブリッド化の動き
 アメリカ軍が軍用車両の駆動方式の“ハイブリッド化”に強い関心を持っています。過去に行った第5世代戦車の研究でも、その能力の一つにハイブリッド電気駆動方式を挙げていたほどで、実際、2022年10月にゼネラル・ダイナミクス(GD)社が発表した次世代戦車の技術実証車「エイブラムスX」も、ハイブリッド機関を搭載していました。
 そのようななか、2023年11月、アメリカ陸軍は主力の装輪装甲車「ストライカー」のハイブリッド電気駆動に関して、防衛関連企業に向けて情報の提供を求めました。なぜいま、戦闘車両のハイブリッド化に着目しているのでしょうか。
 今回、 アメリカ陸軍はストライカー装甲車のハイブリッド化を進めるにあたり、その機能について「電力を生み出し、蓄電し、そして外部の機械に提供できること。電力需要の大きなシステムを支援するため、12ボルトDC、28ボルトDC、高電圧DC、および110ボルトAC、220ボルトACなど、多様な規格で電力を提供できること」 と説明しています。
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 近年、戦闘車両の装備品はハイテク化が進んでいます。それに伴い、さまざまな電子機器・電気製品を搭載するようになりました。たとえば、ドローンの迎撃手段として注目されている高出力レーザーは大きな電力を必要とします。小型化が進んでいる電子戦機材も同様です。
 また、対戦車ミサイルなどから車体を防護するため戦車などに搭載されるアクティブ防護装置は、センサーや制御システムを動かし続けるため、やはり大きな電力を必要とします。このように、戦場における電力需要が今後高まることが予想されることから、それがハイブリッド化を推進する大きな理由になっているといえるでしょう。
 加えて、ハイブリッド化で期待されているのが静粛性です。身近な例でも、ハイブリッド乗用車は従来のガソリン車やディーゼル車と比べてとても静かな駆動音です。ストライカーのハイブリッド化にあたって陸軍は「バッテリー駆動により、サイレント・ウォッチ(静粛監視)およびサイレント・モビリティ(静粛機動)を実現する」と解説しており、偵察・監視や移動時の隠密性に期待しているようです。
 あわせて、ハイブリッドの強みである低速かつ大トルクによる機動性・加速性の向上など、既存車両を上回る性能が求められています。
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アメリカ軍の燃料代はなんと年間1兆円
 アメリカ軍がハイブリッド化を推進するもう一つの要因と言えるのが、燃料消費量の削減です。
 実は、アメリカ軍による石油燃料の消費量は世界一だと言われています。どれだけ膨大かというと、年間40億ガロン(150億リットル)を消費し、燃料代だけで90億ドル(約1兆3500億円)にものぼるのだとか。なお、1個機甲師団を動かすためには、50万ガロン(190万リットル)の燃料が必要だとされています。そのため、前進する部隊に追随する補給部隊にはかなりの負担がかかりますし、その長く伸びた補給線は、大きな“弱点”にもなり得ます。
 さらに近年では、兵站面や金銭面の問題だけでなく、地球環境に与える影響も懸念されています。これだけの石油燃料を消費するアメリカ軍は、二酸化炭素排出量でも世界一です。アメリカは2030年までに二酸化炭素の排出量について40%削減を掲げており、こうした国家政策を実現する意味でも、最大の排出元であるアメリカ軍に対策が迫られていると言えるでしょう。
  ―  引用終わり  ―
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 燃料の大量消費は費用の問題もあるが、ロジスティクスの問題でもある。戦闘の最前線省資源化は大事だ。
 航続距離が短く、充電時間が長いことがネックとして完全EV化は検討されていないとのこと。
 兵器など作らない、持たないことが低炭素化の早道。









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最終更新日  2024年01月23日 06時00分12秒
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