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今日は京王線芦花公園駅近くにある世田谷文学館でやっていた「帰ってきた寺山修司」という展覧会を見てきました。今日が最終日だったものでね。 描いた絵を並べれば済む画家の場合と違い、作家の展覧会というのはある意味難しいもので、何を展示すればいいのか曖昧なところがある。生原稿か、初版本か、その時々の写真か、はたまた書斎の再現か。で、今回の寺山展の場合、展示の主眼を「手紙」に置いたようでした。とにかく、手紙、手紙、手紙のオンパレード(もちろん葉書を含む)。まあ、筆まめというのか、膨大な数の手紙を寺山修司という人は書いたんだなあ、というのがまず第一印象。 で、その手紙の内容がまた面白くて、例えば彼のパトロンでもあった野中トモさん宛ての手紙などでは、平気で「金オクレ」なんて書いている。金だけでなく「欲しいものリスト」なんかを送りつけ、「襟のところがこんな風になった(図解あり)セーターが欲しい」とか「蓄音器が欲しい」とか、そんな要求をするかと思えば、送られてきた品物にケチをつけたり、まあ、甘え放題。 それから「兄貴」と親しんだ中井英夫氏宛ての書簡では、「(腎臓病で入院している時に)兄貴は手紙をくれなかった。待っていたのに」なんて、これまた甘えて拗ねたような文を書いてみたり。 一方、自分と同年代の全国の詩歌好きの若者を糾合して結成したグループ「牧羊神」関連では、親しくなった同志に対して、励ます手紙を書いてみたり、批判する手紙を書いてみたり、とにかく忙しい。 まあ、ある意味、根っからの淋しがりであり、また天性のアジテーターだったんでしょうな。とにかく周囲の人間を巻き込んで、何か祝祭的なことを盛り上げようとする。そしてその際、今のようにインターネットだのメールだのケータイの無い時代にあって、他の人間にアプローチするには、手紙に頼るしかない。寺山の書き残した膨大な手紙を見ていると、彼がどんなエネルギーを持って人との接触を試みたか、その切ないまでの人恋しさが伝わってくるようです。 それで、その手紙の文章もそうなんですけど、彼の文章は一文が長い! 独特の息遣いで延々と繋がっていく独特の文体は、同じく一文の長い私には非常に親しみが湧くものでありまして、それは何となく嬉しかったなあ。 あともう一つ面白かったのは、世田谷の下馬に彼が作った最初の「天井桟敷」のこと。 杉並に住んでいた彼が、膨大な量の本に追い出されるようにして新居を求めた際、世田谷・下馬に恰好の物件があった。当時としてはかなりモダンなステップフロアのアパートを3フロア借り、一番上の階を自分の家に、下の2フロアを劇団の稽古場と劇場ということにして、自分の劇団「天井桟敷」を旗揚げするわけですが、これがとても素敵なわけ。その後天井桟敷の劇場は渋谷や麻布十番に移るわけですけど、建築マニアの私の目から見ると、やっぱり最初の下馬のアパートが一番いい。 で、そこで彼の『家出のすすめ』『書を捨てよ 町へ出よう』なんかに触発されて本当に家出して来た少年少女をかくまって、自分の劇団員にしてしまったりしながら面倒を見た、というところもね、いかにも寺山ワールドということで。 それにしても、寺山修司って47歳で死んでいるんだよなあ・・・。もう、その年齢を超えちゃったよ、ワタクシ。まあ、昭和10年生れですから、今生きていたとしたら立派に後期高齢者。おじいさんの寺山修司というのも想像つかない気もしますが、また彼だったら一体どんな洒落者の爺さんになっただろうか、という興味もあったりして。 とにかく、記録より記憶に残る才人・寺山修司に対する私の興味は、尽きることがないのでした。
March 31, 2013
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父愛用のカメラ、ニコンのクールピクスがそろそろ寿命が尽きそうな感じになってきたこともあり、カメラを新調したいというので、今日は父に付き合って町田のヨドバシカメラに行ってきました。 父の希望としては、今まで使ってきたコンパクト・デジカメよりも性能が上であり、かつデジタル一眼カメラほど操作が難しくないもの。そしてもう一つの条件が、「光学ファインダー」の付いているもの。 コンパクト・デジカメの場合、ほとんどが背面にある液晶の画面を使って撮影対象をチェックする方式ですが、強い太陽光の下などですと、この液晶の画面が黒くなってしまって、年寄りの目には何が映っているか分からないというのですな。ですから、昔のカメラにあったような光学式のファインダーが付いているカメラで、そのファインダーを覗く形で撮影したいと。 ところが、コンパクト・デジカメの世界で、光学式ファインダーを備えている機種というのは、さほど数がないわけ。 で、その少ない選択肢の中から、店員さんのアドバイスなども参考にしつつ、機種を選んだのですけど、その結果我らが選んだのは・・・ じゃーん! 富士フイルムの最新型、「X20」という機種でーす! これ、何が良いって、まずデザインがいい。クラシカルなデザインで、ちょっとライカっぽいところも。そして、素人レベルのユーザーにとっての使いやすさ、という点から言っても、例えば某キャノン製のパワーショット・シリーズなどよりこちらの方が上かなと。 ということで、目出度くこの機種を購入に及び、釈迦楽家の男二人、いそいそと帰宅の途に就いたのでございます。 で、家に帰って来てからあれこれいじっているのですが、いじればいじるほどその性能には驚くばかり。フォーカスの速さなんて特筆もので、本当にチャッと焦点合わせてカシッと撮る、って感じ。その素早さ。その他、ちょっとボタンを操作すればアーティスティックな撮り方をすることもできるし、これがあれば一眼レフまでは必要ないんじゃないの?と思いますなあ。 っていうか、私もこれ欲しい! ということで、今日はちょっと大きな買い物をして、父と共に興奮気味な私なのでありました、とさ。このカメラで、果たして父の写真の腕は上がるのか? ちょっと楽しみです。これこれ! ↓【当店限定!ポイント3倍UP祭!!】[3年保険付]【送料無料】Fujifilm FinePix X20デジタルカメラ...価格:58,250円(税込、送料込)
March 30, 2013
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今朝起きて、とりあえずネットのニュースを見て驚いたのが坂口良子さんの訃報。思わず「ええっ!?」と声が出てしまいました。享年57、如何にも早すぎる死でした。 坂口さんの死を報じる報道番組などで『池中玄太80キロ』が取り上げられていましたが、この番組、私も子供の頃、ちょくちょく見ていました。姉が坂口さんのファンだったのでね。玄太役の西田敏行さんがオーバーアクション気味の熱演(彼はいつでもそうですが)で、坂口さんは、その玄太としばしばぶつかり合いながらも、本当は彼のことが好きな女の子役でしたっけ? 後で二人は結婚するのかな? この番組に出ていた頃の若き日の坂口さんは、おしとやかな女性というよりは、売り言葉に買い言葉で、男性との激しい口論も辞さないような、気の強いべらんめえ調の女性を演じることが多かったと思いますが、ちょっと他の女優さんと異なる個性があって、人気があったのではないでしょうかね。1970年代の若い元気な女性の、ある種、典型を演じたような。 最近は、当時のことが思い出せないくらい、もっとずっとしっとりとした女優さんになられて、この後もますます年齢の重みを感じさせるような女優になっていくのかと思っていただけに、こんなに早く亡くなるとは、残念なことでございます。最初の結婚でご苦労されて、ようやく最近になって再び幸せを手に入れられたばかりというのに。 ということで、子供の頃から親しんだ女優さんの死を悼み、そのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。
March 29, 2013
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今日は姉・甥・家内と共に、春のお散歩を楽しみました。 まず我々が向かったのは、小田急線梅ヶ丘駅そばにあるお寿司屋さん「美登利寿司」本店。この界隈では非常に有名なお店です。 で、食べたのですが、実際、かなり美味しかったです。コスパから言っても、相当なものなのではないかと。寿司好きの姉に言わせると、やはり昨年のこの時期、築地で食べた寿司には到底かなわないとのことですが、まあ、築地は別格として、普通に考えたら十分美味しい。私としてはおすすめ!です。 さて、昼食の後、小田急線で二駅戻った経堂に降り立った我ら。今日は、経堂の商店街をもやさま風にぶらりと歩いてみようかと。 小田急ユーザー歴の長い我らといえども、経堂は常に通過駅でありまして、降りたことがほとんどない。そんな「名前は良く知っているけど、実際には全然知らない街」を歩いてみようというのが今日の散歩の主旨。で、北口から北西に延びる「すずらん通り」をそぞろ歩くことに。 で、そのすずらん通り、一言で言って昭和な感じの商店街なのですが、肉屋も八百屋も金物屋も履物屋も染物屋も電気屋もラーメン屋もパン屋もケーキ屋も、それぞれ元気にオープンしていて寂れる様子がない。ああ、まだこういう元気な商店街があるんだ、という感に浸りながら、ところどころの店を冷やかしながらずんずん進んで参ります。 そして! 今日の散歩の目玉の一つ、遠藤書店に到達! 経堂の遠藤書店。私はずっと以前から一度行ってみたかったのであります。なんとなれば、こここそは経堂にお住まいだったかの植草甚一大人が贔屓にしていた古書店だからでありまーす。古本好きにとっては、一種の聖地。私も一度は聖地詣をしたいと思っていたんですよね~。 で、そんな私の思いを知ってか、通りに面したお買い得書棚にて『池田満寿夫20年の全貌』(美術出版)を発見。なんと630円という破格値。池田満寿夫の本をコレクションし続けているワタクシも、この本はまだ持ってなかったので、すごいラッキー! 家内も大好きな三浦しをんさんの文庫本をゲットで、大満足。 聖地巡礼を果たし、収穫まであってホクホクの私たちは、さらに商店街を歩いて行きます。 すると、商店街の中にちらほらとしゃれおつなお店が現れてまいります。 例えばドイツの木製人形なんかを集めた相当マニアックなお店とか、東欧系の文房具なんかを扱う「はるかぜ舎」とか、これまたチェコあたりの雑貨や絵本などを扱う「URESICA」とか、北欧系の雑貨を扱う「lihnfa」とか、結構面白い。私、「URESICA」で旧東欧のピンバッジを300円で買っちゃった! これ、4月からスーツにつけてワンポイント・アクセントにしようっと。 で、そんな感じで小さいながらも面白いお店を冷やかしながらすずらん通りを堪能した我らは、この辺でお茶でも飲もうということになり、一旦駅に戻り、高架をくぐって駅の南口に出て、「アルルカン」というケーキの店に向います。ここのケーキが旨いと、ネットで調べておいたので。 が! 残念ながらお店は既におばちゃんたちで一杯で座れそうもない。そこで仕方なくこのお店の二階にあるカフェ、「カフェ・ド・ローズ」でお茶を飲むことに。 そしたらプランBのこのカフェがなかなか良かったのでございます。私と甥っこはアイス・ココアを、家内はゆずジュースを、姉はホットのコーヒーを頼んだのですが、それぞれ美味しかったですし、また店内のしつらえがなんだか妙に落ち着くというか、私好み。で、このカフェで寿司と散歩から来る喉の渇きを一気に癒したのでした。 とまあ、そんな感じで今日のお散歩は終了~。(遠藤書店は別として)特に目的のない散歩でしたが、そういうのも面白いものですな。知らない街を歩くということ自体、結構、気晴らしになるし。 ということで、お天気のいい今日、春のお散歩を楽しんだ私たちだったのでありましたとさ。今日も、いい日だ!
March 28, 2013
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今日は家内と甥っ子を連れてコストコに買い物に出かけました。 大学3年生の甥っ子、就活でさぞや大変な思いをしているのかと思いきや、もう就職先は決まったのですと。 ひゃー、やけに早いな! 聞けば、人材系のベンチャー企業に決まったとのこと。この他にも大手企業の面接もそこそこ順調に進展していたようですが、大手に行ったらそこに安住し、甘えてしまいそうだから、敢えて起業から間もないベンチャーで勉強したいと。 ふーむ、さすが我が甥っ子。人と違う道を行くという点で、釈迦楽イズムを立派に継承しているじゃないの。やっぱり血は争えませんな。 ということで、今日の昼は甥の就職を祝って私が大盤振る舞い。コストコ名物ホットドッグ(180円でめちゃくちゃ旨い。しかもドリンク飲み放題付き)をおごってあげたのでございます。もちろん、いずれベンチャー長者になったら、今日のこの日の恩を忘れずに、私にベンツとかプレゼントしてくれよ、と、くどいほど念を押しながら。 そして例によってコストコの物量ショッピングにハイになり、直径40センチくらいのホールのスフレチーズケーキを、「食べきれるのかよ・・・」という心配をよそに買ってしまったりしながら、めでたく凱旋帰宅となったのでございます。 それにしても、家系のほとんどが教職に就いている釈迦楽家の中で、甥っ子はほとんど初と言っていい「サラリーマン」となるわけで、彼が一体どんな人生を歩むのか。この子は、私を遥かに凌駕する話術の持ち主なので、この先、社会で経験した面白い話を聞かせてもらえるのが楽しみでございます。
March 27, 2013
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今日は東京の実家に戻りました。 で、新東名を疾走する脇で家内は熟睡してしまいましたので、私はヒマを持て余して「一人懐メロ大会」を開催することに。 で、やっぱりこの時期、卒業関連かなと思って、「なごり雪」などを一節。 なごり雪汽車を待つ君の横でぼくは時計をきにしてる季節外れの雪が降ってる東京で見る雪はこれが最後ねと、さみしそうに君がつぶやく そして、ついでに「心の旅」とか。心の旅ああ、だから今夜だけは君を抱いていたいああ、明日の今頃は、僕は汽車の中旅立つ僕の心を知っていたのか遠く離れてしまえば愛は終わると言ったもしも許されるならねむりについた君をポケットにつめこんでそのまま連れ去りたい それぞれ、いい歌だねえ。どちらの歌にも「汽車」が出てくるってところが昭和ですな。今と違って、ケータイなんかないわけですから、今以上に物理的な距離がモノを言う。汽車=別れってところが、何とも切なくていいよね! それにしても、昭和の頃はこういう春の別れの歌がいくつもあったけれど、今はどうなんだろう。最近の流行歌を知らないので何とも言えませんが、多くの人が共感できるような春の別れの歌ってのは、あるのだろうか。あるのだろうか、って問うている時点で、ないことが確定しているわけなんですが・・・。 歌は世に連れ、世は歌に連れというけれど、最近は世の中と歌が若干ずれているような気がしますなあ。
March 26, 2013
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昨夜、F1マレーシアグランプリがあったのですが、これがまた後味の悪いレースでね・・・。 優勝はレッドブルチームのベッテル、2位がチームメイトのウェバー、3位がメルセデスチームのハミルトンだったのですが、表彰台に上がった3人が3人とも渋い顔で。 事はレース終盤に起きまして。トップを走っていたウェバーにチームから「マルチ21を実行する」という指令が来た。2位を走っているベッテルと共に、1-2フィニッシュさせるから、タイヤをいたわってゆっくり走れ、という指令です。で、ウェバーはこの指示を受け、自分の優勝を確信してクルージング(順位を譲らない程度にゆっくり走ること)を始めた。 ところが2位走行中のベッテルがこのチームの指示を無視し、ウェバーを追い抜かしてしまったんです。まさかチームメイトが自分を抜きにかかると思っていなかったウェバーとの間で熾烈なバトルがあったのですが、とにかくベッテルはウェバーをコース上で追い抜かして優勝してしまった。 で、怒ったのはウェバーです。レース直後から烈しい口調でベッテルを問い詰め、表彰台でもチームメイトの方をちらりとも見ず、インタビューでも怒りを爆発させていた。 一方、ベッテルも自分が指令を無視したことを認め、チームとウェバーに謝罪したのですが、ベッテル優勝の記録は残るわけですから、ウェバーとしては謝られたくらいで怒りが収まるはずもなし。 さて、他方、メルセデスチームのハミルトンですが、彼は彼でチームメイトのロズベルグと3位を争ったのですが、レース半ばまでに燃料を使い過ぎたハミルトンは、レース終盤、燃料を節約しながら走らざるを得なかった。それゆえ、本来であれば、4位走行中のロズベルグの方が速く走れたわけで、本来ならロズベルグが3位になっていたはず。 ところがこれまたチームからの指令で、ハミルトン3位、ロズベルグ4位のまま、チームメイト同士で争うことなくフィニッシュすることが決まり、ロズベルグはハミルトンを抜かそうと思えば抜かせたのに、4位に甘んじた。で、ハミルトンもそれを自覚しているので、レース後のインタビューでも「本来ならロズベルグが3位だったはずだが・・・」と言葉を濁したと。 チームの指令を守らず、1位を走っていたチームメイトを抜かしてしまったベッテル。そして抜かされたウェバー。チームの指令を守ってチームメイトから3位を譲られたハミルトン。表彰台の上の3人が、3人とも渋い顔をしていたのは、こういう理由です。 「これがF1だ」と言えばその通りですし、そういうものとして私も長年F1を見続けていますが、しかし、ここまで後味の悪いレースって、あまり見たことがないですなあ。 ハミルトンに3位を譲ったロズベルグを「大人」として誉めれば、1位を譲らなかったベッテルを悪者にすることになりますし、「観客はチーム指令なんて興味ない、実力のある奴が勝つレースが見たいんだ」としてベッテルの行為を正当化すれば、それはハミルトンを悪者にすることになり、2位になって怒っているウェバーも大人げないということになる。 しかし、ここにさらに色々条件が加わるわけですよ。 ベッテルとウェバーでは、おそらくベッテルの方が実力が上でしょう。だから、ウェバーにとって、優勝のチャンスはそれほど多くない。その多くない優勝のチャンスを逃してしまったということは、彼にとって非常に大きな悲しみだったはず。しかも、ウェバーだって、ベッテルが自分を抜きに掛かるつもりだと最初から分かっていたら、そもそもクルージングなんかせずに必死で走ったでしょうから、このレースに限っては実力で優勝できたかもしれない。 ということで、私としては、ウェバーの怒りはすごく理解できるわけ。これはもう、「大人げないから怒るな」なんていうレベルのことじゃないんですよね・・・。 といって、例えば次のレースでベッテルがわざとスローダウンしてウェバーを先行させ、彼に優勝させたとしても、それでウェバーの不満が解消されて、ベッテルの負い目がチャラになるかといえば、決してそんなことはないはず。「2013年のマレーシアグランプリで、本来自分が得るはずの優勝を、チームメイトの裏切りで失った」という怒りと悔しさは、一生ウェバーの記憶に残るでしょう。 なんかねえ・・・。 そのウェバーの気持ちが分かるので、昨夜からこのことを考える度に、私の心も沈むわけよ。 結局、何が一番いけなかったかというと、チーム・オーダーがいかんのだよね。シーズン終盤で、年間チャンピオンを争っている場面ならまだしも、シーズンが開幕したばかりの時点で、チーム・オーダー出す意味ってあるのかね? とまあ、とにかく、嫌な後味のF1になってしまって、気が晴れない私なのでした。
March 25, 2013
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今日は我ら夫婦の15回目の結婚記念日でした。あれから丸15年経ったのか・・・。早いなあ・・・。 というわけで、今日の夕食は、ちょっとドレスアップしてフレンチのレストランでとることに。向ったのは本山にある「コカブ・フレンチ」というお店。 コースは3種類くらいありましたが、私は前菜にポークとフォアグラのゼリー寄せ、メインに鴨のロースト、デザートになんとか風プリンを、家内は前妻にイワシのマリネとクスクスのサラダ風なんとか、メインに仔羊のロースト、デザートに栗のタルトを選択。コースにはこの他に口取りとスープ(今日はグリーンピースのポタージュ)が付きます。本当はワインでも飲みたいところでしたが、クルマで行ったので今日はソフトドリンクで我慢。 で、味ですが、一言で言って合格。ちょっとだけ難をつけるとすると、家内の仔羊のローストが少し癖が強かったのと、私のデザートにかかっていた苺ソースが強すぎてプリンの風味が消えてしまった点がアレでしたけれど、その他の料理は実に旨し。値段との兼ね合いから言っても、リピートするに足る美味しさでした。 ただ、これはこちらの問題ですが、段々年をとってくると、フランス料理のボリュームが堪えるようになってきますな。美味しいし、好みの味ではあるのですが、料理の迫力に圧されるっていうの? バターたっぷりのソースとかに寄り切られて、こちらの胃の腑が力負けするみたいな。その点、オリーブオイル中心のイタリアンの方が、まだ対等に渡り合えるというか。 いずれにせよ、いわゆるフルコース料理、すなわち魚料理と肉料理の両方が出てくる類のコース料理はもう無理。 なーんて、「俺は干物に海苔の佃煮だけあればいいよ」なんて日が来るのも近いのかしら。やだやだ、歳は取りたくないね・・・。 それはともかく、美味しいフランス料理に舌鼓を打ちながら結婚15年の節目を迎えられて、今日はよい日でした。明日から16年目の第一歩、これまで同様、二人仲良く暮らして行きたいものでございます。
March 24, 2013
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先週・今週とNHK教育テレビで放送された「エトワールをめざして:オペラ座バレエ学校」を見たのですが、これがなかなか興味深いものでして。 パリのオペラ座と言えば世界的に名高いバレエ団ですが、このバレエ団にはその育成組織として、バレエ学校がある。で、このバレエ学校に入ること自体、非常に高い競争を潜り抜ける必要があるのですが、しかしここを卒業したとてバレエ団に入団できるのは年に二人とか三人とかその程度。まったくもって厳しい世界でございます。 で、バレエ学校では、フランスばかりでなく世界中から選ばれた10歳とか11歳くらいの少年・少女が、親元を離れ、寄宿舎生活をしながら、オペラ座独特のメソッドによってバレエを叩きこまれるわけ。しかも、トラディショナルなバレエのレッスンだけでなく、世界各国の民俗舞踊やモダン・バレエも同時に習い、また表現力を上げるためにパントマイムや創作ダンスの練習もさせられる。またこの学校では学業の方も重視していて、卒業と同時にフランスの大学受験資格を取ることが義務付けられているんです。何しろ、卒業者の全員がバレエ団に入団できるわけではないので、ここを出てからバレエ以外の道に進むことも出来るようにしておいてあげることが絶対に必要なんですな。 勿論、練習は厳しく、毎年行われる進級審査に落ちれば、その時点で学校を退学しなくてはならない。寄宿舎で家族のように暮らしているクラスメートたちは、同時に非常に厳しい競争社会におけるライバルでもある。そのアンビバレントな環境の中で、時に悩んだり落ち込んだりしながらも、子どもたちは逞しく育っていく。 そして卒業時、バレエ団に入団できるかどうかを決める審査に、彼らは果敢に挑んでいく。 その道を目指す人たちにとっては夢の学校であり、かつ18歳という年齢でバレエ団に入団できるか否か、すなわち成功者と落伍者が決まってしまう残酷な環境でもあるパリ・オペラ座附属バレエ学校。そういう過酷な環境に身を置いたことのない凡人の私には、想像を絶するような世界が展開しておりました。 それにしても考えさせられるのは、このバレエ学校の教育方針のブレのなさね。ルイ14世の時代から続く伝統に対する自信。そしてこの伝統を次の世代へと伝えるために優れたバレエダンサーを養成するのだという使命感。この二つに支えられたこの学校の確固たる教育メソッドがまず素晴らしい。そして自分の才能に賭け、このバレエ学校の門を叩いて、学校の提供するメソッドに挑む子供たちの大人びた自負心がまた素晴らしい。 勿論、こういう学校に入ったがために、通常の「子供らしい時代」を過ごせないということについて、憐れむ向きはあるでしょう。何が幸せか、という基準で考えたら、ごく普通の学校に通って、ごく普通の子供時代を過ごすことの方が幸せだ、と考えることも当然できる。 しかし、本当に自分の夢が叶うかどうか分からない不安の中、それでも一心に一つの目標に向かって限界まで努力する経験というのは、それはそれですごく貴重なものではありましょう。 とにかく、そういう学校があり、その学校で必死に頑張る子供たちが居るということは、何か感動的なまでに凄いことであるなと、このドキュメンタリーを見ながら思ったことでした。 それにつけても思うのは、このバレエ学校に比して、日本の「大学」なるところの甘っちょろさね。バイトとクラブ活動に明け暮れ、授業は半分寝ていたって卒業できるような日本の大学って、どうなのよ。その大学の一員として、反省することしきりでございます。本当は、勉強が忙しすぎてバイトしているヒマなんてまったくない、という状態にしなければいかんのでしょうなあ・・・。
March 23, 2013
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今日は所属大学で卒業式がありました。 卒業式ってのは、華やかなようで寂しいもので、顔で笑って心で泣いて、ってなもんですかね。 ゼミ生たちは、4月からそれぞれの道に進むわけですが、就職した連中は大変だと思います。お金をもらうってのは、そのこと自体、大変なことですから。 社会は大学とは違って甘くないですから、嫌になることも多いでしょう。だけどその嫌なことも、時間が経てば、懐かしく思える日は必ず来る。 そのことを信じて、頑張ってほしいものでございます。 ただ、あんまり辛い時は、私の研究室に私のお気楽な話でも聞きにおいで。そのための母校なのだから。 そして君たちの母校とは、大学のキャンパスでも建物でもなく、私自身なのだから。
March 22, 2013
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注文しておいたキンドル、ついに落手! ついにワタクシも電子ブック時代に突入しました~! ちなみにこの度、私がゲットしたのは、キンドルの中でも一番シンプルなもの、すわなち「ペーパーホワイト」のWiFi版で、8,000円を切る値段の奴。本を読むという本来の機能に徹した機種でございます。 でね、早速自宅のWiFiに接続してアマゾンに登録し、とりあえず洋書を2冊ほど、買っちゃった。1冊は研究書、1冊はミステリーを。 で、電子ブックで本を読むとはどのような体験なのかと思って、さしあたりミステリーの方から読み始めたのですが・・・ うーん、なるほど・・・。 ふむふむ。ははあ・・・。 ほほう・・・。 ・・・って、擬音ばかりじゃ何も分からないですね。 まあ、使い心地っていうか、読み心地は、悪くないですよ。ペーパーホワイトの場合、パソコンの画面よりよほど「紙」っぽいので、目の負担は少なそうですしね。 あと、洋書を読んでいる時に、知らない単語が出てきた場合、その単語の部分をタッチするだけで自動的に英和辞書が起動し、その場で意味が判明してしまうのもすごくいい。一旦本を置いて、電子辞書を開いて、文字を打ち込んで、という手間が要らないのは、一言で言ってチョー楽です。 ただ・・・まだ慣れないもので、電子ブックの持ち方がイマイチ定まらない感じなんですよね。普通の紙の本ですと、本自体に適度な厚みがあるのと、本のどこを持っても構わない、というのがあるので、持ち方に自由度があるわけですが、キンドルのような電子ブックの場合、それ自体は薄いものの、画面を触るとページがめくれてしまうので、どこを持ってもいい、というわけではない。額縁の縁の部分みたいなところを持たないといけないんですな。そこがね・・・。どう持てば一番腕に負担が少ないか、と言うのが、まだイマイチ分からない、みたいな。 とまあ、まだ慣れないところはありますが、便利なものではあるのだろうなと。この先、使い込んで行くうちに、少しずつ慣れて行くのではないですかね。 ただ、問題はアレですな、まだまだキンドルで買える本が少ないってことじゃないですかね。これは、ある意味、致命的なことなので、この先の充実に期待するしかない。逆に、版権の切れた昔の本などが、タダで手に入るというのは非常にすばらしい。 あと、アメリカ版のキンドルですと、例えば、テキストの読み上げもしてくれたりするので、本の内容を耳で聴く、ということもできるのですが、日本版のキンドルにはどうもそういう機能はないらしい。そうなってくると、例えば洋書の読書に限って言えば、アメリカ版を別に手に入れるという方がいいのかしら、なんてことも思ったりして。 ということで、キンドル生活、まだ始まったばかりですが、この先当分の間は、試行錯誤が続きそうです。
March 21, 2013
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休日ながら雨の一日。学会対策で本を読む一日だったのですが、夕方、ちょっと気晴らしに外に出てきました。 家内と向かったのは、「星乃珈琲店」。ここの「スフレパンケーキ」なるものを食べてやろうじゃないか、という狙いでございます。 このスフレパンケーキですが、普通のホットケーキより直径は小さ目ですが、厚みは倍くらいあって、いかにも「スフレ」っぽい感じ。シングルを2つ注文するより、ダブルを注文した方がコスパが高いので、ダブルを1つ注文して待つことしばし(注文してから焼き上がるまで20分くらい掛かる)。出てきたアツアツのを食べてみると、やはり普通のホットケーキよりも柔らかく、ふかふかしている感じでしょうか。で、これに合わせて当店自慢の「星乃ブレンド」を飲む。 で、この星乃ブレンドですが、コク・酸味とも濃いめで、京都のイノダ・コーヒ(「コーヒー」ではなく、「コーヒ」と書くのがイノダ風)を思い出させるような味でした。普段、自分で淹れているコーヒーの味とは大分違うので、いかにも喫茶店で飲んだな、という感じを抱かせてくれるもの。 というわけで、星乃珈琲店に初見参となったわけですけれども、その評価はと言いますと、うーん、まあまあ、かな・・・。 まあね、スフレパンケーキもコーヒーも美味しかったし、椅子も大き目でリラックスできるのですが、禁煙席・喫煙席の別がないもので、ちょっとタバコ臭かったかなと。それに、備え付けの雑誌が新聞・スポーツ新聞・ゴルフ雑誌にオヤジ雑誌と、私が読むようなものがない。 その辺がマイナス・ポイントではありますが、この店にはもう一つの名物として「スフレドリア」というものがありますし、「カツサンド」など各種パンメニューもある。その辺を目指して、次はお昼時に利用してみて、その評価を待ってから、正式に「釈迦楽教授行きつけ店」に認定するかどうか、考えるといたしましょう(この上から目線、何様?!)。これこれ! ↓星乃珈琲店HP
March 20, 2013
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クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ジャンゴ』を観てきましたので、心覚えを付けておきます。以下、ネタばれ注意ということで。 時代背景は奴隷解放前のアメリカ。歯科医のドイツ人、ドクター・シュルツは、今は歯科医としてではなく、腕利きの賞金稼ぎとしてアメリカ南部を中心に荒稼ぎ中。そんな中、賞金のかかった悪党3人の顔が分かるということで、奴隷商人から黒人青年・ジャンゴを買い取ることに。 で、ジャンゴの手助けによって無事、悪党3人を射殺したシュルツは、ジャンゴが役に立つ男であることを見抜き、自分(白人)と同等の人間として、ジャンゴを賞金稼ぎの助手に重用するようになる。 で、そんな風に二人で賞金稼ぎの旅をしていく中で、シュルツはジャンゴの過去を知ることになる。それによると、ジャンゴは奴隷時代、同じく奴隷のある娘と結婚していたのだが、二人で逃亡を企てたことが発覚し、別々に売られてしまった。そこでジャンゴは、自分が賞金稼ぎとして稼いだ金で、妻を買い戻すつもりであるとのこと。で、ジャンゴの悲惨な過去に同情したシュルツは、ジャンゴの妻買い戻し作戦に加担することを約束する。 ところが、調べてみると、ジャンゴの妻ブルームヒルダを買い取ったカルヴィン・キャンディなる人物は、一筋縄ではいかない人物であることが判明。もしジャンゴにとってブルームヒルダを買い取ることが何よりも重要なことであると知れば、キャンディはジャンゴに嫌がらせをするためだけでも、ブルームヒルダを手放さないであろうことは明らかなわけ。そこで一計を案じたシュルツは、キャンディが所有するマンディンゴ(黒人奴隷による命をかけたレスリング)のレスラーをサーカス用に高額で買い取るという芝居を打ち、そのついでにドイツ語の話せる奴隷としてブルームヒルダも買い取るということにして、いわば、付録に過ぎないものという体で、彼女を買い取る作戦に出た。 さて、シュルツとジャンゴの二人組は、キャンディをうまく騙して、ブルームヒルダを買い戻すことができるのか?! と、いうようなストーリーです。 で、この映画に対する私の評点は・・・ 「72点」でーす。ギリギリ合格。 うーん。面白くなくはない。面白くなくはないのだけど、タランティーノの映画としては、イマイチ、ひねりに欠けるんだよなあ・・・。 大体、シュルツのように賢い賞金稼ぎが、ただジャンゴのためだけに自分の命をかけてまでキャンディと対決する必要性があるかなあ。もちろん、ジャンゴのためだけというわけではなく、人道的にキャンディのことが許せない、ということなんだけど、それにしても、自分の命をかけてまで、というところに説得力がない。突然、天からの恵みみたいな形でジャンゴの前に現れて、彼の「妻買い戻し」の野望に加担してくれるだなんて、ちょっと話がうますぎますよね。 で、キャンディはキャンディで、単純に悪い奴、ということになっていて、人物の幅がない。悪い奴をいい奴がやっつける、というのでは、あまりに話がシンプル過ぎはしませんかと。それにキャンディを演じているディカプリオ様がそんな底知れぬ悪人にはとても見えないというところも、致命的だったりして。 またシュルツ医師を演じたクリストフ・ヴァツルにしても、この映画でアカデミー助演男優賞を獲ったようですが、前作『イングロリアス・バスターズ』の時ほどのキレはなかった。 そう、タランティーノ作品で言えば、『イングロリアス・バスターズ』があまりにも良かったので、それと比べると『ジャンゴ』は大分見劣りがするんだよなあ・・・・。最初に述べた通り、観て面白くない映画ではないけれども、どうせタランティーノでヴァルツの演技を観るなら、『イングロリアス・バスターズ』の方がよっぽど面白いよ。 ということで、『ジャンゴ』、「熱烈おすすめ!」は、なーしーよ。
March 19, 2013
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我が家で愛読している新聞には、「こどもの詩」というコーナーがあって、毎日、子供が作った一篇の詩を掲載しております。 で、これが(私が思うに)玉石混交でね。変に大人びた詩があったりして、いつもいつも「いいな」と思うわけではない。 だけど、昨日だったかの詩はちょっと面白くてね。東京・立川の小学校4年生、梅村陽菜ちゃんの「私と妹の夜」という詩なのですが。私と妹の夜私は妹とねている妹はねるまえに「絵本を読んで」という読んであげると すごくおもしろそう読み終わって電気を消すと私の方によってきて耳をさわる妹は温かい妹が目をつぶる 私も目をつぶる ね、ちょっといいでしょう? 「読んであげると すごくおもしろそう」というところがいいよね! お姉ちゃんが期待した以上に、妹が面白がったんでしょうな。それをお姉ちゃんがよく観察している。姉と妹の年齢差がよくわかる。 そして電気を消してから、妹がお姉ちゃんの耳を触るというところもいい。なぜ耳なんだ! だけど妹ちゃんからしたら、耳じゃないとダメだったんでしょうな。そんな妹を「温かい」というところもいい。そして二人で寝ちゃう。安心して。 「私と妹の夜」というタイトルも、何だか小説のタイトルみたいでちょっとステキです。 ということで、今、我が家では「すごくおもしろそう」というのと、「耳をさわる」というのが流行しております。 私か家内か、どちらかがテレビとか見ていてケラケラ笑っていると、もう片方が冷静に「すごくおもしろそう」と言ってみたり。どちらかが読書に熱中していたりすると、もう片方がそーっと近づいて「耳をさわる」とか言いながら耳を触ったり。 どーーでもいいですね。 とにかく、陽菜ちゃんのステキな詩を楽しんでいる私たちなのでした。今日も、いい日だ!
March 18, 2013
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一橋大学名誉教授・有賀貞(あるが・ただし)先生がお亡くなりになりました。享年81。 もう今から30年くらい前の話ですが、非常勤講師として私が通っていた大学に教えに来ていらしたので、私も有賀先生の授業を取らせていただいたのですけど、授業題目すら忘れてしまった。確かアメリカ史だったか、アメリカ政治思想史だったか、多分そんな感じではなかったかと。 先生の授業は、割と淡々としたお話が続くもので、あまり印象が深くないのですけど、一つだけ妙に覚えているのは、先生のネクタイのこと。 有賀先生の外見は、ちょっとこう、大島渚監督のようなお顔立ちで、しかも怒りっぽい大島監督とは異なり、終始にこやかな笑みを崩さないような感じ。いわば機嫌がいい時の大島渚風とでも言いましょうか。髪の毛は七三分けとか、そういうのではなく、もっとずっと短く刈られていて、ちょっと長めの丸刈りのような感じ。 で、服装は大体グレーの背広と決まっていて、ここまでは割と地味なわけ。ところが・・・ ネクタイだけは派手だったんです。真っ赤な、相当に幅広のネクタイとか、そういうのをいつも身に着けていらした。だから、授業を聞いていても、ついつい目がネクタイに行ってしまうのが困りものでね。 あともう一つ印象的だったのは、授業中に時々、学生に当てて、授業に関連することを質問されるのですが、当てられた学生が「分かりません」と答えても、そう簡単には許してくれず、ちゃんとした答えを引き出すまでは放してくれなかったこと。にこやかなお顔の表情からはちょっと想像できないこの厳しさは、今も忘れることができません。 アメリカのことを扱う学問とはいえ、外交史と文学では全然違うこともあって、私は先生にとってあまりいい学生ではありませんでしたが、学生時代の一こまを思い出させてくれる先生のお名前を訃報欄に見つけて、若干の感慨を覚えている私なのであります。 有賀貞先生のご冥福をお祈りいたします。合掌。
March 17, 2013
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昨日一日遊んだので、今日はお勉強の一日。例によって4月の学会発表の準備として原稿書きをしておりました。 私の場合、まず代表的な資料を一通り読んで、自分が論じようとしていることの方向性を大よそ見極めるわけ。つまり、グランド・デザインをまず決める。 で、この段階で原稿書いちゃうの。細かい数字とか、具体的な例とか、そういうのはとりあえず置いておいて、自分が論じようとしていることの流れを大まかに決めてしまう。発表であったら発表の起承転結を決めてしまうんですな。 起承転結が先に決まっていると、安心できるのよ。 で、この荒っぽいレベルでの原稿が完成した時点で再び資料に戻り、先に棚上げしておいた数字や具体例をピックアップしながら、原稿の完成度を上げていく。もちろん、今まで見過ごしていた資料によって、最初に決めた大まかな起承転結に修正を施さなければならないこともあるのですが、それは適宜修正していく。 で、こうやって資料に当たる時期と原稿を書く時期を交互に行きつ戻りつしながら、原稿(それが発表原稿であれ、論文であれ)の精度を高めていくと。 研究者によって、それぞれやり方があると思いますが、これが、まあ、釈迦楽流のやり方でございまして。 で、今は最初の荒っぽい原稿を書く時期なわけ。荒っぽい原稿でいいので、この時期はスピードが勝負。だからどんどん書く。今日も一日で3分の1くらい書きました。だから、既に3分の2は完成したかな。 この調子で明日も頑張って、とりあえず原稿を完成させ、そこから今度は資料に戻って原稿の精度を上げる時期に突入すると。 というわけで、今週末はガンガン書きます。明日も、頑張るぞ~!
March 16, 2013
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今日はふと思い立って多治見にドライブに行ってきました。 多治見と言えば織部をはじめとする陶器の町。我ら陶器好き夫婦にとって、決して見過ごすことの出来ないところながら、今まで行ったことがなかったもので、この際、ちらっと行って様子を見て来ようかと。 ということで、グリーンロード経由で東海環状自動車道を20分ほど北上、せと品野インターで降りて、後は国道を北上して多治見を目指します。家から小一時間も走れば着いてしまう距離で、近い、近い。 で、あっさり多治見に到着したわけですが、町を散策する前にまずは腹ごしらえをしようかと。 多治見のゆるキャラが「うなガッパ」であることからも推測されるように、多治見というのは鰻料理の有名なところ。瀬戸もそうですが、陶器の町=鰻の町という図式は大抵当て嵌まるのでありまして、これは火を扱いながら汗だくで働く陶工たちのスタミナ源として鰻が重宝されたことに由来するのだとか。実際、多治見には創業100年を超すような鰻屋さんがあちこちにある。 そんな鰻の名店の中から我々が選んだのが「うな千」さん。で、とりあえずお手並み拝見ということで「うな丼」の中(2,050円也)をチョイス。 待つことしばしで出てきたそれを頬張りますと、うーん、サクっと音がするほど外側はパリパリに香ばしく、中はふっくらと焼かれた鰻は実に美味。タレは私の好みからすると若干甘目かなと思いますが、トータルのバランスとして、これはこれでアリかなと。ということで味は合格! 次は「鰻まぶし」を注文してみたいものでございます。 で、お腹が一杯になった我らがまず向かったのは、多治見の街中、「本町オリベストリート」と名付けられた地区。「たじみ創造館」を足掛かりとして、周辺地域に点在する陶器のお店やギャラリー、それにカステラで有名な「松浦軒」や麩饅頭で有名な「やまよね」などのお店を冷やかしながら散策を楽しみます。 ま、散策と言っても、小さな地区なので、小一時間もあれば一回りしてしまうかな? で、織部などの陶器もあれこれ見たのですが、我々の好むモダンなテイストのものがあまりなかったので、そちらの方面で散財することは今回はありませんでした。むしろカステラや麩饅頭の方で散財してしまったかも。 で、一通りオリベストリートを見終わった後、今度は5キロほど南に行ったところにある市之倉地区に向かうことに。ここには市之倉さかづき美術館という、さかづきを専門に集めた美術館があるというので、そこを目指したわけ。 で、その美術館に行ってみると、うーん、まあ、ジャフ割引を含め、360円の入館料程度には楽しめる美術館でございました。もっとも、附属するミュージアムショップが結構見応えがあるので、そっちだけ見るという手もあるかも。我々はここで、この辺で有名な「三千盛」なるお酒も買ってしまったりして。 ということで、今日の多治見観光はこの辺で終了~! 鰻を食べがてらの半日の観光としてはまあまあというところだったかな。 ただ、肝心な陶器の方で収穫なしだったのが、イマイチなところ。何点かは、ちょっと心惹かれたものもあったのですが、しかし、実際に買うところまで行くほど気に入ったモノはありませんでした。まあ、そういうこともありますわな。 でも、とにかく、早春の一日、楽しく過ごせたので満足でございます。今日も、いい日だ!
March 15, 2013
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今日はゼミOGのSさんが研究室に遊びに来てくれました~! Sさんは、小さなお嬢さん二人のママなんですが、2、3年前に一念発起して教職の資格を取ることを決意。現在は通信教育のシステムを使い、私の母校で勉強中なんです。で、今年の11月に「教育実習」という大きな山場があるのですが、それを超えればめでたく資格ゲットの予定。偉いですなあ。 ところが、ただでさえ事前の周到な準備が必要な教育実習を前にして、なんとSさん、つい最近PTAの代表に選出されてしまったとのこと。もともと手のかかる小さなお子さん二人を抱えての勉強だったのに、それに加えてこの4月からはPTA関連の仕事も入ってくるので、特に時間の面で勉強との両立ができるか、ちょっと不安なところが出てきてしまったのだとか。 まあ、多分、大変なことになるのでしょうなあ。私自身はそういう経験がないので、何ともアドバイスしかねるところがありますが。しかし、賢いSさんなら、きっとどうにかやり遂げることでしょう。 で、そんな話に加え、今Sさんが習っているヨガの話とか、「美文字」の話とか、話題は百出だったのですけど、そんなことをあれこれ話しながら、私が「いいな」と思ったのは、ヨガの先生にしても「美文字」の中塚先生にしても、今Sさんの中で「こういう先生っていいな」と感じている人が二人も出来た、というところ。 今、Sさん自身が教師になることを目指して勉強中なわけですから、ジャンルこそ違え、「こういう教え方ができる人になりたい」というモデルが二人もいるというのは、すごくラッキーだと思うんですよね。そのこと自体、すごく勉強になるはず。 だから、日常の苦労は人並み以上にあるとはいえ、そうした日々の生活の中からも着実に多くのことをSさんは学んでいるのではないかなと。 そんなSさんの姿を頼もしく思いながら、私は陰ながら彼女のことを大いに応援したいと思うのであります。 ということで、今日はSさんと久々に会えて、楽しいひと時を過ごしていたワタクシなのでありました、とさ。Sさん、また遊びに来てね~!
March 14, 2013
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またまた「釈迦楽先生、先月までに提出すべき書類がまだ出ていないのですが・・・」と言われてしまったワタクシ。あら~、失礼あそばせ。何の書類でしたっけ? そしたら「個人情報保護について調査」の書類でした。 で、あわてて当該の書類を見たら、これが世にも下らないものでさ・・・。 例えば「個人情報の入ったデータの入ったUSBをよく持ち歩く・・・はい/いいえ」とか、「個人情報を扱うパソコンで、ウィニーを使うことが多い・・・はい/いいえ」とか、「個人情報を打ち出した紙を捨てる時、シュレッダーにかける手間はとらない・・・はい/いいえ」とか、そんな項目がざっと30項目くらい並んでるの。で、それぞれ「はい」とか「いいえ」とか答えて、それを提出しろってんだけど、人を馬鹿にしているよなあ・・・。 これさ、外国に行く時の入国審査の紙で、「あなたはマリファナを所持している・・・はい/いいえ」とか、「飛行機に乗る前に、見知らぬ人から荷物を運ぶよう頼まれた・・・はい/いいえ」とか、「あなたは病原体やカタツムリなどを所持している・・・はい/いいえ」みたいな項目があって、全部に「はい」と答えると絶対入国できない(多分)みたいなのとおんなじで、「だれが『はい』と答えるものかっ!」ってな感じだよね。 こんな調査、意味あるのかね?と思うのだけど、まあね、最近の大学勤めって、この種の馬鹿馬鹿しい書類を書かなくちゃならないケースってやたらにあるんですわ。 それで事務方だって忙しくなるわけ。まずこういう調査の書類を作って、先生方に周知して、集めて、提出期限までに出さないアホな教授(ワタクシのことだよっ!)を特定して、さらに周知徹底して、集計して・・・ってなことを延々とやらなきゃならないんですから。 で、思うのですが、この手の書類の作り方・提出の仕方を逆にしたらどうかなと。 つまり、最初に「これ、やってはいけません」という行動の一覧表を作って、「ここに挙げたような行動を現在している人は、書類を出して下さい」という風にするわけ。そうすると、書類を出さない人は、そういう行動を取ってないことに自動的になるじゃん? だから、一枚も書類が出なかったら、うちの大学の先生は、個人情報保護についての意識が高い人ばかり、ということになるので、そのままそのように報告すればいい。 どう、このアイディア? 論理的に破綻してないと思うのですが。 結局、こういうアホな調査をしろと言ってくるのは、お上に決まっているわけだから、こちらも賢く対処して、労せず向こうの欲しがっている答えを出してあげるのにしくはないと思うのですが、如何。 とにかく、こんなアホな書類だって、出すのには時間が掛かるし、結構、注意力・集中力を奪われるのですから、何とかしてほしいですわ。我々の仕事は、こんなアホな書類を書くことじゃないんですから!
March 13, 2013
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先日、近代ナリコ氏の『本と女の子』が非常に面白かった、という話を書きましたが、この本の中に登場されていた内藤ルネ氏のことが気になったので、氏の自伝『すべてを失くして』も取り寄せて読んでしまいました。 まあ、内藤ルネ氏と言えば、独特の画風で一世を風靡したイラストレーターであり、インテリアデザイナーであり、その他色々な人。その程度のことは私も知っていたのですが、この度、本書を読んで、色々ビックリ。 というのも、聞き書きで綴られるこの本の中で、ルネ氏は幼少の頃からのことを語っておられるのですが、もう幼少のみぎりから普通の男の子ではなかったらしいんですな。で、そうしたホモセクシュアルな自身の性向について、かなりあけすけに書かれている。もちろんそれは決してジメジメしたものではなく、そうなんだから仕方がないという具合に。ただ、そうは言っても、やはりこの世でそちら系の人々というのはなかなか生きにくいものでありまして、ルネ氏もそういう面でのご苦労は重ねて来られた様子。 でも、それはまあ、そういう話でありまして、それはルネ氏の生きてこられた軌跡の一部でしかない。自伝として面白いのは、やはり彼がイラストレーターとして名を挙げていく過程の面白さでございまして。 もともと絵を描くのが大好きだったルネさん、「それいゆ」「ひまわり」でお馴染み中原淳一先生に憧れ、その一念で自分の描いた絵を送り続けたというのですな。そして返事もないまま何十通も手紙を出し続けた結果、ついに当の中原淳一氏から「東京へ出てこい」という手紙を受け取る。これがイラストレーター・内藤ルネが生まれるきっかけ。 中原淳一氏のひまわり社に入社したルネさんは、とにかく人一倍努力して、来る日も来る日も絵を描き続ける。大好きなフランス映画に没入し、アメリカの雑誌などから情報をむさぼるように獲得しながら、そういうものをすべて吸収しつつ、自分の絵を進化させていくんですな。で、その努力が次第に実を結ぶようになり、たまたま病に倒れた中原氏をカバーするように、ひまわり社の看板になっていく。 ところが、人を疑うことを知らないルネさん、人の何倍も働き、ひまわり社を背負うような形で絵を描き続けて、彼が生み出したキャラクターが様々なところでグッズになっているのに、彼の懐にはまったくお金が入ってこないんですな。しかし、それでも絵が描けるのが幸せと思って、ルネさんは働き続ける。で、この図式はこの先もずっと続き、ルネさんは人の何倍も働いているのに、あちこちで人に騙され、売れっ子になった後も詐欺師にたかられて7億円もの財産を全部奪われてしまったりもする。 人を疑うことを知らないルネさんのこの純粋さは、もちろんある意味では彼の不幸を引き起こす直接の原因なわけですが、しかし、この純粋さがあったからこそ、彼は一心不乱に好きな絵を描き続けたのであって、つまりはこの純粋さはルネさんの幸福の元であると同時に呪いでもあったわけ。 だけど、どんな禍も、結局、ルネさんを破滅させることはできなかった。詐欺師たちに身ぐるみ剥がれ、それこそ一文無しになって放り出されてからの悲しい10年を過ごした後、たまたま彼の回顧展が開かれることとなり、これを機にルネ・ブームが再燃。今はまたご自身でも驚くほどの多くのファンに支えられて、幸福な日々を過ごしておられるとのこと。 それにしてもこの聞き書き自伝を読んでいて思うのは、この時代の人の熱さ、です。とにかく、自分の好きなものに夢中になる。その夢中になる力というのが半端ない。やっぱり、名を成す人というのは、誰しもこの「夢中力」を持っているもので、ルネさんもその一人だったと。 振り返って、果たして私は、ルネさんのように何かに夢中になって物事をしているだろうかと思うと、いささか頼りない気がしてきます。 だから、ルネさんって、やっぱりすごいなと。すごく素敵な人。 というわけで、内藤ルネさんの自伝、面白かったです。内藤さんのイラストに「萌え」た世代の人はもちろん、彼のイラストを見たことない人にも、教授のおすすめ!と言っておきましょう。これこれ! ↓【送料無料】内藤ルネ自伝すべてを失くして [ 内藤ルネ ]価格:1,890円(税込、送料込)
March 12, 2013
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昨日のことなんですが、夜、3年前の卒業生のゼミOG会がありました。昇段のお祝いやら、拙著の出版のお祝いなども兼ねての大集合。残念ながら一人結婚式絡みの欠席がありましたが、後は6人全員出席という団結の強さ。中にはわざわざ大阪から駆けつけてくれた子も居たりして、感謝感謝でございます。 で、私は昇段や出版などの近況を報告したわけですが、我が娘たちの近況というのも興味津々なものでありまして。 「ナンシー」ことMさんは、とりあえず仕事面充実。驚異のブラインドタッチでパソコンを操り、人事面接では瞬時に有能な人材を見抜き、本社で重宝されている様子。ただ社内のインフルエンザ禍に巻き込まれ、2月は往生したとのこと。ただ、他の人がA型で苦しめられている最中、ただ一人B型に罹るという希なる芸当を演じたそうで、「他の人の行かない道を行け!」という釈迦楽ゼミの教えを守ったとは天晴れ、天晴れ。 Aさんは6年半お付き合いのあった彼氏さんと別れるという大波乱があったそうで、さすがに付き合いの期間が長かった分、別れには相当なエネルギーを要したとのこと。しかし、身軽になった今は仕事に打ち込んでいるようで、どうやら同僚を差し置いて大抜擢された模様。さすが釈迦楽ゼミ生は社会に出ても頭角を現すようで。 もう一人のMさんもまた、仕事面充実。ただし、あまりに有能過ぎて、有能とは言いかねる後輩同僚から頼られ過ぎ、ちょっとおかんむりのご様子。しかし、社会人3年目ともなると、やっぱり貫禄が出てくるというのか、「社会人としてなってない」後輩にダメ出しをするのも結構サマになっております。 先生になったWさんは、この春、3年間世話を見た生徒さんを初めて送り出したとのことで、教師になった実感を味わったとのこと。彼女もいい先生になりました。けれども、私生活の方ではちょいと難ありで、現在、彼氏さんとは距離を置いている最中。そして他の連中が彼氏と別れたという話を聞いているうち、何か悟るところがあったらしく、突然ガバと居住いをただして「私、今日、彼と別れます!」と宣言。今にも電話しそうになりましたが、やはり、面と向かって話し合った方がいいということになり、別れ話はとりあえず延期に。そうそう、電話はいかんよ。面と向かって、三行半を突き付けていらっしゃい! もう一人先生になったTさん。昨年の秋口には彼氏さんとも順調で、それでいながら「こんなに順調な恋愛はつまらない。もう一人くらい言い寄る男性が居て、どっちにしようか迷いたい!」などと贅沢なことを言っていた幸せ者なのですが、なんと、有言実行したようで、一時期二股かけながら、新しい彼氏に乗り換えたとのこと。うちのゼミでも一番大人しめだったTさん、恋愛面では意外な大胆さを披露してくれて、有難うございますってな感じ。 そしてチームリーダー的な「シャンティ」ことAさんは、仕事も恋愛も充実中。とはいえ、現在の彼氏の前の彼氏はちょっとダメ男君だったらしい。でも、そこはそれ賢いAさんゆえ、そんなダメ男には見切りをつけ、現在の彼氏さん(ダメ男君とは大分異なり、落ち着きのある大人だそう)といい関係に。「分別のある男と付き合わなきゃダメだよ」という私のアドバイスに忠実に、その人にダイレクトに「分別、ついてますか?」と尋ねたら、何のためらいもなく「付いているよ」と即答したとのことで、これはひょっとして自分にふさわしい人なのではないかと、現在慎重かつ前向きに吟味中とのこと。パートナー選びをするにも「自分を安く売るつもりはない」と言い切ったシャンティ、さすが我が娘、賢い! そうだよ、シャンティ、その人が自分に本当にふさわしいかどうかよーく見切りなさい。 というわけで、OGたちの一人一人の動向を聞きながら爆笑につぐ爆笑、しかし、少しずつ大人になって行く彼女たちの成長を感じながらの楽しい会となったのでした。 しかし、こうして定期的に私のもとに戻ってきてくれる卒業生ってのは、可愛いね! ほんと可愛い。目の中に入れても痛くない。 私の大事な娘たち。これからも力の限り羽ばたいて、人生を楽しんできておくれ。そしてまた時には私のところに近況を知らせに戻っておいで。君たちの母校とは、私のことなのだから。
March 11, 2013
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今日は朝も早よから道場へ向かいました。そう、今日は八光流柔術の昇段審査の日だったのでございます。 で、9時からの自由練習時間中に、審査を受ける技の確認などを門下生同士で行ったりして慌ただしく過ごした後、いよいよ10時から審査のための演武が始まります。 今回は二段昇段予定者が私を含め2名、初段審査に臨む者が4名ほど居たのですが、演武は二段から始まりますので、結局、私がトップバッターということに。ひゃ~、緊張する~。 で、座り技3種、立ち技3種の演武を行ったわけですが、もう、何が何だか・・・。 でも、まあとにかく全員の演武が終了し、皆めでたく合格。ということは・・・ わーい! 今日から二段だーい! とはいえ、八光流の段位は、柔道や剣道の段位とは異なり、強いか弱いかの目安ではなく、技の教授が終了した、という意味で、これから段位を取ったそれぞれが精進し、技に磨きをかけていって、八光流の目指す境地に到達するよう頑張りなさいということなんです。 だからここがゴールなのではなく、むしろここからがスタートなわけ。 ・・・とはいえ、やっぱり稽古をしている身としては、「ここまで来たか~」といった感慨はありますし、そういう自覚自体が技のステップアップにつながるところがある。 例えば、人間の成長にしても、下に弟が生まれると、上の子が「お兄ちゃんなんだから」と皆に言われて急に大人びることがある。あれと同じで、「二段なんだから」という自覚が、技の上で大人びさせることがあるわけよ。 ということで、今日から私も二段の自覚を持ち、今後ますます精進して、少しでも師範の先生方、道場の先輩方のレベルに近づけるよう、頑張りたいと思うのであります。頑張るぞ~!
March 10, 2013
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4月の半ば過ぎに学会で発表する予定があるもので、今日はその原稿書き。 で、映画『The Rock of Ages』を観て以来の自分の中の「80年代ロック・ブーム」に乗りまして、インターネット・ラジオ・サイトたる「Accuradio」、その数多いプログラムの中でも特に「Magic Sunny 70s & 80s」を開きまして、70年代80年代のソフトロックをBGMとして流しながらの執筆となったのですが、これが調子いいのよ、実に。これこれ! ↓Accuradio いいねえ、この時代のアメリカのポピュラー音楽。 だけど、一つ困るのは、「お、懐かしい! これ、今聴いてもいい曲だよなあ!」と思える曲が流れる度に、アマゾンでCDが買いたくなっちゃって、どんどんカートに商品が溜まっていくというね。 ま、それはともかく、原稿の方は絶好調で、今日一日で予定分量の3分の1くらい書いたかな? 何せ、他人の発表については「ちっとも面白くねえ」とか言って自分でハードル上げてますから、是が非でも面白い発表をしないとまずいわけですけど、今のところ、結構面白い内容になっているのではないかと。とにかく、発表の中にしかるべき量の情報を詰め込んで、誰が聴いても勉強になるだろうという内容にしつつ、しかも笑いを取るというね。集まったお客さんを満足させて帰らせる。そういう発表を目指して、鋭意執筆中。 おお、James Ingram の "Just Once" だ・・・。いいなあ、これも・・・。 ってなわけで、原稿を書き、アマゾンをクリック、また原稿を書き、またアマゾンをクリック、みたいな状態。 これ、原稿の方、早く書き上げないと、お金がいくらあっても足りなくなるよ~!
March 9, 2013
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最近、名古屋で美味しいジャムの店、見つけちゃった! 美味しいだけじゃなくて、珍しいという点でもすごく珍しい、オリジナル・ジャムの店。 場所は一社駅の北なんですけど、「ヴィヴァーチェ」というお店。 ここの面白いところは、売っているジャムが、すごく斬新なこと。単純な「苺ジャム」とか、「マーマレード」とか、そういうのじゃないの。もっとずっと複雑。 とにかく、ジャムの材料の組み合わせがすごく複雑で、しかも単に果物だけを使うのではなく、生姜やスターアニスなどのスパイス類が入っていたり、ナッツ類や乳製品も入っていたりする。だから、まあ、どの商品も「こんなの食べたことなーい!」というのばっかり。 でね、パンにつけて食べたり、ヨーグルトに混ぜたり、といった使い方だけでなく、肉料理なんかに添えてものすごく合う、というようなジャムも多いわけ。我が家でも、最初に買った一瓶が肉料理にピッタリで、例えばホットドッグのようなシンプルな料理にこのジャムをほんの少しつけると、これが魔法のように複雑な、実に味わい深い料理に早変わりするんですわ。もう、こうなると「ジャム」と言うより「レリッシュ(relish)」と言った方がいいくらい。 で、この瓶を食べきってしまったので、すかさず同じものを買いにいったのですが、残念ながら今回は売ってませんでした。というのも、洋ナシの季節が終わってしまったので、作れないんですって。 そう、このお店で売っているジャムは、季節によって得られる材料で手作りしているので、いつも同じものが買えるとは限らないわけ。 というわけで、結局、その都度試食をさせていただいて、気に入ったものを買う、ということになるのですが、今回我々が買ったのは「冬の魔女ジャム」と「ミルキー&オレンジフィールド」の二瓶。 前者は苺・バナナ・アボガド・ココナツミルク・シナモン・クローブ・アニスシード・黒胡椒などが材料にあがっていて、これまた肉料理にもぴったり。後者は牛乳・デコポン・ビターオレンジ・くるみ・アーモンドプードルなどが使われていて、こちらはパンに付けて楽しむ感じ。どちらももう食べてみましたが、両方とも実に旨い! ってなわけで、このお店、釈迦楽家の定番立ち寄りショップになりそうです。お取り寄せも可能なようですので、興味のある方は是非! 教授のおすすめ!です。これこれ! ↓ヴィヴァーチェのHP
March 8, 2013
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上坂冬子著『愛と反逆の娘たち』(中公文庫)を読了しましたので、心覚えを付けておきましょう。 なんか、このタイトルだけ見ると何の本だか分からないでょうけど、これ、西村伊作についての本なんです。 西村伊作。今日では知る人ぞ知る、でしょうが、御茶ノ水に今もある「文化学院」を大正10年に創立した創立者。代々木にある「文化服装学院」じゃないですよ、文化学院の方。 私が西村伊作に興味を持ったのは、どっちかというと建築絡みでありまして、西村さんが若い時に自ら設計した、当時としてはめちゃくちゃモダンな家ってのがある。一応、セントラルヒーティングまで組み込み、どこの水道の蛇口をひねっても水とお湯が出るようになっていたというのですから、ものすごく現代的。大正時代にこれほどの設計思想のもとにこれだけの家を建てた人物って一体どんな人なんだ、というところからスタートしているんです。 で、この本を読んで知ったのですけど、西村さんというのは和歌山県新宮市のご出身で、母方のお祖父さんか誰かが山持ちの大金持ちで、でまたクリスチャンだったご両親が濃尾大地震で亡くなったもので、伊作さんは若い時に巨万の富を遺贈されちゃったらしい。で、この財産を基盤に、絵を描いたり、家の設計に凝ってみたり、いわば高等遊民みたいな生活をしていたと。 で、結婚して三男六女をもうけるのですが、長女のアヤが学校に入るほどの歳になったときに、色々学校を回ってみたものの、意に沿う学校が見つからない。 そこで、じゃあ、自分で創建するか、ってんで御茶ノ水に作ったのが「文化学院」だったと。 ひょえ~! 娘のために学校を創立、かよっ! しかし動機はともかく、西村伊作という人は生まれながらに教育者としてのセンスがあったようで、どうせ作るのだったら、理想的な奴を作っちまえというので、文部省の認可なんか最初から眼中になく、自分が思う通りの教育方針の学校を作ってしまった。だから文部省管轄外の学校ということになるわけですが、それは中途半端な学校という意味ではなく、普通の学校なんか目じゃないような学校なわけ。 何しろ教授陣がすごい。まず学監が与謝野晶子と画家の石井柏亭。その他、法律・経済に美濃部達吉、自然科学に寺田寅彦、特別講師に長谷川如是閑、高浜虚子、芥川龍之介、豊島與志雄、賀川豊彦、そして歴代文学部長には菊池寛や佐藤春夫が当たったというのですから、何これ? 当時の日本の最高の知性が大集合じゃないの。 でまた、もともと自由主義者・・・というか、何かにつけて反体制的な言動をしたくなる天の邪鬼の伊作だけに、文化学院には生徒を縛るようなものがない。第一、制服からして存在しなかった。昭和に入ってだんだん戦時色が強まる頃にも、女子学生は華やかなリボンをまとい、教授陣や男子学生も背広を着て、ゲートルなんか一切巻かせなかったというのですから、御茶ノ水の一角に、ここだけ戦時体制とは無縁の別世界があった、という感じだったようで。 で、そんな西村伊作なる風変わりな人物の実体を突き止めようと、著者の上坂冬子さんは、西村が残した6人の娘たち一人ひとりに直接会い、話を聞く(これがすなわち本書のタイトル『愛と反逆の娘たち』の所以)のですが、娘たちが語る父親像というのがまた、実に興味深い。 何せ一般の学校では外国語教育が制限され始めた時代に、自分の娘たちには外国語を2つくらいはマスターしろと言って、語学学習を奨励したというのですな。そればかりでなく、アメリカへ、フランスへ、ドイツへ、どんどん留学させちゃう。 しかも、留学に際して、それに必要な手続きはすべて自分でやれと。自力で交渉して学校を決め、住むところも決め、渡航手段も決めて来たら、経済的援助はする、と、そういう方針なわけ。そんな調子ですから、伊作の娘たちの半分くらいは外国人と結婚している。とりわけ四女のソノなど、ヨーロッパに向って出港した途端に戦争が始まってしまい、これは日本に戻った方がいいかと船から父・伊作に打電して進退を相談すると、伊作はソノに対して「あくまでも初心貫徹して進め」と返信してきた、というのだから凄い。その後のソノの大冒険たるや、まさに一大活劇なのですが、さすがこの父親にしてこの娘ありという感じ。 それから六女の九和がベルギー人のご主人(バル)と結婚した時、伊作がバルに送った書簡には、「(九和のことを)注意深く扱うべし 常に理解を怠らず、公明正大で 決して命令するなかれ 彼女は掃除機ではない 哲学的に、芸術品として扱うべし」と書かれていたと言いますが、いいですねえ、この手紙。 伊作自身は、その自由主義的天邪鬼ゆえ、不敬罪に問われて半年くらい巣鴨の刑務所に入れられたり、苦労もあったようですが、その苦労も苦労と思わず、刑務所でもアサガオなんか育てて、結構のんびりやっていたというのですから、飄々として逞しい。そして戦後、いよいよ伊作たち自由主義者の時代かと思いきや、別にだからといって気負うことも奢ることもなく、前にやっていたように、好きなように学校を運営したのだとか。 そして死ぬ時も、「自由になるんだ」とか言って、飄々と死んじゃった。ううむ、やるもんですな。 著者の上坂さんは、こういう西村伊作のことを、筋金入りの自由主義者の教育者と考えていいのか、単なる金持ちの天邪鬼と見做すべきなのか、判断に窮した、というようなことが書いてありましたが、上坂さん自身、結論づけたように、そういうカテゴリーでは評価できないけれども、やっぱり男一匹、大したもの、なのでしょう。 というわけで、読めば読むほど興味が湧く、時代を超越したような面白い男だったようです、西村伊作という人は。 この本は既に絶版のようで、古書として探すしかないようですけれど、西村伊作という人を知る端緒としては打ってつけですので、教授のおすすめ!と言っておきましょう。勿論、本書の他にも西村伊作のことを扱った本は色々あるようですので、私もこれを機に、色々読んでみたいと思います。【送料無料】西村伊作の楽しき住家 [ 田中修司 ]価格:1,995円(税込、送料込)【送料無料】きれいな風貌 [ 黒川創 ]価格:2,415円(税込、送料込)
March 7, 2013
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「回文になっていそうで、なっていない文」っていうのを思いついたのですけど、知りたい? 「クライスラー、いくらっすか?」 まあ、文字にするとそうでもないけど、口に出して言ってみると、「アレ? 回文?」って思えてきて笑えると思うのですけど・・・。 そうでもないか・・・。 さてさて、1200字とか1600字といったような短いものではありますが、ちょっとした頼まれ原稿を一時に3つ抱えていたワタクシ。その締切が近づいたこともあり、エイヤっ! ってな感じで全部一気に書き上げちゃった。 なんか、売れっ子になった気分。ムフ! まあ、でも、とにかくこういうのを抱えていると、何だかいつでも締切のことを考えちゃって、いつでも急かされているような気になるもので、とりあえず終わってホッとしました。出来は・・・、うーん、あんまりぱっとしないかも知れないけど、これ以上考えても、劇的に改善するとは思えないしな・・・。 ということで、頼まれ原稿には踏ん切りをつけた私。よし、明日からは、4月の学会発表のことを集中して考えようっと!
March 6, 2013
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この3月で定年退職されるA先生をゲストに、私と「アニキ」ことK教授で、ランチをしてきました。 ちなみにランチに選んだのは、豊明にある「甘藍」(かんらん)というロシア料理のお店。本場のピロシキやボルシチなどが食べられる、この辺では珍しいお店です。でまたなんでロシア料理かと言いますと、退職されるA先生のご専門が人文地理学だから。何となく、珍しい土地の料理の方が、先生をお誘いするにはいいかなと。 ところで、上に述べたようにA先生は地理学がご専門で、私やK教授は外国語・外国文学ですから、まったく畑違いですし、同じ学科に所属していたわけでもないのですが、A先生は学系長など大学の要職に着いていらした関係で、委員会などでご一緒することも多く、何となく親しみがあったんですな。で、その先生が今度、定年で大学をお辞めになると聞いて、まあ、一緒にランチでも食べながらお話を伺いつつ、在職中は色々とお世話になったA先生に敬意を払おうと思ったわけ。 で、定年退職に当たっての準備の話(研究室を引き払う苦労)とか、37年間に及ぶ在職期間中の思い出、趣味の魚釣りの話、定年後の身の振り方等々、いずれは誰の身にも不可避的にやってくる退職時の参考になるようなお話も含め、楽しく伺うことができたのでございます。 だけど、それにつけても思うのは、現執行部の、退職教員へのひどい仕打ちですな。例えば、もうすぐ国立大の後期二次試験があるのですが、A先生はそれの試験監督に当たっているというのです。 ええ~っ! って感じですよね。37年間に亘ってわが大学に尽くして下さって、それでこの3月に退職されるというのに、その先生に対して、まだ雑用を割り当てるかねぇ・・・。普通、そういうことはしないでしょう・・・。うちの大学の執行部に、年長の先生・大先輩の先生に対するリスペクトというのは、ないのかよ・・・。 悲しくなるね。 あと、同じ系統のことでもう一つ思うのは、今のうちの大学には、「同僚なんだから、他学科の先生とも親しく付き合おう」という感じが、失われているなあということ。 私は古いタイプの人間なので、長年、同じキャンパスで同僚として過ごした先生であれば、学科の別を問わず、何となく親しみを持っているのですが、今の若い世代には、そういう感覚がないなと。 だから、私が定年で大学を辞める頃には、誰も送別会とかやってくれないんじゃないのかしら。隣は何をする人ぞ、ってな感じで、まるで他人に対して関心を示さない若い同僚が増えたもんね・・・。 悲しくなるね。 まあ、私のような「浪花節な昭和の男」には、生きにくい世の中となっていくようでございます。だけど、私の目の黒いうちは、A先生のような先輩に対し、「先生がキャンパスを去られることを、寂しく思っていますよ」というメッセージを発し続けるつもり。人情が廃れたら、この世の中、一寸先は闇じゃございませんか。
March 5, 2013
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昨日は都内某所で行われた「愛書家倶楽部」というイベントに参加してきました。 「愛書家倶楽部」とは、読んで字のごとく、本を愛することにかけて人後に落ちない人たちが集まり、本にまつわる様々なイベントをするというクラブなのですが、これがまたなかなか面白かった。 例えばまずイベントの冒頭に本の即売会がある。これは神保町辺りで仕入れてきた適度にレアな古書の即売会でありまして、最初のうちは3冊2,000円、最後の方では3冊1,000円で販売されるのですが、3冊まとめて、というところがミソで、1冊2,000円ででも欲しい本があれば、後の2冊はおまけ、くらいの心構えで欲しい本を物色して行く感じですかね。 そして同時に、もう少し価値のある本の下見会があり、これは後ほどオークションに掛けられる。 で、前座的なイベントとして本の即売会が一段落つきますと、今度は講師の先生による本にまつわる学術的な、それでいて気楽なお話がある。昨日の場合ですと、20世紀初頭から戦前くらいまでにかけての落語・漫才の音源(SP版)のデジタル化にまつわる講話がありまして、これら放っておけば散逸してしまうような音源をデジタル化するプロジェクトが進んでいるが、しかし、音源だけをデジタル化しても、学問の対象にはならないのであって、デジタル化と同時進行で落語の速記本などもきちんと収集していかなければならない、というような趣旨のお話でありました。 で、講師の先生は、日本でも数少ないこの分野のコレクターでいらっしゃって、貴重な資料をいくつも見せていただきましたけれど、なるほど、この種の芸能資料というのは国会図書館にも収蔵されていないそうで、今はまだ個人の収集家のコレクション頼りの状況らしい。なるほどねえ・・・。 そしてこの後、お茶とワインを供しての休憩時間があり、それぞれ雑談を楽しんだ後、今度は「奇書/希書自慢」の時間となる。 これは、倶楽部の会員が、それぞれ最近入手した古書を持ち寄って、それぞれ入手の経緯や、希書の謂われなどを自慢するというもの。これもまた、同じ古書好きでも、集めている古書の方向性がそれぞれ違いますから、他人のコレクションの一端を覗うことができるという意味で、興味津々。 そしてこの後、いよいよ古書のオークションの時間となり、狙っていた逸品を入手すべく、競合した場合は互いに競り合って、一番の高値を付けた人がこれをゲットするという趣向。 そしてこれらすべてのプログラムが終了すると、最後に懇親会があるという感じ。 私はその日のうちに名古屋に戻らなければならなかったので、オークションと懇親会には参加できませんでしたが、3冊2,000円でちょっと面白い本をゲットできましたので、その点でも大満足。充実の午後となったのでした。 この愛書家倶楽部というのは、英国ケンブリッジ大学にあった同種のクラブを模して数年前に結成されたようですが、このクラブを創立して、学部学生や大学院生に呼びかけたところ、結構な数の学生・院生が会員となり、それぞれ神保町に繰り出しては、古書を掘り出してくるような古書マニアに育っているらしい。まさに「古書マニア・虎の穴」ですな。 まあとにかく、みんな好きで集まっている連中で、しかも本が買えたり、本の話が聴けたり、本の自慢が出来たりという盛りだくさんな内容ですから、集まっている人たちも皆喜喜としている。そこがいいんですな。義務で、とか、義理で参加しているわけではないところがいい。これが学会だとね、ちょっとそういうところも出てきてしまうわけですが。で、今回のイベントはこういうものでしたけれど、時には皆で神保町に繰り出すとか、近代文学館などに見学ツアーに出たりもするようで、それもまた面白そう。 というわけで、初めてこの倶楽部の会合に出席し、存分に楽しめたと同時に、私自身の所属大学でも、こういうようなクラブを作って楽しむというのはできないものか、なんてことも考えたりして、そういう意味でも面白い経験だったのであります。 ま、一つ問題があるとすると、名古屋には神保町がない、ということで、そこがね・・・。
March 4, 2013
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ひゃ~、先ほど名古屋に戻って参りました~。 さすがに土日で東京・名古屋を往復すると疲れますなあ。実家での滞在時間も30時間くらいなもんだったし。 で、今日はちょっと特殊な学会(?)みたいなところに参加していたのですが、その話をし出すと長くなるので、また明日書きますわ。 ということで、今日はもうお休みなさーーい。グーグー。
March 3, 2013
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週末、学会、のようなものがある関係で、まあ、他にも用事が無くはないのですが、とにかく新東名をひとっ走りして東京の実家に戻って参りました~。 ところで昨年の新東名開通以来、ほぼ毎回、帰省の度に新東名を使うのですが、この道路、ちょっとコワいんですよね・・・。 何がコワいって、種々様々な自然現象がコワい。 たとえば、夏場ですと猛烈な雷雨ね。昨年の夏、何度かひどい目に遭ったのですが、このまま走るのと、道路上に車を止めるのと、どっちがより危険か、真剣に考えてしまうほどの猛烈な雷雨があったりする。トンネルから出る度に雨の壁に突っ込むような感じですからね。 でまた時に出くわすのが霧。それもミルクみたいな霧。ヘッドライトやフォグランプの光が真っ白な濃い霧に反射してしまい、10メートル先も見えない、みたいな状況になって肝を冷やしたことも何度かありましたっけ。 そして、季節を問わず恐ろしいのが横風。これがまた半端ないのよ。何かにぶつかられたか? と思うような勢いで横から押され、ふわっと隣のレーンまで流されそうになる時がある。乗用車なんてまだ良い方で、バスとか大型トラックのように風を受ける面積の大きなクルマになると、ほんとにレーンチェンジしてしまうのではないかと思うほどふらっふら流されていますからね。 でまた、一方だけから風が来るのならまだしも、ある時は左から、ある時は右からの横風が来るので、どちらに流されるか予想もつかないというね。ハンドルを握る手に思わず力がはいるという。実は今日もかなり強い横風が吹いていたので、コワかったヨ~! 道幅も広いし、道もまっすぐだし、舗装もいいし、すごく走りやすい高速だとは思いますが、これらの気象条件があるもので、飛ばす気になりません。飛ばしている時にあの横風をくらったらどうなるか、ぞっとしますからね。 ひょっとして、Nexco中日本としては、それが狙いだったりして・・・。 とにかく新東名を走る皆さ-ん、この道路特有の雷雨と霧と横風には気を付けましょうね、お互いに。
March 2, 2013
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昨日、いつものように道場で八光流柔術の稽古をしてきたのですけど、一つ、面白いことがありまして。 昨日はいつもの稽古仲間に加えて、別な道場の師範とその門下生が稽古に加わったんですな。 そうすると、いつもと勝手が違うことが色々出てくる。 八光流の場合、結構な頻度で技や練習法の改良が行なわれていることは前にもこのブログに書きましたが、ひと昔前の八光流というのは結構荒々しいもので、強く技をかけると相手の骨が折れてしまうとか、そういうこともあった。それで、そういうことが無いように改良が続けられているわけ。 で、私が通っている道場のA師範は、大宮にある本部にしばしば行かれて、常に最新の情報を伝えて下さるのですが、昨日来られた道場のS師範は、S師範のそのまた師範が古くからの八光流の型を守っておられる方なもので、S師範も割とダイナミックというか、パワフルな技を繰り出される。 ですから、S師範の門下生と稽古をすると、同じ技でも大分かけ方が違うなあ、という実感があるんです。 となると、異なる道場の門下生それぞれが「我々の型の方がいい」と思っているわけですから、自然、違う道場の門下生同士の稽古だと、互いに妙に力が入ってしまうわけですよ。 で、私と、違う道場の門下生さんの稽古になった時、アチラの方の技のかけ方があまりにも力がこもっていたもので、それは八光流の本来の型ではないだろうと思い、「それでは技はかからないよ」ということを示すべく、私は必死に技にかからないよう努めたわけ。するとますますアチラは力をこめてきますので、こちらもますます守りを固め、そうはいくかとばかりに必死に堪える。で、二人のいい年をしたおっさんが、互いに力任せに相撲を取るような形になってしまった。 で、その様子を傍で静かに見ておられたA師範が、我々の力相撲を止められた。 そしてA師範曰く「それでは技はかかりませんよと」と。つまり、この場合、相手の技に掛からないように私が守りを固めているのだから、いわば私の方が「護身」をしている状態にある。そして八光流は護身術なのだから、攻撃をしてくる相手に対して技は効くけれども、護身をしている相手に技をかけることはできない。護身をしている相手に技を掛けるのは、それは攻撃なのであって、八光流は攻撃のための技ではないと。 うーむ、なるほど! 技を掛けよう掛けようと力づくで攻めてきた相手も、そんな力づくの技に掛かるものかと必死でこらえていた私も、二人共、互いに意地を張り合って八光流の本義を取り違えていたわけですな。そこをA師範は鋭く見抜いて注意された。 まったく、面目ない!! まるでガキだね、我々二人共。 ということで、いささか大人げないことになってしまったわけですけれども、おかげで八光流の何たるかをまた一つ勉強することが出来ました。 失敗することは恰好悪いことですが、しかし、同じ失敗を繰り返すことはもっと恰好悪いことですので、これを教訓に、今後はさらに八光流がきわめんとする「護身」の意味を理解して、その上で稽古に励みたいと思ったのでした。
March 1, 2013
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