全31件 (31件中 1-31件目)
1
新聞屋さんにもらったタダ券があったので、名古屋駅前のピカデリーに『テラビシアにかける橋』を見に行って来ました。 ま、別にこの映画が特に見たかったわけではなく、他に選択肢がなかったからなんですが・・・。だって、この映画館で他に上映していたのは『恋空』とか『Mr.ビーン』とか『茶々』とか、およそ私の見そうにないものばかりだったもので。 で、とにかくその『テラビシア』ですが、ある意味、予想外の映画ではありましたね。 私は、これは純然たるファンタジーであって、『ナルニア国物語』とか、それこそ『ロード・オブ・ザ・リング』的な映画なのかと思っていたわけ。ところが実際に見てみると、必ずしもそういう純然たるファンタジー映画というわけでもないんだな、これが・・・。(以下、ネタバレ注意!) アメリカの片田舎の町に、貧しい家庭に育つ苛められっ子のジェスという少年がいましてね。彼は学校ではあまりいい思いをしていないので、いつも一人で絵を描いているような孤独な少年なんですな。もちろん友達もいない、と。ところが彼の家のお隣にちょっと毛色の変わった美少女レスリーが引っ越してきてから、彼の生活にちょっと変化が現れ始めます。 このレスリーという少女も、もちろん転校生として学校では苛めにあうわけですけど、そんなことはモノともしないような元気な女の子なんですな。彼女は両親が共に作家という、ちょっと超俗的な家庭に育ったこともあって、どこか垢抜けたところもある子なんですけど、学校を一渡り見回し、この中で話し相手になりそうなのはジェスだけだ、さっとと見抜くわけ。 で、彼女の方からのアプローチもあって、仲良くなったジェスとレスリーは、二人の家の裏にある森に秘密基地を作り、そこを「テラビシア」と名づけ、二人だけの世界を作るわけ。レスリーは、作家の両親を持つだけに空想力が逞しく、彼女の先導でジェスもますますテラビシアの空想世界に入り込んでいくことになります。この辺はいかにもファンタジー的な作りになっているんですね。 しかし、この映画の中では、ファンタジーの世界が長続きしないんです。レスリーもジェスも、すぐに現実世界に戻らなくてはならない。とりわけジェスの家庭は貧しいですから、ジェスのオヤジさんとしては、息子があまり絵や空想の世界に浸ってばかりいることが少し不満なようで、そこに父と子のすれ違い的なものも出てくる。 でまた、ジェスとしても、レスリーとの遊びも楽しいことは楽しいのですが、それとは別に自分のことを気にかけてくれている音楽の美人教師への憧れもある。で、ある日、彼女に誘われるまま都会の美術館へのドライブに出掛け、レスリーのことを放っておいてしまうんですな。レスリーにちょっと悪いな、と思いながら・・・。 しかし、ジェスが美人の先生と美術館デートをしている間、レスリーの身にとんでもないことがふりかかって・・・。 ・・・ま、そんな話です。 で、面白いかというと・・・面白くなくはないですね。しかし点数はというと、ちょっと辛くて73点。ギリギリ合格というところ。 ま、ジェスとレスリー、二人ともとても可愛らしくて、この二人を見ているだけでも楽しいし、またその後に起こったことはとても悲しいことで、その喪失感は、ジェスと観客が共に分かち合えるのですが、しかし、そこからもう一歩の踏み込みがないんですよ。 やはり、こういう話である以上、ジェスがどこかで飛躍的に成長しないと話にならないわけですが、その成長がイマイチ頼りないわけ。特に大団円となる最後のエピソードで、なんだかむしろジェスは成長ではなく、退歩してしまうようなところがある。き、君、それでいいの? と思わず突っ込みたくなります。ま、可愛い結末ではあるのですが。 要するにジェスの「その後」が見えない、というのかな・・・。そこが大減点ですね。 でもね、映画全体としてみて、レスリーの描き方はうまいね。確かにこういう感じの魅力的な女の子というのは、います。自分の小学校時代を振り返ってみても、確かにいる。たまたまこういう子と一緒に日直か何かを務めることになってすごく幸福な思いをした、という経験は、男なら誰でも持っているのではないかしら。そういう昔の淡い思い出を振り返るためだけでも、この映画の価値はあったかもしれません。 というわけで、おすすめなんだか、おすすめじゃないんだか、よく分かりませんが、ま、そんな映画を見てしまいました、ということで今日はお茶を濁しておきましょうかね。
January 31, 2008
コメント(6)
名古屋市立大学から非常勤で来ていただいている先生と雑談していた時、市立大学では大学間単位互換制度の一環として、「コーディネーター授業」というのをやっている、ということを聞きました。 コーディネーター授業というのは、ある統一したテーマのもと、毎週別な大学から講師の先生を招き、様々な角度からそのテーマを論じてもらうというオムニバス形式の授業なんですと。なかなか面白そうですよね。その他、市立大学では他大学の学生が受講できる単位互換用の授業を色々と用意しているのだとか。 で、私が「最近、大学間の単位互換制度の話を時々耳にするけれど、うちの大学でもやればいいのに~」と言うと、同僚のK教授に「何言ってるの。うちの大学だってこの制度に参加してるよ」と叱られてしまいました。 で、愛知県内にある諸大学が共同で発行している単位互換制度についての分厚い履修案内を見せてもらったのですが、なるほど確かに我が大学も結構沢山の授業を他大学の学生向けに公開しています。あれ~、そうだったの~。 しかし、この履修案内の冊子見ていて、私、つくづく感心してしまいました。もうね、愛知県内のほとんどの大学が単位互換用の授業を公開しているんですわ。 ということはつまり、たとえばある大学の学生が、自分の大学の授業を受けず、月曜日は南山大学、火曜日は名古屋大学、水曜日は中京大学、木曜日は名城大学、金曜日は愛知学院大学にそれぞれ遠征し、それらの大学で受講する、ということも出来るわけです。何しろ無数の授業が公開されていますから、少なくとも専門の授業に関しては、すべて他大学で単位を取得するということも出来そうです。 もしこのまま大学間単位互換制度が進展していったら、もう特定の大学に所属することの意味も無くなりますよね。愛知県内の大学生は、「愛知県内大学生」という身分になって、好き勝手にあちこちの大学で単位をとるようにするとか。それで授業料は、全ての大学で山分けにする。 でもそれをやると、弱小大学から学生がいなくなっちゃったりするのかしら。「釈迦楽教授の授業はつまらないから、その時間、南山大学行っちゃおうぜ~」なんてことになったら、それはまたそれでちょっと悲しいかも・・・。 しかし、調べてみたら、昨年一年間で、うちの大学の学生が他大学に単位をとりにいったケースは・・・4例しかないんですって! たった4人! うーん、何というのか、冒険心がないねえ・・・。せっかくこういう単位互換制度があるんだから、他流試合だと思って、他大学へ赴いて、授業とってくればいいのに! 私が大学生だったら、絶対そうするけどなあ! というわけで、うちの大学から学生がいなくなることはないと分かってホッとするやら、不甲斐ないやら。 それにしても、この大学間単位互換制度、愛知県内の「学長懇話会」なるところが音頭をとっているようですが、笛を吹けども踊る者なしの状態のようです。せっかく面白い企画なんだから、もう少しPRしないといかんのじゃないかしらと私は思うのですが、読者諸賢のご意見や如何に?
January 30, 2008
コメント(10)
今日、通勤の途中で行きつけのローソンに寄ったところ、どうも様子が変です。 棚に商品がない。ほとんど、ない。 それでもぽちぽちと置いていあるモノの中から買おうと思っていたものを探し出し、レジへ持っていくと、そこに「近日閉店」の張り紙が! 思わずバイトの兄ちゃんに「この店、閉店するの?」と尋ねると、「ええ、あと2日です」とのこと。 おお! これか、Eが言っていたのは! 実は先日、新年会で友人のEと話をしていた時、彼が「最近うちの近くでコンビニが2軒も潰れてさ・・・」という話をし、「潰れるコンビニはすぐに分かる。新たに商品を入れなくなるので、棚が侘びしいほどガラガラになるんだよね~」と言っていたのですが、なるほど、コンビニが潰れる時ってのは、こうなるわけなんだ・・・。 コンビニ業界も大変なんでしょうな。そりゃ、そうですわ。事実、このローソンから南に300メートル行けばファミリーマートが、北に400メートル行けばサンクスが、さらにそこから50メートル先にはセブンイレブンがありますもんね。いくらなんでも作りすぎですよ。競争が激しすぎる。 それにしても、このローソンには潰れて欲しくなかったなあ。店長のおじさんがいい人だったので、私は贔屓にしていたのに・・・。 あれは今から10年以上も前のこと、まだ私も独身で、この辺に引っ越してきたばかりの頃。仕事で遅くなって、夜11時過ぎにこのローソンに立ち寄って晩飯やら何やらを買ったことがあったんです。 で、買い物カゴをレジに持っていくと、店長のおじさんがレジを打ちながら「一人暮らし?」と尋ねてきたわけ。 で、私が「ええ。分かります?」と答えると、おじさん、「そりゃ、分かるよ。この買い物見たら・・・」と言うんです。確かに、カゴの中に入っていたのは、カップラーメン、レトルト食品、ポテトチップスなどの袋菓子、それに菓子パンとか、そんな侘びしいもんばっかりですからね。 違いない! というわけで、思わず二人して笑ってしまったんですが、その後、おじさんはおもむろにレジの脇に置いてあった大福か何かを一つとると、「一人暮らし、応援しないとね」と言いながら、それをさっと袋に入れて私に持たせてくれた、と。 深夜といってもいいような時間帯、ひっそりと寝静まった新興住宅地の真ん中のコンビニで交わされた、男二匹の、これが友誼でございました・・・。 私が何となくこの店を贔屓にしてきた理由が、これで分かるでしょ? そのローソンがあと2日で潰れるってんだからなー。私としてはガッカリでございますよ。というか、おじさん、これからどうするんだろう? それが心配ですわ。 もう明後日に迫った店じまいの日。出来たらもう一度、あのおじさんに挨拶できればいいなと思っている今日のワタクシなのでありました。
January 29, 2008
コメント(10)

今日、すごく面白い、変なものを食べました。「プッチーナ」という野菜なんですが。 まあ、まずは下の写真をとくとご覧あれ。プッチーナというのは、こういうものです。これこれ! ↓ 言葉で説明するのも難しいのですが、すごく肉厚の葉物の野菜で、しかも葉の両面と茎に細かい水滴のようなプチプチがあるんです。ほんと、最初は野菜に霧吹きで水をかけてあるのかと見間違えそうな感じ。でも水滴ではなく、葉っぱに本来ついているプチプチなんです。強いて言えば「水泡」ですな。 で、実際に食べてみると、食感がまたすごい。もうね、「こんなの食べたことない!」と誰もが叫び出すような食感なんです。柔らかいことは度外れに柔らかい。しかも、天然自然のものを食べているという感じがしないんですよ。なにかゲル状のものが葉っぱの間に挟まっているような感じなんですが、「プリプリ」というのでもない。強いて言えば「クニョ、プニョ、シャリ」かなあ・・・。すごく瑞々しいものです。 しかも驚くべきことに、ドレッシングなどをかけなくても、ほんのり塩味がするという・・・。何で?? 多分、それなりに大きなスーパーに行けば、売っているものだと思いますので、興味のある方はぜひ食べてみて、異次元の食感と味に驚いて下さい。一食の価値はあるものだと思いますよ~! 教授のおすすめ!です。
January 28, 2008
コメント(6)
内舘センセイと同じくらい朝青龍嫌いのワタクシ。奴の小憎らしい顔を見たくなさに、初場所もほとんど見ませんでした。 しかし千秋楽ともなれば、しかも白鵬が負ければ憎い彼奴の復活優勝になってしまうとなれば、さすがに白鵬を応援するためにテレビ桟敷に座らないわけにはいきません。 ということで、この相撲だけは見たのですけど、相撲内容から言えば素晴らしい一番でした。もちろんモンゴル人力士同士の優勝争いですから、私としてはあまり見たくない種類の組み合わせでしたけれど、そんな私ですら、この相撲が見事な大勝負であったことは認めざるを得ません。ああ、これこそが横綱同士の決戦だよな、という力のこもった一番だった。 張り差し気味に右を取りに行く白鵬に対し、もろ差しを狙う朝青龍。若干の差し手争いの後、土俵の真ん中でがっぷり四つ。そこからの強烈な引き付け合いの見事なこと! 白鵬がじりじりと寄れば、朝青龍は相手を吊り上げようと鬼の形相。身体が半ば浮き上がるも、白鵬これを必死でこらえ、今度は力の途切れた朝青龍を逆転の上手投げ。時間にして1分あるかないかの攻防でしたけれど、実に見応えのある一番でした。 いや~、この相撲見たらね、今の相撲界でこの二人の力が飛び抜けていることを認めざるを得ないですな。あの引き付け合いに耐えられる奴なんて、他にいないですよ。 しかし、とにかく白鵬が勝ってよかった。これで朝青龍が優勝してたら、もう大相撲なんかと縁を切ろうかというところでしたわ。 ということで、今年の初場所は、ほとんどこの一番しか見ませんでしたけれど、それでも見ただけの甲斐はありました。実況であるにもかかわらず、ほとんど声を発することなく、横綱同士の対戦の醍醐味を味合わせてくれたNHKの藤井アナウンサーにも、私から花マルを進呈いたしましょう。
January 27, 2008
コメント(6)
![]()
山村修のエッセイ、『禁煙の愉しみ』(新潮OH!文庫)を読了しました。 この本、まず冒頭の一行がいいんですよ。「禁煙というものは、ミルクのように白い、いい匂いのするクリーム状のものである」・・・。こんなステキな文章で始まる「禁煙本」(というジャンルがあるとして)、読んだことあります? これは山村氏が27年間、概算しておよそ30万本のタバコを煙にした挙げ句、禁煙を始めたことと、その後に起こった様々な出来事について語った本なんです。が、もちろんこれは並みの禁煙本ではありませんから、山村さんが禁煙を始めたことにしても、別に「健康のため」とか、そういうことではまったくない。 じゃ、なんで彼が禁煙したかというと、禁煙というのは、そもそも喫煙者でなければできない経験だから、なんですな。山村さんは、子供の頃、喫煙していなかった。その後、喫煙者になった。だから次に「禁煙者」という新たな扉を開け、その向こう側にある世界が見てみたい。ただ、それだけのために、彼は禁煙を始めるんです。 もちろん、何しろ27年間の喫煙経験の後ですから、彼は猛烈な禁断症状に襲われます。かつての山村さんは、この禁断症状と必死で戦い、いつも敗北を喫してきた。だから、今度は戦うのを止め、襲ってくる波のうねりのような禁断症状に、サーフィンのように乗ってしまおうと思うわけ。 その具体的な策として、禁断症状の先手を打って、自分でも意表を突くようなことをやり始めるんです。例えば、パスタマシンを買って自分で生パスタを作ってしまうとか。あるいは、ひょうたんを自作してしまうとか。あるいは一流のシテ師に謡曲を習ってしまうとか。あるいは奥さんを連れて吉野桜を見に行ってしまうとか。あるいは、聖書を読み始めるとか。とにかく、こういった様々なことにトライするうちに、禁煙する前には思ってもみなかった新しい自分を発見していくわけ。 つまり先にも言ったように、禁煙とは、山村さんにとって、新たな未知の領域への扉だったんですな。そこに何があるか分からないけど、とにかく冒険が待ち受けている、そういうものだった。 もちろん、そういった行動的な側面の他に、山村さんは古今東西の禁煙本に言及し、禁煙をめぐる考察を深めていくのですが、まさに思考と行動によって、禁煙という人類だけが手にすることのできる稀有な経験を味わい尽くすわけです。 なんかね、もう、読んでいるとすごい迫力ですよ。まったくジャンルは違うとはいえ、ジュリアン・バーンズの傑作、『フロベールの鸚鵡』を読んだ時に近いような読後感といいましょうか。 とにかく「禁煙」をテーマにして、ここまで人間経験の内奥を垣間見せることができるか、というような本です。素晴らしい! 山村修の『禁煙の愉しみ』、教授の熱烈おすすめ!です。これこれ! ↓禁煙の愉しみ
January 26, 2008
コメント(8)
今の時期、大学では来年度の(前期)授業で使う教科書・参考書を決めないといけないので、私も色々検討しています。 で、難しいのが「英語」の授業の教科書。来年度は特に「TOEIC」対策の授業をして欲しいと要望されているのですが、TOEICをターゲットにした教科書ってのがまた、沢山あるようで、いいのがなくてね・・・。一応、様々な教科書会社に「見本請求」をしてはいるんですが。 で、今日もある会社から見本が届いたので、パラパラめくっていたところ、一つ面白い教科書があったんです。 ま、武士の情でどこの出版社であるかは言いますまい。とにかく、その教科書の「売り」は「ゼン・メソッド」という奴なんです。そう「禅」ですよ、「禅」。禅で英語のリスニング力をアップしようというのですな。 ほ、ほう。禅で英語が聴きとれるようになりますか・・・。 と思って、実際に中を見てびっくり。この「ゼン・メソッド」なるものの実体は、以下のようなものだったのであります。 「一方向をボンヤリ眺める。同時に、鼻から息を長く出しながら英語を聞く。吸うことは気にせずに自然にまかせる」 以上。これだけ。どこまで行っても、これだけ。 これは一体・・・何なのでしょうか? 「心頭滅却すれば、火もまた涼し」の境地を英語リスニングに応用しているようなもんだから・・・ 精神論? もう、このレベルになると、「メソッド」というより、「秘技」とか「奥義」の世界だよなあ。 実際にこのゼン・メソッドで授業をしているところを想像してみましょう。 師:よいか、一方向をボンヤリ眺めるのじゃ。そして鼻から息を長く出してな。・・・どうじゃ?弟子:せ、先生! 英語が、英語が聴きとれました! 師:うむ。もはやそなたに教えることは何も無くなった。お前はもう立派な英語の遣い手じゃ。弟子:せ、先生! う、う、う・・・(男泣き) ま、こんな感じになるのかな? いや、すごいですね・・・。こんなジョークみたいな方法論が、教科書として堂々と罷り通るんだ・・・。 それにしても、いつも思うことですが、英語教育を専門に研究している研究者たちって、一体、何をやっているんでしょうか。日夜、英語の教授法を研究した結果、このゼン・メソッドみたいなのに到達したということなのかしら。それとも・・・ あ! 分かった! 英語教育系の先生方ってのは、ブラック・ジョークを研究しているんだ! 誰が一番傑作なブラック・ジョークを作れるかを競っているんだな! それで、今のところ、中学生に「It is difficult for me to speak English.」(私にとって英語を話すのは難しい)というのを徹底反復練習させるってのが最高のブラック・ジョークということになっているのに違いない。で、日本中の英語教育研究者たちは、このジョークを凌駕する奴を探しているんだ。 そういう点から言ったら、この「ゼン・メソッド」なんてかなりいい線行っているんじゃないかしら。いずれ中学校の英語教科書に載るぞ、コレ。 しかし、修行が足りないワタクシとしては、さすがにゼン・メソッドを縦横に操るところまで到達していないので、やはりもう少し世俗のやり方を研究せねばなりますまい。 あーあ。どこかにもう少し俗っぽいTOEICの教科書、ないかなあ・・・。
January 25, 2008
コメント(8)
今日、演習を2つ、講義を1つこなして、今年度の全ての授業が終了しました。来週はからは期末試験となりまーす。やった~! これでしばらくは授業のことを考えなくても済むぞ! というわけで、本来なら解放感に浸って・・・となるはずですが、実はそうでもないんですなあ。 というのも、明日締め切りの原稿、抱えているんですよね~。ま、そんなに長いものではないので、集中してやれば一日で書き上ると思いますが、でも、目途がついてない原稿を抱え、しかも明日がその締め切りとなれば、とても心からリラックスできるような状況ではありません。 でまた、もう一つ、どうも家内が風邪を引いてしまったらしく、出先からほうほうの体で家に帰り着いたのだとか。可哀相に、このところ寒い日が続いていましたからね。 で、具合が悪いよ~!という家内からのメールを受け取っていたので、大学からの帰り、スーパーによって色々食料品を仕入れました。こういう時、私は俄然張り切る方なので、明日は朝・昼・晩と私が食事を作って進ぜましょう。明日の晩御飯のメニューは、鶏肉を使ったちゃんこ鍋でーす! こいつで栄養をつけ、体を温めないとね。 ということで、なかなか大変な週末となりそうですが、頑張ります。それでは、一足お先にお休みなさ~い!
January 24, 2008
コメント(2)
今日は、院生のI君と対面しながら、彼の修論の指導をしていたのですが、一種の「Web論」である彼の論文の中で、今日のインターネット環境が実現する前の時代、すなわちいわゆる「Web2.0」時代以前のインターネット環境の記述が分量的にも少なく、そこがやや物足りないような気がしたものですから、そこを何とか改善したらどうか、という方向の指導をしたんですな。 しかし、I君が大学に上った頃は、もう既にWeb2.0の時代が到来していましたからね。彼としてはそれ以前の状況がどうだったかなんて、実体験としては知らないわけですよ。ですから、その辺りの記述がやや手薄になるのも無理はない。 でも、じゃ私なら当時のことをよく知っているかというと、それが案外、そうでもないんですな。もう、現在のインターネットの環境に慣れてしまって、わずか十数年前の状況がどんなだったか、はっきり思い出せないんですよ、情けないことに・・・。 皆さんは、思い出せます? たとえば、「インターネット」ではなく、「パソコン通信」なんて言っていた時代のこと。ヤフーもグーグルもなかった時代のこと。 確か私は「Nifty Serve」の会員でしたけど、パソコン通信時代の情報検索って、結構面倒臭かったのではなかったでしょうか? キーワード検索なんて方式ではなく、確かカテゴリー化されたトピックの中から、階層的に下って行って、ようやく何らかの情報に辿り着くとか、そんな感じではなかったかしら。 でまた、Nifty Serve の枠内を飛び出し、アメリカの「Compu Serve」につなぐこともできるけど、それをやると1分いくらみたいな感じで、結構な額のお金を課金されたのではなかったかしら。いつだったか、アメリカのことを調べていて、相当なお金を使ってしまったことがありましたよ。 あと、パソコン通信時代の一番の使い道って、情報検索よりも、むしろ「掲示板」を使ってのチャットじゃなかったかしら。 とまあ、そういうことを漠然と思い出すんですけど、そんな私の曖昧な記憶では、論文の記述に使えないしなあ。 で、ふと思ったのですが、ひょっとして十数年前の「パソコン通信入門」的な解説書か何かを見れば、当時のインターネット環境のこととか、当時人々がネットに何を期待していたか、なんてことが分かるのではないかと。 そこで、私はI君を連れて大学の近所にあるブック・オフに急行! そして1990年代初頭のパソコン通信関連の解説書・入門書を探したわけ。すると、おお、あるある! あるじゃないですか! いくらでもある。 で、その種の本を見ると、それこそ「パソコン通信があれば、掲示板を使って遠くの人とチャットもできます!」みたいなことが嬉しそうに書いてある。なんか、可愛いなあ。あと、パソコン自体の使い方としては、「データベース」の側面が非常に強調されている。やはり、情報は個々のパソコンに中に収める、という考え方が基本なんですな。今みたいに、「情報はネット上に浮遊している」というのとは正反対の考え方です。 あと、今から十数年前のパソコン通信の解説書を読んでいると、お金の問題がものすごく大きく扱われている。今みたいに「常時接続」の時代ではないですから、ネットにつなげば、つないでいる時間だけ課金されてしまったんですな。だから、アクセス時間をいかに少なくするか、なんてノウハウが書いてあったりして。 とにかく、こいつは論文の資料として使えそうだということになり、何冊かゲットすることにしたんですけど、とにかく、普通に考えれば、今やまったく役に立たない本ですから、安い安い。どれも1冊105円でしたから、財布にも優しい資料探索でしたね。 それにしても、今日の古本ハンティングはなかなか面白かった。理系の本というのはわずか十数年でまったく何の役にも立たなくなってしまうもんだな~、という感慨を新たにしたことも面白かったですが、そういう役立たずの本も、ちょっと見方を変えて、文化論の資料として考えれば逆に非常に役に立つ、ということを発見したことも面白かった。 いずれにせよ、「十年ひと昔」とはよく言ったもんです。ブック・オフからの帰り道、I君と、「今から10年経ったら、やっぱり今とはまったく違うインターネット環境が出現しているのかねえ?」などと話し合ったことでありました。
January 23, 2008
コメント(2)
先日このブログでも取り上げた匿名の書評家<狐>こと、山村修の『書評家<狐>の読書遺産』(文春新書)を読了したところ、非常に面白かったので、すっかり山村ファンになってしまったワタクシ。これは「狐さん」の本を全て読まなければという意気込みで、今日、大学からの帰り道に書店に立ち寄ったわけですよ。すると・・・ 山村さんの本がなーい! おかしいな、新潮文庫、新潮OH!文庫、ちくま文庫、ちくま新書などから山村さんの本は出ているはずなんだけどな・・・。 悔しいからもう一軒、別の書店に寄ったのですが、ここにもない。で、ヤケになって三軒目にチャレンジするも、そこにもなし。もうね、三軒目に至っては「新潮OH!文庫」そのものを置いてなかったという・・・。店員さんに聞いたら、しばらく前から扱いを止めて、必要があれば取り寄せるという風にしているんですって・・・。 あー、もう! なんでワタクシが読みたい本というのは、いつも売ってないんだよ! アッタマに来たので、帰宅直後にアマゾンを見たところ、山村さんの本は既にそのほとんどが絶版になっていることが判明。仕方がないので、古本でもなんでも、買えるものを全部買ってやりましたわ。中には古本で「1円」なんてものもありましたけどね。 しかしねえ・・・。どうなんですかね、こういう日本の出版状況。書店には山ほど本が積まれているのに、肝心の本はすべて絶版。これでは、一体何のための書店なのかと思ってしまいます。 出版社も出版社だよね。一度本を出版したらさあ、もうちょっと根性入れて売り続けるというふうにしたらどうなのかね。 ところで、そんな風に山村修氏の本を渉猟している過程で分かったことが一つ。山村さんって人は、どうやら青山学院大学の図書館の司書をしていたらしいんです。道理で。いくら<狐>さんの書評が見事だからといって、書評だけで食っていけるものかしらと思っていたんですが、やっぱりちゃんと定職があったんですな。 それにしても、ちょっとカッコよくない? 表向きには青学の図書館司書としてひっそりと暮らしているが、巷で有名な書評子<狐>とは、俺のことさぁ! みたいな。ま、別に山村氏がそんな風に思っていたかどうか、分かりませんが。 でも、司書であれば、周りに本はいくらでもあるわけだし、書評家としてはなかなか素晴らしい環境なんじゃないかしら? ああ! 憧れるぅ! <狐>みたいな生活したい! こうなったらワタクシも大学教員辞めて、司書になる。・・・って言っても、あれ、資格がいるんだろうなあ? どうやったらとれるんだ、その資格。今からとれないか? どうにかして資格とったら、うちの大学の附属図書館で雇ってくれないかしら・・・。 というわけで、<狐>こと山村氏は、ワタクシの中でますます理想の隠遁者となり、カリスマ性を増してきたのでありました、とさ。 あ、これがホントの「狐憑き」って奴か!?
January 22, 2008
コメント(4)
今日は指導している大学院生・I君の修士論文の添削をしていたのですが、これがなかなか面白かった。 I君の修論のテーマは「集合知」なんですが、「集合知」ってのは、要するに「人々の知恵を集めたもの」ですから、百科事典も、図書館も、学会も、国会も、市場も、みな何らかの形で集合知の要素を持っているということになります。この頃では誰もがお世話になっているネット上の検索エンジン「グーグル」なんてのは、現代の集合知の代表的なものですね。 で、今日読んでいたのは、そのグーグルを論じた章だったのですが、それを読んでいたら、グーグルの賢さがよく分かった。 例えば、情報の検索エンジンが非常に便利なものであることは誰にでも理解できるわけですが、実際にこれを開発しようとすると、すごく難しい壁にぶちあたります。つまり、重要なサイトと、下らないサイトの区別をどうつけるか、という問題です。 たとえば、「あるキーワードが沢山出てくるサイトが、そのキーワードでネット検索している人にとって重要なサイトである(に違いない)」と定義して検索エンジンを作ってしまうと、とんでもないことになります。つまり、悪用される可能性が非常に高くなるんですな。 たとえば一昨日・昨日とセンター入試が行われましたから、今日は沢山受験生がその情報を求めて「センター入試」というキーワードでネット検索すると予測されます。こういう状況下で、もし「あるキーワードが沢山出てくるサイトが、そのキーワードでネット検索している人にとって重要なサイトである」のならば、「センター入試」という言葉をやたらに貼り付けたサイトを作っておけば、たとえそれが入試とは無関係のサイトであっても、検索結果の先頭に来ることになってしまう。悪用するのは、簡単です。 で、それじゃあイカンと思った「ヤフー」は、人海戦術でもって優良サイトと悪質サイトの区別をつけ出したわけ。確かにこれをやれば悪質なサイトが検索結果上位に来ることはある程度防げます。が、これをいちいち膨大なキーワードについてやっていたのではものすごい手間と時間がかかってしまう。 そこで「グーグル」は、重要なサイトの定義の仕方を変えて、「リンクを沢山貼られるサイトが、重要なサイトである」という風にしたんですな。これなら、貼られたリンクの数を数えられるソフトさえ作ってしまえば、あとはウェブ上のサイトの善し悪しを自動的に判別できるわけです。それに、実際問題として、確かにリンクを沢山貼られるサイトは、重要サイトであることが多かったので、このやり方でまったく問題がなかった。グーグルがものすごい勢いで先行するヤフーを追撃したのは、重要サイトの新しい定義の仕方を思いついたところにあるんですな。簡単なことですけど、これが決定的だった。 かくして、今やグーグルの収益は1兆2720億円。しかも社員はたった16,000人ですって。トヨタの社員が30万人なのと比べても、桁違いの収益率です。かくして今やグーグルの社屋には無料の社員レストラン、託児所、フィットネスクラブ、マッサージ・ルームが完備され、テーブル・サッカーやらビリヤード、ビーチ・バレーなどを楽しむ娯楽スペースもあちこちにあり、社員はこれらを享受しながら楽しく働いているのだとか・・・。 うちの大学の職場環境とは随分違うなあ・・・。 ま、それは仕方ないとして、I君の論文を読んでいるうちに、今やグーグルは検索エンジンだけでなく、他にも色々サービスを提供していることも分かってきたんです。 で、「ホット・メール」的に使える大容量の「Gメール」というのがある、というのは私も知っていたのですが、この他に「グーグル・ドキュメント」というのがあるの、ご存じでした? これ、要するにウェブ上のワープロでして、ウェブが開ける環境なら、世界中から自分のワープロ原稿を開けるようになるんです。いや、そればかりでなく、他の人にアクセスしてもらって、同時に複数の人間で一つの文章を作ることもできるわけ。たとえば、「1章は僕が書くから、2章はAさん、3章はBさんに頼むね」というふうにして、複数の人間で一気に長い文章を書き上げることもできるわけですよ。これ、すごくないですか? というわけで、私も思わずグーグルの会員になって、「Gメール」と「グーグル・ドキュメント」が使えるようにしてしまいました。やった~! これで、ウェブにつながっているパソコンさえあれば、わざわざ自分のパソコンを持ち運ばなくても、世界中どこででも仕事ができるぞ~! ・・・ま、別にそんなワールド・ワイドな活躍してないですけど・・・(ガク、ガク!) でもね、さすがに修論レベルの指導となると、こちらの知らないことをどんどん知ることができるので、なかなかいいもんですわ。 ということで、今日はなんだか、ちょっと得をしたような気になっているワタクシなのでありました。今日も、いい日だ!
January 21, 2008
コメント(4)
今日はセンター入試二日目。一応、全体としてはノー・トラブルで終了できましたが、今日は一つ、ちょっと可哀相な出来事が。 午後の「数学2」の試験が終わり、休憩時間に入った時のこと。一人の受験生(男子)が突然大きな声で「最悪だ!」と叫び出し、監督者たる我々教員はもとより、彼の周囲に座っていた女子生徒たちの度肝を抜いたんです。 実は、この受験生の坊や、どうも少しボンクラ君なのか、昨日から我々を悩ませ続けておりまして。例えば、「受験票の顔写真の上に貼るシールが1ミリほどズレてしまったけど、大丈夫でしょうか?」とか、「名前にフリガナを振り忘れたような気がするけれど、どうしたらいいでしょうか?」とか、まあとにかく、そんなしょーもないことをやたらに言ってくる。本人は大真面目なのですが、監督者たる我々としてはやっかいなお客さんなわけですよ。 で、このボンクラ君、先の「数学2」の試験中にも腹痛を起こし、トイレに駆け込むという醜態を晒してしまったんですな。 何せ、シールを貼るのに1ミリズレたからといって大騒ぎする坊やですから、試験中の腹痛は余程ショックだったのでしょう。辺り構わず大きな声で「最悪だ! 最悪だ! どうしてこんな大事な時に、僕はお腹なんか壊すんだ!」と叫ぶと、トイレに向かうため廊下に出かかっていた他の受験生たちを押し退けて、どこかへすっ飛んで行ってしまったという・・・。 試験本部に戻る途中、ちょっと気になって彼の姿を探すと、廊下のはずれ、誰もいない予備教室の前で、壁に向かって肩を震わせておりましたわ・・・。可哀相に、自からの失態で試験時間を大幅にロスしたことが、本当に無念だったのでしょうなぁ。そういう感情をセーブできる坊やじゃないだけに、純粋な悔しさと悲しみが、打ち震える彼の後ろ姿から陽炎のように立ち昇っておりました。 あのボンクラさ加減から言うと、おそらくこの受験生君はこれからの人生で「最悪だ! どうして僕は・・・」という思いを、きっと何度も繰り返すことになるのでしょう。そんな彼の人生の縮図を見ちゃったような気がして、私は何とも言えない気分でしたよ。 さて、それでもこの辛い試験監督の仕事ももう終わりました。明日は一日代休なんですが、何かこう、少し気の晴れることでもしたいですね。 今日は疲れましたから、私も早めに寝ることにいたしましょう。今夜は全国的に冷え、雪が降るところも多いようですが、皆様も暖かくしてお休み下さいね。
January 20, 2008
コメント(8)
今日はセンター入試の初日。受験生も大変ですが、試験監督を務める我々も大変です。 で、遅刻してはいかんので、超が2つ重なるほど夜型人間の私としては、是が非でも早起きせねばと目覚まし時計を6時15分にセットしておいたところ、昨晩3時過ぎに寝たにもかかわらず、6時14分にピタリと起床。目覚まし時計が鳴り出す直前に解除できたという・・・。こういうことって誰にでも起こることだと思いますけど、我ながら「ど、どうして6時14分にピタッと起きれるんだ!?」と驚いてしまいます。体内時計、どんだけ正確なんだよっ!って感じですよね。 ま、それはともかく、センター入試の監督、きつかった~。特に初日は「国語」と「外国語」という試験時間80分のテストが2つありますし、5時間目の「リスニングテスト」がね~、これが大変なんだ。 ICプレーヤーを使って全国数十万人という受験生に一斉にリスニングテストを実施するわけですが、もしこのICプレーヤーに不具合があったり、あるいは試験時間中に突発的な事故があったりすると、「再開テスト」とか「再テスト」をやらなきゃいかんわけ。で、その手続きが本当に複雑なので、試験監督自身、どういう場合にどういう対応をするのか、いま一つ分かっていないところがある。 ですからね、もう試験時間の30分間の間は祈るような気持ちですよ。「何も起こらんでくれ~」ってなもんで。この30分が、長いんだ・・・。死ぬほど長い。 でも、ま、それも何とか凌いで、無事、初日は終わりましたけど、明日も理数系試験科目が5つもある。しんどい・・・。 我々もしんどいし、受験生はもっとしんどい。じゃ、お互い、こんなこと止めちまえば?って思いたくなりますけど、そうもいかんか・・・。 さ、明日も早いから、そろそろ寝ましょうかしらね。私の体内時計くん、明日も頼みますよ~!
January 19, 2008
コメント(4)
![]()
「サワードウ」なる食物をご存じでしょうか。ま、酸味の強いパンのことで、クラムチャウダーと並ぶサンフランシスコの名物。そのサワードウの本物が、今日の我が家の夕餉の食卓に並びました。家内の作ったクラムチャウダーと共に、ね。 というのも、エアロダイナミクスをご専門とするF教授がアメリカ西海岸での学会の帰り、サンフランシスコに立ち寄ってサワードウを買ってくるから、今日の午後6時に取りに来いという嬉しいご命令だったんですな。つまり、12時間前にサンフランシスコの店頭に並んでいたサワードウが食べられるというわけですよ。これは嬉しい! で、頂戴してきたサワードウ、F教授のご指南通り、薄く切ってチーズを乗せ、それを軽くトーストしてから食べたわけですが、さすが本場だけあって旨い、旨い。軽い酸味が食欲をそそります。いや、F教授、ご馳走さまでした! ところで、そのF教授とお約束した6時に教授のお宅を尋ねてみると、飛行機が延着でもしたものか、どうやらまだお戻りでない様子。そこで時間を潰すために近所の本屋を覗いていたところ、面白い本を見つけました。文春新書の新刊『書評家の読書遺産』という本です。 というのは、『日刊ゲンダイ』という新聞の書評子のことで、本名・山村修。1981年に登場以来、長くこの職にあった人ですが、残念ながら2006年、56歳の若さで亡くなってしまいました。しかし、の書評を楽しみにしていた人は多く、それらがまとめられて既に何冊かの本になっています。この本も、そんな一冊。 ・・・などと言い条、実は私ものことはあまりよく知らなかったのですが、今日読み始めた『書評家の読書遺産』、これがなかなか面白い。 書評というのは、私もたまにはそういう仕事を引き受けることもありますが、実はこれが難しい作業でありまして。例えば、まず第一に「引き受けた本を褒めるか、腐すか」という大方針を決めなくてはならない。もちろん、いい本を褒めるのは簡単です。が、それではつまらない本はどうするか。 つまらない本は腐せばいい、というようなものですが、しかし、つまらない本にも色々あります。内容はいいが、書き方がつまらないということもあるし、面白く書いてはあるが、突き詰めてみれば下らないという意味でのつまらない本もある。その様々な形の「つまらなさ」を、どう上手く捌くか。その辺が問題です。一方、たとえどんなにつまらない本であっても、それを書いた著者が一生懸命である場合、それを腐して著者の息の根を止めることが、果たして建設的なことなのか。そういうことを考えると、つまらない本を腐す、という単純なことですら、なかなかどうして、難しい。 そこで、書評子によっては「引き受けた全ての本を褒める。どこかしら褒める」という方針で臨んでいる人もいますが、そうなると今度は、「こんな下らない本を褒めやがって。書評子はどうかしているんじゃないのか?」と思われてしまう危険性も引き受けなければならない。そういう意味での怖さもあるわけです。 また、書評子というのは、本の善し悪しを判定する「裁判長」であると同時に、一方では「本の宣伝部長」でもあるわけですから、書評を読んだ人がその本を読みたくなるように書かなくてはなりません。そうなると、本を語る「話術」というのも重要です。しかし、書評子とて万能の人間ではないですから、上手く書ける時もあれば、どうもうまく行かない時もある。一定のレベルの「話術」を維持するのも大変です。 で、そういう難しい仕事を四半世紀もの間務めたというのですから、そのことだけでもこと山村修氏は大したものと言わざるを得ません。 でまた、実際に彼の書評を読んでみると、確かにその本が読みたくなるように書いてあるんですわ。例えば本書の冒頭、は井上究一郎氏の『ガリマールの家』というエッセイ集を取り上げて紹介しているのですが、これを読んだら、たまらなくこの本が読みたくなってきました。そんな面白そうな本があったのに、どうして今まで気付かなかったのだろう、と思わせるように書いてある。 つまり、というのは、書評家として凄腕だ、ということですな。 ということで、私自身もまだ最初の50頁ほどしか読んでいないのですが、『書評家の読書遺産』、教授のおすすめ!です。私は、明日・明後日とセンター入試の試験監督に出なければならないのですが、この本をポケットに忍ばせていき、休憩時間などに読みふけろうと思います。これこれ! ↓書評家〈狐〉の読書遺産
January 18, 2008
コメント(2)
明後日から始まるセンター入試の準備のため、今日から大学はしばらく休講。ということで、給料日でもあることだし、家内を連れて「給料日ランチ」と洒落ることにしました。 で、本当は「Fuchi亭」というお店に行く予定だったのですが、予約をしようとしたら今日は定休日とのこと。そこで急遽プランBとして名古屋市営地下鉄鶴舞線・日進駅近くにあるビストロ、「プチ・ヴェール」に向かいました。ここを訪れるのは初めてです。 で、行ってみると小じんまりとしたマンションの一階にある小さなお店で、いかにも「ビストロ」という雰囲気。幹線道からは少し奥に入っていますし、周りは住宅地ですから、知る人ぞ知るという感じです。 で、店の中も4人掛けテーブルが4つ、あとは個室が一つあるだけですから、これまた小じんまりとした、池波正太郎風に言えば「小体(こてい)な」造り。しかしなかなか居心地の良い店構えです。しかも店に入った瞬間から料理のいい匂いがほの~かに漂ってきて、お、これは期待できそうだぞ、という予感が。 そしてその予感は見事的中! 我々が注文したのは2600円のコース料理ですが、まず最初に出てきたニンジンのポタージュがおいしかった。適度に濃厚で、ニンジンの甘味とクリームのまろやかさが絶妙。ちょっと壺のような形の皿に盛られているのも洒落ています。 しかし、私が驚愕したのは次の一品、「フォアグラのソテー、シダー(リンゴ)・ソース添え」。これはもう、抜群にうまかった! 今まで食べたどのフォアグラよりもうまかったと言っておきましょう。フォアグラそのものも、その焼き加減も素晴らしかったし、リンゴの甘味を活かしたソースがまた絶品。ちょっと目を瞠る味でしたね。 そしてメインは「カレイのソテー」でしたけど、これもね、皮は適度にカリカリ、身は味が濃厚、オリーブオイルのソースがまたよく合って、いい味でした。添えてあった芽キャベツのソテーなんかも、春を感じさせて趣味がいい。 そしてさらに驚くべきは、食後に出される手作りデザート。今日は「アップルパイ、洋梨のアイス添え」でしたが、このアップルパイがまたパイはサクサク、リンゴはトロトロ。その上、添えられている洋梨のアイスがまた素晴らしく、こいつをアツアツのアップルパイに乗せて口に運んだ日には、もう脱力もののうまさです。 そして、私にとってレストランの善し悪しを決める基準の一つ、「コーヒーに添えられたクリームが本物か、それともスジャータ的な奴か」のテストも合格。ちゃんとした本物のクリームがクリーマーに入れられて出されました。 ということで、最初のスープから最後のデザート&コーヒーに至るまで、完璧な内容。これで2600円は安い! 「ビストロ プチ・ヴェール」さんには、「ミシュラン」ならぬ「シャカラン」から「3つ星」を進呈いたします! おめでとうございます! いや~、こんな名店が近所にあったのに今まで知らなかったなんて、ほんと、もったいないことをしました。ここまでいいお店だと、あまり人に教えたくなくなりますが、「お気楽日記」ご愛読の皆様だけにこっそり教えちゃいましょう。日進駅近くのレストラン、「ビストロ プチ・ヴェール」、教授の(熱烈)おすすめ!です。ブラボー!
January 17, 2008
コメント(6)
今日、給与明細を受け取ったので、中を確認したところ、あらら? なんかちょっと増えてないかしら? でもって、何だ、この紙は? 何か書いてあるぞ? ナニナニ、「貴殿は、平成20年1月の昇給において、勤務成績が『特に良好』であるとして学長から選考されましたのでお知らせします」・・・ うそ?! 何コレ? 勤務成績が「特に良好」って・・・私がぁ? 学長さん、よく見てるじゃん! っていうか、よく見てないじゃん! どこをどう見たら、私の勤務成績が「特に良好」なんだよ! あるいは、ひょっとして他の教授連は私以上に遊んでるのか?! でも、ま、いっか! くれるってものは、もらっちゃお。ちょっと、し・あ・わ・せ! というわけで、今日は何だかいい気分。書評の原稿は昨日提出したし、高大連携スクールの原稿も出しちまったし、紀要論文の最終校正は今日提出しちゃったしな。当面、片づけなきゃいけない仕事はほとんど終わったかな。 あと、やらなきゃいけないのは・・・2週間で論文一本でっち上げることかしら(爆!)。 でも、今日は何だか気分がいいので、論文の一本や二本、2週間あれば書ける気がしてきたぞ! よーし、明日・明後日とセンター入試を控えての臨時休校だから、この時間を利用して、いっちょこの難事業に取り組んでみますか! 頑張ろうっと!
January 16, 2008
コメント(8)
昨夜、テレビで「クレイトン大学」だの、「パシフィック・ウェスタン大学」だの、正規の大学でも何でもない組織が、見せかけだけの博士号を出している、というニュース特集を見て、こういう組織も組織だけど、それに引っ掛かる、あるいはそれを利用する大学の先生も先生だよなあ、などと漠然と思っていたわけですよ。 そしたら今日、勤務先の大学でもこの話題で持ちきり。で、共同研究室に「偽博士」リストが載っている某雑誌が置いてあったので、ちらっと見たら・・・ あら~、この先生知ってる~! ってのがあるじゃないですか! 何だったかの学際的な会合で一度ちらっと紹介されただけですが。 ま、その方は決して不埒な方ではなく、しっかりした研究者ですから、なんでこんなのに引っ掛かったのかさっぱり分かりませんが、その方の所属大学では、教授への昇任人事か何かで必要だったんですかねえ。なんか、リアルに『文学部唯野教授』みたいだなあ。 ところで、その雑誌記事によれば、アメリカにおけるこの種の偽学位発行機関(ディプローマ・ミル)の歴史は古く、1860年代くらいからあるんですってね! 1860年! 日本で言えば、東大の前身の「大学南校」とか、慶応義塾とか、その辺がようやく生まれる頃じゃないですか! 日本で一番古い大学より、アメリカの偽大学の歴史の方が古いってわけだ。 これ、うちのゼミ生の卒論テーマにならないかなあ。こういう偽大学がどういう経緯で生まれ、何の役に立ってきたのか、どうして今なお存在できるのか。そういうことを調べていったら、結構面白いアメリカ文化論になりそうじゃないですか。あ、今度、来年度のゼミ生の顔合わせがあるから、「このテーマで誰か卒論書いてみない?」って、提案してみようかしら? それで、私の知り合いの先生にも直接インタビューさせようっと(爆!)。 しかし、聞くところによると、日本にはまだまだ数多くの偽博士が隠れていらっしゃるようで、昨年の食品偽装問題に引き続き、今年は学歴偽装問題が色々出そうですなあ。 この国の「化けの皮」は、まだまだ剥がれる余地があるようで・・・。
January 15, 2008
コメント(6)
家内に指摘されて気付いたのですが、男ってテレビの「旅番組」が好きですよね。私の父もよく見ていますけれど、私も他に特に見たい番組がない時など、気付くと旅番組にチャンネルを合わせていたりする。赤の他人が旅行したりご馳走を食べたりするのを見て、何が楽しいかと言われると答えに窮しますが、つい見ちゃうんだな~、コレが。 で、そういうのを見ながら、いつも思うんですよ。あ~、俺も旅行に行きたい! 老舗の旅館か何かに泊まってご馳走を食べ、雪景色でも見ながら温泉に入る。そんなのやりたい~、ってね。 ・・・疲れているのかな・・・。(またかよっ!) でも、先立つものもないし。そんな暇もないし。 で、思いついたんですが、家に居るまま、温泉に行った気分になれないかと。 例えば、そうですね、その日は一日、仕事は一切しないことにして、それで風呂には2回以上入るわけ。もちろん昼間っから、それも「登別温泉」とか「草津の湯」とかの入浴剤を入れて、ですよ! 食事はどんな旅館に行ったって、結局は刺身と鍋がメインに決まっているんだから、スーパーとかで刺身の盛り合わせでも買ってきて、あとは湯豆腐のような簡単な鍋を作る。もちろんおいしい日本酒も少々ゲットしてね。 で、寝る時は、いつものベッド・ルームではなく、来客用の和室に来客用の布団を敷いて寝る。浴衣はないから代わりにガウンを着て過ごし、たまにベランダに出て「いい景色だなあ」とか言ってみたりして。 おお! 何だか楽しそうじゃん! っていうか、楽しくなってきたぞ! 実際、やってみようかな・・・。次の休み、いつだっけ? ま、ほんとにやるかどうか分かりませんが、やってみて面白かったら、また報告しますね~!
January 14, 2008
コメント(8)
突然ですが、最近、再び「ラジオ」を聴いてみたいなぁって思うんです。 というのも、この頃こそラジオなんてほとんど聴かないですけど、子供の頃はホントに好きでね。「FMエアチェック」なんて言葉、最近は耳にしたこともないですが、昔はレコードも高くてそうそう新譜を買うわけにもいかなかったし、新聞のFM放送番組欄を睨んでは、好きなバンドが登場しそうな番組にダイヤルを合わせたもんですわ。 で、もちろん寝る時も枕元のラジオで、寝つくまで色々な番組を聴いたもんです。「欽ドン」なんて懐かしいなあ。あれは日本放送か。TBSの小島いっけいさんとか、文化放送では「みのもんたのワイドNo.1」とか、よく聴きましたわ。AM放送に関しては、どういうわけか私は文化放送派で、「オールナイト・ニッポン」より「セイ! ヤング」が好きでした。野沢那智さんと白石冬美さんのコンビなんか、良かったなあ。 あと、もちろんFENね。今で言うAFN。810キロヘルツ。ケイシー・ケイサムの「アメリカン・トップ40」とか、「ウルフマン・ジャック・ショー」懐かしい! あとクリスマスなんか、一日中クリスマス・ソングかけてくれるので、ホントに気分が盛り上がったもんです。 あと、伝説の番組、松任谷由実の「おしゃまします」はどこの局だったかしら。TBSかな。あれも面白かった。ま、松任谷由実というとFMの「サタデー・アドベンチャー」も懐かしいですが。アイワが提供だったんですよね。「ア・イ・ワ! サタデー・アドベンチャー」という番組コール、今でも耳に残っています。 そうそう、FMも放送局こそ当時はNHKとFM東京の二つくらいしかなかったけど、これもよく聴きました。前にも書いたことがありますが、「ワールド・オブ・エレガンス」とかね。 あー、懐かしいことばっかり! 我が青春はラジオと共にあり! そんなことを思い出すにつけ、このところ全然ラジオ聴いてないなと、はたと気付いちゃったわけですよ。 で、また聴きたいなと思うけれど、さすがにこの年になるとジャリタレの出る番組なんて聴く気もしないし、音楽番組もつまらないDJのおしゃべりばっかり。特に女性DJってのは、どうしてあそこまでおしゃべりがつまらないんだろう? 声の質も誰もまったく同じで、没個性も甚だしい! そんな中、私として唯一聴きたいなと思うラジオ番組が、サントリーが提供する民放FM番組「サタデー・ウェイティング・バー・アヴァンティ」。これ、その時々に各界で活躍中の人なんかをゲストに呼んでトークさせる番組ですが、一応設定が「バー」ですから、バーに来たゲストたちがおしゃべりしているのを、傍から盗み聴きする、という趣向なんですな。もちろんゲストは皆大人で、しかも才能のある人たちばかりですから、トークも面白い。またバーの常連客やバーテンの設定が秀逸で、かなり笑えます。 例えば常連客の一人、取手豪州氏は「栃木県出身、母方に政治家あり、玉川大学文学部英米文学科出身、数多くの会社を手がけるが、経営難になって新社長から解雇される」という設定になっていますが、玉川大学というところがどういうところかよーく知っている人間にとって、この設定はめちゃくちゃ笑えます。余程大学の内部事情に詳しい奴が、スタッフの中にいるに違いない。 ところが、この番組、放送時間が毎週土曜日の午後5時なんだよな~。釈迦楽家の午後のティータイムじゃん。実は今週もお茶を飲んでいる間にこの番組のことをすっかり忘れ、気付いた時にはもう終わっていたという・・・。毎週、そんなことの繰り返し。 ということで、なかなか我が家のラジオ・デイズは復活しませんが、それでも青春時代のように、ラジオから流れるトークや音楽を聴いてリラックスをする、そんな時間を取り戻したいなあ!という希望だけは持ち続けているワタクシなのでありました。 ・・・疲れているのかしら・・・。
January 13, 2008
コメント(10)
今日は卒論関連の仕事が終わった後の休日初日。ということで、いつもだったら実にノンビリと過ごせるわけですが、書評の件も含め、ばっちり仕事を抱えて引きこもりの私。 例えば、「高大連携スクール」の授業計画の立案、とかね。 独立法人化してから色々審査が厳しくなって、うちの大学も附属校との連携をしっかりしないとまずいということになったんですが、その対処法として、大学の先生が附属校の高校生向けに授業をする、みたいな企画をたてちゃったんですよね、首脳部が・・・。そうすりゃ、附属校の生徒たちが「あら~、大学ってステキなところ! ぜひ進学したいわ~!」って思ってくれるだろうという腹なんでしょうが。 しかしね、ワタクシに言わせりゃ、これって逆効果なんじゃないの! 例えば、笑うに笑えない話として、「大学見学の多かった年は、入学希望者が少ない」という悲しい相関関係があるんです。つまり、うちの大学のボロ校舎を見た後、私学のピッカピカの校舎を見た受験生は、当然、後者に流れるわけですよ。だから、「今年は大学見学会の参加者が多かったから、受験者が増えるぞ!」と期待していると、スカを食わされるんですな。 それと同じことよ! 附属校の生徒たちに大学の先生の授業なんか見せたら、あーた、「こりゃアカン! 他の大学受験しよう!」ってことになるんじゃないの?! 大学の首脳陣も、現実の認識の仕方が甘いね! ま、そうは言っても、今年(=来年度)、この高大連携スクールの授業をやる順番が回ってきてしまったワタクシ。仕方なく高校生向けにどんな授業をするか考え、無い知恵絞ってテキストを作っておったわけですよ。 で、高校生向けにいきなり文学の話をしても難しいだろうし、ベーシック・イングリッシュの話をするのも「勉強」っぽいかなーと思い、アメリカ映画の話でもしようかしら・・・と思っているんですけどね。もちろん、ワタクシは誰が相手であれ、面白い授業しかできないので、再来年には附属校から入学希望者が殺到することでしょう。 さて、それではもう一頑張り、高校生向けテキストを仕上げてしまいますか。しかし、今日日、大学生すら子供っぽくて困っているというのに、さらにその下のレベルのガキンチョのお守りをさせられるのも、辛いなあ・・・。
January 12, 2008
コメント(6)
![]()
今日は朝から書評書き。でも、最後の詰めが・・・。字数も大幅オーバーだし・・・。編集長、ゴメンナサイ! もう少し時間を! ところで、書評の仕事をしながら聴き続けているのがトミー・フラナガンの『オーバーシーズ』でございます。「名盤の蔭にトミフラあり」と言われるほど他のアーチストのサイドマンを勤めることの多いピアニストですが、これはそんな彼の数少ないリーダー作。サイドマンとしてヨーロッパ公演をした際、バイト代わりにちょこっと吹き込んでしまったアルバムだそうで、タイトルの『オーバーシーズ』(海外にて)というのもその意味ですが、しかし、適当に作った割に出来がよく、今日までファンに愛され続けている名盤なんですな。 もっとも、ワタクシ、最近までこのアルバムの良さがいま一つ分からず、いつも何となくかけていたんですが・・・。 ところが、ある時、このアルバムの3曲目、『エクリプソ』という曲を聴いていたら、ぞっとするほどカッコいい、ということが突然分かっちゃったんです。 で、それからはもうこのアルバムをかけっぱなし。特に『エクリプソ』は毎度3回くらいずつ聴いちゃったりして。 しかしね、ほんとカッコいいよ、『エクリプソ』! 曲の導入部のトリルなんて、一体何が起こっているんだ?と思うほどカッコいい。ウソだと思ったら、騙されたと思って聴いてご覧なさいな。すごいんだから。 でも、ジャズってのは、聴き続けると確実に聴き上手になれる。で、聴き上手になれば、さらに色々なジャズに興味が湧く。この循環がイイネ! それにしてもこのアルバムの吹き込みは1957年ですから、今から50年ほど前。なのに、まるで昨日作った新譜のように聴けるってのは、一体、どうなっているんですかね。たとえば50年前に作った自動車なんて、今日の道路事情ではとても走れないだろうと思いますが、レコーディング技術に関しては50年前のものが普通に通用するってんですから、不思議な気がします。その辺の技術ってのは、昔から十分優れていたってことなんですかねえ。 とにかく、そんなワタクシ自身が生まれる前に吹き込まれたジャズが、いつでも好きな時に聴けるんですから、オーディオってのは素晴らしいもんです。今日仕上げるつもりの書評、明日にもつれ込んでしまいそうですが、明日こそは『エクリプソ』のリズムに乗って、いい書評仕上げるぞ!これこれ! ↓ ザ・コンプリート・オーバーシーズ+3 ~50ス・アニバーサリー・エディション~ / トミー・...
January 11, 2008
コメント(2)
今日は勤務先大学の卒論提出日。幸い、我がゼミの学生たちは全員無事提出・・・したんでしょ、きっと・・・。 あれ? その口調。釈迦楽先生、怒ってます? まあね。 だってさ。 6人のゼミ生の面倒見て、「提出しました!」の報告があったのはたった1人だけだぜ。 俺はこいつらのために、どのくらいプライベートな時間を潰したと思っているんだ! どんだけ面倒見て、どんだけ励まして、どんだけ心配してやったと思っているんだ・・・。 一曲歌っていいですか?『ゼミ』(by 釈迦楽)愛することに疲れたみたい嫌いになったわけじゃないきっとあなたはいつものことと笑い飛ばすに違いないだけど・・・今度はいささかがっかりみたいあんなにお世話をしてあげたのに学生はいつも報告に来ないで教授はいつも待ちくたびれてそれでもゼミは、ゼミ・・・。 まったく、最近の傾向としていつもこうなんですけど、年々歳々、こういう恩知らずな仕打ちが身に堪えるようになってきたなあ。なんか、期待していたチョコレートがもらえなかったバレンタインデーみたいな気分だよ。 しょうがねえ、布団かぶって寝るか・・・。
January 10, 2008
コメント(8)
今日は1月9日、水曜日。ですよね? ところがうちの大学は違います。今日は1月9日の「月曜日」なんです。 と言いますのも、振替休日が頻繁にあるため、月曜日の授業数が足りないんですな。そこで足りない分を補うため、今日は水曜日なのに、大学内では月曜日の時間割で動いているんです。変でしょ?! こちらの曜日感覚まで狂ってきますよ・・・。 ま、こういう妙な具合なことが生じるのも、国民の休日を月曜日に持ってきて、土曜日からの3連休を増やすという制度が出来て以来のことですが、この制度、どうなんですかね。国民はこの制度を、本当に喜んでいるのでしょうか? そんなに3連休したい? 私は週の半ばにポンと休みが入るのもいいじゃないかと思っている派なんですが。もちろん、振替休日の場合は仕方がないとしても、たとえば「成人の日」とか「敬老の日」とか「体育の日」とかまで、第○月曜日に設定しなくてもいいのではないですかねえ。 で、思うのですけど、こういう「国民の休日」の設定の仕方は、一体どこのどいつが決めたんですか? 最終的には国会が承認したのでしょうが、その前の叩き台はどこぞの「識者」とやらが集まって決めたんでしょうか? それにしても、こういうことはもっと広く国民に相談があってしかるべきじゃないですかね。国政選挙の時に「休日案」の可否を問うとか・・・。 ・・・と思っていたら、実は今、日本ではもっとすごいことが起こっているって、ご存じでした? 私も今日、同僚に指摘されて初めて知ったのですが。 今年のカレンダーのゴールデンウィークのところをご覧下さい。5月6日の火曜日が、何故か「振替休日」になっているでしょう? そう、今年から振替休日が火曜日まで伸びることになったんですって! そんなの、いつ、誰が、誰の許可をとって決まったんだ!! ま、今年はまだいいのですが、来年、2009年なんてすごいですよ。この新制度のおかげで、5月のゴールデンウィークと9月に、ものすごい大型連休が誕生します。そんなの聞いてないよ~。 もちろん休みが増えるのは歓迎しますけどぉ、なんかこういうことが知らない間に決まって、突然カレンダーに載せられてたりすると、ちょいとカチンときますね。 ほんと、国民の休日を決めているのはどこの部署で、そこは本当に国民のコンセンサスをとってことを進めているのか、はっきりしてもらいたいもんでございます。そこが、「来年から1月の第一月曜日を元日にします」なんて決める前に、ね!
January 9, 2008
コメント(14)
きゃ~。ふ、冬休みが終わってまう~・・・。 は~。今日で大学の冬休みも終わりか~。先日の会合で会った同業の人たちと話をしていたら、東京学芸大あたりは1月4日から始業だそうですから、うちの大学なんかまだマシな方ですけどね・・・。 ま、それはともかく、この冬休みの印象としては、よく「活動」したなあという感じがします。クリスマス頃はとにかく年賀状を書くので必死、その後は卒論添削で必死、東京の実家に戻ってからは、古本市に行ったり、年末の買い出しに行ったり、新年会に行ったり、会議に出席したりと、昼はやたらに外に出掛け、帰って来た後は夜遅くまで卒論添削、さらに書評執筆・・・。のんびりした、という日が一日としてなかったですなあ。 ま、それでも、過密なスケジュールの中で、やらなければならないことだけはやりきった感があるので、充実の冬休みということにしておきましょうかね。 さて、今日は名古屋に戻らなければなりません。そこでいつものように昼は外食。今日はまだ卒論の添削が若干残っていることもあり、近場にしようということで、小田急多摩線の「五月台」という駅の駅前にある「キッチンカフェ・アーリン」という店に行ってきました。ここ、昨年の夏にオープンしたばかりの店で、私も初めて行くところ。 で、店の様子ですが・・・、うーん、ちょいとパッとしませんなあ。何だか、郊外のスナックみたいな感じ。で、中に入ると、今度はちょっとゴテゴテした感じのファンタスティックな内装で、私の趣味から言いますとちょっと・・・という感じ。 でも女性ばかりで経営されているこのお店、決して感じは悪くありません。 で、肝心の料理ですが、パスタが10種類ほど、これにハンバーグやシチューなどの洋食メニューが続き、ピザも4種類くらいありましたかね。値段的にはどのメニューも単品で1000円前後、400円プラスするとサラダやコーヒーが付きます。 で、私はロール・キャベツを注文、父はミックス・ピザ、母は「海の幸のスパゲティ・トマトソース」を注文したのですが、中では私の注文したロール・キャベツがおいしかった。これはなかなかのもんでしたよ。その他のメニューもちょっとずつもらいましたが、それぞれそこそこおいしかった。父が注文したピザは、少しパイ生地がパリパリし過ぎでしたけどね。 ということで、キッチンカフェ・アーリン、(ロール・キャベツの功績により)合格!と言っておきましょう。 で、昼食後、また卒論添削関連の仕事をし、早めの夕食をいただいてから夜の東名をぶっ飛ばし、つい先程、名古屋に到着~。 あー、明日からいきなり会議! やだね~! しかし、それで給料もらってんだから、仕方ないか・・・。 ということで、冬休みが終わる前夜の小学生の心持ちでもって、おやすみなさ~い!
January 8, 2008
コメント(4)
父が「年をとると、損をすることが多いなあ・・・」と嘆いていたので、何事かと尋ねてみると、最近続けざまに2回、テレホン・カードを置き忘れたというのです。しかも、いずれもまだ900円分くらい残っていた奴を。 「テレホン・カード」というのは、既に過去の遺物かと思いきや、ケータイなどとは無縁の年寄りにとって、いまだに出先で電話をするとなると、テレホン・カードが手放せないんですな。で、そのテレホン・カードを使って電話をかけた後、カードが返ってくるのを取り忘れてそのまま置いてきてしまった、と。そんなのが2度、続いたらしい。 ですから、「年をとると、損をする」という父の嘆きは、損をしたこと自体を嘆いていることもありますが、それだけでなく、「昔は、カードをとり忘れることなんかなかったのに・・・」ということも一緒に嘆いているんでしょうね。年をとると、不注意になってしまって、我ながら不甲斐ない、ということなんでしょう。 もっとも、父を見ていると、別な意味での「損」というのもあるような気がします。 例えばつい先日、河口湖までドライブに行くに当たって、「向こうは寒いかも知れないから、『貼るカイロ』というのを使ってみなよ。これを下着に貼り付けて、腰のあたりを温めると、寒さ知らずだよ~」と私がいくら勧めても、「いや、僕はいい」「オーバーを着るからいらない」の一点張り。何か新しいもの、便利なものを採り入れようという積極性がないのか、あるいはただ頑固なのか、とにかく「こうすればいいのに」と若い者が思うことをしないで損をする、ということがある。私の父の場合は、そういう意味の「損」も随分していますね。 ですから、ある部分については、自業自得のところもあるのですが、それにしても、「年をとると、損をすることが多いなあ・・・」という嘆きは、それが掛け値なしの本音であるだけに、可哀相だなあと思います。父だけでなく、全ての老人が感じていることなんでしょうけどね。 私もこれから年をとって、今の父と同じくらいの年になった時に、おそらく私も父と同じ詠嘆をすることでありましょう。そしてその時こそ、私は父の嘆きを真に理解するのでしょう。 だからこそ、私は父の嘆きをはっきり記憶しておきたい、と思うのであります。
January 7, 2008
コメント(5)
「消えた年金問題」に関連して最近よく耳にする言葉に「名寄せ」というのがあります。 私はこういう言い方が嫌いでね! 手元の国語辞書(新明解)で「名寄(せ)」を引くと、「名所や同類の物の名を集めた本」と出ています。純粋な名詞ですよね。名前を寄せたものだから、名寄せ。これは分かります。辞書とか、図鑑とか、台帳とか、そういう類のものの古い言い方なんでしょう。 ところが最近のマスコミは、こういう古い由緒ある言葉を持ってきて、「5000万件分の名寄せが困難だ」みたいな言い方をする。それも、いかにも得意気に使うんだよな~。 でも、「名寄せ」なんて言葉遣い、今までに聞いたことあります? ま、ものの本によると、「名寄せ」というのは銀行の業界用語としても使われていて、口座を複数持っている人の預金総額を特定するための作業を指すのだそうですが、それにしてもそういう業界内の隠語みたいなのを持ってきて、公の報道機関が「名寄せが困難だ」といった形で使うというのは、まさに下品の極みですな。「年金納入者の特定が困難だ」と言えば済む話ではないですか。 天下の公器であるとの矜恃を持った報道機関は、特定業界の隠語なんかを使うんじゃない! こういうのを許していたら、そのうちNHKあたりでも「ワイハー」だの、「まいうー」だの、「ごいすー」だの、言い出すのかもしれませんぜ。「年末・年始にかけて、ごいすーな数の観光客がワイハーを訪れました」なんてね。 さてさて、今日の私ですが、某雑誌に掲載するための書評を書いておりました。『英語の裏ワザ』なんぞという専門外の本を出したのがきっかけで、ベーシック・イングリッシュ系の本の書評を書かせてもらうチャンスをいただいたもので。 で、ベーシック・イングリッシュの発案者であるC・K・オグデンの伝記をこのところ読んでいたのですが、これがなかなか面白いわけ。 例えばですね、英語に「時制」という概念があるじゃないですか。「現在形」「未来系」「過去形」みたいな奴です。で、普通、日本ではまず「現在形」を教え、その次に「過去」とか「未来」とか、あるいは「進行形」とか、そういうのを教えるようになっています。ま、基本から教えて、その次にその変化形を教えようという理屈なんでしょう。 ところがベーシック・イングリッシュではね、時制を教える順序がまったく違います。ベーシックでは、「未来形」「進行形」「過去形」の順で教えるんです。ええっ? 何で? と思うでしょ? どうしてかと言いますと、これこそが自然な順序だというわけ。例えばある人が机の上においてある帽子をとろうとするとする。その場合、「He will take his hat off the table.」 → 「He is taking it off the table.」 → 「He took it off the table.」という順序になります。つまり「彼は机の上の帽子をとろうとする」→「取りつつある」→「取った」となるわけです。当たり前ですよね。 だから、英語を教えるなら「未来形」→「進行形」→「過去形」の順で教えるのが自然だ、とういんですな。 はあ~! 賢い! ま、ことほど左様に、ベーシック・イングリッシュっていうのは、人間の自然なふるまいや身体の動きや感性のことを本当によく考えて作られているわけですよ。 ベーシックというのは、知れば知るほど、奥が深いね。 というわけで、今日のワタクシは、例によってマスコミに腹を立てたり、オグデンの叡知に感心したりしているのでございます。
January 6, 2008
コメント(7)
今日は仕事上の会合があり、横浜の中華街に行って来ました。 いや~、久し振りですな中華街。というか、そもそも横浜に行くこと自体、かなり久し振りです。実家のあるところから電車で横浜に行こうとすると、小田急線・南武線・東横線・みなとみらい線で行くか、小田急線・横浜線・東横線・みなとみらい線で行くか、はたまた小田急線・相鉄線・みなとみらい線で行くかですが、いずれにせよ3回も4回も乗り換えないといけないんですもん。直線距離から言えばそんなに遠くないのに。 それにしても、昔は横浜・中華街に行くと言えば石川町あたりから歩いたのではなかったかと思いますが、今や東横線に乗り入れている「みなとみらい線」でズバッと東門のあたりに出られるのですから、随分、便利になったものでございます。そのせいもあってか、今日の中華街もすごい人出でしたね。 大体、私が子供の頃は、横浜・中華街というのはこんな観光名所的な扱いではなくて、普段の日なんか割と閑散としていたような気がしますけどねえ・・・。今はもう、「○○テレビに出て評判の豚まんの店」みたいな派手な看板が並んでいて、えらい騒ぎですわ。焼き栗なんかも試食をしろとうるさいぐらいですし。 そんな試食用の焼き栗が道に落ちていたのを、観光に来ていた親子連れの2歳くらいの坊やが拾って嬉しそうにしていたら、お母さんに見つかって、捨てさせられて、呆然としちゃったのを見かけた時は、思わず笑ってしまいましたけどね。 さて、それはともかく、今日、会合があったお店は「華勝楼」(「華正楼」の方じゃないですよ!)というお店だったのですが、これが馬鹿ウマ。中華料理って、格別まずいのがない代わりに、格別旨いってのもないなあ、なんてよく思うのですが、さすが中華街ともなると「おお、これは!」というような料理を出しますな。その場にいた方々も、口を揃えて「うまい!」とおっしゃってましたから、私だけの感想ではないようです。ちなみにこの店を選んだ幹事さんは地元・横浜の方で、この店が古くからあるお店であることを知っておられた上での選択だったようですが、その選択に狂いなしでしたね。華勝楼、教授のおすすめ!です。 で、会合が終わった後、これはお土産を買わねばならぬと思い、「聘珍楼」「重慶飯店」「同発」の3店で中華菓子をしこたま買って帰りました。ワタクシにしては変化球なし、無難な店の選択でしたけど、やっぱりおいしかったですよ。 時間があれば、懐かしい山下公園なんかもぶらついてみたかったですけど、まだまだやらなきゃいかん仕事を抱えた身、その後は速攻で家に戻ったのでありました。 でも、今日は久し振りに「ハマ」で遊べて、楽しかったです。今度は家内を連れて「華勝楼」で食べ、帰りには老舗のジャズ喫茶かなんかでお茶してみたいな!
January 5, 2008
コメント(0)
実家にいるうちに一度は両親をドライブに連れて行ってやろうと思い、今日は河口湖まで行ってきました。 国立・府中から中央道に乗り、大月ジャンクションで河口湖方面へ。ものの1時間ちょいで目的地到着ー。 で、まずはデジカメに凝っている父のためにあらかじめ調べておいた富士の絶景ポイントたる河口湖北岸に向かったのですが、今日の河口湖は雲一つない快晴に恵まれ、目の前にそびえ立つ富士山のキレイなこと! いや~、月並みな形容で申し訳ありませんが、富士山ってのはホントに美しい山でございますなあ。まさに山の王者、神々しいですね。 で、その絶景ポイントは、カメラを趣味とする方々には有名な場所らしく、日本各地からやってきたと思しきマニアの方々が思い思いにカメラをセットしていました。その中に名古屋ナンバーのエクストレイルでやってきた若者二人連れがいたので話しかけてみたのですが、彼らは今日未明に名古屋を発ち、本栖湖や精進湖で朝焼けの富士を撮った後、ここへ回って来たとのこと。ここから見る富士山が気に入ったので、今日はここに夕方まで粘り、夕日を受けた富士と日暮れた後のシルエットだけの富士を撮るつもりなのだとか。 ちなみに彼らに言わせると、こんなに富士がきれいに見えるのは一年通してもそうはないのですって。たまたま今日やってきた我々は、すごくラッキーだったんですな。 さて、父の気の済むまで富士山をカメラに収めた後、お昼にしようということになり、これまたあらかじめ目星をつけておいたフレンチ・レストラン「ブション リヨン」へ向かいました。河口湖インターからほんの5分ほどのところにあるお店です。 で、ここのランチ(1680円)を食べてみたのですが、これが馬鹿ウマ! オードブルの「鴨のローストと洋梨のサラダ」も小洒落た一品でしたが、母と私がメインで注文した「鶏のコンフィ・トマトソース」はもう絶品。皮はパリパリ、肉はしっとり、ほろほろになっていて、しっかりした味付けのトマトソースとの相性も抜群。またランチの値段からは500円アップとなりますが、「ビーフ・ステーキ 赤ワインソース」を注文した父に言わせると、「最近食べた中で最も旨いステーキである!」とのことでしたから、要するにシェフの腕がいいのでしょう。まさに鄙にも稀な、素晴らしいレストランでありました。河口湖にドライブにいらっしゃる皆さーん! 河口湖に行ったら、絶対「リヨン」に行ってみて下さい。後悔はしないと思いますよー。教授のおすすめ!です。 さて、お腹の一杯になった我らが次に向かったのは、「忍野八海」。ま、父は一度来たことがあるそうですが、母と私は初めてなもので。 で、実際に行ってみると、うーん、なんてことないところですなあ。小さな湧水の池が幾つか点在しているだけのこと。これを「八海」とは大きく出過ぎじゃないかしら? でも、富士山の伏流水はさすがに恐ろしいほどの透明度でしたなあ。で、よほど冷たい水なのかと思いきや、手が切れるような冷たさではなかったですね。水温は平均していて、大体14度前後なんだそうです。夏だったら冷たいと感じたのかも知れません。 で、これにて今日のドライブの予定はすべて終了ー。帰路は、そこからもう一度河口湖まで北上して中央道で帰る手もあったのですが、夜の中央道は剣呑だということで、結局山中湖・御殿場を経由して東名で帰って来ました。でもさすがに標高が高いせいか、昼間は暖かかったものの、日が暮れるとガンガン気温が下がり、道路に設置された気温情報を見ていても、あれよあれよという間に零度に。やっぱり山は寒いんですな。 というわけで、今日はめったにない快晴の中、河口湖越しの富士山の威容を見ることができたし、「リヨン」でおいしいランチも食べられたし、忍野八海というのがどういうものかも知ることができたし、父には善き被写体を、俳句をものす母には善き句種を提供できましたから、まずまず収穫ありというところ。今日も、いい日だ! と言っておきましょうかね。
January 4, 2008
コメント(6)
今日は所用があって町田を通過したので、ついでに高原書店に寄ってきました。 高原書店というのは、全国的に名の通った古書店だと思いますが、本店は町田なんですよね~。古い5階建てくらいのビルを全部使った古書店ですが、確か四国の方にでっかい倉庫も持っていたりして、インターネット上の古書店としても有名です。 で、私も実家に帰るたびに一度位はここに立ち寄って、古書ハンティングを楽しむことにしているんですが、今日も新年一発目の古書ハンティングということで気合も入ります。 ところで、今日は私は店に入る前から買う本を決めておりました。というのは、ここの洋書部にシャーウッド・アンダソンという作家の『卵の勝利』(The Triumph of the Egg)という本のハードカバーの初版が600円で売っていることを知っていたからです。 と言いますのも、過去2度ほど、この古本屋でこの本を見かけ、その都度「買おうかな~」と悩んだのですが、既にこの本の新しい版を持っていることと、初版とは言えダストジャケットがないこと、さらに他の本を買い過ぎて持ち合わせが乏しくなったりしたことから、買うのを見合わせていたんです。 というわけで、今日こそ、やっぱりこの本を買っておこうと思ったわけですよ。 で、今日は一直線に洋書売り場に突入してこの本を手にとろうとしたのですが・・・ ・・・あ、ない。誰かに買われちゃった・・・。うそ~! マジ?! あーん、やっぱり前に見かけた時に買っておけばよかった~! 古本ハンティングに「次」はないことくらい、よーく知っている私なのに~! で、仕方なく、かなりがっかりしながら他の本を見始めたのですが、古本ハンティングでは最初につまずくとどうも調子が上らないことが多く、今日も結局見るべき収穫なし・・・。きっと過去二回続けて古本の神様のご好意を無にしたことが祟ったに違いない。 かくして、今日は古本の神様のご機嫌を損ねてさしたる収穫なしに終わりましたが、これを教訓に次からは「これ」と思った古本は迷わず買うことにしましょう。 でも、たとえ空振りでも古本屋めぐりはやめられませんなあ! やっぱり、今日もいい日だ!
January 3, 2008
コメント(4)
毎年、正月二日は小学校以来の友人たちと三人で新年会ということになっておりまして、今日も親友T&Eと共に、相模大野の居酒屋で旧交を温めました。 話題はもうあちこちに飛びまくるのでいちいち書き記すことはできませんが、一つ面白かったのは、Tがクルマを新しくしたいという話になって、「トヨタのヴァンガードがいいと思うのだけど・・・」と言い出した時のこと。 で、当然、「君がいれば、雨もダイヤさ」とか言いながら奥さんの指輪をダイヤ付の指輪にすり替える、例のCMの話になったわけですよ。 で、純ロマンチストのTはあれを「カッコいい行為」と思い、ロマンチスト兼冷笑家の私は「気障で鼻につく行為」ととったのですが、Eによると、あれはそうではない、というわけ。 つまりね、あの男には何か奥さんに対してやましいことがあるから、ああいうことをするのだ、というわけですよ! ほ、ほう! そうだったのか! 実はこの解釈、Eのというよりは、Eの奥さんの解釈なんだそうで、Eの奥さんの「女の勘」によると、どうもそういうことらしい。ダンナが優しい時はアヤシイ、というわけです。 で、Tと私は彼女の勘の鋭さに感心しつつ、そういう勘が働くということは、さてはEがしばしば「やましいこと」をしているということか? なんて邪推したりして。 ということで、我ら三人の結論としては、「日頃、しなれないようなことをしてはイカン!」ということになったのでありました。あっはっは! ってな話で散々盛り上がって、今年の新年会も終了~。 今や四十代も半ばに差し掛かりつつある我らですけど、やはり小学校以来の友人というのは、会えば童心に返ることができて、いいもんです。この新年会も、一人も欠けることなく、いつまでも続けばいいなと思いつつ、今日も、いい日だ!
January 2, 2008
コメント(6)
今日は元日、いつものようにお節&お雑煮で年の初めのお祝いです。毎年この日のためにだけ用意してある雅楽のCDなんかかけて、無理やりお正月の雰囲気を盛り上げたりなんかして。 ちなみに、今年はお屠蘇の代わりに「赤玉スウィートワイン」を久し振りに飲んだのですけど、懐かしい味がして結構楽しめましたね。あれこそ、三丁目の夕日的ワインじゃありませんかしら。でも、油断して飲み過ぎると、これが後から効くんだ・・・。 で、多少顔の赤みが残ったまま、これまたこの数年の我が家の恒例ですが、若い世代チームで新百合ケ丘の町までお買い物に出ました。 しかし、昔は正月三が日と言えば、商店なんてどこもお休みで、町は閑散としていたものですが、もうこの頃は元日からセールですもんね。賑やかなもんだ。正月の風情として、どちらがいいのかよく分かりませんが、それでもちょっと正月のフェスティヴィティを楽しみたいということになると、この頃の風習も悪くないのかなと思います。 ところが、ちょっとショックだったのは、新百合ケ丘のVIVREというデパートに出店していたアパレル・ショップの「J.CREW」がいつの間にやら撤退していたこと。名古屋には出店していない店だけに、実家に帰省している時の楽しみだったのになあ。J.CREWのあった場所には、別のつまらないショップが入っていましたけど、新百合ケ丘周辺の住民はJ.CREWより今度の店の方がいいというのだろうか? うーん、わけ分からん! 新百合ケ丘で言えば、本屋の名店「あゆみブックス」も数年前に撤退しているし、どうも釈迦楽家の贔屓筋は、一般ピープルには受けが悪いようで・・・。 というわけで、新百合ケ丘の魅力がまたしてもワンランク・ダウンなんですが、仕方がないのでユニクロでヤケ買いした後、CDショップで「千の風に乗って」のCDを買って帰りました。 あ、もちろんこのCD、私用じゃありませんから! 父へのプレゼントです。 いや~、「私のお墓の前で泣かないで下さい、そこには私はいません」だなんて、何の話だ? 墓の盗掘にでもあったのか? なんておちょくっていたら、私自身の父が「この曲、大好き」だなんて言い出したもので、びっくり! ああ、なるほど、そういうわけでこの曲はベストセラーになるんだ、父みたいな人がこの世には沢山居るんだ、と納得しつつ、だったらCD買ってきてあげるわ、ということになった次第。 でも何事につけても「ベストセラー」を買うことに強い抵抗のある私、CDショップのレジのカウンターにこのCDを出すのが恥ずかしくて、まるで中学生が本屋でエロ本でも買うみたいに赤面しながら、「あの、これ、僕が買うんじゃありませんから。プレゼント用ですから」と、不必要ないい訳をしたりして。でも、レジのお姉さん、まるで関心なさそうに、さっさと包んでくれましたけどね。 ま、そんなこんなで、今日も一日あっさりと暮れたのでございます。仕事もちょこっとしましたけどね。 でも、遊びと仕事の割合からすると、遊びの方が多かった気が・・・。一年の計は元旦にありなんていいますが、この分だと先が思いやられるなあ! でも、まいっか!
January 1, 2008
コメント(2)
全31件 (31件中 1-31件目)
1


