武蔵野航海記

武蔵野航海記

2009年01月11日
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私は大学院で仏教を研究しようと考えているのです。

とりあえず2年間の修士課程を修めようと思っていて、その後博士課程にいくかどうかはまだ白紙の状態です。

仏教の僧侶になるために大学院に行くのではなく、仏教を良く知りたいがためです。

私は別に仏教の信者というわけではなく、仏教が特に好きというわけでもありません。

しかし、「日本人とはなにか」を考え続けてきた結果、仏教を知らなければならないという結論に至ったのです。

仏教は非常に宗派が多く、それらは大乗仏教、小乗仏教、密教のいずれかに属しますが、その教えはそれぞれ非常に異なります。

小乗仏教と大乗仏教の差に比べれば、キリスト教のカトリックとプロテスタントの差などほんのわずかです。

イエスが布教活動をしたのは、2~3年でその教えを自分で聖書に書いたわけではありません。

しかしイエスの死後数十年の間に弟子が聖書を編纂し教義の基本が確定したため、それから大きく逸脱することが出来ないのです。

釈迦も経典を書いたわけではなく、その死後弟子たちが経典を書いたことではキリスト教と同じです。

仏教の経典は「如是我聞」で始まりますが、これは釈迦の弟子が「お釈迦様はこのように仰ったのを聞いた」という意味です。

生前のお釈迦様から直接教えを受けた弟子が「如是我聞」と書くのならまだ分かりますが、死後千年以上たって書かれた経典もたくさんあるのです。

ですから、経典の内容が千差万別で矛盾だらけなのです。

明治になるまでは日本の僧侶はこの辺の事情が分からず、経典は全てお釈迦様の教えを書いたものだと思っていました。

そして経典相互の矛盾に悩み、「これはたとえであり本当のお釈迦様の真意は別のところにある」などと考えていました。

日本の仏教は、釈迦の没後500年以上経って発生した大乗仏教が基礎になっていますが、それも支那を経由してかなり釈迦の考えから紆余曲折を経たものです。

それが日本に入ってさらに日本的な味付けがされています。

この日本化した仏教の教えが今の日本人の発想の基にあります。

そして私はこの日本式仏教というのがいろいろ問題を抱えていると考えているのです。

ですからまずは、日本式仏教が仏教全体の中でどういう位置を占め、どういう教義上の矛盾を抱えているかをはっきりさせる必要を感じたのです。

こういうわけで、この春からオッサンの学生になります。

皆さんよろしくお願いします。





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最終更新日  2009年01月11日 10時27分52秒
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