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2008.01.14
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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼恋人と薔薇2



The Rose Of Battle

Rose of all Roses, Rose of all the World!
薔薇の中の薔薇、世界で一番大事な薔薇よ!

The tall thought-woven sails, that flap unfurled
時間の潮流の上を、帆を高くはためかせながら、

Above the tide of hours, trouble the air,
思想を編み込んだ帆船たちが大気を切り裂く。

And God's bell buoyed to be the water's care;


While hushed from fear, or loud with hope, a band
恐れから黙り込み、あるいは希望から大声を出している一団が

With blown, spray-dabbled hair gather at hand,
波しぶきを受けた髪を風になびかせながら、近くに集まる。

Turn if you may from battles never done,
できるなら、決して勝利することのない戦争に行かないでおくれ、

I call, as they go by me one by one,
そばを通り過ぎる彼らの一人一人に私は呼び掛ける。

Danger no refuge holds, and war no peace,
戦場には安全な場所などなく、戦争が平和をもたらすこともない。

For him who hears love sing and never cease,


Beside her clean-swept hearth, her quiet shade:
止むことのない愛の歌を聞く者は、行かないでおくれ。

But gather all for whom no love hath made
しかし、愛が沈黙を紡ぐこともなく、

A woven silence, or but came to cast


A song into the air, and singing passed
青白い夜明けに微笑む者は

To smile on the pale dawn; and gather you
集まるがいい。そして、雨や露、

Who have sougft more than is in rain or dew,
太陽や月、あるいは大地、

Or in the sun and moon, or on the earth,
あるいは、とりとめのない、星のように輝く楽しさの最中に

Or sighs amid the wandering, starry mirth,
つくため息以上のものを求める者、あるいは

Or comes in laughter from the sea's sad lips,
海の悲しげな唇からもれる笑い以上のものを求める者は、集まるがいい。

And wage God's battles in the long grey ships.
そして長い灰色の船に乗って神の戦争を遂行するがいい。

The sad, the lonely, the insatiable,
悲しく、寂しく、飽くことを知らない者よ

To these Old Night shall all her mystery tell;
古代の夜はあなた方に、恋人の神秘をすべて語る。

God's bell has claimed them by the little cry
神の鐘は、生きることも死ぬこともない彼らの悲しみに沈む心から

Of their sad hearts, that may not live nor die.
湧き出る小さな叫びによって、彼らの命を奪ってしまった。


Rose of all Roses, Rose of all the World!
薔薇の中の薔薇、世界で一番大事な薔薇よ!

You, too, have come where the dim tides are hurled
あなたもまた、薄暗い潮流が悲しみの波止場で砕け散る場所にやって来て、

Upon the wharves of sorrow, and heard ring
私たちを呼ぶ鐘の音を聞いた。

The bell that calls us on; the sweet far thing.
甘い遥かなるもの、

Beauty grown sad with its eternity
永遠とともに悲しく育った美が

Made you of us, and of the dim grey sea.
私たちと薄灰色の海から、あなたを作ったのだ。

Our long ships loose thought-woven sails and wait,
私たちの大きな船は思想で織られた帆を緩め、待っている。

For God has bid them share an equal fate;
神が同じ運命を分かち合うよう船に命じたからだ。

And when at last, defeated in His wars,
そしてとうとう、神の戦争に敗れ、

They have gone down under the same white stars,
彼らは同じ白銀の星々の下に沈んでしまった。

We shall no longer hear the little cry
もはや生きることも死ぬこともない、私たちの悲しみに沈む心から、

Of our sad hearts, that may not live nor die.
小さな叫びを聞くこともない。

訳すのは結構難しい詩ですね。大意は次の通りです。これから戦争に向かうため浜辺に集まった者たちに対して詩人は、戦争は平和をもたらさない、大事な恋人がいるならば家に帰るべきだと呼び掛けています。薔薇もまた、多くの兵士を見送りますが、だれも戻ることはなかった、というような内容の詩です。

しかし、この薔薇に込められたイェイツの心情は複雑です。簡単に言えば、薔薇はイェイツの片思いの恋人モード・ゴーンとなります。ゴーンは武力闘争も厭わぬアイルランド独立運動の女性闘士、「戦争の薔薇」です。一方イェイツは、文学的立場から独立を支持しつつも、武力闘争には消極的な穏健派であったとされています。

ゴーンが何度もイェイツのプロポーズを断った背景には、そうした政治的な信条の不一致があったからではないかとも言われています。イェイツは、イギリスに対する何世紀にもわたる武力闘争がことごとく失敗してきたアイルランドの歴史を振り返りながら、もし恋人がいるならば、恋人の待つ家へ戻ってくれと呼び掛けます。よく言えば平和主義者ですが、その弱腰とも思われる姿勢に、ゴーンは嫌気していたのかもしれませんね。

薔薇はまた、祖国アイルランドを象徴する女性でもあります。イェイツはアイルランド独立のために命を落とした活動家に対しても、詩の中で神の弔いの鐘を鳴らします。「薔薇の中の薔薇」とは、何事にも代えることのできない大切なもの、という意味が込められています。祖国愛を賛美しつつも、できれば恋人のために戦場へ赴かないで欲しいという、詩人としての複雑な心情もうかがえるように思います。

アイルランドが独立を勝ち取るのは、この詩が書かれてから約30年後の1922年のことです。その間、多くの独立の闘志が亡くなりましたが、その中にはゴーンが1903年に結婚(後に離婚)したジョン・マクブライドも含まれています。マクブライドは1916年の復活祭蜂起でイギリス軍に捕まり、「薔薇の木」で紹介したジェームズ・コノリーらとともに処刑されました。

ゴーンとマクブライドの間に生まれた息子ショーン・マクブライドは、後にアイルランドの政治家として活躍、アムネスティ・インターナショナルなど多くのNGO(非政府組織)の設立や運営に尽力した功績が評価されて、1974年にノーベル平和賞を受賞しました。

理想の薔薇は、別の枝で花開いたようにも思われてきます。

薔薇の理想
(続く)





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最終更新日  2008.01.14 13:43:06
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