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2008.02.10
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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼エロディアード「舞台」3(マラルメ17)


N.(乳母)
Sinon la myrrhe gaie en ses bouteilles closes,
密閉された薬瓶に入った、気分を高揚させるミルラでなくとも、

De l'essence ravie aux vieillesses de roses,
老木の薔薇から抽出したエキスの

Voulez-vous, mon enfant, essayer la vertu
もの悲しげな薬効を試してみませんか、

Funèbre?



ここで薔薇が登場しましたね。暗く、ほとんど鬱状態になっているエロディアードに、乳母は気分を高揚させる秘薬を試すように助言します。その秘薬は、直訳すると「薔薇の老年期から抽出されたエキス」なのですが、「老木の薔薇」から作られたものと解しました。いずれにしても、老いは乳母のイメージと重なります。乳母を現実、世俗の象徴と見れば、そこから抽出されたエキスとは、現実界へと戻す力があるのでしょう。

エロディアードは、その乳母の助言を拒みます。

H.(エロディアード)
Laisse là ces parfums ! ne sais-tu
その香水には手を付けないでおくれ! 乳母よ、

Que je les hais, nourrice, et veux-tu que je sente
私がそれを嫌いなことは知っているでしょ。私の朦朧とした頭が

Leur ivresse noyer ma tête languissante ?
香水の香りで溺酔してしまってもいいと言うの?

Je veux que mes cheveux qui ne sont pas des fleurs
私の髪は、人間の苦悩を忘れさせる


香りを振りまく花ではないが、

Mais de l'or, à jamais vierge des aromates,
冷徹に輝くときも、くすんで色あせたときも、

Dans leurs éclairs cruels et dans leurs pâleurs mates,
永遠に香料で汚されることのない黄金の色を湛えいています。


私の望みは、私の髪が金属の不毛な冷たさを保つこと。

Vous ayant reflétés, joyaux du mur natal,
私の髪には、生家の壁に掛かっていた宝玉や、

Armes, vases depuis ma solitaire enfance.
私の孤独な幼少期からある武具や甕が映っているのです。


エロディアードにとって、薔薇エキスなどの香料は偽りの美と映っているようですね。そのような加工されたものは嫌いだと言っています。薔薇などの花には、苦悩を忘れさせる力があることを認めていますが、それは現実から逃避させる酔いにすぎないと言っているようでもあります。乳母に自分を触らせないのと同様、香料により自分の美に手垢がつくことを拒絶しているんですね。

エロディアードがそれほどまでに求める美は、彼女の金髪に象徴されています。「金属の不毛の冷たさ」とは、すべてを拒絶する美を表現しているのでしょうか。その鏡のような金髪には、彼女の過去の記憶が映るんですね。それは穢れのない幼少期のイメージでもあります。

純粋な美をあくまでも追求しようとするエロディアードは、私には、大衆にこびない純粋な詩を追い求めたマラルメと重なります。その類似点については追々、議論を展開することにして、さらにエロディアードの美に対する意識について見ていきましょう。

次に紹介するのは、おそらく『エロディアード』の中でもっとも美しい「場面」です。

薔薇
(続く)





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最終更新日  2008.02.10 10:17:32
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