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2008.02.25
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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼マラルメ夫人の扇(マラルメ31)
扇たち

娘と恋人(?)にプレゼントして、奥さんに贈らないわけにはいきませんよね。メリ・ローランに扇を贈った翌(1891)年、マラルメはようやく奥さんにも扇に詩を書いて贈ります。白い雛菊模様の銀地に赤いインクで詩が書かれ、裏面は金地に花と鳥をあしらった扇だったそうです。

どのような詩だったのでしょうか。早速、「(マラルメ夫人の)扇」を見てみましょう。

Éventail de madame Mallarmé

Avec comme pour langage
Rien qu'un battement aux cieux
Le futur vers se dégage
Du logis très précieux

言葉のためかのように
極めて大切な住処(すみか)から

未来の詩句が放たれる

Aile tout bas la courrière
Cet éventail si c'est lui
Le même par qui derrière
Toi quelque miroir a lui

翼を休めた伝達者である
この扇が、お前の後ろにある
何か澄み切った鏡が
映し出す扇と同じであるならば

Limpide (où va redescendre
Pourchassée en chaque grain

Seule à me rendre chagrin)

(目に見えないわずかな灰が
ただひとつの私の悲しみとなって
一粒一粒追われるように
鏡の底へと再び沈んでいくだろう)


Entre tes mains sans paresse.

いつも扇はそのように現れる、
休みを知らぬ、お前の手の中で。

薔薇は出てきませんでしたね。皮肉な見方をすれば、娘とメリ・ローランは薔薇にたとえられても、夫人はできなかったということでしょうか。それでも、常にマラルメの家庭を守り、働いている夫人に対する感謝の気持ちが込められていることがわかります。

澄み切った鏡に映る、ほぼ完璧な女性にも、「目に見えないわずかな灰」という気がかりがあるのだとマラルメは言っています。その気がかりが何であるかはわかりません。詩作に魂のすべてをかけたマラルメのことですから、おそらく詩作の邪魔になるような日常とかかわりがあることでしょう。

「再び沈んでいく」と言っているからには、鏡の底に堆積した灰は、何かの拍子で埃のように舞い上がっては、時間とともに落ちていくという状態を繰り返しているのでしょう。積もった不満が爆発して、やがて沈静化していく夫婦喧嘩を想像してしまいます。

さて、最初から見てみましょう。
第一節二行目の「極めて大切な住処(すみか)」とは、マラルメの家のことですが、マラルメの心のことでもあるのでしょうね。ここでも鳥と扇のイメージが重ねられ、扇はマラルメのことを指しています。大空は理想の詩の世界であることはすでに説明しました。

第一節ではマラルメが自宅で詩作に没頭する様子が描かれ、第二節では完成した詩を読む(扇を持つ)夫人の姿が語られています。鏡に映った夫人の手に持つ扇(夫人の理想)は、私が捧げた扇(私の理想)と同じなのかと問うているようでもありますね。

第三節の丸括弧内は、マラルメの本音のつぶやきなのでしょう。第四節では、日ごろの夫人の家事に感謝していると読むことができます。

こうしてみると、娘やローランに贈った詩より、やけにあっけないような気がするのは私だけ? 日常の世界にどっぷり浸かっている妻はミューズにはなりえなかったということでしょうかね。

ところで、どこかにマラルメの扇の写真がないかなと探していたら、ありました。 ここ です。シャネルの女友達ミシア・セールに、マラルメが毎年贈ったと書かれていますね。ミシア・セールについては、 こちら をご覧ください。

それからマラルメが娘に贈った扇ですが、第一節を左端にもってきて、さらに扇を開くと第二節が現れ、そして扇の真ん中にVの字が印象的な第三節、その右に第四節と続き、最後に第五節が右下に来るように書かれていたそうです。これも見事な視覚的効果を演出していますね。
(続く)





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最終更新日  2008.02.25 12:24:56
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マラルメ夫人の扇   
furafuran  さん
こんにちは。

3つ目の扇の写真は、水に浮かび艶やかで、こんな扇もいいなと思わせてくれますが、マラルメの送った扇は銀地に白の雛菊で、それだけでもう美しくても詩は何かが違います。先に2つの扇の解説を読んでいるからか、パズルではない扇だったので、わかりやすくて「えっ?」と思ってしまいました。ローランの扇をマラルメ婦人はきっと見ていなかったでしょうが、よかったと思ってしまいました(笑)。わずかな灰は、きっとときどき起こる喧嘩なのでしょうね。

扇の実物を見たいと思っていましたが、残っていたのですね。ミシア・セールのことも読み、この時代に結核をわずらっている女性が多いのだなと、あらためて思います。ゴーンも結核だったような。 (2008.02.25 14:16:30)

Re:薔薇シリーズ128(02/25)  
冒頭のお写真も艶やかですし、「白い雛菊模様の銀地に赤いインクで詩が書かれ、裏面は金地に花と鳥をあしらった扇」も、ミシアに贈った扇も、華やかですね。エキゾチックで豪華な日本の扇に、詩を書いて贈る、という発想は、女心をくすぐりますし、そんな扇を贈られたら、どうしましょう~、と「19世紀のパリの美女たち」の気分で、戸惑ってしまいます(笑) (2008.02.25 15:28:36)

Re:薔薇シリーズ128(02/25)  
バラがすてきですねー。思わずほおおおお~っと、うなってしまいました。癒されるというか、なにか心がわくわくしましたよ。

扇に詩を書いて送るなんて。うーん、ロマンチックですねえ。
私ももらってみたい。
(2008.02.25 16:56:34)

Re:マラルメ夫人の扇(02/25)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>3つ目の扇の写真は、水に浮かび艶やかで、こんな扇もいいなと思わせてくれますが、マラルメの送った扇は銀地に白の雛菊で、それだけでもう美しくても詩は何かが違います。

19世紀後半のフランスは日本の文化が紹介され、扇子などが流行っていたようですね。毎年お正月に贈っていたと書かれていましたから、フランス風の年賀状だったのかもしれませんね。

>先に2つの扇の解説を読んでいるからか、パズルではない扇だったので、わかりやすくて「えっ?」と思ってしまいました。ローランの扇をマラルメ婦人はきっと見ていなかったでしょうが、よかったと思ってしまいました(笑)。

やはり見ていなかったですかね。でも人の口に戸は立てられませんから、少なくともあげていたことは知っていたでしょうね。

>わずかな灰は、きっとときどき起こる喧嘩なのでしょうね。

と、私は勝手に解釈しましたが、真相はわかりません。タバコの灰で喧嘩しただけかもしれませんね。夫婦のみぞ知る、です。

>扇の実物を見たいと思っていましたが、残っていたのですね。ミシア・セールのことも読み、この時代に結核をわずらっている女性が多いのだなと、あらためて思います。ゴーンも結核だったような。

結核で亡くなる人は多かったと思いますよ。私の父も戦後間もなく結核を患い、長期入院していました。そのとき亡くなっていたら、私は生まれず、アメーバか何かになっていたかも。 (2008.02.25 20:52:05)

Re[1]:薔薇シリーズ128(02/25)  
白山菊理姫  さん
ヤンチャリカ☆358さん
こんばんは。

>冒頭のお写真も艶やかですし、「白い雛菊模様の銀地に赤いインクで詩が書かれ、裏面は金地に花と鳥をあしらった扇」も、ミシアに贈った扇も、華やかですね。エキゾチックで豪華な日本の扇に、詩を書いて贈る、という発想は、女心をくすぐりますし、そんな扇を贈られたら、どうしましょう~、と「19世紀のパリの美女たち」の気分で、戸惑ってしまいます(笑)

ヤンチャリカさんは案外、「19世紀のパリの美女たち」の一人だったかもしれませんよ。これだけ書いても、まだ思い出せないのですか(笑)?

ちなみに私はマラルメではなかったことだけは、思い出しております。こんなに難解な詩は書きませんから~。
(2008.02.25 20:58:22)

Re[1]:薔薇シリーズ128(02/25)  
白山菊理姫  さん
きときとさん☆☆☆さん
こんばんは。

>バラがすてきですねー。思わずほおおおお~っと、うなってしまいました。癒されるというか、なにか心がわくわくしましたよ。

すみません、ご説明が遅れましたが、ベコニアの花を水に浮かべたものです。でも中央やや上方に浮かぶ花などはまさに薔薇の花に見えますね。神代植物公園大温室のベコニアのコーナーに置いてあったものですが、薔薇の花も混ざっていたかもしれません。

>扇に詩を書いて送るなんて。うーん、ロマンチックですねえ。
>私ももらってみたい。

女心をくすぐりますね。私も誰かに贈ろうかな、などとつい考えてしまいました。でも詩を書くのが大変そうです(笑)。 (2008.02.25 21:06:52)

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