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カテゴリ: 文学・芸術
▼メリ・ローラン(マラルメ32)


それらの詩を紹介しましょう。まずは「彼女のためのソネット」という題だったとされ、その後無題となり、便宜上タイトルは「おお、遠くにいてはかくも懐かしく・・・」と付けられている詩です。

Ô si chère de loin et proche et blanche, si…(おお、遠くにいてはかくも懐かしく・・・)

O si chere de loin et proche et blanche, si
Delicieusement toi, Mery, que je songe
A quelque baume rare emane par mensonge
Sur aucun bouquetier de cristal obscurci

おお、遠くにいてはかくも懐かしく、近づけば白く
そしてかくも甘美なお前、メリよ、私は夢を見る

嘘のように立ち昇る何か不思議な芳香の夢を

Le sais-tu, oui! pour moi voici des ans, voici
Toujours que ton sourire eblouissant prolonge
La meme rose avec son bel ete qui plonge
Dans autrefois et puis dans le futur aussi.

お前は知っているか、そうだ! 私にとってここ何年か、
毎日のように、お前のまばゆい微笑みが
美しい夏とともに同じ薔薇の命を永らえさせていることを
過去とそして未来へも沈んでいくあの夏の薔薇

Mon coeur qui dans les nuits parfois cherche a s’entendre
Ou de quel dernier mot t’appeler le plus tendre


私の心は夜、時折、自分の声を聞こうとする、あるいは、
どのような最高の言葉でお前をもっとも優しく呼べるかを考える
すると私の心は、妹がささやいた言葉を聞くだけで、高揚する

N’etait, tres grand tresor et tete si petite,
Que tu m’enseignes bien toute une autre douceur


大いなる宝、かくも小さな顔よ、
お前の髪への口づけだけが、かすかなあの
特別な優しさを私にしっかりと教えてくれる、ただそれだけ


これは完全なラブレターですよね。マラルメの頭の中には、この何年か、もうローランのことしかなかったと言っています。これはヤバイですよ。奥さんに知れたら大変です。そのため、1886年にローランのために書かれたこの詩は、マラルメの死後約10年経った1908年まで発表されませんでした。それでも当時はまだ奥さんは健在でしたから、何とか取り繕わなければなりません。

そこで娘のジュヌヴィエーヴとその夫のボニオは一計を案じました。1913年版の「マラルメ詩集」の編纂に当たって、何と第一節に出てくるMéryをMaryに変えて、マラルメ夫人の名前であるMarieの誤植のようにしてしまったんですね。これなら、夫人に当てた恋文であると言い訳できるわけです。もちろん、そのような「嘘」がいつまでも通じるはずもなく、新版ではMéryに戻されたそうです。

第一節では、あのE・Manet(エドゥアール・マネ)のもじりである「émané」(立ち昇る)が出てきます。こちらのほうが「(メリ・ローランの)扇」よりも早く書かれましたから、オリジナルですね。言ってみれば、「立ち昇る芳香」はローランの枕詞のようなものでしょうか。

第二節の「美しい夏」とともにある「薔薇」とは、マラルメに詩の霊感を与える源泉のようなものでしょうか。ローランのおかげで、源泉は枯れることなく、美しい詩句(夏)を奏で続けることができるのだと言っているように聞こえます。時空を超越した存在である薔薇、そして夏は、マラルメの青春(恋する心)の象徴でもあるのでしょうね。

第三節は「妹」の解釈が難しいですね。決してローランの妹(存在したかどうかもわかりませんが)のことを言っているわけではありませんね。私にはミューズの妹ではないかと思われます。ミューズが直感、霊感の表れだとすると、妹はどちらかというと理知的な思考の象徴のように思われます。

いままでご覧になってわかるように、マラルメの詩は霊感によって得た美しい詩句と、数学の謎解きのように計算された理知的な句が混ざり合っていますね。後者を妹と呼んだのではないでしょうか。あの「émané」が最たる例です。こういう言葉を思いつくだけで、心が躍ってしまうとマラルメは言っているのだと私は解釈しました。

マラルメの「禁断の恋文」はまだ続きます。

美しい夏とともにある薔薇。

夏の薔薇
(続く)





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最終更新日  2008.02.26 12:54:15
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