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2008.06.04
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テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
▼ユゴーの薔薇6(王女の薔薇2)


Le jour s'eteint; les nids chuchotent, querelleurs;
日の光は消え、鳥の巣では喧嘩好きな雛たちが騒ぎ出す。

Les pourpres du couchant sont dans les branches d'arbre;
夕暮れの茜色が木の枝々を染める。

La rougeur monte au front des deesses de marbre
大理石の女神像の額も赤くなり、

Qui semblent palpiter sentant venir la nuit;
まるで夜の訪れを感じて胸を高鳴らせているようだ。


空を滑空するすべてのものは地上に降りてくる。もはや物音も聞こえず、

Plus de flamme; le soir mysterieux recueille
光も見えない。神秘の夕べは、太陽を波の下に、

Le soleil sous la vague et l'oiseau sous la feuille.
小鳥を葉陰へと仕舞い込んでしまう。



Pendant que l'enfant rit, cette fleur a la main,
花を手にして、少女が笑っている間に、

Dans le vaste palais catholique romain
日の光を浴びると司教の冠のように見える

Dont chaque ogive semble au soleil une mitre,
尖頭アーチ状天井のローマカトリック風の広大な宮殿では、



窓ガラスの後ろに恐るべき人物の姿があった。

On voit d'en bas une ombre, au fond d'une vapeur,
下から見上げると、濃い靄の深みに、一つの人影が

De fenetre en fenetre errer, et l'on a peur;
窓から窓へとさまよっているのが見え、人々をぞっとさせる。


その人影は、墓地の彫像のように、ひとところにたたずみ、

Parfois est immobile une journee entiere;
時には一日中、じっと動かずにいることもある。

C'est un etre effrayant qui semble ne rien voir;
この恐ろしい人物には、周囲の様子がまったく見えないようだ。

Il rode d'une chambre a l'autre, pale et noir;
その男は、暗い青ざめた顔をして、部屋から部屋へと渡り歩く。

Il colle aux vitraux blancs son front lugubre, et songe.
彼は白いステンドグラスに陰鬱な額を押し当て、物思いにふける。

Spectre bleme! Son ombre aux feux du soir s'allonge;
青白い幽霊だ! 彼の影は夕日を浴びて長く伸びている。

Son pas funebre est lent, comme un glas de beffroi;
彼の足取りは陰気で遅く、鐘楼の弔いの鐘のようだ。

Et c'est la Mort, a moins que ce ne soit le Roi.
もし王でないなら、死神にしか思えない。



C'est lui; l'homme en qui vit et tremble le royaume.
それは王であった。王国がその男の中で生き、おののいている。

Si quelqu'un pouvait voir dans l'oeil de ce fantome,
今この瞬間、肩を壁に持たせて立っている、

Debout en ce moment l'epaule contre un mur,
その亡霊のごとき王の瞳の中に見えるもの、

Ce qu'on apercevrait dans cet abime obscur,
その暗い深淵の中に見えるものと言えば、

Ce n'est pas l'humble enfant, le jardin, l'eau moiré
幼子のことでもなければ、庭園でもなく、

Refletant le ciel d'or d'une claire soiree,
晴れた日の夕暮れの黄金の空を映す、きらめく水面でもない。

Les bosquets, les oiseaux se becquetant entre eux.
また、木立でもなければ、くちばしをつつき合う鳥たちでもない。

Non; au fond de cet oeil, comme l'onde vitreux,
そうだ、そのどんよりした水のような瞳の底に映っているもの、

Sous ce fatal sourcil qui derobe a la sonde
深い海のようなその瞳を時折曇らせる

Cette prunelle autant que l'ocean profonde,
不吉な眉の下にうかがえるものと言えば、

Ce qu'on distinguerait, c'est, mirage mouvant,
それは動く蜃気楼、

Tout un vol de vaisseaux en fuite dans le vent,
風を受けて疾駆する帆船の飛翔。

Et, dans l'ecume, au pli des vagues, sous l'etoile,
星空の下、波のうねりと飛沫の中で、

L'immense tremblement d'une flotte a la voile,
船体をすさまじく震わせる、帆を広げた艦隊。

Et, la-bas, sous la brume, une ile, un blanc rocher,
そして、あそこに、濃霧の彼方に姿を現すのは、

Ecoutant sur les flots ces tonnerres marcher.
雷鳴をとどろかせて波の上を進む艦隊に耳を澄ます、白い崖の島。



Telle est la vision qui, dans l'heure ou nous sommes,
そのとき、人間の支配者である冷酷な王の頭を

Emplit le froid cerveau de ce maitre des hommes,
満たしていたのは、そのような光景であった。

Et qui fait qu'il ne peut rien voir autour de lui.
だからこそ、周囲の様子など王の目にはまったく入らなかったのだ。

L'armada, formidable et flottant point d'appui
海に漂う、テコの支点とも言うべき、この恐るべき大艦隊、

Du levier dont il va soulever tout un monde,
王がこれを使って全世界をも持ち上げようという大艦隊は、

Traverse en ce moment l'obscurite de l'onde;
この瞬間にも、暗い波間を進んでいる。

Le roi, dans son esprit, la suit des yeux, vainqueur,
王は勝ち誇ったように、その姿を想像の中で追っていく。

Et son tragique ennui n'a plus d'autre lueur.
悲惨な心配事を晴らしてくれるのは、この艦隊の姿だけだ。

この艦隊こそ、歴史に名高いスペインの無敵艦隊のことで、白い崖の島とは、イギリスのことです。無敵艦隊が波を切り裂きながらイギリスへと進攻する光景が浮かんできますね。
(続く)

オールドローズの写真は夜、アップする予定です。





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最終更新日  2008.06.04 12:34:06
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