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2020年09月16日

若手社員は本当にオフィスの電話を取らないのか?

「最近の新入社員は電話にでない!」、そんな声を聞かないだろうか。
私の周りからは結構聞こえてくる。
なぜだろうか!

「電話に出る」「電話に出よう」ということまで何度も何度も教え、指示し、注意し、を繰り返さなければならないのだろうか。名刺交換の方法やあいさつ、など社会人としてのマナーの1つといってしまえば、それまでだが、彼らは自分が育ってきた過程において、自宅で両親が不在の時、電話が鳴っていても出ないのであろうか。もし、出るのであれば、なぜ職場ではでないのか?そんな素朴な疑問を抱えている企業側の中年世代の方も多いのではないか?

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民間企業と大学が共同で行ったコミュニケーション調査・集計がある。それによると、オフィスワーカー20代の男女は電話などでの通話の利用率が4割以下、20代の男性は3割以下。半面、LINEの利用率は7割を超えている。20代女性は9割近い。LINEの次に使っているのはメール。利用率は20代の男女とも5割前後である。

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20代は「電話よりLINEやメールを使う世代、文化」ということが分かる。一方、30代の男女は5割を超え、40代の男女は6割を超える。50代の男女は7割ほどである。SNSではLINEの利用率が最も高いが、年齢層や男女でばらつきがある。30代の女性は8割近く、50代の男性は約5割である。30代・40代・50代で最も利用率が高く7〜8割に上った。つまり30代・40代・50代は「メールを最も使うが、電話もLINEもする」ということだ。私も当てはまる。

20代のコミュニケーション手段は、30代以上の世代と異っているのだ。今の20代世代は、10代だったころからスマートフォンが当たり前。※スマートフォンは、2007年頃から浸透率が急増しだした。

スマホ.jpg

そのため、友達とSNSでコミュニケーション、スケジュール共有、ゲーム、伝達、写真などの価値共有、音楽などの趣味の実行、を行ってきた。そのためか、いきなり音声着信(電話)があっても「誰?」「なんか電話鳴っている」という感覚で、出ないのが当たり前だ。まして、昔ながらのNTT固定電話は、家庭ではほぼ壊滅状態。昔でいうところのアナログ回線やISDN回線を自宅に敷設し、電話機を置いている家庭も激減しているのだ。有っても光電話などインターネットを利用した電話であろう。そのため、物理的に「電話に出る」という行為を経験していない人たちも少なからずいる。

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とはいえ、20代の彼らが電話自体を苦手としているわけではないようだ。プライベートにおいては、通話機能も利用している。SNSにもLINEの音声通話やビデオ通話などの機能がある。最近話題のZOOMであっても会話という点では電話機能を含んでいると言っても良いのではないだろうか。

ただ、電話の始まりは、チャットで「今から話さない?」「30分後にしようか!」などと約束することから始まるケースが多く、相手の行動をSNSで確認してから話すことが多いようだ。そう考えると、彼らのほうが相手のことを考えている、配慮している、コスパが良い、合理的、そういう見方もできる。SNSによるビデオ通話に慣れている点が大きいのであろう。





今の30代以上の世代は、スマートフォンに乗り換えるかどうか、という点から入っており、従来のガラケーからの変革に戸惑った人も多い。いまだにガラケーの人もいるが...。自由時間が多い若者とは違い、家庭、職場というように自分だけの自由な時間が限られるため、必要に迫られなければ使わない、覚えない、という悲しい世代なのだ。(菅総理も官房長官時代、そのような忙しい日常であったようだが...。)

このままでは世代間ギャップが大きすぎ、問題となるケースも懸念される。ライフスタイルの違いが職場へ影響するのだ。
若者が電話に出たがらない理由は、「知らない人と話すことへの不安」だ。どこの誰か、会ったこともない人と何を話すのか想像できないようだ。
ましてや、職場の電話は、「自分にかかってきた電話ではなく、他人への電話である確率が100%に近い」。自宅にある電話は、「父親、母親、兄弟への電話」と思っており、自分とは関係ないと思っている節もある。

だから、自分のスマートフォンにかかってくる電話にはでるが、職場の電話には出ない

という現象が起こるのではないか。
しかし、これらの理由が当てはまるのは、彼らだけだろうか。実は、30代、40代、50代世代にも多いと私は思っている。特に内向的な人には共通するのではないか。その世代にもパソコンをガチャガチャ入力する作業が好きな人も多く、コミュニケーションしながら仕事をしていくのが嫌、異論を言われると自分が否定されているように感じる、という人が多い。彼らもまた、電話に出たがらない。私の職場には、40代男性中堅社員にもそういう人がいる。彼らはなぜ、この職場を選んだのか!もっと自分に合った職場があったのではないか、と素朴な疑問を持ってしまうが、この点は置いておこう。



要は、20代であろうとも50代であろうとも、電話に出るという作業は、最初は誰も慣れていないということだ!
50代の人だって、物心ついたころに自宅の電話に出るという経験を通して、知らず知らずのうちに「電話」に慣れていったはずだ。20代の彼らも「何度も電話を取っていく」ことで慣れるはずだ。時間はあまりかからないだろう。

バーチャルなコミュニケーションが増え、「コミュニケーションとは何か」を考えてしまう世の中になった。手段が多様化しているのだからこそ、職場や教育制度、価値観、スタイルなども多様化すべきだ。10代からSNSに慣れ親しんだ若者のコミュニケーションの仕方、これを逆に武器とし、効率化、合理化、相手への尊重に繋げていってみてはどうだろうか。
余談だが、人材の流動化も進めるべきだと思うが。適材適所の名のものに。

「坊やだからさ」(シャア・アズナブル談)




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