今年もやってまいりましたこの季節。毎年恒例(?)の、今年一年を振り返る反省会でございます。最近、あるへの身に起きた出来事をご報告して一年の締めとさせていただきやしょうかね。
皆さんにとってはクソどうでもいいことな上、ちょっと長くなりそうなので途中で飽きたらそっ閉じしていただいて結構です。なので先に言っときます。皆さま今年も残りわずか、どうか良いお年を、そして来年もよろしくお願いします。
ニュースその1
今年の目標である記事定期更新をやりきりました!
毎年、年の初めの挨拶の際にその年一年の抱負や目標を掲げているんですが、今年はいくつかの目標と共に、ブログの週一更新を切らさない、というのが目標でした。
次のニュースとも関連してくるのですが、無事ネタ切れを起こすことも無く更新を続けられました。時間が無かったり、ちょっと忘れてたりして一日ずれた日が何回かあった気がするけど(笑)、週に一回必ず更新は出来たと思ってます。いやー、めでたいわ!
次のニュースとの関連上、来年の定期更新は難しそうですが、ストリークが続く限りはやっていきたいです。
ニュースその2
その1と関係することでもありますが、今年の目標の一つにKemcoゲーを食べ尽くす、というものがありました。正直二、三本も遊べば十分飽きるスナック菓子ゲーですが……まだ食べ尽くせておりません!w
現在XboxストアにあるKemcoゲーの総数が73本です。
うち、一度でもセールが来て私が購入できたのが68本。今年に入り目標を設定してから現在までにコンプしたのがちょうど40本でした。それ以前に既に20本の作品をコンプしていますので、Kemcoゲー60本は完食できました。
手元にあるKemcoゲーはあと数本ですし、たとえこれが終わったとしてもKemcoがゲームを出し続ける限り私の修行も終わらないので、この完食数は積みゲーの消化という点で大成功といっても過言ではないでしょう。ホントに来る日も来る日も三日で一本くらいのペースで消化し続け、胃もたれしそうになるとソウルライクの死にゲーに逃げたりして、楽しい毎日でございました(笑)
毎週一本のゲームレビューで小出しにして時間を稼いでいるので、現在の記事の進捗と、実際の私のゲーム進捗にはラグがありますけどね。
とうこともあって次のニュース。
ニュースその3
実績もうちょっとで50万到達!
数年前から重いゲームばっかりやってきて実績解除欲に飢えてました。今年に入ってその飢えを満たそうと片っ端からKemcoゲーを食い尽くし、怒涛の勢いで実績を稼いでまいりました。フレンド内での月間の実績獲得ランキングでは常に上位には食い込んでいましたが、上には上がいるってもんです。……たぶん、一位になったことはないんじゃないかな(汗)。桁が一つ違う人とかいますもん。
まぁ、実際その辺はあんまり気にしてなかったんですけど、気が付けば自分の総実績も50万目前ということでテンションあがってきますね〜。よくあるスマホ放置ゲーの「攻撃力」みたいなもんですよ。その数字までいったらすげー!って一瞬テンションあがりますけど、だから何って(自主規制)
次はいつになるかわからないけど、もう一個桁を増やした世界ってのを、見てみたいですね!
実績コンプを意識したゲームプレイをすると、作品一個一個に対して深く理解するようになるので、実績厨で良かったって思いますね。このゲームスタイルを選んで良かったですし、今でも後悔はありません。
一つ弊害があるとすれば、気に入ったゲームや一生遊べるゲーム、というものとは縁がなくなることですかね。このゲーム好きで三年続けてる、とか、流行りの基本無料対戦ゲームで一年二年遊び続けて、その中にたくさん友達がいる、とか、そういうゲームスタイルとは対極の存在なので、そういった体験から自ら身を引いて遠ざからなければならないのはちょっと悲しいかな。
FF11で10年遊んだとか、FF14で5年続けてるとか、原神やPoEをリリース当初から遊んでるとか、それはそれで羨ましいです。
ニュースその4
実は、こないだゲームをプレゼントされたんですよ。
フレンド登録はしていて、いつも実績にいいねとかしてくれるんですが、正直どういう経緯で友達になったのかも覚えていないほど関りがなかった海外のフレンドなんですが、こないだのクリスマス前に突然、「誰々さんからギフトが届きました」ってシステムメッセージが届いて、つい「え?これマジ?操作間違えた?」って感じの返事をしてしまいました(笑)
本人曰く、「人に勧めたくなるほど面白いゲームだったし、寛大になりたかった」ってことで間違いなく私に宛てて贈ってくれたもののようでした。
その作品の名は「Bulletstorm: Full Clip Edition」、古めではあるけど、普通によく出来たFPSゲーの、オリジナルからいろいろ追加されたコンプリートバージョンです。
まぁ、それだけ聞くと「おぉ」って思うかもしれませんが、わたくしことゲームソムリエあるへを舐めちゃあいけません。セールの常連ですし、その時開催中のセールでも500円で投げ売りされてました。ちゃんとチェックしましたよ(笑)
それは言い過ぎか。大事なのは気持ちですしね。お返しをしようと思ったので、まずは現在のその作品の価値を調べたのです。
で、500円前後で買えそうな、何かいいものを見繕って返礼してあげました。
それが「X-Morph: Defense」です。過去のレビューにありますから是非探してみてください。この作品自体、私ではなくリアフレが見つけてきたゲームで、「これが遊びたい」とせがまれてしぶしぶ購入して一緒に遊んでみたところ、めちゃくちゃ面白くってドはまりしたという経緯があるので、今回のように、本作を知らない誰かに送り付けるのにうってつけのゲームじゃないですか。
誰かから贈り物をもらって、そのお返しをするためにどんなゲームがいいかなと考えながらセール品を眺めるのは、普段とは全然違う気持ちになれてすごく楽しかったですね。
そんな貴重な体験ができたのですごく嬉しかったです。
で、この話のオチなんですけど、実はBulletstormって、日本語版には規制が入っていて、海外版とは別ゲー扱いなんですよね……。届いたコード、使えませんでしたwwwwwwwwwwww
でもでもでも! そんな貴重な出会いを無駄にしたくないし、普段の自分のアンテナだったら引っかからなかった作品を、こうして知ってしまったのも何かの縁、ってことで、後日あらためて自費で買いましたとさ。そのうち遊んでみようと思います。
まさかX-Morphも日本と海外で別扱いとかないっすよね。そのフレンドさんがいつかこの作品を遊んで、楽しんでくれることを祈ります。
ニュースその5
少し先の話になるけど、2025年4月23日で、このブログも開設してから丸十年になります!
10年かぁぁぁぁ。だらだら惰性で続けていて、特にネタを探すでもなく、遊んだゲームの感想を綴ってきただけなのであんまり実感湧かないですね。
知ってます?知らないっすよねwwwこのブログ、アフィリエイトやってます、とか、左右にでっかく広告とかついてますけど、これの報酬が現金化されたこと、この十年ただの一度もないっすよwww
現金として振り込まれるには一定額以上貯まらないといけないんですが、それが貯まる頃には年金で暮らしていそうな勢いです。
実質、利益無視のただの趣味ブログですね。新しいゲームを始める、まずタイトル画面の写真を撮る、それからじっくりコンプまで遊ぶ、途中でメモとか取る、そしてコンプしたら原稿を書く、までやってやっと一本遊びきったって感覚です。ゲームをアンインストールして、コレクションの中から対象タイトルを非表示設定にします。レビューするのがそのゲームとお別れする、一種の儀式になってますね。
今後も私がゲームで遊ぶ限り、このブログも続けていくつもりです。今後ともどうぞよろしく。
ニュースその6
ここからはちょっと残念なお知らせ。
たった今ブログに関しておめでたい発表をしたばっかりなのに(笑)
実は、このブログサービスの運営元であるA8.netさんが、このブログサービス「ファンブログ」のサービスを来年4月に終了することとなりました。
そう、ブログを続けるならGとNのらいふわーくはお引越しをしなければならないのです! じゃないと来年4月にはこのブログ見れなくなっちゃうからね。
いやだああああ。めんどくせええええ。
いつかこんな日が来るだろうと思って、全ての記事にはテキスト原稿があります。なので別のブログサービスに移ること自体は問題ないんですが……、それにしたって総記事数600近くあるのよ? ふぇぇぇん、やりたくないよぉおお。まじでどうすっかなぁ。ブログ辞めちゃう?(笑)
なんかシーサーブログ?だと楽に移行ができるっぽいけど、さすがにリンクとか一つずつ貼り直しだよなぁ。レビュー記事一覧表の全てのゲームタイトルのリンク張り直し?? いやだああああああああ!
皆さんのお知恵を拝借したいです。ですぅぅぅ。
ニュースその7
あるへはついに、ついに「持病」を獲得しました!(笑)
最近、寒くなってから坐骨神経痛が再発しまして。痛みに耐えきれなくなってついに病院に駆け込んだんですね。レントゲンじゃわからない神経の様子をMRIで見てみましょうってことで、やってきたんですよ。ちなみに人生二度目のMRI体験です。
で、わかったのがどうやら私は「椎間孔狭窄症」という病気らしいこと。画像見せてもらったんですが、脊椎版が肥大化してて、神経の通り道である椎間孔が信じられないくらい細くなってたんですね。細くっていうか、なくなってました(笑)
背中の神経から枝分かれした「足」の神経が、腰のあたりの椎間孔っていう穴を通って足に行くんですが、この穴がすんげぇ狭くなっているため、何か体を動かす度に当たって、「足」に激痛をもたらしていたのです。不思議よねぇ。つまり腰が悪いのに、痛むのは足なんですよ。
この狭窄症は、ぶっちゃけもう治らないらしいんです。
だから持病、そして不治の病です。
私は今後一生、薬を飲みながら生活しなければなりません。あ、命に係わる病気じゃござあせん。
ただ、暗いことばっかりじゃなくて。
この神経痛、痛みが酷くなるのは決まって冬なんですよね。
ピタゴラスイッチ的に寒いとなんかぎゅっとなって椎間板がむにゅっとなって痛くなるらしいんで、冬が終わればこの痛みとも束の間おさらばできる希望があります。
また、しっかり背中を反らしてメンテナンスするクセをつけたり、ストレッチなどをすることで緩和することはできるみたいです。
結局、日々の正しい生活や適切な運動が大切ってことですね。私の大嫌いなワードですww
それを怠ったしわ寄せが今来てるんでしょうけど。
現在の私は若干足を引きずりながら通勤し、この病にとってやってはいけない前屈姿勢を長時間とって仕事しております、うはは! そうするしかねーんだよおお。
ただ、ちゃんと前屈姿勢で作業した後はしっかり体を反らしてストレッチして背骨の位置をリセットしたり、作業の合間にストレッチしたりして、ちゃんとメンテナンスの意識はしています。薬の効果もあって、最近は調子いいですよ。ただ、その薬のせいで便秘には悩まされがち。
実は10年くらい前にも同じ症状で悩んだことがあって、記事にもしてるんですね。012番の記事です。ホントにこのブログ開設当時のものです。鬱と神経痛でボロボロになりながら、ある種このブログの存在にすがって生きていた頃です。
暖かくなって自然と神経痛が改善したので、他の様々な事情と共に現在の仕事を始めるきっかけになったのでした。
健康のために始めた仕事が、今、仕事のせいで健康を損なう事態になってます。
たしかに、狭窄症の原因は私の自堕落な生活でしょう。しかし、神経痛を引き起こし、病院に通う羽目になったのはここ最近増え続ける仕事量のせいですよ。思い当たる節、たくさんあります。
おっと、愚痴になってしまいました。
お医者さんから「もう治りません。この痛みとうまく付き合っていきましょう」ってはっきり言われた時はさすがにショックで、その日は一日寝込んでマジで死にたいとか思いましたけど、人間現金なもので、薬が効いて思っていた以上に痛みが和らぐと、「しょうがねぇ、生き延びてやっか」と生きる意欲が湧いてくるんですよね。この辺のマインドマネジメントも鬱病の頃に学んだので、すぐに立ち直れました。
10年前の時点ではレントゲンしか撮っておらず、原因も不明でどうすればいいのかまったくわかりませんでした。思えばこの頃から狭窄症は始まっていたのかもしれませんね。
今回MRI診断ではっきりと原因がわかった上、薬で痛みを和らげることができ、さらに痛みを予防する術(どこをストレッチすればいいのかなど)も知ったので、今後はきちんと対処できそうです。
杖を突いたり、車いすに乗るほどではないので、比較的軽微な方だと思います。今後はもう少し健康や姿勢に気を付けて生活していきます。っていうか、そうせざるを得ないというか(笑) 痛みは妥協してくれないんですよね。鬼教官です。
でも来年の抱負にはしたくないなぁ。興味ないこと、やらなきゃいけないけどやりたくないことっていうのは、義務感や使命感だけでは絶対に続かないですからね。三日坊主になるのは目に見えてます。
こちらも良い椅子だったりクッションだったりなにか、皆さまのお知恵を拝借したいです。
長くなりましたがこの辺で。ホントは重大ニュースと十大ニュースを掛けて、10個くらいひねり出そうと思って一週間悩んだんですが、出てきませんでした(笑)
なんだかんだで波乱万丈な一年でした。今年も残すところ数日。皆さまよいお年を。そしてこれを機に来年は少し健康について考えてみてください(笑)
以上、あるへでした。
来年、またお会いしましょう。
2024年12月27日
2024年12月20日
588.探し物は、夏ですか。
おはようございます、あるへです。
本日はこちら「Are you looking for the summer」のレビューです。
XboxのKemcoゲーではイハナシの魔女以来となるテキストゲームですね。元号が平成から令和に変わるタイミングで、時代の移ろいを感じさせるようなノスタルジックな雰囲気を演出しようとした作品です。別ジャンルですが僕なつみたいな気持ちでプレイすることを想定しているような気がします。
タイトルBGMに「ラムネ」の開栓音みたいな音が入っていたり、ゲーム中では蝉しぐれや鈴虫の鳴き声を取り入れたり、雰囲気作りはかなり気合入ってました。十分楽しめると思います。
お祭りのガヤもなんか良かったですね。
裏でガヤガヤしている様子を表すんですが、通常このガヤはその様子を表すもので決して特定の聞き取れる音声を入れたりしないのが通例なんですが、本作にはいくつか聞き取れるフレーズが入っていて、これがお祭りの雰囲気ととてもよく合っていて素晴らしかったと思います。なんだったかな、「イカ食べる?」とか「花火見に行こう」とか、すごいそれっぽいまったく他人の会話がふっと聞き取れる感じが、めっちゃ良かったです。
お話は……あっ、短ぇっ!?
イハナシの魔女もテンポが良い分十分短いと感じたのですが、まさか一日でコンプできるレベルで短いとは想定外でした。スキップせずに、ちゃんと音声も流して聞きながら、インデックスの機能でセーブロードを使わずともすぐに選択肢の直前に戻ることもできるので、10時間もあればコンプできてしまいます。
お話の舞台がとても小さい街の中の小さな関係性の中での、たった10日間でのお話なので序盤からそんなに長くはかからないだろうと予想できるのですが、インディー特有の引き延ばさないテンポ重視のスタイルなので驚くほどサックサクでした。
大抵は食事での団らんとか、むふふなお風呂のシーンとか茶番が入ってもよさそうなところでも、物語には関係が無いのでカットですよ。
このスタイルは個人的には大歓迎ですけどね。
でも、終盤の、詳しくは言えないのですが主人公が色々と遠回りしてめっちゃ頑張るシーンですらカットなのはちょっと急ぎすぎというか、そこは見せてもいいんじゃないかと思いました。というか見せてくれよっていう(笑)
このシーンは別として、全体的に本作は雰囲気作りはかなり良かったんですが、登場人物の葛藤や心理描写についてはイマイチ説明不足、描写の技術力が足りない部分がちょいちょいあって、なぜ彼らがこんなにも焦っているのか、なぜ切迫しているのか、なぜ不安を抱いているのか、なんていうところに感情移入しづらい部分が見受けられました。
なんていうのかな、まぁそういう気持ちになるのもわかるけどさ、こうしたらなんか変わるんじゃないの?とか、まだアレは試してないよね、とか、その状況から一気に焦って慌てるまでにはまだもう1ステップ、2ステップ残ってるような気がしてモヤモヤが残ったんですよね。
状況的な囲い込みが足りないというか、テンポが良すぎて描写が足りずにまだ逃げ道や別ルートが残ってる感覚があるのに、すでに主人公たちは絶体絶命の状況を悟って右往左往したり諦めかけてるのが残念なところ。
今回はそのテンポの良さ、小規模さ、シンプルさがいろいろな方面で悪さしていると思います。
登場人物たちのテンション、特にヒロインの会話のテンションがころころ変わって不自然な印象を受けるのもそうだし、伏線も初見で見破れるレベルで浮いてるのもそうです。
物語全体として見れば解像度が低くて輪郭がギザギザしている印象で、お話の肝にも驚きがありませんでした。もうわかってるし、みたいな。
やっぱりテンポが良すぎて遊びやすい反面、テキストの物量的メタ的な心理からも時間の流れを意識できるようなスケール感がないし、舞台や登場人物の相関関係的なものもやっぱり超コンパクトでお話のスケール感を感じにくいし、なんだったら作中の時の流れとしてのスケールも、たかだか10年20年程度の振れ幅なのでやっぱり変化や時という存在のロマンを感じにくかったです。
まぁまぁまぁ。プレイヤー側の正直な感想としては、「インディーゲームとして」見れば、全然、楽しめました。
下に見る感じがあるよね。インディーの強みはこの偏見の力を逆転できるところにあるので、それが私には働かなかった分ちょっと期待外れでした。
すっごく個人的な感想として二つほど言いたいこと。
言うべきかとても迷うけど、現在の年月日がすぐに確かめられないのはマイナスだと思います。
もう一つ。本当に個人的なことで申し訳ないんですけど、私は「モノマネ」というコンテンツに価値を見出せない人間なんです。あの芸能人に似てる、あの人の喋り方の真似をする、あの人みたいな歌い方をするなどなど。
好きな人もいるでしょうし、本作では「っぽさ」が出ていて、それが雰囲気にもマッチしてるので悪い感じではないのですが……ね、個人的にはね、あなた、誰かの代わりでいいんですかって思っちゃうんだよね。
ネガティブが押してきたけど話を戻すと決して悪くはなかったです。そこはテンポの良さがフォローしてると思います。冗長にならずストーリーがさくさく進んで、ボロが出る前にきっぱり終わる。その中でセンチメンタルでノスタルジックな、ひと夏の思い出みたいな切なさは演出出来てると思うし。
プレイする時期、ちょっと外れちゃったかもね、今寒いし(笑)
Kemcoゲーカウントダウン、残り12本!
2024年12月13日
587.鋼鉄幻想記クロムウルフ
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「鋼鉄幻想記クロムウルフ」のレビューです。
おでこに角を持つ種族ユニコニアンと、普通の人間である帝国人。二つの種族が歴史的遺恨から憎み合い、種の生存をかけて殺し合っている世界です。んー……つい最近、見たことあるぞ?
そしてネタバレになりますが、敵を圧倒して一番になりたい派と、お互い手を取り合って共存したい派で分裂して内乱状態になり、その隙をついて隣国が宣戦布告……あれー、やっぱりみたことある、トカゲの国かな……。
なんてね、世界観の設定上、前回遊んだクロステイルズとよく似たというかもう同じストーリーが繰り返されるんですが、今回の制作チームはいつものExe-CreateでもHit-Pointでもなく、Rideonでもなく、Magitecという知らない会社でした。ちなみに販売はKemcoなので立派なKemcoゲーです。
いやね、めっちゃ尖ったゲームでしたね。見た目からしてこれガラケーか?と思うほどめちゃくちゃ古臭い印象を受けました。あえてそうしているというよりは、そんな時代の開発ツールを使ったゲームで、昔懐かしいSFCゲームのような匂いがぷんぷんするんですよね。
キャラデザイン、ドットのクオリティ、UIのぎこちなさ、ゲームバランスやレベルデザイン、どれをとっても古臭さが付いて回り、それが逆に新鮮ですらある。
なんなら会話やストーリーの展開ですら平成の風を感じ、今の時代じゃまず無理だと思われるような表現が平然と出てくるあたり非常に尖った作品だなと感じさせられました。
ストーリーはかなり面白かったですね。一本道には違いないですが、サイドミッションなんかも現在の状況に則し、以前の伏線を回収するような作り込みで、適当にその辺の雑魚を二、三匹狩ってこいだなんていうお遣いではありません。それに加え、本作にはクリア後に強くてニューゲームの概念があるので(試してはいないけど、おそらくいくつかのサイドミッションは時限っぽい)、初見一周目でサクサク進んできたようなプレイではなかなか歯が立たない強敵なんかも居て作り込みの気合を感じました(一周でコンプは可能)
作り込みの気合といえば、それはストーリーにもしっかりと染み込んでいて、いや思わず「それはどうなの?」と嘆くような展開もあるにはあるんですが、基本的には理屈と論理がしっかり整理されていて、思っていた以上に引き込み魅せる力のあるストーリーで、普通に楽しかったです。
やっぱりね、ここよね。
主要人物それぞれに濃ゆいバックボーンがあり、それをエピソードとしてちゃんと見せてくれ、かつ全員が全員人生観を備えた知性を持っているので、本作のストーリーがしっかりオリジナリティのある骨太な作品に仕上がっているし、ライターの確かな腕を実感できました。そんな中で「は? いやいやいやwww」っていう部分もあるんですけどね(二度目)
とりあえずクロステイルズのぽわぽわストーリーがへそで茶を湧かすレベルでリアリティがありました。
ただ許せない部分もあります。
それはレベルデザイン。つまりダンジョンの構造です。
非常にエンカウント率が高く、それだけなら全然許容範囲なんですけど、これが複雑かつ面倒な作りのダンジョンと合わさると鬼畜の一言に尽きます。
どんなふうに鬼畜かというと、まずとにかく歩かせる作りなこと。マップの端から端までぐるっと回り込ませたり、いったんこっちから隣のマップへ移って、向こうをぐるっと回って、再びこのマップへ戻ってくるなど、とにかく歩数を稼ぎ、何度もエンカウントするよう仕向けたマップの作りに悪意を感じます。
次に、ギミックが非常に嫌らしいこと。流れる床で一方通行の道を作り、戻って来るには大回りしなければならなかったり、で、そんな時に限ってミニマップの範囲の外に分岐点があったりして、容易にどちらの道が正解か判別が付けられなかったり。
あるいはワープギミックがそこらじゅうにあってしょっぱな入り口に四つのワープがあって、一つに入ってみたらその先でまた四つのワープがあって、とか、ゲロ吐くかと思いました。
ようやく正解に辿り着いてスイッチを切り替えたら、同じ道を戻って最初に見えていた扉の前に戻るなど、ギミックを見破ったとしても必ず長い道を何往復もしなければならない作りになっています。
「えーっと、だからぁ、まずあっちへ行ってスイッチを押してからこっちへ戻ってきて……、いやあれ、右と左どっち行けばいいんだっけ」なんて考えてる時にエンカウントするのが一番頭に来ますよね(笑)
古臭いものの、一周回ってストーリーはかなり魅力的で先が気になるものなので、意外とモチベは高いのですが、あらゆるダンジョンがもう迷宮も迷宮なので脳内マップを描くのが苦手な人とかは発狂するかもしれないとガチで思いました。
今の時代じゃ絶対に使用しないであろう単語や表現、展開が出てきたり(女性を性的対象とみなして揶揄したり、主人公が無抵抗な民間人を射殺する描写があったり、極めつけは原爆を連想させる兵器を自分たちの手で敵に使用したり)、古臭いドットクオリティやかつての悪習の残るダンジョン構造だったりが絡み合って、非常にオールドスクールなJRPGを遊んでいる感覚に陥りました(方眼紙に手書きでマップを描いて繋がりなどを書き加えていったら、もっとレトロ感感じられるかも 笑)。
これらのレトロ感はもはや狙って演出できるものではないので、やはりそれらが許されていた時代に作られたんだと思います。
一つのゲームになるべく時間を使わせようとしたり、ストーリー展開の大胆さやその結果からメタ読みでサイドミッションなどに不可逆性を感じたり(あのミッションはたぶん今の段階では受けられないだろうな的な。)といった要素から、言い方は悪いですがExe-CreateやHit-Point製ゲームのような「量産」感がなく、Magitec社によるガチの一本としての気概を感じました。
なんか、昔懐かしいスーファミのパッケがあって、裏面にメーカー希望小売価格5800円(税抜き)とか書いてあって、中古ショップで980円のラベル付けられて販売されててもおかしくないなっていう作品感、B級ゲーム感、レトロ感、懐かしさがあったんですよね。
人にお勧めできるようなものではありませんが、プレイして満足感は残りました。
Kemcoゲーカウントダウンは残り13本でございます。
2024年12月06日
586.クロステイルズ
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Cross Tails」のレビューです。
本作の登場人物たちは皆人間ではなく、犬や猫、トカゲなどの種族として登場するので、物語の意味を持つTaleと、尻尾の意味のTailを掛けたお洒落タイトルですね。
Xbox内で言うと、パティアと云々や砂の国の云々を手掛けたRideonゲーですが、いつもの錬金ゲーではなくSRPGだったのは意外でした。シンプルでカジュアルな作りですが、それゆえ目立ったバグもなく終始安心して快適に遊ぶことが出来ます。
主に犬族と猫族の間で衝突する戦争をテーマに、それぞれの視点から描いた戦記物ですが、まぁいつものKemcoゲー。真面目に話を追ってると肩透かしを食う頭ユルユルストーリー。ですが、ユニットキャラの3Dポリゴン具合やイラストの綺麗さに助けられて、ゲーム全体の雰囲気としてはそんな頭ユルユルな世界観がフィットしていて、かなりリラックスしてほのぼのと遊べますね。
フリーロームが可能で、好きなだけ準備をしてから次のお話に進むことが出来ます。
また、BGMの出来は非常に良かったです。犬族ストーリーで流れるそれぞれのBGMが、猫族では民族チックにアレンジされたバージョンで流れるのも、この試み自体は良いと思います。いくつか良い曲もありますし。
ただ、この民族チックなアレンジというのが、まぁ音楽にはまったく詳しくないのですが、半音下げたような状態でメインフレーズを流したりするので、犬族編では伸びのある聴き心地の良いBGMが、猫族編では変に押さえつけられたような圧力があり(原曲を知っているからなおさら)、どの曲も徹底してそんなアレンジなのでムズムズした時期もありました。それ一曲のみならいいんですけどね。全ての曲が犬族編のアレンジってのがちょっとどうかな(猫族編のマップ画面は大嫌い。楽曲の裏で名状し難い不協和音がずーーーーっと鳴ってるの、ペンポーン、ペンポーン、ペンポーンみたいなの。俺を洗脳したいんか?)
初見一周目は、フリーロームもし放題ということで各ジョブランク埋めとか頑張ったんですが、まさか二周目でステータスが引き継がれないとは……!
ちょっとしたマルチエンド方式で、ストーリーの中盤で一度だけ二択を迫られ(実質一択)、二周目にロックが外れ真エンドへ行けるようになります。これを犬側、猫側それぞれしなければコンプはできません。つまりコンプには4周必要。
二周目を始める際に一周目で手に入れたアイテムや装備は引き継げるので、実際は全然苦じゃないんですが、無駄だと知りつつもあのジョブこのジョブ全部全員転職してランクを上げてースキルを覚えてーってやってきたので、その苦労が抹消された時の虚無感は結構クるものがありましたね。
あ、そうそうオートあるんですよ。神機能。探せばAI行動時のスキルのオンオフも個別で出来るので、ここもいじるとめっちゃ楽になります。
ゲームとしては快適には違いないんですが、Rideonゲーで見慣れたルーン石と強化システム、どうせ快適にするならここもテコ入れしてほしいとは思います。
現在のアイテムに付いてるルーン石の組み合わせのまま、別の装備に引き継げる機能があるのですが、どうせ装備を新調する時は大抵ルーン石も上位のものが出現してるので死に機能です。
また、ノーコストで強化、分解ができ、失うものが何もないのであれば、わざわざこんな面倒なコマンドせずに一画面で石の着脱できるようにすべきです。
新しい装備が売りに出されて、新しいルーン石が販売されるたびに、最大8人分、計32の装備を一つずつ分解しては強化していく作業がすんげぇ面倒でした。
もう一つ言うなら3Dポリゴンキャラですね。実際に操作するユニットですが、色合いが地味すぎて全てのキャラが同じに見える問題。イラストでは風貌や服の色、髪の色などで個性があるように見えますが、それらイラストの特徴をうまくポリゴンユニットに落とし込めていないんです。それゆえもとからフードを被っている村娘や、なんならジョブ毎に見た目が変わる汎用ユニットはまだ判別できても、犬側主人公とその相棒およびシーフ担当や猫側チームの主人公の相棒とお目付け役は戦場から見下ろすと見分けが付きません。
外見の輪郭もさることながらやっぱり色味がもはやイラストとは全然違うんですよね。
ここは非常に残念な部分です。
ポリゴンユニットの出来自体は全然良いんですけど(そしてきちんと見分けてキャラの個性を生かして戦わなければならないほどのシビアな戦闘バランスでは当然無いw)
特別面白いわけではなく、かといって全くクソゲーでもなく、というよりはどこをとってもしっかり卒なく無難に作られており、大昔遊んだあのSRPG(ふぃ〜あるふんあいータクティクス……)を思い浮かべながら、そこまで重てぇゲームはやりたくねぇよと、そんな丸いゲームでした。
Kemcoゲーカウントダウン〜! 1本消化したけど2本増えた(!?)ので残り14本!!