実際に使う人ならでわはのイノベーションを生み出す
ヘンリー・フォード 氏は、まだガソリンエンジンの自動車が
ほとんどなかったころに、自ら自動車を作って
自ら乗り回し、時には自動車レーサーとして活躍し
というような生活をしていました。
このようにユーザー自身によって開発が
行われる現象を ユーザー・イノベーションと呼びます。
日頃、どこかのメーカーが作った製品を
お店で買っては使うだけの普通の消費者からすると、
ユーザー・イノベーションは珍しいような気がしますが、
実は、先端分野では珍しいわけではありません。
フォン・ヒッペル著『 イノベーションの源泉 』によると、
イノベーションを商業産業に適応可能な状態にまで
最初に推奨した特定の個人または企業を
イノベーターとして定義すると、
ガス・クロマトグラフ、
核磁気共鳴分光器といった科学機器では
111のイノベーションの77%、
半導体製造装置、プリント基板の組立装置といった
エレクトロニクス製品の製造装置でも
49のイノベーションの67%で
ユーザーがイノベーターだったそうです。
こうしたアイデアをもたらすユーザーを
リード・ユーザーとも呼びますが、
新製品をごく初期に使い始めた人は、
リード・ユーザーとして貢献している可能性は十分にあります。