問題解決は「情報を持つ場所」で行うのがよい
製造現場と比べれば、製品開発は 問題解決活動でしょう。
では製造現場と離れたば場所で
製品開発をできるのでしょうか。
例えば自動車産業のように、
組み立てメーカーと部品メーカーに
分かれている場合です。
日本では、もともと部品の開発は
自動車メーカー側で行われ、
図面を部品メーカーに渡していました。
つまり、 貸与図方式だったわけです。
ところが部品の開発には、
どうしても部品を製造する
メーカー側の情報が必要です。
図面のようなものは簡単に移転できますが、
複雑であったり、製造ノウハウのような
暗黙知だったりする場合には
情報粘着性があるために簡単に移転できません。
移転してメーカー側で問題解決するよりは、
情報のある部品メーカー側に
開発側を移したほうが効率的と言えます。
開発段階から製造しやすい設計にする
デザイン・フォー・マニュファクチャリングも
容易になります。
こうして、 承認図方式にして、
製造と開発を一括して部品メーカーに
アウトソージングするようになったわけです。
もっとも、マサチューセッツ工科大学の
フォンヒッペル 氏は情報粘着性を
情報移転コストと定義したので、
これではトートロジーです。
後に スズランスキー 氏は、
情報移転の際の イベントフルネス(波乱度)で
情報粘着性を測定しようと提案しました。