労働との釣り合いが取れているか
意思決定のほかに 退出の意思決定というものがある。
これが奥が深くとても複雑です。
一般的には、嫌いだから会社を辞めると思われがちですが、
「不満を口にする」行動も「会社を辞める」行動も
観察可能なので、試しに自分の周りに
そのような人がいないか確認してみましょう。
すると不満を口にしているのに
やめない人がたくさんいることがわかります。
つまり満足尺度0点で「辞める」が始まるわけではないのです。
それどころか、参加を決める理由と
辞める理由も表裏一体ではりません。
例えば、お金のためにはじめたアルバイトを辞める理由は、
お金だけではありません。
人間関係や、やりがい、仕事の中身、
仕事と何も関係ない外的要因、、、
人によって様々あります。
ただ、参加し続けている人はお金も
それ以外のものも全てひっくるめて
労働とつり合いが取れていると感じているから
続けているのでしょう。
そういった状態を サイモン 氏は『 経営行動 』の中で
組織均衡と呼びました。
ただ、その時想定すべき参加者は
従業員だけでなく、顧客やサプライヤー、出資者も、
要するにステークホルダー全部が組織の参加者なのです。
全員から支持されて、初めて会社は回るのですから
組織均衡を考えるのは大事なことなのです。
ステークホルダー
企業の利害関係者の範囲は考え方によって異なり、
一定の定義が確立していないとも言えるが、一般的に
『投資家 、債権者、顧客(消費者)、取引先従業員(社員)、
地域社会、社会、政府・行政・国民』が挙げられる。
組織均衡論
1.組織は、組織参加者と呼ばれる複数の人々の
相互に関係した社会的システムである。
2.各参加者、各参加者集団は、
組織に貢献したお返しに組織から誘因を受け取る。
3.各参加者は提示された誘因が求められている貢献以上である限り、
組織への参加を続ける。
4.さまざまな参加者集団が提供する貢献は、
組織が参加者に提供する誘因を作り出す源泉である。
5.ゆえに、組織に「支払い能力がある」、
すなわち組織が存続するのは、十分な貢献を受け、
それとともに十分な誘因を提供し、
それで更なる貢献を引き出せるときのみである。
オーガニゼションズ 』より引用
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