読売新道を登る:DAY2(2016年9月)

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2016年9月27日、3時起床でテントの外を確認すると、なんと「満天の星空!」でした。最近の天気予報の精度は高いねえ〜っと感心しながら奥黒部ヒュッテの前で最終準備をします。ザックはOsprey Zenith75(以前の投稿あり:山道具)ですが、雨蓋を取り外して軽量コンパクトにしました。食料、行動食は3日分+α、水は2L持ちました。ザックの総重量は13.5kg程度だと推測します。4時にヒュッテを出発です。さあ いよいよ始まるねえ〜



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あたりは当然真っ暗ですが、かろうじて月明かりはありそうです。そして歩き出してすぐに前頭部に強力な衝撃がありました・・・「しまった!」倒木のエッジ部分に頭を強打してしまいました(写真右)。しばらく動けず早々に休憩が入ってしまいました。



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気を取り直し歩き出します。読売新道の前半は、樹木の根を乗り越えながら進む場面がほとんどです。前日の雨で土が濡れているのでかなり歩きづらい状況が続きます。LEDの明かりだけが頼りですが、踏み跡はしっかりしていたので一歩一歩確実に進みます。樹木の間よりたまに景色が見えます。写真右は、はるか遠くの白馬岳らしきシルエットでした。そして今まで無音の樹林帯を歩いてきましたが、空が白み始める頃やっと鳥たちが鳴き始めます。またあたり一帯相当数の獣たちがいるはずですが、不思議と何の気配も感じません。万が一クマに遭遇した時は、何とか道を開けていただけるようアイコンタクトしながら進むしかありません。



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1時間半ほど歩くと花崗岩の大きな岩がいたるところに現れます。岩と木の根をつかみながら延々と進んでいきます。


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おや、読売新道の標識が現れました。おそらく読売新道開拓時代、50年くらい前のものなのでしょう。いい感じですね。 5時45分の夜明け時間になりましたがまだかなり暗いでです。


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今度は新しい標識が現れました。2001年にコース整備が入ったとのことなので、その時整備した標識だと思います。それにしてもまだ赤牛岳まで3/8の地点ということは、まだだいぶ楽しめますね。 苔むした倒木や岩をどんどん乗り越していきます。ここまで不思議と疲労感はなく、「次は何が出てくるの?」という期待感の方が勝っているのでしょう。



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尾根の肩のようなところで初めて平地が現れました。同時に4/8の標識が置いてあります。もしや?と思いましたが、4/8のところで長かった樹林帯を抜けました。あたりも完全に明るくなって、ようやく漆黒の闇の世界から這い上がった感じです!やったぜ〜



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5/8の標識からハイマツ帯に入ります。周囲の視界は完全に広がり、立山、黒部ダム、白馬連峰などが鮮明に確認できました。


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さらに高度を上げていくとハイマツから細かい砂礫地帯へ変わり、ついに赤牛岳の山頂部を確認できるようになりました(写真右)。


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さらに砂礫地帯を進み岩稜帯を乗り越えていきます。


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7/8の標識で完全に「赤牛岳」の全貌を捉えました。確かに岩肌は赤茶色に変わりピラミダルな山容がとてつもなく美しく見えます。



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ガレ場の山頂直下を登りきり「赤牛岳頂上」に到着しました。登頂時間をあまり気にせず登ってきましたが、7/8の標識あたりで5時間を切れそうだな?と思い始め、最後は息を切らしながらの登頂になってしまいました。 やったぜえ〜 「気分は最高です!」 ここまで当然のように誰にも会わない登頂でしたし、山頂部も誰もいません。



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北アルプス最奥部から360度の景色を一つ一つ確認しながら眺める時間は至福の時ですね。写真左は、水晶岳の左奥に「槍ヶ岳」。写真右は水晶岳の右側に「笠ヶ岳」と「黒部五郎岳」、その下に「雲の平」の台地が広がっています。



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向きを変えれば、広大な薬師岳、北薬師岳。裏銀座の尾根には野口五郎岳などなど完璧なパノラマでした。




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冷めやらぬ感動もそこそこに歩を進めなくてはなりません。赤牛岳は本日の行程のほぼ半分なのです。ここまでこまめに行動食を摂って来ましたが、さすがにエネルギー切れを起こしていました。少し時間を取りまとめて摂取します。写真右は、赤牛岳と水晶岳を結ぶ尾根の一角ですが、どなたかのビバーク跡があります。この尾根で暴風に襲われたらかなり苦戦するでしょうね。ガスに巻かれるとルートも見失いやすい場所がありそうなので、じっと動かずに停滞するのは正解だと思います。



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赤牛から水晶岳の尾根はすごく長く感じますが、ようやく温泉沢の頭につきました。ここを下れば高天原だし進めば水晶岳です。付近で登山者数名とも出会いました。



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水晶岳到着です。読売新道は奥黒部ヒュッテ(東沢出合)から水晶小屋までの登山道を指すようですが、事実上水晶岳が末端と考えて良いのでしょう。歩き始めた黒部ダムをバックに吠えてみます(笑)。



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営業の終わった水晶小屋の脇を通り尾根を進みます。鷲羽岳が視野に入ってきました。三俣山荘までは黒部源流ルートを下り巻いていくことにしました。明朝鷲羽を越えて水晶小屋まで行くつもりだったからです。



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おおっ!三俣までもう直ぐです。鷲羽岳の見える場所にテントを張りました。長い長い1日が終わろうとしています。



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奥黒部ヒュッテを出てから11時間ほど歩きました。念願の読売新道を登り最高の天候に恵まれ大展望を満喫できた1日でした。心地よい疲労を感じながらリラックスして明日に向かいます。


ではではお疲れさんでした〜


posted by Jack at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 山登り

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2016年10月10日

餓鬼岳、唐沢岳:台風18号直後Day1(2016年10月)

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北アルプスのはずれ(常念山脈の北のはずれ)にある餓鬼岳、唐沢岳登山を思い立ちました。先日の雨の裏銀座から垣間見えた唐沢岳の勇姿が印象的だったのと、友人から「餓鬼岳の登りはきついらしいよ?」との情報が気になっていたのもありました。白沢登山口から登り、餓鬼岳小屋キャンプサイトで1泊。翌日唐沢岳をピストンし白沢登山口に降りる計画を立てました。しかしながらちょうど台風18号が長野県を通過し、登山道は倒木や崩落の被害を受け、アドベンチャー要素の強い山旅となりました(実施日:2016年10月6日〜7日)。




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前日の10月5日に白沢登山口に入り車中泊をしました。本日夜半に台風18号が一帯を通過するのは理解していましたが、深い森に囲まれているので、通過するのを静かに待って、台風一過の明日山頂を目指そうと思っていたのです。ところが台風の猛威は予想をはるかに超えていました。頭上の大木がしなるように揺れ、ちぎれた枝葉が容赦なく車を叩きつけ、とても眠れる状態ではありませんでした。車のウィンドーがぶつかる枝葉で割れるのでは?と思うほどの猛威でした。



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6時に白沢登山道をスタートし、沢沿いのゆるやかな傾斜の登山道を歩いていきますが、途中、暴風で折れた枝葉が登山道に目立つようになります。それでも気にせず歩いて行くと、さらに倒木が目立つようになりました。



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登るほどに倒木が増え、登山道の被害が尋常でないことにやっと気づきます。



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昨晩の雨の量は少なかったようです。沢の水量は特に異常がなかったので、行けるところまで行ってみることにしました。



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魚止めの滝から先は倒木がさらに増え、根こそぎ倒れている木々が出てきました。枝やむき出しの根を乗り越えて登山道を探し出します。特に最終水場手前の倒木による登山道崩落が大きかったです。



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ほとんど登山道と言うよりは、土砂くずれ現場の調査のような状況です。



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足元は土砂の影響でドロドロです。笹薮もガレガレでした。



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中盤のガレ場をなんとかクリアするとやっと普通の登山道の状態になりました。これで小屋までいけるかな?と思い始めます。



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っと思いきや、今度はシラビソや松の倒壊が目立ち始め、登山道を塞いでいますが、全て突破していきます。



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中間地点の大凪山(おおなぎやま)までたどり着きました。どうも台風の影響は沢沿いのエリアに集中していたようです。大凪山から先は、「通常の急登?」になりホッとしました。



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尾根の林間部分を通過し、植生がダケカンバに変わります。この辺りから「百曲がり」と呼ばれる急登が続きます。上部の尾根に小屋らしき人工物が確認できました。「やったねえ〜」



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やっとのことで「餓鬼岳小屋」到着しました。小屋のご主人と登山道の情報交換をしました。途中、水場が6箇所あるのですが、第4水場手前の左側が壁になっているヘツリ部。そして最終水場手前の倒木地帯の崩壊が大きいことを伝えました。小屋の裏手が「餓鬼岳山頂」で、小屋の先を下ったところがキャンプサイトになっていました。



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キャンプサイトはおそらく5、6張程度のハイマツの下の窪地です。当然誰もいないので一等地にテントを張り、沢の水や土砂で汚れた衣類を乾かします。



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やはり狭いながらもテント内は快適ですね。マットは前回の山行よりニーモのZOR 20Rというモデルを使っています。重量と性能がうまくバランスしている気がします。食事は、ネギ野菜ラーメンでした。この「ほたてバター風味ラーメン」はなかなかの絶品です。



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明日は餓鬼岳を経由し絶景の唐沢岳を目指します。そして白沢登山口まであの悪路を下らなければなりません。さてさて休養を取って明日に備えます。

ではではまた









posted by Jack at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 山登り

2016年10月02日

読売新道を登る:Day3-4(2016年9月)

 読売新道を無事にクリアしましたが、翌日、秋雨前線停滞よる暴風雨に襲われ、裏銀座の尾根をかろうじて突破し、烏帽子小屋のテントサイトに逃げ込みました。そしてその次の日も雨。この時点で敗退が決まりました。烏帽子小屋より高瀬ダムに下り今回縦走のフィナーレです。




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鷲羽岳頂上ですが、暴風雨により視界ゼロです。早々に退散です。



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そんな中でもライチョウたちは元気です。天気が悪いほど活発に登山道に現れます。さすがに名前の通りの雷鳥です。



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なんとか野口五郎小屋に辿り着きましたが、ちょうど小屋閉めのタイミングでした。挨拶だけ交わし、烏帽子小屋に進むことを伝えます。ドアに取り付けてある温度計は10度を指していました。これは力強い情報でした。暴風雨で体温を奪われますが、10度あれば動いていれば低体温症のリスクは当面ありません。



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しかしながら暴風雨には閉口しますね。



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烏帽子小屋に向けて尾根を進みます。天候が天候ですが、尾根に続く道は美しく、たまには雲間に絶景も見せてくれます。



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烏帽子小屋で悪天候により停滞していた東京の某氏とかなりの時間、雑談してしまいました。いろいろな方が北アルプスを訪れ、楽しい経験をされているのですね。



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高瀬ダムの河原まで降りてきました。数日前に流された丸太橋も復旧されラッキーなタイミングで渡れました。



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高瀬ダムで待機していたタクシーに飛び乗ります。運転手さんと黒部のお話をしながら楽しく扇沢まで運んでいただきました。雨にだいぶ打たれましたが黒部がさらに好きになりました。大町の温泉でくつろぎ、次のプランでも考えます。


いやいや、すごい3泊4日の山旅でした。ありがとうございました!












posted by Jack at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 山登り

2016年10月01日

読売新道を登る:Day1(2016年9月)

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 2年ほど前のある雑誌に北アルプス「読売新道」の記事が載っていました。そこには「日本最奥の秘境」やら、「水場もエスケープルートがない」やら、「屈指の難コース」やらと・・と文言が踊っていて気になっていました。そこで幾つかプランを練りましたが、結局黒部ダムより入り船で黒部湖を渡って奥黒部ヒュッテより読売新道を登り、赤牛岳、水晶岳を通って三俣山荘でテント泊。帰路は、水晶小屋まで戻り裏銀座の尾根に入り烏帽子小屋、船窪小屋、針ノ木小屋を通って扇沢の駐車場まで戻ってくる4泊5日の縦走計画に決定しました。 結果は途中悪天候により烏帽子小屋より高瀬ダムに下山することになりましたが、読売新道では最高の天候に恵まれ素晴らしい山行となりました。

実施日:2016年9月26日〜9月29日
登山形態:単独、すべてテント泊   以下現地の状況となります。




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前日の9月25日に扇沢の無料駐車場で車中泊をし、翌朝26日の朝一のトロリーバス(7時30分発)で黒部ダムに向かいました。黒部ダムは豪快な放水を続けており、いつ見てもすごいですね。ダムの上を歩っていきます。



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始発のトロリーバスは大勢の登山者が乗っていましたが、黒部湖畔沿いの山道に向かうのは当方だけでした。トンネルを抜けよく整備された山道を進みます。



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ロッジくろよんには若干名の宿泊者がいる様子でした。そのまま通り過ぎ山道には丸太の橋が現れてきます。しっかりと整備されているのでホントありがたいですね。



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何度か支流の沢を渡り、崩れた斜面をトラバースしていきますが、特に危険な場所はなく静かな山道を楽しみます。



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おや?突然崖下に渡し船らしきが停泊しています。そして崖の上に平ノ小屋も確認できました。



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平ノ小屋に到着です。コースタイムだとトロリーバスを降りてから4時間15分になっていましたが、実際にはゆっくり歩いて3時間でした。12時の渡し舟に余裕で乗れますね。おそらく12時の船は当方だけになりそうなので、管理人さんに「乗っけてね!」ってお願いしました。ちょうど雨が降ってきたので小屋で雨対策をしたり写真を撮ったりしてのんびりできました。


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いよいよ乗船します。船の後部よりキャビンに入れます。船長から乗船名簿を渡され記入します。名簿の乗船者をざっと確認しましたが、大半のお客さんは対岸より平ノ小屋側に渡ってくる人たちでした。まあ要するに読売新道を登る人はごく少数なんだろうなあ〜?と思いました。



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10分くらいで対岸に到着です。そして対岸からの乗船者もなく、船はそのまますぐに戻って行っちゃいました。これで完全に黒部の奥地に一人取り残されたことになりますね(笑)。このへんでやっとスイッチが入ってきます。よっしゃー! 行くぜえ〜!!




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船で渡った対岸は一気に荒々しくなります。前年までに設置された橋が崩れ、その丸太の上に新たな橋を作っていくので、古い材木と新しい材木が微妙に交差しながら設置されていました。まあそれにしてもこの崩れた斜面に丸太橋をかける執念に脱帽します。一体誰が作業しているんだ?



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そんなことを思っていたら・・・はるか眼下に作業員の方々を発見しました。3人一組で斜面を下り、湖畔に停留しておいたボートに乗りこむところでした。なるほど、ボートで移動しながら作業していくんだ。ご苦労様です。



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まだまだ丸太橋は続きますが、なんといっても雨に濡れた丸太ほど危険なものはありませんから、細心の注意で歩を進めます(写真左)。場所により丸太が絶妙に組み合わされて方向を修正しながら設置されています。



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この丸太と針金だけで作る橋に本当の職人技を観ました。凄いです。そして雲間に赤牛岳らしきが見え隠れしてきました(写真右)。あそこまで行くぜえ〜 やはり山は頂上を目指して登る方がモチベーションが上がりますね。読売新道を下るのではなく登るのはやはり正解だとこの時思いました。



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東沢出合の橋を渡たればその先が奥黒部ヒュッテです。ここまでは天気以外は順調です。小屋のご主人に挨拶すると「もう山は終わりだよ。水晶小屋は昨日閉めちゃったし泊まれないよ。」とか言われ、三俣小屋でテント泊することを伝えると、「長いから気をつけて行きなさいよ。」と色々と説明してくれました。いいおじさんでした。


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テントサイトは花崗岩の細かい砂礫の快適な場所です。当方の他に釣り客が2名と、読売新道を下ってきた単独の方が1名いました。その方はテントを張るとそのまま爆睡していました(笑)。ビールを飲んでいると雨が強くなり、テントに逃げ込みます。



 天気予報では、明日はスポットで1日だけ晴れの予報なのです。しかしながら雨は降り続いているので、「本当に明日は晴れるの?」って疑いながらも、天気の心配をしても仕方がないのでリラックスします。さあ、いよいよ明日から読売新道にアタックします。投稿はDay2、Day3までの予定ですがどうなる事か。。。  ではでは










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2016年09月17日

黒部下ノ廊下:開通前踏破(16年9月)

 黒部峡谷の下ノ廊下にチャレンジすべく2016年9月14日(水)に欅平から阿曽原小屋に入りキャンプ泊しました。阿曽原小屋のHPによる事前情報では自宅出発時は下記のような記述でした。

【9月12日】
十字峡〜黒部別山谷間は整備中ですが、今週の天気予報が悪くなり作業が思う様に進まなくなるかもしれません。現在は、手すりの針金が切れている所・草刈りがしてない区間等があります。注意して通って貰えれば通れない訳ではありませんが、怖いのが苦手な方は完全に整備が終わるのを待った方が良いかと思います。週末までには、もう一度確認して来る予定ですが、あまりにも天気が悪いと予定通りに行かないかもしれません。

阿曽原小屋のご主人ともお話し、「なんとか行ける」とのことなので、翌日の15日(木)に下ノ廊下を目指すことにしました。



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コース情報を理解しやすくするために下ノ廊下の地図を添付してみます(地図をクリックすると拡大します)。やはり通行上の問題は、「十字峡〜黒部別山谷出合」にありそうです。では阿曽原小屋から黒部ダムまでの現地状況を紹介してみたいと思います。



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9月14日の13時30分頃に水平歩道をのんびり歩き阿曽原小屋に到着しました。天候は曇りで山の上部はガスっていましたが、まずまずの状態でした。メンバーは当方自遊人Jackと友人で先輩のMickey氏であります。


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小屋の宿泊者はなく、キャンプサイトも我々だけの貸切り状態でした。阿曽原温泉にゆっくりと浸かり、最高に気分の良いリラッックスタイムを過ごせました。


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15日、明るくなる5時半に小屋を出発しました。小屋から急坂を登り権現峠のトンネルを抜けていきます。そして大きく下ると森の中に関電人見平の宿舎が見えてきます。遠くに三枚滝の絶景が広がり黒部の雰囲気が濃くなってきますね。


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ここから関電の施設内(鉄格子の先)を通って工事用のトンネルを進みます。


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施設内は電車の軌道があり、一般的な登山道とは違う別な世界にワープしたような錯覚を覚えます。


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トンネルを抜けて仙人谷ダムに上がります。ダムから下を覗くと高度感に圧倒されます。


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ダムを渡ったところで標識があります。H28年度の工事完了予定は9月21日となっています。阿曽原小屋のHPやご主人のお話し、そしてこの標識など、総合的に判断すると中間部の通行はかなり苦戦するかもしれませんね。最大限の集中力を持って踏破するつもりで進みました。


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黒部川の水の色がすごく綺麗です。東谷の吊り橋を渡り本格的な峡谷に入ります。写真右の山の斜面にある怪しげな建造物は、黒四地下発電所でここが高圧線取り出しの末端部になっているようです。さあ、いよいよ始まるねえ〜


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絶壁に付けられている歩道は、昨日阿曽原小屋まで通ってきた水平歩道に比べ、一段と荒々しさを増してきますが、同時に黒部の大自然や迫力に唖然とさせられます。


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谷はV字に切れ込み、かつS字に曲がりながら名前を「S字峡」→「半月峡」と変え「この先どうなるの?」と期待させてくれます。


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絶壁に作られた水平歩道を進みます。人が米粒のように小さく見えます(写真の中央部付近)。ここまでは歩道は完璧に整備されていて、壁側にワイヤーが二重で取り付けられているため、景色を楽しみながら歩行を続けられました。


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十字峡に近づくにつれ、作業用のワイヤーや作業者用のハーネスなどが取り残されています。この日は作業者の方々にはお会いしませんでした。


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さてさて、問題の十字峡に到着です。ここから先は整備が完了していない区間になるので心して進みます。劔沢を吊り橋で渡ります。


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劔沢の流れはエメラルドグリーンで吊り橋の下を轟音をあげて流れています。



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なるほど、道脇にワイヤーを通す金具や、橋の資材などが準備されています。ただ工事完了までには、まだ相当な日数を必要としそうです。


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十字峡の先から黒部川が歩道に近づいてきます。このあたりは一体が藪に覆われていて(藪の刈り取り作業が未)、「藪漕ぎ」をしながら大きな岩を何度も乗り越えます。さすがに「この藪漕ぎはいつまで続くんだ?」って思いながらしぶとく前進です。踏み跡らしきがかろうじてあるところと、全然なくなるところがありますが、黒部川の流れからの相対的な位置関係で前進していきます。



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藪を突破し壁に取り付くと前方対面にV字の切れ込みが現れ「白竜峡」に到着です。ここまでは藪漕ぎや、崩れた橋など難なく突破してきましたが、「白竜峡」からは別次元の緊張と集中力を必要としました。



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滝の向かい側の壁を右に回り込みます。この辺りはワイヤーの設置はありません。冬場の雪や岩石の崩れでもぎ取られてしまったのでしょう。また足元と壁の岩が脆くて崩れやすいので、一つ一つ足がかりと手がかりを見極めながら、ザックを壁に当てないように右側に回り込みます。去年の橋の残骸が残っています(写真右)。


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さらに壁沿いを進みます。去年設置されていたであろうワイヤーは途中で切れているのでワイヤーに頼ると危険です。5センチ四方ほどのしっかりした足場を見極め、手がかりを探しながら前進です。顔(写真右)は怖く見えますが、最高レベルの集中力を発揮しようとしています。


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まだまだ続きます。崩れた橋の残骸に落石が乗り上げ、足の踏み場が見つからない場所や、手がかりがない場所の連続でした。しかし冷静になって見極めると通るべきラインが見えてきます。時間の感覚はとっくになくなり、目の前と少し先の岩に集中しラインを探し出します。


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岩肌の違う壁をなんとかクリアし、別山沢の標識が目に入りました。もう少しで別山谷出合だと思いながら突破していきます。


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もうすぐ整備完了区域に入り楽になると思いきや、別山谷出合直前で最大の難関が待っていました。歩道上に落石が乗り上げ、足元も壁側も超不安定な区間の発生です。距離にして5mくらいの区間ですが、ここも心眼でラインを見極めます。ワンポイントのしっかりした足場を猫足で踏みつけ、壁に軽く触れながら何事もなかったように通り過ぎるしかありませんね。


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ここの区間だけは「どうしたもんかなあ〜」最大のピンチでした。写真で見てもビビります。





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別山谷出合から先はしっかり整備の行き届いた歩道でした。しっかりした材木の階段はありがたいことです。歩道わきの花を見る余裕も出てきます。大文字草が出迎えてくれました。


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鳴沢小沢を超え、内蔵助谷を難なく超えていきます。


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やったぜえ〜 ゴールの黒部ダムが見えてきました。阿曽原小屋から延々と20kmほど歩いてきたのですね。


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Mickey氏の後ろ姿にも疲労の跡が。。。当方も極度の集中とゴールの安堵感で足から力が抜けていました。



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よっしゃー 鉄の扉を越えればシャバだぜえ〜 何事もなかったようにトロリーバスに乗り込みます。 職人のMickey氏は涼しい顔してますが、「恐るべし! 開通前の下ノ廊下!!」でした。



ちなみに帰宅後、阿曽原小屋のHPを確認すると下記のように更新されていました。 やれやれです。整備が完了するまで通行しない方が良いですね。


【9月15日】
シルバーウイークに下ノ廊下を計画されている方、必見です。
本日、阿曽原から黒部別山谷出合までルートの状況を見てきました。
ここ数日の不安定な天気のせいもあり、十字峡から上流の整備があまり進んでいませんでした。明日は天気が良いので白竜峡のあたりまで作業が入ると思われますが、明後日以降は台風とそれに伴う前線の影響で黒部別山谷までの整備はまだ遅れそうな気配です。
現在のところ、十字峡の上流(H23に山抜けして道がなくなった場所)までは整備が終わっていますが、そこから白竜峡を経て黒部別山谷出合まで未整備です。
特に白竜峡から黒部別山谷出合までは、危険個所が多く一般の登山者の通行は見合わせたほうが良い状況です。
この区間は整備後でも岩場のヘツリが続く緊張感のある場所ですが、まだ未整備で、桟道が傾いていたり、手すりの番線(針金)が切れて無くなっていたり、転石が道を塞いでいたりするうえに、全体的に転石がかなりたまっており、手元・足元にかなりの注意が必要です。
明後日以降不安定な天気になりそうですので、一般の登山者の方はもとより上級者の方も無理なさらないようお願いします。
シルバーウイーク後半(22日〜25日)に計画されている方につきましては、整備が進んでいるかどうか今後の天候次第ですので、台風の様子も見ながら20日頃に新しい情報が入り次第お知らせする予定です。







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2016年08月16日

大キレットに挑戦(16年8月)

 自遊人Jackの夏場は、山に出ている日々が多くブログ更新ゼロでした。今週は、お盆休みで山も混んでいるので休息を兼ねてブログのUPをしてみます。今回の投稿は、北アルプスの大キレットに関してです。ただ実際には、上高地から槍沢を通り槍ヶ岳に登り、大喰岳、中岳、南岳と南下し大キレットを走破して北穂高、奥穂高、前穂高と縦走し重太郎新道から上高地へ下るルートをとりました(実施日:2016年8月2日〜5日)。



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南岳下の南岳小屋のキャンプサイトを朝3時半に出発しました。8月に入り、登山者が増えているだろうな?の読みで、キレットでの登山者との相互通行を避ける狙いで暗いうちに出発しました。南岳小屋の裏の登りを越えるとすぐにキレットの入り口になります。早々に行動食を食べて4時からキレットに突入しました。暗くて辺りの判断はできませんが、獅子鼻岩を左手に見ている位置関係だと思われます。ライトで足元を照らすと朝露で草が濡れています。岩も一部滑るので丁寧に歩を進めます。


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真っ暗の中でキレットを下るのは危険?と思われる方もいるかもしれませんが、LEDヘッドライトの明るさは抜群で、岩の凹凸やマーカーの白いペイントなどを正確に照らし出すことができますので、視野が昼間よりは狭くなる分、集中力は上がる気がします。浮石を見極めて鎖やハシゴを使って丁寧に漆黒の闇の中に降りていきます。自ら地獄に降りていく気がして少しだけドキドキします。


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少し明るくなってきて、周りの様子がわかってきました。獅子鼻岩の脇から岩場を下り、ハシゴを下って、さらにもう一度ハシゴを使うと平坦部まで降りていけそうです。ここまではっきりした標高差はわかりませんが、250m程度下ってきたのだと思います。



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平坦部に着きました。振り返ると後ろは絶壁で、前には岩尾根が延々と伸びています。ここが地獄の1丁目かな?と思いながら先の岩尾根を進んでいきます。



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今回の装備は縦走を前提にしていますので、テント、マット、水、食料などザック重量は、自宅での計測時15kgほどありましたが、ここまでに食料や行動食を消費しているので、ザック重量は13.5kg程度だと推測します。ザックは軽いに越したことはありませんが、体にしっかりと密着するザックを使えば(今回はOsprey Xenith75:以前の投稿あり)、岩場でもほとんど気になりません。


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4時50分。あたりが明るくなってきました。まだ日の出前ですが、空の青さと常念岳のシルエットが綺麗です。反対側には先日、暴風雨で苦労した笠ヶ岳の勇姿があります。今の所風もなく絶好のアタック日和になりそうです。


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振り返ると獅子鼻岩(写真左)。前方には北穂高へと続く尾根が見えます(写真右)。中央奥の小さい突起状に見えるピークが長谷川ピークです。


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5時40分:長谷川ピーク(2841m)に到着です。通ってきたルートがはっきりとわかります(写真右)。また逆の南西側は切れ落ちた絶壁になっていますが、ここに来るまでに高度感が麻痺してきているので特に恐怖心もなく、ピークに座って行動食を摂ります。ここまでは順調ですね。前後を眺めても人の気配はなく、「大キレット貸切り!」状態なので、早起きは三文の得ということになります。


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写真左が長谷川ピークを下り側から見た図です。ピークから先はナイフリッジの下りになっていて、おそらく大キレット一番の注意ポイントだと思います。特に岩が濡れていたり、風が吹くと危険度が一気に増す場所だと思いました。写真右がその全容ですがナイフリッジ状の岩場をバランス良く通過していくことになります。


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ナイフリッジの上面は、要所要所に鎖が掛けてあったり、ステップが固定されたりしていますが、不安定な場所でなおかつ落ちたら終了と言う所なので、丁寧にこなしていく必要がありますね。ここが地獄の3丁目くらいかな?


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長谷川ピークをこなし鞍部(A沢のコル)に出ますが、その先に次の地獄が待っています。「飛騨泣き」と呼ばれる岩綾帯で垂直の登りや崩落の進んだ岩場を切り返しながら高度を稼いていく場所です。右手に滝谷の岸壁を眺めながら左方向に進みます。遥か先の上部に北穂高小屋が見えてきます。あそこまで行くぜえ〜と気合が入るところです。


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飛騨泣きには、垂直の登りがありますが、ピンやステップが打ち込まれているので、基本的には鎖を使って垂直に攀じ登るだけです。岩自体のホールドもしっかりしているので冷静に登れば特に難しいことはありません。



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だいぶ高度を稼いできました。振り返るとはるか遠方に昨日登った槍ヶ岳が見えます(写真左)。進行前方には北穂高小屋が近づいてきました。地獄もだいぶ終了地点に近づきましたね。



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北穂高小屋の裏手が大キレットの出口です。天候にも恵まれて充実したキレット踏破となりました。小屋到着が7時だったので、谷底にいた時間は3時間だったのですね。その間人に会わなかったので、写真を撮ったり景色を眺めたり、地図を広げたりと、すごくリッチな時間を味わった気がしました。大キレット最高です!


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やはり印象深いのは、長谷川ピークからのナイフリッジの下りと、飛騨泣きの岩綾帯の登りですね。通常の山歩き以上に集中している自分が認識できました。 この後すぐに写真右の奥穂高岳を目指しました。大キレット後も結構な岩場です。穂高岳山荘手前の涸沢岳の登りがシビれました。



やはり、槍・穂高は日本を代表する山ですね! いろいろなルートがあるので単発で登ることもできるし、今回のように縦走で楽しむこともできます。夏休みの期間でしたが上高地の雑踏を離れ、非常に気分のよい山行になりました。 ありがとうございました。














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2016年06月25日

復帰戦:雲取山1泊(2016年6月)

 痔瘻手術からの体力回復と、その途中のふくらはぎの肉離れを治し、ようやく数日前復帰戦が実現しました。場所は、雲取山の三峰ルートです。テントを担ぎ1泊の予定で実行しました。梅雨時なのでかなりの時間雨に降られましたが、その分ゆっくりとした静かな時間を味わうことができました。以下現地の様子です。



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いつものようにこの鳥居からスタートします。この時点で雨は降っていませんでしたが、すぐにガスってきました。また復帰戦なので、正式作法(戸隠神社の作法:以前の投稿あり)にのっとり「二拝→二拍手→一拝」を行いスタートします。


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スタートして間もなく妙法ケ岳(奥宮)との分岐に出ますが、少しだけ離れたところに写真のように文字の書いてある石柱があります。写真左をよく見ると分かりますが、実はこれって昔の行き先表示盤なんです。右の写真を見ると大正11年て書いてありますから100年近く前ですね。右に登っていき雲取山へ向かいます。


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標高を上げると完全にガスに覆われました。幻想的というのか静かで良いですね。写真右は今回使用したザックのOspreyのXenith 75です(以前の投稿あり)。重量は、水、食料、カメラ全て込みで16kgありました。連チャンの縦走だと食料の重量が増えるので19kgくらいになるので、今回はこんなもんでしょう。


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こちらは今回の行動食です。2日間の山行なので量は少なめです。いつものようにセブンイレブンの粒アンパン5個入りを持ちます。アンパンを潰してフリーザーパックに入れます。アンパンは冬季でも凍らないので年間通して持っていくことが多いです。写真右は、去年の秋ころより使い始めたEnergy GELのShotzです。これは数あるGELの中でも特に優れています。アンパンもそうですが固形物だと摂取すると胃が活動し始めて体がダルくなりますが、Shotzはすぐに吸収されてなおかつ抜群のエネルギーがみなぎります。例えば急登の直前で摂取しても、登っている最中に効果が体感できます。ここ一番で頼りになるモノです。もともとはトライアスロンで開発された品物のようです。


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雲取山荘下のキャンプサイトです。テントは3年ほど前に石井スポーツで買ったG-LightXというものです。XTREK-Febricsとういう素材を使った信頼性のある軽量テントです(今も優れた素材だと思います。)本体、フライシート、ジュラのペグ9本で1.55kgです。ビールを飲み終えた頃雨が降り出し、テント内で食事です。






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翌日も雨でした。山の景色はありませんので木々たちを撮影します。雨の日も良いものです。シラビソの新芽はこのくらいしか伸びないのですね。


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雨の中無事に復帰戦完了です。登山靴は以前の投稿のようにソールを修正したScarpa Mirageです。効果確認は別途投稿します。

ありがとうございました!





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2016年03月19日

がきんちょ登山隊

 自遊人Jackは、自身の体調管理のため筑波山トレーニングをやっています。筑波山と言えば、百名山の中で、もっとも標高が低い山(877m)ですが、季節、天候を問わず登山道は安定していて周回のタイムなどを参考に自身の体調を客観的につかめるからです。今回、筑波山神社から白雲橋コースを登り、女体山、御幸ケ原を通りケーブルカー脇を神社まで戻るルートを4周(ラップ)するトレーニングをしました。しかしながら、今回の投稿のメインのお話は、そのトレーニングではなく、そのときに遭遇した「がきんちょ登山隊」のお話です。地元の保育園児の一行だと思いますが感動しました。以下に様子をお伝えいたします(2015年、12月のお話です)。


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朝6時半に筑波山神社の駐車場を出発です。1周目がスタートです。登山道の温度計は5度を指しており運動日和です。


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そして順調に周回を重ね、2周目の御幸ケ原で行動食ゲット(写真左)。3周目スタートの白雲橋コースの入り口の鳥居(写真右)です。ここまで1周2時間15分のペースで順調です。


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3周目の弁慶茶屋先の岩場の登りで奇妙な集団に遭遇です。おおっ!大量の子供達が編隊をなして登っているではありませんか!引率の先生方が何人かいるのですが、驚いたのは、子供たちの年齢です。どうみても小学校には上がっておらず、思わず引率の先生に聞いてみました。そしたら「3歳児と4歳児です。」って涼しい顔で言ってました。。。背丈以上もありそうな岩場を、各自のリュックを背負いながら、黙々と上を目指しています。集団のトップを歩いている年長の子供は、目が爛々と輝きクライマーのオーラを発していました。いやーすごい!日本の将来は明るい!って素直に思いました。


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集団の一番最後は、3歳になったばかりの子供ですかね?びぇーびぇー泣きながらも岩を登っていきます。引率の先生は、後ろからリュックを支えてあげたりしますが、手を引くことはしていません。一生懸命声をかけて応援していました。いやいや、すごい教育現場に遭遇いたしました。


当方の、4周トレーニングも無事に終わりましたが(全部でちょうど9時間の歩行)、なんと言っても「がきんちょ登山隊」に遭遇したことが最大の収穫となりました。



以下は、番外編のネタになります。筑波山神社結婚式(写真左:3周目に遭遇)。4周目終了後、土産物屋で「シイタケ」をゲット。
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筑波山も面白いですね。以上お疲れ様でした。







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2016年03月15日

氷瀑:日光庵滝(2016,1,30)

 雪の知らせを聞き、早々に日光へ向かいました。目的は雪上歩行のトレーニングなんですが、ただ歩いていても飽きるので「氷瀑:庵滝(いおりたき)」を目指しました。場所は、戦場ヶ原の赤沼車庫駐車場から戦場ヶ原の脇を進み小田代ケ原を通過し弓張峠のループの先から谷を登り詰めます。沢の終点にて氷瀑の庵滝が現れます。地図的には、白根山東側の避難小屋の直下にあたる場所ですが、降雪時期は、ルートがわかりづらいので注意が必要です。以下、現地の様子です。



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思い立ったら吉日!と日光を目指します。道路の雪も深くなり、それなりの雰囲気になってきました。


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赤沼の分岐までは、踏み跡がありましたが、湯川の橋から先はだれも入っていないようです。新雪をゆっくり味わえます。


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小田代ケ原は雪に埋もれています。「貴婦人」もじっと雪に耐えているようですね。だれもいない小田代の休憩場で一休みです。ここまでの積雪は平均して30cmくらいで、なんとか一人でラッセルを続けて歩いてこれました。


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おやっ!だれも来ないと思いきや、男女のペアが現れました。赤沼の駐車場で準備をしていたご夫婦のようです。この後、当方とご主人で交代でラッセルしていきました。いやいやご苦労さんです。


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沢を登り詰めると、なにやら青い景色が出てきます。やったぜー!庵滝(いおりたき)到着です。今年は、去年の今頃より雪が少なく、氷瀑の氷の量も若干少なめでしたが、やはりラッセルして沢を登り詰め、最後に青い氷瀑を眺めると感激します。


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全体像は、こんな感じです。滝の左手を注意深く進んでいくと、滝の内部が観れます。


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こんな感じですごいことになっていますね!頭上にも氷柱があるので要注意です。


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ご夫妻も満足している様子です。よかった、よかった!当方は、無事にトレーニングを終了し、出会いもあったので、満足して山を下ります。ではでは



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2016年03月10日

妙義山縦走(2015年11月27日)

 去年(2015年)の山行になりますが、妙義山は、ここ何年(もっと前から)ずーっと気になっていた山でした。今回ついにその計画(日帰り単独)を立てることができました。妙義神社から入り白雲山、金洞山の尾根を縦走するルートです。滑落と言うか、墜落事故の多い山なので最大限の注意と総意をもって登ることになります。天候は晴れ。ただし北風が強く吹いているので北側の岸壁と尾根は要注意でした。

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道の駅「みょうぎ」に車中泊しました。正式な登山者駐車場はかなり下なので、すぐ右手の1段高い駐車場にてお世話になりました。 この鳥居からスタートです。


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登り口に地図がありました(写真左)。山と高原地図より分かり易いですね!(写真右:1/20000)危険マークだらけの白雲山と金洞山を縦走します。ちなみに妙義山は、全部で3本の性格の違う道が通っています。一番下に舗装路があり、車の通行路となります。その上に中間道という山道が通っていて、割と安全に山歩きできるように配慮されています。一番標高の高い尾根を縦走する道が今回のルートとなりますが、一般の登山道ではなく難路(点線)として記述されているようです。


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写真左の中央奥が「大の字」です。鎖が3段ほどかけてあり、最初の度胸試しになっているようです。写真右が、その注意書きです。天気は良いのに何故か重苦しい雰囲気が始まります。


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ここが最初の関門:「奥の院」です。山と高原地図に「4連30mの鎖で滑落死亡事故数件有り」と書いてありますので冷静に行きましょう。 登り始めると(写真右)、確かに相当な高度感がありますね。しかしよく見ると途中テラスのような場所があるので休みながら登れます。あまり鎖に頼ると腕が上がるので、やはり下半身をベースにバランスを取った方が良いと思いました。


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これも結構やばいです(写真左)。濡れて足がかりの悪い箇所を通過していきます。 おやっ! 先行者を発見(写真右)。若手男女のペアの方でした。この先の「見晴」というところで少しお話し、先に行かせていただくことになりました。


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これがたぶん「ビビリ岩」(写真左)だと思いますが、亀裂の幅が肩幅より狭いので縫うように通過していきます。 おー! 尾根に出ると景色良し!(写真右)下界が良く見渡せますね。


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これって、ここ登るの?って感じです。「背びれ岩」(写真左)らしいですが、風が強く早々に通過しました。 そして順調に「大のぞき」を無事に通過しました。


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大のぞきの先で巨大な岩盤を垂直降下していきます。以外と足がかりになる場所がないので、下りは良いですが、登るのは少し腕力を使いそうですね。まあ、今回ここを登ることは考えていないので、先に進むことにします。


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タルワキ沢の分岐に出ました(写真左)。ここは北側の斜面で日当たりがなく、雪も出てきて超重苦しい雰囲気でした。いろんな霊がいるのかもしれませんね。肩がずっしり重くなりましたので。 少し行くとこんな看板が出てきました(写真右)。「自信のない人は、引き返して下さい!」と言われても、困っちゃいますね。進むも地獄、戻るも地獄のような場所なので、進むことにします。


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白雲山の最高峰「相馬岳」登頂しました! 標高1104mしかないのに、絶大な達成感です。先には、核心部の岩峰が見渡せます。あそこまで行きましょう! っと言っても、だれかいる訳ではないので一人言です。


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核心部は、どこがどのピークなのか? さっぱりわかりません。まあ、行けるとこまで行きましょう。 帰宅後、地図で確認すると、このような位置関係になっていました(写真右)。もしかしたら精度の低い部分があるかもしれませんが、ご容赦を。


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相馬岳の先も気が抜けません。ミスをしないような行動をとるしかないです。 茨尾根にでました(写真右)。ただ風が強く尾根上はなかなか落ち着けませんでした。


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「鷹戻し」の標識が出てきていよいよ核心部突入です。 目指すのはあの岩峰です!


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星穴岳らしきも見えてきました。確かに星穴に見えます。
何度となく標識が出てきます(写真右)。ザイルはないけど、なんとか通してください!と進みます。なんか、ゲームのような錯覚に陥りますが、リセットは効かないので神経を最大限集中し進んでいきます。


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かなりキテますね(写真左)。
ここからハシゴと鎖の60mの難関です。飛んでる鷹も近寄らない「鷹戻し」に突入です(写真右)。


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また看板です。了解です。鎖は放しません。 ただ連続する鎖で握力がなくなってくるので、その状態でも鎖を放すな!ってことだと思います。特に今日は、北からの突風でアオられることがあるので気が抜けません。 写真右は、鷹戻しで撮った貴重なショットです。鎖にぶら下がりながらカメラを操りなんとか撮った1枚です。強風だったので、ちと本気モードでした。


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ここがたぶん「鷹戻しの頭」だと思います(写真左)。少しだけ平坦な場所になっていますが、先に進むことにしました。写真右よりルンゼ内の下りになります。長さが長いのとオーバーハングしている場所があり、なるべく岩盤から体を離し足元の状態を見ながら降りていきます。


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途中鎖の本数が増える箇所があるのと、鎖自体の位置をずらせる場所があります。支点のしっかりした鎖を使うことと、ルートを少しでも修正し手がかり、足がかりを確認しながら降りないといけません。不用意に降りると足を踏み外してバタバタしないといけなくなります。 あそこを下ってきました(写真右)。


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雪の浅間は綺麗だけど、あまり落ち着けない雰囲気の場所に来ています。 眼下に駐車場も見えるけど、あんまりリアリティーを感じない場所ですね! 無事に下山してナンボですよね。


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ここは東岳からの下りだと思われます。なんの標識もなく、ただ鎖だけが黙って崖下に伸びているのです。 ここも鎖が「ここを降りよ!」と言っています(写真右)。


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わかったわかったから、鎖さん切れないでね。 おおっ!ここが中ノ岳かな?(写真右) 石の祠があるのでそうかもしれない。いよいよ最終局面まで到達したか?


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傾斜が緩やかになり、少しするとこの標識が(写真左)。もともと一般道ではないのに、どういうことかな?と思いながら先まで行ってみると、わかりました。ここから登山禁止の「西岳」への尾根が始まるようです。その先が「星穴岳」だと思われます。 先への好奇心はあるものの、ここまで無事に歩けたので、ここから下山ルートに入ります。 最後まで気が抜けません(写真右)。この下りは足元が凍結していて危なかったです。


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やっとこ、石門分岐にたどり着きました!ここまでくれば安心です。 ここから先の中間道は、ほとんどピクニックロードです。るんるん気分で妙義神社まで戻ります。


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神社下でおねーさんが露店を出していました。思わず「下仁田ネギ」をゲットです。 いつも食べてるネギとはルックスが違いますね!


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        やったぜー! 無事に生還です!! 恐るべし!「妙義山縦走!」。。。


 時間的には、鷹戻しの入り口まで4時間かかりました。とにかく水と行動食に気を使って、エネルギー切れによる集中力低下に注意してました。鷹戻しから石門分岐までは、集中していて時計を一度も見ませんでしたが、帰宅後、カメラの時計で確認すると1時間ほどかかったようです。中間道の戻りは1時間半くらいで、トータル6時間半の緊張が途切れない山行となりました。 山は標高だけではないことを改めて再認識いたしました。
ありがとうございました。 

posted by Jack at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 山登り
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2015年の夏で長らく勤めたサラリーマン生活に終止符を打ちました(依願早期退職)。2016年の夏に百名山を達成し、その後、残っていた3000m峰も登り、一区切りしました。現在は、さいたま市【やまざ器】にて焼き物製作販売・陶芸教室を主催中です。これからも色々なチャレンジを進めていきたいですね。
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