1.はじめに
韓国で観測史上最大規模の地震が発生して1週間余り過ぎました。現地では余震が400回に達したようです。9月19日に最大規模の余震(といってもM4.5)が発生したとのこと。今回はこのニュースをブログのネタにしたいと思います。
2.9月19日の余震のときの状況
現地の報道によると、M4.5の余震が発生したときに、震源の慶尚北道慶州市から程近い釜山市消防本部(日本の119番)には、この余震発生から30分余りで1987件の問合せ電話があったようです。その問い合わせ内容は以下のとおりです。
・今のは地震ですか?
・余震ですか?
・うちの近くの空き地はどこでしょう?
・また揺れそうですか?
問い合わせの多くは上記のような内容で、119番の通報がコールセンターのようになっていたようです。大変迷惑な話です。いたずら電話のレベルです。これでは本当に救助が必要な人が助かりませんね。
3.震源の分布
韓国のネットをみましたが、余り良さげなものがなかったので、日本の 防災科学技術研究所 の震源分布図とGoogleMAPを重ねたものを以下に示します。震源の分布ですが、9月22日から1ヶ月前までの分布図です。
日本国内は地形が隠れるほど、地震が頻発しています。今回注視頂きたいのは、大韓民国の震源の状況です。僅かですが、M5.8の地震が発生した慶尚北道慶州市から震源が西側に移動しています。西側には大邱広域市という人口250万人の大都市があります。今回で地震が収束するかどうかは判りませんが、韓国の方はいつ地震等が起きても問題がないように災害用の備品を備えておく必要がありますね。保管していた建物が崩壊してしまったら、使い物にならなくなりますが・・・。
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4.(追記)西日本新聞の興味深い記事
韓国で最大級とされた12日を含む一連の地震について、9月23日の西日本新聞に興味深い記事が掲載されていました。以下に、新聞記事の要旨を示します。
- 朝鮮半島で発生した地震について日本の研究者の見方を掲載。
- 熊本地震を引き起こしたのと同じ地殻変動が原因。
- 南海トラフ地震を引き起こすフィリピン海プレートが、九州や朝鮮半島を載せた大陸側プレートを押し込み、その力が「地震はない」とされてきた韓国に及んだという分析。
- 地殻変動は南海トラフ地震まで続く可能性があり、研究者は「西日本でも引き続き注意すべきだ」と警戒を呼び掛けている。
- 南海トラフ地震は100〜200年周期で起きている。その50年前くらいから内陸地震が起きやすくなる。
- 阪神大震災や福岡沖地震、熊本地震も一連の内陸地震と捉えており、韓国の地震も大局的にはその一つである。
- 朝鮮半島付近では1681年に日本海側でM7.5級の地震が発生、その26年後の1707年に南海トラフ沿いで日本最大級の宝永地震が起きている。
- 韓国国内で地震の原因として主流となっている東日本大震災の影響についても挙げている。同地震で東北沖のプレート間で蓄積されていた力が解放され、大陸側プレートが動きやすくなり、韓国での地震を誘発した。
- 今回の朝鮮半島の地震は、二つの要因が複合的に作用した可能性もある。
- 懸念されるのは韓国国内の原発。朝鮮半島の日本海側には月城(ウォルソン)、古里(コリ)の両原発が立地する。地震により事故が発生した場合は、日本への影響も考えられる。
出典: 西日本新聞
熊本地震が起きる前は、下記の企業誘致のサイトにも「熊本は安全地帯」、「東日本の太平洋側は危険地帯」と触れ込みの画像が掲載されていました。熊本地震発生後はこの画像が非表示となっています。どこで地震が起きるか判らない状態になってきました。正直、朝鮮半島で地震が起きたのは驚きです。
私がなぜそのように考える理由は2つです。
まず、韓国国内のインフラ、建物は耐震性がないことです。上記の記事にもあったように、原発の影響が懸念されます。
次に、南海トラフが大陸側のプレートを押し込む力が相当蓄積していることです。熊本や韓国での活断層を動かすぐらいのエネルギーが溜まっていることを示しています。もし、南海トラフで海溝型の地震が発生した場合は、想像を絶する甚大の被害を被ることが予想されます。東北と異なり、西日本の沿岸部は人口集中地区が数多くあり、工場も相当数立地しています。
津波の被害からも免れないと考えています。津波は日本沿岸だけではなく、中国、台湾、韓国等にも襲来すると考えています。特に中国は津波のエネルギーを軽減する障壁がまったくないため、中国の沿岸部の都市は津波により、壊滅的な被害を被るのではないかと危惧しています。
そうならないような努力は必要ですが、いかんせん相手は地球本体です。人の力では対策を講じることは無理と考えた方が良いと思います。
最後に、新聞記事の研究者の見方が正しければ、今後も朝鮮半島では熊本地震並みの地震が多発するのではないかと危惧しています。
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