(2018年投稿記事です。)
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艦艇開発隊を離任して、次の勤務場所である艦船補給処に着任いたしました。
艦船補給処は、全国の部隊に対する艦艇等の補給機関としての任務を持っています。
艦艇等が全力を発揮できるように、各造修補給所と連携しています。
あまり知られていない艦船補給処での仕事は大変だ!
(前回記事):『 韓国文在寅政権は2018年中に政権崩壊する可能性も! 』
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(1)造修補給所と艦船補給処は何が違うの?
海上自衛隊艦船補給処(SSD)の存在は、あまり知られていません。
図1 艦船補給処エンブレム
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/ssd/home/images/ssd_mark4.png
海上自衛隊の艦艇等の支援というと、造修補給所が艦艇との窓口になります。
業務が似ているようで、違う組織です。
1.1 造修補給所は地方隊の部隊!
海上自衛隊には、5つの造修補給所が存在します。
(大湊・横須賀・舞鶴・呉・佐世保)
図2 大湊造修補給所エンブレム
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/orsf/images/sosiki01.gif
造修補給所は、各地方総監部所属の部隊として、在籍艦艇の整備補給支援を行います。
弾薬整備補給所も同様に、各地方総監部に所属する部隊です。
1.2 艦船補給処は需給統制機関!
艦船補給処の最大の特徴は需給統制機関として、補給本部の隷下にあります。
1998年(平成10年)に、補給所が改編されて新設された組織です。
※需給統制機関とは?
装備品等について、需要と供給の統制を効果的に行うために、在庫状況の把握・所要数量の決定・管理換等の量的な統制業務及び物品番号付与等の基礎的業務を行う機関
ただ各造修補給所に対して物品等の管理権限があっても、指揮権がありません。
そのため、物品補給では業務調整」という形で行われます。
『A造修補給所にある物品を、B造修補給所に管理替えする』
これが大きな役目です。
1.3 統制品目という分類
海上自衛隊において、物品等に統制品目という補給上の管制区分があります。
・海幕統制品目
・補給本部統制品目
・補給処統制品目(艦船・航空)
・造修補給所統制品目(地方統制品目)
これらの区分により、調達・整備を所掌する区分が細かく決められています。
そのため、勝手に上位統制品を調達・修理・配分することはできません。
造修補給所は造修補給所統制品目のみ、調達整備ができます。
補給処統制品目が欲しい時は、補給処に請求をすることになります。
ここの統制品目は、結構分かり難いところがあります。
ちょっと、図解で提示してみたいと思います。
図3 需給統制品目で見た武器について
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcR1nqscaGSR6X-7dr17CJ9J-2c6yAMjJWtXIFa-HgALJGKEcnyvPA
統制品目の視点で、装備品を見ると、いろいろと入り乱れています。
これが、補給と装備の難しさです。
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(2)武器整備課の仕事は大変だぜ!
武器整備課の仕事は、艦補処統制品目の部品類などを調達・整備するのが仕事です。
また、武器補給課と連携して、部品等の請求に対する手配をしたりします。
一概に部品といっても、千差万別に物品があります。
調達では調達仕様書を作り、原価計算による入札予定価格を計算したりします。
2.1 調達・原価計算は大変だ!
装備品の調達には、原価計算方式が使われる場合があります。
理由として一般市場にて発売されない防衛装備品の場合、通常の価格計算が適用できないからです。
原価計算課がありますが、ダブルチェックの意味もあり要求元からも原価計算表による予定価格を算出して、調達要求を行います。
図4 原価計算方式図
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTyxxJokqbE-O29iR3kbRmxTA4toQxxA4d7IV6SEkid94i015hj
予定価格の算出は、結構大変なものになります。
高すぎてもダメ・安すぎてもダメというもので、原価計算には非常に気を使いました。
ちょっとでも、変な計算価格で提出しようものなら原価計算課からカミナリを落とされます。
『一番恥ずかしいことは予定価格の計算ミスによる入札不調だぞ(怒)!!』
当時の原価計算課長を含めた、原価計算課の皆様に鍛えられました・・・
2.2 米軍絡みの修理は大変だ!
艦船補給処での苦労ごとは、米軍や補給本部、海幕、防衛省ともやり取りすることです。
特に、米国産の物品が絡むと複雑です。
図5 UYK-44(米国の軍事用コンピューター)
引用URL:wiki
修理は日本の会社で実施できますが、本体ごと交換や米軍部品のやり取りは大変です。
そのため、よく海幕・防衛省に行くことがありました。
米軍がらみのFMSに悩まされる日々です。
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(3)当直士官は専決を任される重大任務!
艦船補給処の仕事では、当直士官としても仕事をします。
課業時間中は各部署で物品の管理替の判断を、部長専決事項として行います。
(管理替の権限者は艦補処長ですが、部長専決として権限が委譲されている)
しかし、課業時間外は当直士官に専決権限が与えられます。
※各部の専決事項
・計画部:艦船等の需品関係
・艦船部:艦船等の艦船部所掌品目
・武器部:艦船等の武器部所掌品目
・保管部:保管部の在庫出庫指令等
大至急必要!となると、真夜中でも当直士官が専決で管理替の手続きを行います。
3.1 海外派遣艦への出庫は時間との勝負!
特に海外派遣艦からの請求で、造補所をまたぐ場合は時間との勝負になります。
何時までに出庫して輸出手続きを行えば、どの時間の航空便に乗せられる!という判断が求められます。
とにかく時間との勝負になり、遅れれば現場での受領が何日も伸びることになります。
海外派遣艦の居場所と、時差・航空輸送便とにらめっこです。
3.2 旗持ち機関・部隊としての責任
艦船補給処は、田浦地区の先任部隊等として国旗掲揚台があります。
当直士官は、毎日朝夕の国旗掲揚・国旗降下の礼式があります。
図6 国旗掲揚
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRbNPG-V-sV4p3kLAi5Fb0kHG880EyHc_uTKIUvEfx9mvK-nfM
毎日のことですが、大事な礼式となります。
艦船補給処の国旗掲揚に合わせて、田浦バースの掃海隊の国旗掲揚があります。
(当時は第51掃海隊、現在は第1掃海隊)
号令をとちったり、失敗なんてしたら「あいつは使えん!」となります。
掃海隊からも「下手くそ〜(怒)!」と怒声が飛んできます。
意外と、艦船補給処の当直士官業務は大変です。
そんな、色々大変な艦船補給処での業務が始まりました!
さて、がんばるぞ〜!
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