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2020年02月26日

幕僚編?D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!

『闘いは前線だけじゃない、司令部でも起きているんだ!』
(2018年投稿記事です。)
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演習が始まり、敵X国の攻勢に苦闘し続けるJTF!

敵は2正面作戦を意図しているか?米軍との衝突を避けているのか?

戦況の混迷と、混乱する中で情勢判断を行い、敵の真の意図を見抜く必要があります。

反撃作戦のため、敵意図を探り作戦立案を行う幕僚達の闘いをご紹介!
(前回記事):『 ウクライナからの軍事技術移転防止政策を!
(前記事): 幕僚編?CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで・・・
(次記事) 幕僚編?E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
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(1)敵X国の意図・反撃目標の方針を見つけよ!

敵X国の攻勢が一段落して、2正面作戦の様相を呈して生きた演習です。

しかし敵X国の行動に不審な点を指摘する、,SF司令官の指揮官意図が示されました。

敵X国は、本当に2正面作戦を意図しているのか?

司令部では情勢判断を行い、判断結果から反撃作戦を計画していきます。

まずは、彼我(敵と味方)の行動結果を列挙して、情報再整理をします。

1.1 現在までの情勢結果

情勢判断を行うとき、現在までの行動結果を列挙します。

この作業は幕僚として、見落としが無いように書き出していきます。

1.1.1 敵X国の行動

・離島の占拠を継続
・水上部隊、SS(潜水艦)部隊が展開
・沖縄への航空攻撃・九州への弾道ミサイル発射
・在日米軍基地への直接攻撃は未実施


1.1.2 我(JTF)の行動

・最初の目標離島を占拠された状態
・沖縄への航空攻撃により、沖縄地上部隊が孤立状態
・弾道ミサイルにより、九州からの航空作戦能力減衰
・沖縄救出・離島奪還の2正面作戦を強いられる可能性
・沖縄もしくは離島への奪還部隊目標選定必要性あり

1.1.3 米軍の行動

・沖縄の米空軍は、制空戦闘に参加
・米海兵隊31MEUは、沖縄に健在
・CTG76(佐世保)の揚陸艦は無事であり、沖縄に弾薬輸送を希望
・CTF70は、小笠原列島東側に健在・敵SSの存在により西進阻害


1.1.4 現在の位置関係
図1 演習時の位置関係(仮想)
位置状況2.png
引用URL:http://www.gsi.go.jp/common/000087768.jpg

1.2 敵X国の意図

これらの行動情報から、敵の意図を推察していきます。
・敵X国は、2正面作戦を我(JTF)に強要する意図を作為
・敵X国は、米軍の全面介入を避けつつJTFと米軍を地理的に隔離
・2正面作戦は、敵X国の真の意図を隠す布陣
・敵X国の真の意図は、沖縄〜離島間でのJTF挟撃撃破
・米国の本格介入前に、作戦を終了させる意図


このように、敵の意図を導きだし、我(JTF)の作戦立案に役立てます

1.3 我(JTF)の行動方針
敵の意図を導きだした後、我(JTF)の行動方針と作戦方針を導き出します。

・主任務は離島奪還であることを再確認
・沖縄部隊の救出を、米軍CTF76と共同で部分作戦として実施
・敵SSの脅威を排除して、JTFとCTF70を合流、離島東側より奪還作戦実施
・作戦の前線集結・補給拠点を硫黄島に決定
・硫黄島への部隊集結行動により、敵水上部隊を誘因・分離撃破

1.4 我(JTF)の作戦方針
これらの情勢判断により、JTFは次の作戦方針を決定します。

・敵に対し、逆2正面作戦を強要
(沖縄救出を作為、さらにCTF70との合流を作為して、水上部隊撃破)
・離島奪還拠点として、硫黄島に部隊・作戦資材を集結
(敵SS部隊を誘因・撃破して、米軍西進を可能にする)
・離島奪還は東側より、米軍CTF70と共同で実施
(米軍CTF70との合流により、補給面の増強を行う)

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(2)弾薬を輸送せよ!後方の妙を見せるとき!

JTFの行動方針が決定いたしましたが、ここからさらに作戦計画の詳細を立案します。

この時、S-3(作戦)部門が作戦を立案します。

さらにS-4(後方)部門が、いかにして現実的な補給計画を用意するか、後方幕僚の手腕が問われます。

『後方活動範囲の限界が、作戦活動の限界点』
立派な作戦を立てても、後方の活動限界を無視していては、作戦が成り立ちません。

2.1 水上艦用対艦対空ミサイルを集積せよ!

後方幕僚部には、重要な役目が出てきました。
『水上艦の対艦対空ミサイルの再補給弾薬を硫黄島に集積』

作戦立案に伴い、いろんな分析が行われます。

その中で作戦分析幕僚部(S-9)と呼ばれる、軍事ORによる分析を行う部門があります。
※軍事ORについて
OR:オペレーションズ・リサーチのこと
数学的・統計モデル等を用いて、計画の効率的決定を行う科学的手法
引用文献:『軍事OR入門: 情報化時代の戦闘の科学』(飯田耕司著)

軍事ORのS-9部門から提出された作戦分析の結果、
・硫黄島集結までに、2〜3回の水上艦部隊の海戦事象発生
・3個TGを運用して、対艦攻撃・防空戦闘により多数の弾薬を消費
・硫黄島集結時、再補給をしなければ決戦時にJTF側に弾薬不足が発生

という結果が提出されました。

これに基づき、備蓄ミサイルの輸送を計画することになります。

2.2 対艦ミサイルが足りない!

後方幕僚部で輸送計画を立てたときに、ある問題が発生します。
『所要の対艦ミサイルが、必要分だけすぐに確保できない!』

対艦ミサイルといってもいろいろあります。

図2 対艦ミサイルいろいろ
191px-AGM-84_Harpoon_launched_from_USS_Leahy_(CG-16).jpg
SSM-1B.jpg

引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/pg/hayabusa/img/main_825.jpg
https://www.mhi.com/jp/company/location/nagoyaguidew/history/images/index_pic_012.png


対艦ミサイルといっても、ホントにいろいろあります。

この中でRGM-84ハープーン・SSM-1B(90式艦対艦ミサイル)などが、水上艦で使用します。

『航空用対艦ミサイルをすぐに水上艦に乗せればいいじゃないか!』
そんなことを思う方もいるかと思います。

実際、可能なことは可能ですが簡単には実施できません!

また陸自の対艦ミサイルを、すぐに水上艦に乗せられるというわけでもありません。

さらに奪還部隊の陸自補給物品も、一緒に輸送する必要があります。

海自輸送艦では、陸自部隊輸送に四苦八苦する状態です。

以前の記事で、補給艦が足りない〜!と書いた記事を実感する状態です。
(関連記事) 海上自衛隊は空母より強襲揚陸艦が欲しいのが現場の本音!

2.3 対艦ミサイルをたくさん撃ち込む必要あり!

敵水上艦に対して、対艦ミサイル1発だけで撃破できるわけではありません。

1隻に対して複数発射撃をして、ようやく撃破できます。
(敵艦からの迎撃・撃破効果には複数発の発射が必要)

色々、時間的制約などを考慮した結果
『所要の少ない水上部隊から、対艦ミサイルの一部を引き抜く!』
という荒業に出ました。

時間的余裕があれば、ミサイルを増やすこともできますが、時間優先です!
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(3)C-130Hを3機貸してください!!

何とか弾薬を確保したところで、今度は輸送手段の問題です。

当時、海自輸送機はC-130R導入前でした。

複数の対艦ミサイルを、短時間で大量に輸送するには空輸しかありません。

ということで、SF司令部に派遣されている空自連絡官のところに駆け込み、
『C-130Hを3機ほど貸して下さい!(はよ貸せやぁあああ!!)』
図3 空自C-130H
空自C-130.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/yusouki/C-130H/images/gallery/photo03.jpg
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感想(0件)


何とか(交渉?乱闘?)の末に、C-130H輸送機が3機派遣されることに!

この時海自にも、C-130Hぐらいの輸送機があれば!と思いました。
(当時、海自輸送機はYS-11のみ)

何とか、反撃作戦の計画は整った!次は行動開始だ〜!
(次記事): 幕僚編?E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
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この記事へのコメント
子猫さま、コメントありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます、リンクを修正いたしました。
Posted by 管理人 at 2021年02月17日 11:45
スミマセンが、?Dから?Eにリンクされていない様子です。?Fから?Eには戻れました。
Posted by 子猫 at 2021年02月17日 08:44
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