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2018年06月03日

赤信号、みんなで渡れば怖くない

慎重になりすぎることもあるが・・・

1961年、アメリカのキューバ侵略作戦が

失敗したときケネディ大統領は

「なぜあんなバカな決定をしてしまったのだろう」

とつぶやいたとか。

アメリカ大統領という究極のリーダーが、

優秀なスタッフをそろえたはずなのに・・・



リーダーシップ論を含め、

実践的手法を導入した 集団学力では、

手段を対象にして、

様々な実験が行われてきました。

その中に人間は集団になると勢いが

つくというものがあります。

リスキー・シフトと言われますが、

いわゆる

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」

的な実験結果です。

そのために、本来は「集団思考」と訳すべき

group thinkが「 集団浅慮

と批判を込めて訳されたりするわけです。



ジャニス 氏は『 集団浅慮の犠牲者 』でキューバ侵略ではなく、

北朝鮮侵攻、真珠湾攻撃、ベトナム戦争における

決定を事例として、

集団になると誤った決定をする可能性が

高くなると警鐘を鳴らしました。



もっとも、逆に慎重になる

コーシャス・シフトというものもあり、

一筋縄にはいきません。

個人レベルでも トバルスキー 氏と カーネマン 氏の

プロスペクト理論のように、

不確実性が意思決定バイアスをもたらすことが

知られているので、

結局、リーダーもふらふらしている?

リーダーはどんな仕事をしているのか?

リーダーはコミュニケーションに時間を割く

実際のリーダーは何をしているのでしょうか?

どうなふうに経緯戦略を練り、

どんなふうにリーダーシップを

発揮しているのでしょうか?

その疑問に、愚直に答えたのが 管理者行動論です。



経営戦略論で有名になる前、 ミンツバーグ氏 は、

5人の管理者を一週間を詳細に観察して、

マネジャーの仕事 』を著しています。

観察した結果、一つの仕事にかけられている時間が短く、

断片化していることがわかりました。

デスクワークでも平均たった16分で次の仕事に移ります。

電話は平均6分、予定外のミーティングは平均12分、

現場観察も平均11分で次の仕事に移ります。



管理者はコミュニケーションに

多くの時間を使っているのですが、

どれも受動的なレスポンスなので、

カールソン氏 は糸で操られた

パペットにたとえたほどです。

1人でオフィスに閉じこもり、

じっくり経営戦略を練る、、、

といった管理者はいなかったのです。



コッター氏 は『 ザ・ゼネラル・マネジャー 』で、

事業部長レベルの15人も管理者の活動を調べましたが、

やはり人と会って話をすることに多くを使っていました。

ただし優秀な管理者は、その中で自らの課題を

アジェンダとして描き、会社内部に協力的な

人的ネットワークを構築していたそうです。

「どんな状況にも適応しうる優れたリーダー」は存在しない

リーダーシップは条件次第

2次元で考える場合、

構造づくりを部下への配慮が

どちらも優れているのが望ましい

といったオハイヨ研究的なリーダーシップ論は、

リーダーとしてのあるべき資質を

問うているのと大差ありません。

そんなリーダーシップ研究は、

条件即応モデルの登場で一変します。



フィードラー が『 新しい管理者像の研究

に達するまでは紆余曲折ありました。

「最も苦手とする仕事仲間」についての評価をもとにした

LPC尺度を使って、
LPC・・・least preferred coworkerの略

自身も含め研究者たちがLPC得点と

集団業績との関係を探ったのですが

高LPCリーダーのほうがいい

という結果が安定しませんでした。

しかし、研究が進むにつれLPC得点と集団業績の関係が

リーダーシップ状況に依存していたことに気づきました。

これが条件即応モデルです。



つまり、普遍的に優れているリーダーシップの特性や

スタイルなどというものは、

実際には存在しなかったのです。

あるリーダーは、ある条件下で優れたリーダーでも

別の条件下ではそうではなかった、

考えてみればそのような事例は

歴史上の偉人でも身の回りの人でも

たくさん見つけることができます。

リーダーシップは、微妙な対人関係の

文脈に依存しているのです。

どんなリーダーが組織をうまく動かせるのか?

専制的なリーダーでも、短期良いなら業績はあがる

優れたリーダーとはどんなリーダーか

みんなそんな話が大好きです。

戦国時代の武将の話がビジネス誌をにぎわせ、

「リーダーシップ論」と称する某大学の人気授業では、

経営者を次々招いては、とにかく武勇伝を聞くのだとか。

実際、第二次世界大戦のころまでは

リーダーの資質が注目されていました。

それが年代になるとリーダーの資質ではなく、

リーダーシップのスタイルを科学的に研究する

リーダーシップ論がでてきます。



アメリカのミシガン大学では、

リッカート 氏が中心になって

リーダーの行動と業績に関係を調べました。

その結果、例えば、 階級階層的に上下関係でガンガンやれば、

短期的に業績は高くなっても長期では悪化し、

不満がたまり人は辞めていき

対照的に、参加的にやれば、

長期的に業績が上昇していくことがわかりました、

アメリカのオハイヨ州立大では、

部下の仕事環境を整える

構造づくりと部下への 配慮の二次元で

リーダーシップをとらえ両方とも

高いリーダーシップ行動が

良い結果につながるという、

ある意味当たり前の事がわかりました。



日本でも三隅二不二氏が集団における目標達成や

課題解決に関するP行動集団の維持に関するM行動の

両方を兼ね備えたリーダーが望ましいとする

PM理論を提唱しました。

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