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図書館で『文学界(2022年8月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙のコピーにもある通り、特集「入門書の楽しみ」、創作「絲山秋子・なんだかわからん木」に惹かれてチョイスしたのです。【文学界(2022年8月号)】雑誌、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より雑誌につきデータなし<読む前の大使寸評>表紙のコピーにもある通り、特集「入門書の楽しみ」、創作「絲山秋子・なんだかわからん木」に惹かれてチョイスしたのです。rakuten文学界(2022年8月号)入門書の愉しみ(小説)の続きを、見てみましょう。p48~49入門書の愉しみ(小説):海猫沢めろん■書くための本を読む 無知であることは、悪いことばかりではない。 読むものすべてが新鮮で、ふれるたびに自分が更新されていくような感覚は、まっさらな状態でなければ得られない。 十代のころ、初めて小説を書くとき手に取った中島梓の『小説道場』(新書館)は、白紙の状態だった私に、多くの知識をもたらした。 例えば、小説執筆の初期につまずきがちな「人称」「視点」実際に自作で書くなら・・・という例文を用いて説明してくれた。当時の私は小説指南書に触れたことがなかったため、いたく感動したことを覚えている。 POV(視点)の問題はこの手の本でとりあげられる話題の定番で、最近ではル・グウィンの『文体の舵をとれ ル・グウィンの小説教室』(フィルムアート社)でも1章割かれていたが、英文と和文はそもそも根本的に違いがある。 日本語で小説を書くなら、日本人の指南本を読んだほうが良い。その点でも、最初にこの小説道場に入門したのは正解だった。 しかし『小説道場』で感銘を受けたのは、技術的なことよりも、中島の小説に対する熱量だった。技術はいくらでも教えられる。だが他人の心に火をつけることは、同じ火を持った創作者にしかできない。 私はこの本を読むことで、初めて短い投稿作品を書くことができた。それ以来、趣味のように小説執筆にまつわる本を読んでいる。 小説にまつわるハウツー本は、大まかに、以下の4つのカテゴリに分類できると考えられる。 1 作家・創作論系 2 シナリオ・映画系 3 文法・基礎能力系 4 その他 まず1は作家が書いたもの。このジャンルのものが実践的で、いちばんオススメできる。何を読むか迷ったら、好きな作家が書いた創作論を読んでおけばまちがいない。ただし、まれに精神論だけで、あまり意味がないものもあるので気をつけたい。 続いて2は、主に構造や映像について学べる。小説と映画はジャンルがちがえど、構造という点では似た部分がある。限られた時間と予算のなかで、多くの名作を作り上げてきた映画の世界には学ぶべきことも多い。 映像に関しても言うまでもない。よほど観念的な作品でない限り、映像描写は必須であり、映画の知見は役立つ。ただし、ここには「文体」がない。 小説のキモとも言うべき文体は、それだけで1冊書ける深みがある。3に分類される「文章読本」や「文体練習」などは、何冊読んでも無駄にはならないだろう。『文学界(2022年8月号)』2:入門書の愉しみ(小説):村田紗耶香『文学界(2022年8月号)』1:「絲山秋子・なんだかわからん木」の冒頭
2023.01.07
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『タンタンの冒険 その夢と現実』(復刻)「タンタンの冒険」は、日本の漫画とは異質であるが気になるわけで・・・以下のとおり復刻してみます。***********************************************************図書館で『タンタンの冒険 その夢と現実』という大型本を手にしたのです。ぱらぱらとめくると、漫画の画面とそのシーンの元になった写真が載っているし・・・なにより丁寧な解説に好感を持つわけでおます♪【タンタンの冒険 その夢と現実】マイクル・ファー著、ムーランサール ジャパン、2002年刊<商品の説明>より本書では「タンタン、ソビエトへ」から未完成の最後の物語「タンタンとアルファアート」までの物語を 順に解説しています。 現実世界を想像の世界に取り込んだエルジェのクリエイティビティ、 完璧なものへの彼の追求など、エルジェの創作のすべてを語っています。 慎重なリサーチが もたらす各ストーリーの詳細の正確さは、エルジェの作品の大きな特長です。 実際にエルジェが参考にした資料写真とその反映されたシーンを対比させながら 解説されているので、より深く「タンタンの冒険」の世界を知る事が出来ます。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、漫画の画面とそのシーンの元になった写真が載っているし・・・なにより丁寧な解説に好感を持つわけでおます♪amazonタンタンの冒険 その夢と現実訳者の想いを「訳者あとがき」に、見てみましょう。<訳者あとがき>p204~205タンタンとエルジェと私:小野耕世 私がタンタンの生みの親、エルジェに会ったのは1972年11月3日のことだった。私はイタリアのルッカ市で開催された第8回国際コミックス=アニメ大会(LUCCA8)に、日本からの初めての代表として招待されて来ていた。 初めてタンタンのマンガを手にしたのは、1960年のことで、東京・神田の古本屋で「レッド・ラッカムの宝」の英語版(1959年にロンドンで刊行されたもの)を見つけて買ったのである。現行の版と同じハードカバーだが、背中の部分が赤色だった。 読み始めると、すぐに夢中になってしまった。こんなにおもしろく深みがあり、楽しく美しい品格のあるコミックスがあったのか。それから私は「タンタン」の英語版を次つぎと洋書店(丸善)に注文しては、届くのを楽しみにしたものだ。 この本を訳しながら、タンタン・シリーズのなかでも、この「レッド・ラッカムの宝」が最も売れていると知ったのだが、私は偶然、最も人気のある本を最初に読んだことになる。それは幸いだった。私はまっさきに、大酒飲みのハドック船長が大好きになってしまったのだから・・・。 ルッカのホテルでエルジェに会ったとき、私はあこがれの人を前にして、すっかり緊張していた。(中略) そのとき私は、手に小型カメラを持っていたのだが、なんだか恐れ多いような気がして、写真をとらせて下さいと言うことができなかった。いまにして思えば、もちろんエルジェは喜んでカメラに収まってくれたにちがいないのに。その代わり私は、スケッチブックをさしだした。 たいていの人がエルジェニサインを頼むとき、タンタンとスノーウィの絵を描いてもらうのだろうが、「ぜひ、ハドック船長もいれて描いてください」と私は頼んだ。彼は、そうしてくれた。その絵のなかでハドック船長は「コンニャローのバーロー岬!」と(フランス語で)言っている。 私はこの年の10月、東京からまずサンフランシスコに行き、1960年代の末から70年代初めにかけて西海岸を中心に盛んだったアンダーグラウンド・コミックスの旗手ロバート・クラムに会っていた。クラムは最新作のマンガ「フリッツ・ザ・キャット」の原画16ページ分を私に託してくれた。それで私は、さらにニューヨーク、ロンドン、パリ、バルセロナをまわってルッカに至る旅のあいだ、ずっとその16枚の原稿をスーツケースにいれていた。 その話を私がすると、エルジェは身をのりだすようにした「その原稿、いま持っているのかね?」「持っています」「見せてくれないかね?」「もちろんですとも」私はすぐに原画をとりだして、エルジェに渡した。彼は1枚1枚、ゆっくりと目を通していった。「おもしろいね。実におもしろい」と彼はつぶやいた。「クラムは偉大だね。すばらしいよ。いいねえ」。 私はエルジェの反応に感激していた。タンタンのマンガとクラムのいわゆるとは、いわば正反対の描法である。エルジェは保守的だと批判されていたという話も、私は読んだことがあった。そのエルジェが、新しい価値観をひっさげて登場した時代の最先端を行くロバート・クラムのマンガに目を輝かせている・・・。 ああ、そうだ、これが本当のエルジェなのだと、私はそのときさとったのだった。『タンタンの冒険 その夢と現実』5:訳者あとがき『タンタンの冒険 その夢と現実』4:紅海のサメ『タンタンの冒険 その夢と現実』3:燃える水の国『タンタンの冒険 その夢と現実』2:金のはさみのカニ『タンタンの冒険 その夢と現実』1:青い蓮
2023.01.06
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり左義長この本で、小寒のあたりを見てみましょう。和暦p4<小寒>大晦日と新年の行事があり、夜長短日の節気 「小寒」は、現行の暦では1月6日ころ、第1日目を迎え、大寒(1月21日ころ)に入る前日までをいう。またこの日から「立春」の前日までは「寒」であり、「寒の入り」「寒中」「寒の内」とも言われる。さらに、1月17日~2月3日は「寒土用」になる。「冬土用」ともいう。 冬の寒さがいちばん厳しい時期となる。寒に入ると、「寒中見舞い」が出される。もちろん、寒中見舞いは「寒」が明けないうちに出すのがマナーだ。 寒中の寒さについて『暦便覧』には「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」と説明している。 小寒に入ったころは、まだ「松の内」の地域も多く、街の雰囲気も正月の雰囲気が残されている。 行事としては、1月7日の七草粥、新年の松飾りや注連飾り(しめかざり)などを焼く「左義長」、「どんど焼き」(14~15日)などの行事が続く。 小寒の期間の七十二候は、次の通り。 初候「芹乃栄(せりすなわちさかう)」芹がよく生育する。 次候「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」地中で凍った泉が動き始める。 末候「雉始啼(きじはじめてなく)」雄の雉が鳴き始める。二十四節季の冬至に注目(復刻2)二十四節季の冬至に注目(復刻)二十四節季の大雪に注目(復刻)
2023.01.06
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図書館で『朝鮮戦争を戦った日本人』という本を、手にしたのです。朝鮮戦争といえば、ソ連と金日成が組んで韓国に侵攻したという認識であるが・・・我らベビーブーマーの父親世代が掃海など米軍の下働き、特需で関わった日本人もいたようで、興味深いのです。【朝鮮戦争を戦った日本人】藤原和樹著、NHK出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より発見されたのは、米軍とともに朝鮮半島で行動した日本人たちの尋問記録。日本人が地上戦に参加していた事実が公文書によって初めて明らかになったー。極秘尋問記録を読み解き戦争協力の真実に迫る!<読む前の大使寸評>朝鮮戦争といえば、ソ連と金日成が組んで韓国に侵攻したという認識であるが・・・我らベビーブーマーの父親世代が掃海など米軍の下働き、特需で関わった日本人もいたようで、興味深いのです。rakuten朝鮮戦争を戦った日本人第4章で朝鮮特需が語られているので、見てみましょう。P187~189<日本の独立と朝鮮特需>「精神的に協力する」という控えめな態度とは裏腹に、アメリカに協力を惜しまなかった日本政府。先に紹介した吉田の施政方針演説とその後の答弁に象徴されるように、政府は難しい舵取りを迫られていた。 マイケル・シャラーは、アメリカの要請を拒めば、日本の独立は厳しい状況に追い込まれていただろうと指摘する。「アメリカは、日本が安全保障条約の締結、広範囲に存在する米軍基地、そして日本国内における限られた再軍備を認めることが、和平調停に合意する条件だと考えていました。日本はアメリカに歩調を合わせる以外、短期的に選べる選択肢はほとんどなく、少なくともそれが占領の正式な終結が得られる唯一の方法でした」 吉田内閣は、1950年7月4日、閣議で行政措置の範囲内において朝鮮戦争に協力する方針を決めていた。国連軍が結成される3日前、吉田首相が朝鮮戦争に対しての立場を表明する約10日前のことだ。「行政措置の範囲内」での協力とは、「日本商船による韓国向け輸送、国内交通・通信網、特定労働者の超過勤務対策」とされる。 米軍にとって最も大きな意味を持っていた日本の戦争協力の1つが、海上輸送である。米軍が兵隊や武器の輸送に使っていた、LST。乗員の6割が日本人で占められ、その運航は日本人によって賄われていた。 こうした日本の民間協力は、アメリカの戦争遂行において欠かせないものだった。ウィリアム・J・シーボルト元GHQ外交局長、そして前述のマーフィー駐日大使、二人の回想を紹介しよう。 日本は、韓国における国連の活動に同情し、完全に協力的だった。そして政府も国民もともに、情勢の要求するままに十分に応えてくれた(ウィリアム・J・シーボルト) 日本人は、驚くべき速さで、彼らの四つの島を一つの巨大な補給倉庫に変えてしまった。このことがなかったならば、朝鮮戦争は戦うことはできなかったはずである(ロバート・マーフィー) 朝鮮戦争開戦の翌年1951年9月8日、サンフランシスコ講和条約が締結。同日結ばれた日米安保条約によって、独立後も日本国内に米軍が配備され続けることとなった。 一方、日本にはいわゆる、朝鮮特需がもたらされた。まずは、狭義の特需。日本企業が米軍から受けた発注は、「朝鮮戦争3年間の累計は約10億ドル」に上り、その内訳は「70%が物資調達で、残り30%がサービス調達」である。 さらに、休養中の国連軍の国内消費や外国関係機関への支出など、広義の特需は「戦争中の3年間の累計額は約24億ドルであった。これはアメリカの戦後の対日経済援助累計総額が約30億ドルであったことを鑑みれば、大変な金額であった」。 シャラーは、日本経済の対米依存について次のように語る。「朝鮮戦争の間、対日経済援助は大幅に増えていました。金額で言えば、1945年からの5年間よりも、1950年からの3年間のほうが多くなっていたのです。朝鮮戦争改選前は食糧や医療品などの人道支援が中心でしたが、朝鮮戦争中はそれに加え、工業製品などの製造を日本に発注するようになりました。このような取引は、日本政府にとって魅力的で、日本人の戦争協力の実態から目を背けていたのだと思います。日本はあまりに多くのものを朝鮮戦争から得ていたのです」。
2023.01.05
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<鳥の本あれこれR13>『カラスの早起き、スズメの寝坊』という新書を借りて読んでいるのだが…鳥に関する本をわりと読んできたので、並べてみます。・電柱鳥類学(2020年刊)・鳥マニアックス(2019年刊)・目からウロコの自然観察(2018年刊)・にっぽんツバメ便り(2018年刊)・トリノトリビア(2018年刊)・ナショナルジオグラフィック2018年シリーズ(2018年刊)・小鳥 飛翔の科学(2017年刊)・鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(2017年刊)・にっぽんスズメしぐさ(2017年刊)・鳥の話(2017年刊)・ハトはなぜ首を振って歩くのか(2015年刊)・小川洋子『ことり』(2012年刊)・鳥あそび(2011年刊)・里山の野鳥ハンドブック(2011年刊)・ソロモンの指環(2006年刊)・野山の鳥 観察ガイド(2004年刊)・カラスの早起き、スズメの寝坊(2002年刊)・鳥のいる空(2001年刊)・バードウォッチング(1987年刊)R13:『目からウロコの自然観察』『鳥マニアックス』を追記<『電柱鳥類学』2>図書館で予約していた『電柱鳥類学』という本を待つこと10日ほどでゲットしたのです。おお 鳥類といえば・・・スズメ、ウグイス、デイノニクスなど、大使のツボがうずくのです。【電柱鳥類学】三上修著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より電柱といえば鳥、電線といえば鳥。でも、そこで何をしているの? カラスは「はじっこ派」? 感電しないのはなぜ?――電柱や電線の鳥に注目したら見えてきた、その知られざる生態、電柱・電線の意外な姿、電力会社と鳥たちの終わりなき知恵比べ。あなたの街にもきっとある、鳥と電柱、そして人のささやかなつながりを、第一人者が描き出す。<読む前の大使寸評>おお 鳥類といえば・・・スズメ、ウグイス、デイノニクスなど、大使のツボがうずくのです。<図書館予約:(3/10予約、3/21受取)>rakuten電柱鳥類学【鳥マニアックス】松原始著、カンゼン、2019年刊<「BOOK」データベース>より人間の偉大な創造は妄想×試行錯誤の賜物だったー鳥からひもとく身近な科学技術。【目次】1 鳥×テクノロジーーこんなところに鳥と工学(鳥とヒコーキ/鳥と二本足/羽毛と悲劇/鳥と新幹線)/2 鳥×メカニズムー鳥の体と行動学(鳥とナビゲーション/鳥とセンサー/鳥とテーブルマナー)/3 鳥×ビヘイビアー鳥は何を考える(鏡よ鏡/鳥を捕まえる/鳥と闘争)/巻末企画1 鳥マニア的BOOK&FILMガイド/巻末企画2 鳥マニア的「この人に会いたい!」スペシャルインタビュー 松本零士(漫画家)<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、各チャプターのテーマが興味深いのです。京大卒の著者は、カラス研究の権威者のようで・・・鳥からひもとく身近な科学技術がええでぇ♪rakuten鳥マニアックス【目からウロコの自然観察】唐沢孝一著、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか?アカメガシワの新芽はどうして赤いのか?百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか?ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか?秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか?見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。<読む前の大使寸評>暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。rakuten目からウロコの自然観察『目からウロコの自然観察』2:スズメのねぐら『目からウロコの自然観察』1:ツバメのねぐら入り【にっぽんツバメ便り】宮本桂×ポンプラボ著、カンゼン、2018年刊<出版社>より日本に春を告げるいちばん身近な渡り鳥「ツバメ」身近だけど、意外と知らないツバメのかわいい姿と生態を紹介!意外とまじまじと見ることのできないツバメの姿を多彩な写真で紹介。<読む前の大使寸評>全ペ-ジにわたってカラー写真満載のビジュアル版で・・・ええでぇ♪rakutenにっぽんツバメ便り『にっぽんツバメ便り』1:ツバメの基本『にっぽんツバメ便り』2:ツバメが愛されてきた理由『にっぽんツバメ便り』3:ツバメとのつき合い方以降は鳥の本あれこれを参照ください。
2023.01.05
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図書館で『60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳』という本を、手にしたのです。ウクライナ侵攻で吹き荒れる昨今、領土問題の変化を見てみようと思うのです。【60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳】関眞興編著、山川出版社、2021年刊<「BOOK」データベース>より植民地の独立、地域紛争、宗教戦争、交通網の発達ー新旧の地図を並べて現代世界の変化を体感する!国名、領土の変化にまつわる事件や戦争、領土問題、民族問題などを地図の変化とともに解説、現代史への理解も同時に深まる。変遷がひと目でわかる国名一覧付き!<読む前の大使寸評>ウクライナ侵攻で吹き荒れる昨今、領土問題の変化を見てみようと思うのです。rakuten60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳まず、ロシア周辺あたりを、見てみましょう。P78<ロシアと旧ソ連邦地域> ソ連崩壊後、旧ソ連邦の多くの国で民族問題が頻発している。そこからも現ロシアと革命以前のロシア帝国とのつながりがリアルに浮かび上がってくる。■ソ連の崩壊と「共和国」 新旧2枚の地図で見られる変化では、ロシア周辺がダントツだ。バルト海奥のエストニアからカフカス山脈南部のジョージア、中央アジアのカザフスタン、キルギスまで新しい国家が並んでいる。いずれもロシア帝国以来、ロシアが支配下に組み入れてきた地域だ。ただし、ロシア共和国の中央部、ウラル山脈からさらに東方地域はほとんど変わりない。 1917年に成立したロシアの革命政府は、ロシア帝国から連続する支配を正当化するため、支配地に「ソビエト社会主義共和国」をつくらせ、ロシアを中心にした15の共和国の連邦体であるソ連をつくった。62年版の地図にある黒文字で示されている「共和国」はすべてそれである。 現在の地図では、ほかの独立国同様に赤文字になっている(ただし、共和国が付いてない国がある)。 そんななかで、白ロシア(ベロルシア)はベラルーシに表記が変わっている。前者はロシア語、後者はベラルーシ語による発音の違いによる。頭の「白」は、かつてモンゴルが襲来した頃、ロシアの地域を黒ルーシ、ウクライナの辺りを赤ルーシ、ベラルーシの辺りを白ルーシといったからという。赤と黒は消えて白だけが残ったことになる。 元ソ連の共和国に共通して出てくる問題が、現在のウクライナに集約されている。2014年、ロシアはウクライナ領だったクリム(クリミア)半島を占領し、ロシア領とした。この結果は地図には反映されていない。ケルチ海峡にロシアとウクライナの国境線が惹かれているが、今後、国際的に認められればクリム半島がロシア領になる。 このような問題が出てくる背景にはソ連時代の民族政策がある。のちに紹介するが、ウクライナの地図を凝視しておいてもらいたい。■コーカサスから中央アジア コーカサス(ロシア語ではカフカス)地方を見てみる。カフカス山脈は黒海とカスピ海の間に横たわり、アジアとヨーロッパの境といわれてきた。5000m級の山もあり峻厳で、地形が入り組んでいることもあり、周辺国家で迫害された人々が逃亡してきた結果、民族構成は複雑だ。 この山脈の南部にはソ連から独立したジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンがあり、それぞれ3民族を中心に居住地などをめぐって問題が起きている。とくにジョージアの場合、コーカサス北部のロシア領内の民族との関係が複雑になり、対立が続いている。この点からも改めてロシア共和国とロシア帝国の類似性が認識される。 さらに目を東に転じると旧カザフ(カザック)共和国に5つの新国家が生まれている。一番広いカザフスタンから反時計回りにウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスが並んでいる。これらの諸国とロシアの関係は微妙で、アフガニスタン問題を機に、アメリカとの関係を密接にする国もある。 アラル海はかつて世界第4位の面積を有していたが、1950年代から始まったソ連の農業政策で周囲に縦横無尽に運河が掘られ、周辺では綿花や水稲栽培が可能になった。しかしこの結果、アラル海への流入量が著しく低下し、かつ蒸発によって塩湖化し、消滅しつつある。人間による自然破壊の最悪の例になる。
2023.01.04
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図書館で『文学界(2022年8月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙のコピーにもある通り、特集「入門書の楽しみ」、創作「絲山秋子・なんだかわからん木」に惹かれてチョイスしたのです。【文学界(2022年8月号)】雑誌、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より雑誌につきデータなし<読む前の大使寸評>表紙のコピーにもある通り、特集「入門書の楽しみ」、創作「絲山秋子・なんだかわからん木」に惹かれてチョイスしたのです。rakuten文学界(2022年8月号)村田さんが『書く人はここで躓く!』に出会ったあたりを、見てみましょう。p40~41入門書の愉しみ(小説):村田紗耶香『書く人はここで躓く!』に出会ったのは、大学生の頃、小説を書きたいけれどどうしても書けなくなっていた時期でした。小学生の時から小説を書いていましたが、高校の時に全く書けなくなってしまったんです。環境が変わって友達がたくさんできたこともあるんですが、山田詠美さんの小説を読んで純文学を描いてみたいと思うよになり、自分の文体が欲しいという欲望が強くなりすぎて・・・。いきなり理想の文章が書けるわけがないのに、過剰に文章を装飾したりして、こんなのは違うと全部削除してしまうの繰り返しでした。 大学では芸術の勉強ができる学部に進学したのですが、そこでも書けるようになりませんでした。書けない時間は自分の中の理想の小説だけがどんどん膨れ上がっていくので、そことどんどん乖離していくのがとても怖かったです。そんな時に、他しか神保町の三省堂にふらっと行って見つけたのが『書く人はここで躓く!』でした。 私にとって、そもそも“小説家になるための本”はとても苦しいものでした。中学生の時に小説家になるために小説を書こうとしたことがあって、そのとき自分が小説を汚したという感覚を強く抱いて、すごく辛かったんです。当時の私にとって、今でもそうですが、小説は私にとって最後にたどり着いた唯一の教会のような意味を持っていたので・・・。なので本屋さんでそういうコーナーを見ただけでトイレに駆け込んで吐いてしまうくらいでした。 ですが、出版されたばかりで平積みされていた『書く人はここで躓く!』をたまたま見つけて、手に取りました。 まずタイトルが、小説家志望の人に向けてではなく、書く人間、書いている状態の人間に向けていると感じ、惹かれました。ぱらぱらとページをめくってみると、著者が小説について考えていること、実際に自分でやっていることをすごく誠実に書いていらっしゃるように思えて、買って帰りました。 家で「まえがき」を読んだら、実際に小説を書いている中で悩んでいる人に向けた本だということが書いてありました。書き手を見下ろさず、尊重していることが感じられて、こんな言葉を書いた方にお会いしたいと思いました。本に著者の宮原昭夫先生が横浜文学学校で教えていらっしゃると書いてあり、すぐに電話をして講座に通い始めました。 デビュー前に書いた作品は二作しかないのですが、横浜文学学校で最初に書いた「妖精の唇」はこの本を読みながら、本当にその通りに書いていきました。受賞作の「授乳」もそうだったと思います。とにかくシーンを書いてみる。そのシーンを眺めて、これは一体何なのだろう、と考える。そこからノートの中に設定とシーンを重ねていきました。 小説と作者の意図を建築と足場の関係に喩えられているのですが、書いたシーンを少し寝かせてからもう一度監督の目で眺め、組み直し、足場を外して作り直す。何度も推敲し、それでも訳の分からないことが起きた時は、小説の奴隷になって、小説をコントロールしようとしない。 これは私の言い方ですが、自分にとって小説を書くことは、水槽の中に色々なものを入れて化学変化が起きるようにして、それを忠実に小説に書き留めるということだと感じています。 宮原先生は「村田さんは、僕が教えたことを全部無視した書き方ですよね」と飲み会で冗談まじりにおっしゃっていたのですが、自分では本当に、宮原先生の小説の書き方を今でも忠実に実行しているつもりです。 何度も何度も読み直しているのですが、付箋を貼っているところは自分に刻みつけたくて特に読み返しました。例えば、小説を支える「二種類の想像力」が大事だということ。着想力だけではなく、作品の中で化学変化みたいなものが起きて、この作品だけではなく、この作品だけの展開が起きる、展開力が必要だということ。 細部について書いてある「フィクションの神は細部で罰したまう」というところはいまだに耳が痛いです。神が宿るのは事実の細部であるという言葉は、いつも自分をじっと見ている気がします。「手記と小説はどう違うか」というところでは、筆者と読者を料理店のシェフと客に喩えていて、すごく納得しました。授業ではバーテンダーだとしたら小説をどんなカクテルにして出すか、ということを繰り返しおっしゃっていました。 バーテンダー自らが酔っ払ってはいけない。泣きながら書いた小説は、酔っ払ったバーテンダーが作ったカクテルですよねともおっしゃっていて、学生の時は泣きながら書いたこともあるので本当に耳が痛かったです。『文学界(2022年8月号)』1:「絲山秋子・なんだかわからん木」の冒頭
2023.01.04
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<NHK 「拾われた男」>松尾諭の自伝風マンガというふれ込みであるが・・・NHKらしくない奇妙な展開がええでぇ♪・・・私のテレビは録画機能なしなので、せめて日記に作品データでも残しておくか。NHK 『拾われた男』より金なし、美貌もなし、ただ「俳優になりたい」夢だけがあった男が、人に“拾われる”力を手に俳優道を駆け上がり、かつて”捨てた”兄を救いに憧れの地・アメリカへ飛ぶ!原作・松尾諭(俳優)×脚本・足立紳×主演・仲野太賀で贈る、人生の可笑しみ溢れるヒューマン・コメディ。<出演者・キャストほか>・松戸諭(仲野太賀)・松戸武志(草彅剛)・比嘉結(伊藤沙莉)・山村社長(薬師丸ひろ子)このドラマでは比嘉結を演じた伊藤沙莉が忘れ難いのだが・・・今後、伊藤沙莉をフォローしようではないか。松尾諭さん「拾われた男」インタビューが面白いので、紹介します。
2023.01.03
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図書館で『語源でひもとく西洋思想史』という本を、手にしたのです。【語源でひもとく西洋思想史】渡部昇一著、海竜社、2020年刊<「BOOK」データベース>より「王」と「皇帝」その違いは?言葉の生い立ちをたどれば、人間の思想の歴史がわかる!【目次】第1章 「運命」-この神秘的なるもの/第2章 「男と女」-心動かされる、謎の存在/第3章 「奇跡」-驚くべき不思議現象/第4章 「税」-いつの世も、東西問わず問題の火種/第5章 「霊魂」-その存在を信じるか、信じないか/第6章 「王と皇帝」-その違いは何か<読む前の大使寸評>追って記入rakuten語源でひもとく西洋思想史ややナショナリストの著者が日中の王様を語っているので、見てみましょう。p263~265第6章「王と皇帝」その違いは何か■中華文明圏の皇帝と日本の天皇はどちらが上位か「帝」と「王」との関係で最も注目すべき文献には、推古天皇の時代に、日本と隋の煬帝の間に取り交わされたものだろう。この時、聖徳太子は摂政だった。この聖徳太子に遣隋大使として派遣されることになった小野妹子は鞍作福利を通訳として、推古天皇の15(607)年7月3日に日本を出発した。この時のことは『隋書』に次のように描かれている。煬帝の大業3年に日本の王の多利思比孤が朝貢にやってきて国書を出した。 そこには「日出ズル處ノ天子、書ヲ日没スル處ノ天子ニ致ス、恙(つつが)ナキヤ」とあったので隋の皇帝は「之ヲ覧テ喜バズ。鴻臚卿ニ謂ッテ曰ク、礬夷ノ書ニ無禮ナル者アリ。復モッテ聞クナカレ」と書いてある。 つまり、小野妹子の持ってきた国書に、日本の天皇のことを「日出国の天子」と書いてあり、隋の皇帝のことを「日没する国の天子」と対等に書いてあるのを見て、煬帝は機嫌を悪くして、「野蛮人の国書には無礼なことが書いてあるから、二度と相手にするな」と賓客接待の大臣に言ったということだ。 小野妹子のことを「其王多利思比孤」と書いたのは、彼を東夷から来た「王」だと思ったのだろう。「多利思比孤」というのは、小野妹子の祖先が「天帯彦国押人命」だったので、その「帯彦」の部分だけを使ったものだろう。これが、日本が出した国書について、隋の正史に残っている記録だ。 ところで、帰国する小野妹子と一緒に来た裴世清が持ってきた隋からの国書には、日本の天皇について「倭皇」と呼んでいる。さすがに「帝」とは呼ばなかったが、「王」ではない。隋の煬帝といえば、シナ全土を統一した上に、長江と黄河を結ぶ大運河を建設したり、あるいは西域、ベトナムにまで遠征した大征服者だ。その煬帝をしても、日本の天皇を「王」とは呼べなかった。つまり自分の下に置くことができなかった。 裴世清が持ってきた国書については『日本書紀』の推古天皇の16年に「東天皇敬白西皇帝」と書かれている。書き下し文にすると「東ノ天皇敬ミテ西ノ皇帝に自ス」となるのだという。これはどういうことかというと、中華文明圏の皇帝と日本の天皇は対等の地位で国書を交換したということだろう。これは日本史の上でも大書すべきことだと思う。『語源でひもとく西洋思想史』1:語源学は「イメージの考古学」
2023.01.03
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図書館で『語源でひもとく西洋思想史』という本を、手にしたのです。【語源でひもとく西洋思想史】渡部昇一著、海竜社、2020年刊<「BOOK」データベース>より「王」と「皇帝」その違いは?言葉の生い立ちをたどれば、人間の思想の歴史がわかる!【目次】第1章 「運命」-この神秘的なるもの/第2章 「男と女」-心動かされる、謎の存在/第3章 「奇跡」-驚くべき不思議現象/第4章 「税」-いつの世も、東西問わず問題の火種/第5章 「霊魂」-その存在を信じるか、信じないか/第6章 「王と皇帝」-その違いは何か<読む前の大使寸評>追って記入rakuten語源でひもとく西洋思想史先ず「まえがき」を、見てみましょう。まえがき 語源学は「イメージの考古学」である 「生きる」と「息する」は同じ語源の言葉であることは誰にでも納得できることであろう。しかし普段は「生」と「息」という漢字を使うので同じ起源の言葉であることを意識しないでいるのである。 しかし「いきる」と「いきする」が同じ語源の言葉であることを考えてみると、太古の日本人が、「生命」と「呼吸」との関係についてどう考えていたかがなまなましく理解されるのではないだろうか。また「日」と「火」は上代の日本語ではF音の甲類と乙類の差があるとされるが、語尾の微妙な変化で同一語源の意味が分化することは比較言語学的にも認められることで、「ホカッと暖かい」とか「ポッポと燃える」という擬声語から、「日」も「火」も暖かいとか熱(暑)いとかいう原義で出来たと考えられる。 それは英語の本(book)の語源が、それと同じ語源のドイツ語ブーフ(Buch)と同じく、「ぶなの木」を意味するブーヘ(Buche)から出ているのと同じ造語法である。元来、「本」は「ぶなの木」の板に文字を書いたことからできたのである。 語源はこのように古代人がイメージしていたことを、数千年もさかのぼって知ろうとする学問である。私は語源学を「イメージの考古学」だと言うことにしている。古代人が、霊魂とか運命とかいうものを最初にどうイメージしてその言葉を作ったのだろうか。それを理解することによって、古代人の人生観や世界観をある程度推測しうるし、その言葉を使ってその後に発展してきた思想や哲学を理解するヒントにもなるのではないだろうか。つまり「語源と哲学」とか「語源と思想」というものが考えられるのではないだろうか。 こんなふうに考えるようになったのは、私の中に哲学と語源に対する興味を植えつけてくださった恩師たちがおられたからであると、喜寿を過ぎた今、感謝の念を新たにしている次第である。
2023.01.02
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図書館で『目からウロコの自然観察』という新書を、手にしたのです。暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。【目からウロコの自然観察】唐沢孝一著、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか?アカメガシワの新芽はどうして赤いのか?百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか?ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか?秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか?見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。<読む前の大使寸評>暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。rakuten目からウロコの自然観察お次はスズメのねぐらを、見てみましょう。p138~141秋13「スズメの集団ねぐら、単独ねぐら」 野鳥は、夜をどこでどのように過ごすのだろうか。体1つであらゆる困難に向き合わねばならない野鳥の生活は厳しいものがある。 スズメのねぐらは、群で夜を過ごす集団ねぐらと1羽で夜を過ごす単独ねぐらとがある。9月中旬~10月は、スズメの集団ねぐらが最盛期を迎えると同時に、街中では単独ねぐらも見られるようになる。 ■スズメの集団ねぐら スズメの集団ねぐらは駅前や交差点などの街路樹を利用することが多い。人通りが多く夜間も明るいので、ヘビや猛禽が近づきにくいというメリットがある。秋の日の夕方、頭上で賑やかなスズメの鳴き声を耳にしたら、歩を止めて見上げてみよう。 JR市川駅近くのケヤキ並木では、9月中旬の最盛期には約7000羽ものスズメが観察された。(中略) 日没前後のわずか40~50分間に、数十羽の群が次々とケヤキの枝に飛び込んでくる。スズメの大部分は当年生まれの若鳥であり、秋~冬には多くの試練が待っていた。 その1つがビルのガラスへの激突死であり、1日に1~2羽が犠牲になった。落下したスズメをハシブトガラスがくわえてビルの屋上へと運んでいく。暴風雨の翌朝には濡れて冷たくなったスズメが何羽も歩道に落ちていた。そして最大のピンチは2月の吹雪の夜であった。数はさらに減少し、3月末に50羽、4月上旬には24羽となった。大半は飢えと寒さで死亡したか、他所へ移動したと考えられる。■スズメの単独ねぐら 集団ねぐらが若鳥などの非繁殖個体であるのに対し、繁殖に参加する成鳥は単独ねぐらをとる。市街地の建物などの狭い隙間に、人目を避けるようにもぐり込むため、見つけるのは一苦労である。 筆者がこれまでに見つけた単独ねぐらは、ビル外壁の文字盤の裏側、瓦屋根の隙間、建物外壁の排気口、通信線のカバー、電柱の腕金、巣箱、樹洞などである。いずれも閉鎖された狭い空間である。集団ねぐらが吹き曝しの小枝であるのに対し、保温性にすぐれ、天敵にも見つかりにくい。 英語では樹木の枝などのねぐらをルースト(roost、外ねぐら)、屋根の隙間や巣箱などのねぐらをドミトリー(Ðormitory、部屋ねぐら)として区分している。スズメの集団ねぐらはルーストであり、単独ねぐらはドミトリーである。ウーム 若鳥にとっては過酷な冬が待っているわけか・・・でも危機を脱すれば知恵がついて、単独ねぐらに移行するようですね。『にっぽんスズメしぐさ』という本がお薦めです。【にっぽんスズメしぐさ】中野さとる著、カンゼン、2017年刊<「BOOK」データベース>より一羽で、仲間たちとースズメたちの毎日を凝縮!スズメたちの愛らしい姿がもっと楽しめる!大好評のスズメ写真集シリーズ第2弾が登場!『きょうのスー』マツダユカさん描きおろし作も収録!<読む前の大使寸評>おお スズメの写真が、可愛いいやんけ♪昨今は駅前広場のハトやスズメを親しく眺めているが・・・典型的な老人風景を呈しています。rakutenにっぽんスズメしぐさ『目からウロコの自然観察』1:ツバメのねぐら入り
2023.01.02
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図書館で『目からウロコの自然観察』という新書を、手にしたのです。暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。【目からウロコの自然観察】唐沢孝一著、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか?アカメガシワの新芽はどうして赤いのか?百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか?ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか?秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか?見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。<読む前の大使寸評>暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。rakuten目からウロコの自然観察「ツバメの生きざま」に関心があるので、先ずツバメを、見てみましょう。p87~90夏8「数千羽のツバメのねぐら入り」 街中で繁殖を終えたツバメは、秋に南国に渡るまでどこでどんな生活をしているのだろうか。まだわからないことが多いのだが、7~8月の夕方、ヨシ原などに集まり集団ねぐらをとることがわかっている。数千、数万の大群が上空を乱舞し、一斉にねぐらに入るシ-ンは壮観である。■ツバメのねぐら入り観察会 ねぐら入りの見頃は、関東地方では7月下旬~8月下旬。時刻は日没前後の約30分である。場所は河川や湖沼のヨシ原である。毎年、ほぼ同じヨシ原を利用するが、年によって場所を変えることもある。また、ヨシ原はアクセスが悪く、しかも薄暮の時間帯なので、現地に詳しい人に案内してもらうか、日本野鳥の会支部などが主催する「ツバメのねぐら入り観察会」に参加することをお勧めしたい。 ちなみに、関東地方の観察地としては、渡良瀬遊水地、多々良沼(群馬県)、芝川第一調節地(さいたま市)、多摩川中流域(府中市)、境川遊水地公園(横浜市)、談合坂サービスエリア(山梨県上野原市)などがある。■談合坂サービスエリアのツバメ ツバメの集団ねぐらは、大部分はヨシ原である。ところが、中央自動車道の談合坂サービスエリアの場合は、売店やトイレなどの前にあるケヤキをねぐらとして利用する。木の下は明るく、人や車が頻繁に移動している。ケヤキの木の真下から枝で眠るツバメをじっくり観察できる。(中略)■ツバメはどこから飛来するのか? 談合坂SAは標高410m、山々に囲まれた中にある。ツバメはいったいどこから飛んでくるのだろうか。朝比奈邦路氏と談合坂SAを取り巻く山梨県から神奈川県の山村集落を見て回り、ツバメの1日の生活を次のように推測してみた。 早朝にねぐらを飛び立ったツバメは、各地の山村集落に分散し、その周辺で日中を過ごす。午後3時ころに集落の伝染などに集合し150~400羽の群を形成する。こうした群が各地で形成され、午後5、6時には、ねぐら近くの大野貯水池(ダム)などに終結する。貯水池に沿った電線に千数百羽のツバメが並ぶこともある。水浴し、休息をとり、日没前後に談合坂SAにねぐら入りする、というものだ。 1万羽近い大集団は、いったいどこから集まってきたものか、日中はどこまで分散するのか、また、談合坂SAのようにツバメが樹木でねぐらをとるようになったのにはどんな事情があったのだろうか。興味はつきない。以前に読んだ『にっぽんツバメ便り』という本から、以下紹介します。『にっぽんツバメ便り』1:ツバメの基本『にっぽんツバメ便り』2:ツバメが愛されてきた理由『にっぽんツバメ便り』3:ツバメとのつき合い方
2023.01.01
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明けましておめでとうございます♪図書館で『文学界(2022年8月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙のコピーにもある通り、特集「入門書の楽しみ」、創作「絲山秋子・なんだかわからん木」に惹かれてチョイスしたのです。【文学界(2022年8月号)】雑誌、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より雑誌につきデータなし<読む前の大使寸評>表紙のコピーにもある通り、特集「入門書の楽しみ」、創作「絲山秋子・なんだかわからん木」に惹かれてチョイスしたのです。rakuten文学界(2022年8月号)創作「絲山秋子・なんだかわからん木」の冒頭の語り口を、見てみましょう。p56~58 実家の裏庭になんだかわからん木が生えた。気が付いたのは父の7回忌で帰ったときで、腰の高さくらいのひょろっとした木が、我々が帰省したときしか使われない駐車スペースの端に生えていた。「この木、なに」 と聞くと、「なんだかわからん木」 と母は答えた。自然に生えてきたものだという。 法事の後、家族会議が行われた。母は御年82歳、健康だし目も頭もしっかりしているけれど、運転免許はとっくの昔に返納し自転車に乗ることも最近はやめた。かろうじてスマホは持っているけれど使いこなせているとは言い難い。買い物や通院など日々の生活にあるだけでなく本人、家族ともに不安でもある。そろそろ我々四人きょうだいの誰かが同居する必要があるのではないか、このような議題である。 四人ともなぜか揃って独身で、過去のエピソードなどは共有していないものの、結果として灯籠寺の十和島家は我々の代で終わる。 兄は自由人である。ロックバンドのサポートメンバーとしてドラムを叩くこともあるが、それ以外は各地のイベントでかき氷を売ったりクレープやケバブを焼いたりしているようだ。ときどき中南米や南太平洋の国に旅行して意味不明なお土産とともに帰ってくる。住所不定無職というやつである。自由人の「自由」にわたくしは「あてにならない」というルビをふっている。 狐町で大学教員をしている上の弟は40歳を過ぎて和装に凝り出した。仕事のときはスーツを着ていても、休日に出かければ当然学生たちに目撃される。学生からは「まろ」と呼ばれているのだと中途半端に柔らかい表情で言った。まろは7、8年前に1LDKの分譲マンションを買い、ローン返済中である。 母との同居にもっともふさわしいのは、若菰島で駐在をしている下の弟だとわたくしは思っていた。離島勤務は長くても3年なので、遅くても来年には本土に戻ってくる。口下手で風采も上がらない男だが性格は優しくて体力もあり、末っ子で可愛がられてもいたから母を支える男手として申し分ない。 ところが島の人は「早期退職して京都に移住する」と言い出した。これまでの半藤かもしれないが、「文化を浴びるような生活がしたい」というのである。自由人はもちろんのこと、京都に滞在拠点の欲しいまろもこれを熱烈に支持した。そのようなわけで消去法が採用され、わたくしが実家に戻ることになったのである。 申し遅れましたがわたくしは長女の十和島絵衣子。紫苑市で働き、賃貸マンションで一人暮らしをしている。家では「エーコちゃん」だが会社では表向き「所長」である。しかし自分のいないところで「謝罪のAさん」と呼ばれていることもわたくしはよく知っている。仕事の話はまた追々ということで。 酒もタバコもやらないと言えば真面目で健康的だと褒められるかもしれないが、菓子もフルーツもやらないと言って得することはなにもない。いらないと答えれば無粋でつまらないやつだと思われる。事実わたくしは無粋でつまらない女だ。アレルギーではなく好き嫌いの問題なので誰も記憶してくれない。 自由人は「これ、そんなに甘くないから」と湯波温泉で買ってきた饅頭を勧め、まろは「これだったらエーコちゃんでも食べられると思って」と狐町で買ってきたケーキを勧め、島の人は「全然すっぱくないよ」と言って島で採れた激甘フルーツを勧めてくる。 母までもがアイスクリームを取り分けて食べさせようとする。奥歯の根元がヒシヒシと痛むのでアイスなんて風邪で高熱が出たときだけでいいと思っているのだが、いらないと言うと悲しそうな顔になる。親兄弟を悲しませるつもりは毛頭ないのに、なぜ無理に食べさせようとするのか。なぜ必死になるのか。なぜ懇願するのか。ギャンブルをしない人に「一円パチンコなら大して損しないから」と言ってパチンコ屋に連れて行くだろうか。非喫煙者に「これ1ミリのスーパーライトだから」とタバコを薦めるだろうか。否。否。そんなばかな話があるものでしょうか。 このように家族に対しては断固拒絶するのであるが、仕事の打ち合わせ中に歌詞が出てきたときは別である。それはご厚意なのだから、ありがたくいただくしかない。味を感じないように、なるべく噛まずに大きな塊を必死で飲み込めば、気持ちが悪くて額や首筋や胸元に大粒の汗が噴き出してくる。皮膚から滲み出た涙だと思いながら耐えている。 さて、なんだかわからん木の成長は早かった。半年後にはわたくしの背丈を優に越し、マンションを引き払って4月半ばに実家に戻ったときには二階のベランダに迫る高さとなっていた。なんら特徴のない幹にやたらと細い枝を分岐させ、なんら特徴のない葉っぱを茂らせていた。この本も絲山秋子ミニブームに収めるものとします。
2023.01.01
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